このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

「タイ国鉄 北線・サワンカロック線に乗る」3

快速車内

車内はほぼ満席であるが、イライラしているのは私だけのようである。通路を隔てた向こう側には若いお坊さんが、その前には金髪の白人女性が座っている。いや、白人女性は寝ころんでいる。しばらくして車掌が車内改札に来た。「この列車は遅れている。私はサワンカロック行きの列車に乗り換えたい。可能か。不可能か。列車は待っているのか。」時刻表を示しながら英単語を並べる。車掌は分かっているのかいないのか、愛想よく「オーケー」をくり返すばかり。別の車掌が通る度に同じ事をくり返すが、向こうも同じ事をくり返す。サワンカロック行き普通は、ピサヌローク始発で北線から乗り入れるので、ダイヤ全体が乱れていれば乗り換えられるかもしれないと都合よく考えてみる。だから対向列車があるたびに時刻表を見るが、大きく遅れているのはわが列車だけのようである。列車はウタラディットを過ぎて、山間部から平野部に入るが、相変わらず50分遅れている。ついにはサワンカロック行きの発車時刻13時01分を過ぎるが、快速はまだ走っている。ようやく13時33分バンダラ分岐駅に到着するが、普通列車は見当たらない。普通列車も遅れているのかも知れないので下車する。3車両分ほど向こうに駅員が見えたので、大荷物を抱えて走る。「サワンカロック行きは。」と尋ねるが、駅員は「今日はない。」という返事。あわてて、動き始めた列車に飛び乗る。この列車に乗らないと、3時間ほど何もありそうにないバンダラ分岐駅で待たなければならない。息を切らせて元の席に戻ると、周りの注目を浴びる。お坊さんが「ダメだったの」といった感じで声をかけてくれるが、私はタイ語が分からない。金髪白人女性がチラッと軽蔑の目でこちらをにらむ。タイ国鉄が接続などを考えてダイヤを組んでいない事に、薄々は気付いていたが、もっと早く気付くべきだった。仕方がないので、これからどうするかを考える。今夜のピサヌロークと明日のバンコクのホテルは予約してある。これを無駄にしないでサワンカロック線に乗るには、方法は一つしかない。明日の朝、今日よりもっともっと早起きをして、バンコク発の特急にピサヌロークより乗る方法しか。

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