このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

付録

Appendix

 

 

 

 

 

 

■毒ガスの広義

 ※注意:高校時代に化学辞典から書き写した物ですが、化学辞典の出版社までメモするのを失念してしまった為、どの出版社かは分かりません。
何方かご存知の方がいらっしゃいましたらお知らせ頂けないでしょうか…?

 広義には生理上有毒な気体を言うが、現在では一般に軍事上使用される気体、エーロゾルを形成し得る液体又は固体の有毒化合物を指し、化学剤とも呼ぶ。第一次世界大戦中ドイツ軍が塩素ガスを用いて効果を上げた後から化学兵器(Chemical Weapon)として開発された。毒ガスの実用上重要な性質は、

1. ガス又は蒸気の比重が空気より大きいこと。
2. 残留時間が適当であること。
3. 貯蔵、水分、酸、アルカリ及び金属等に対し安定であること。

…等がある。

 生理作用から分類すると、

1. 神経ガス。身体内外から吸収され、副交感神経興奮症状、筋痙攣及び麻酔を起こす。タブン(Tabun、ジメチルホスホラミドシアニド酸エチルエステル) C
5H11N2O2P2、サリン(Sarin、イソプロポキシメチルホスリルフルオリド) C4H10O12FP、ソマン(Soman、ピナコールオキシメチルホスホリルフルオリド) C7H16O2F等。
2. 糜爛ガス。皮膚に発赤、水疱を形成し、眼の障害及び吸入により呼吸器系を冒す。マスタードガス(イペリット) (CH
2ClCH2)2S、ルイサイト ClCH=CHAsCl2等。
3. 窒息ガス。呼吸器系を刺激、損傷し肺水腫を起こす。ホスゲン COCl
2、ジホスゲンClCO・OCCl3等。
4. 血液ガス。血液中に吸収され、組織呼吸のオキシターゼ系を冒し呼吸失調を来たす。シアン化水素(青酸) HCN、塩化シアン CNCl等。
5. くしゃみガス(嘔吐ガス)。呼吸器系に強い刺激を与え、特に鼻、眼を刺激し咳と嘔吐に起こす。アダムサイト NH(C
6H4)2AsCl、ジフェニルクロルアルシン (C6H6)2AsCl等。
6. 催涙ガス。一時的に眼を刺激し、流涙と疼痛を起こす。クロロアセトフェノン C
6H6COCH2Cl、クロロピクリン CCl3(NO2)、ブロモベンジルシアニド C6H5CH(CN)Br、クロロベンジマロノニトリル C6H4CH2CCl(CN)等。

 1〜4は殺傷用として、5〜6は擾乱用として使用される。尚、精神擾乱剤又は向精神作用剤を用いた新型無能力剤も開発されている。以上の毒ガスの被災には、ガスの種類及び症状に応じて酸素吸入、人工呼吸を行ったり、ルイサイト解毒剤(BAL)アトロピン、抗生物質を用いたりする。

 

 

 

 

 

>>Back<<

 

 

 

 

 

 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください