このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

01韓国国鉄完全乗車(短絡線・新線)の旅(2)

堤川駅

 2日目は、6時前に早起きして、駅に向かった。朝食の取れる食堂を探したが、開いていなかった。駅の売店でも、朝食の代わりになるような物は売っていなかった。本日最初の列車は、太白線経由の栄州行きトンイル号。最短の中央線を経由すると1時間20分で栄州に到着するところを、約5時間かけて走る。このような遠回りをする列車の乗車券を、終点まで購入するのは難儀する。韓国では鉄道乗車を趣味にする者は少なく、遠回りを理解されない。昔、晋州から蜜陽乗り換えで釜山までの乗車券購入が理解されずに、駅員やまわりの乗客にバスを勧められたことがあった。今回はコレイルパスなるフリー乗車券利用であるので、難儀が避けられる。

 6時35分発車の5分前に改札が始まる。列車は機関車に電源車1両・客車2両・荷物車1両の編成。この列車は大変貴重な列車であり、私の未乗車区間を2カ所も通ってくれる。というより、この列車しかその2カ所を通らない。初めの1カ所は禮美−咸白−鳥洞信号所間で本線から分かれて3㎞ほど遠回りをする。もう1カ所は、太白線から嶺東線に合流する本線部分で、この列車以外はすべて江陵方面の短絡線を走る。太白線に乗車するのは12年ぶりである。ソウルの近郊都市などは、この間にずいぶんと高いビルやアパートが立ち並び、変わったという感覚があるが、この線区の風景はあまり変化がないようである。8時に列車は禮美を出発、すぐに本線から右に分かれていく。10分ほど走って咸白に停車。駅舎の上の方に本線の線路が見える。かつて、向こう側からこちら側を見下ろした記憶がよみがえる。咸白を出ると長いトンネルに入り、鳥洞信号所の手前で運転停車。対岸に貨物列車が走り去ると本線に合流。甑山駅の手前では車窓左下に旌善線が見える。雪の残る太白山脈を列車は走り、東栢山をすぎると、嶺東線に合流。ここの3角形は、他の3角形より規模が小さくて、1辺が数百mしかなかった。

咸白駅

 栄州が近づくにつれて乗客が増え、11時47分に栄州到着。接続がよすぎて50分発の釜田行きトンイル号に乗り継ぐ。朝食を取っていないので空腹ではあるが、駅の立ちうどんを食する時間もない。このトンイル号は、ソウルの清涼里始発の長距離列車であり、結構長い編成である。幸いにも、発車してすぐに海苔巻きの車内販売が来て、飲料水付き3000wonで購入。1時間ほど走って安東に到着。この駅には、13年前に初めて訪れてから何回か下車をしている。駅の近くにバスターミナルがあり、店村や大邱行きバスに乗り換えたことが思い出される。15時が近づき、右側から大邱線も近づいてきて合流し永川停車。この中央線北永川−永川間の本線部分も初めての乗車である。永川15時01分発大邱線トンイル号に乗り換え。このトンイル号は、今までの客車列車ではなくて気動車である。車内は満員であったが、なぜか足を投げ出していた老人から、足を引っ込めて空いた席を譲られる。15時35分に終着東大邱に到着。座り心地の悪いトンイル号の座席から超リクライニングのセマウル号に乗り継ぎ、17時12分に亀浦下車。亀浦からは、伽ヤ線に乗車するつもりであった。駅前の公衆電話から釜山市内のホテルを予約し、喫茶店で時間をつぶして18時29分発の海雲台行き列車を待つ。発車時間が近づいても案内がないので、駅員に尋ねると、日曜祝日は運休とのこと。本日は日曜日であるという、分かりきっていたことをすっかり忘れていた。仕方がないので、18時27分発の列車で釜山へ向かう。釜山の街は、私にとっては不運の街である。5回目の訪韓のときには、初日にしてホテルで有り金をすべて盗られ途方に暮れた。今となっては、韓国の警察署を見学できたりして、思い出となっているが、当日は大いに困った。また別の訪韓時には、最終日に帰国のために金海空港行きのバスに乗ると、道路工事で遅々として進まず、飛行機出発の20分前に空港に到着した。結果的には搭乗することができたが、気が気でなかった。そんなことを思い出しながら地下鉄に乗ると、予約したホテルのある南浦洞方面の地下鉄に乗るつもりが、反対の西面方面向に乗ってしまっていた。

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