集集線
 

　　二水−源泉−濁水−龍泉−集集−水里−車土呈（以後呈と略）
　 　0.0  　　2.9　 10.8    15.7   　20.0     27.4     29.7 （キロ）

集集線時刻表
集集線運賃表

集集線は西部幹線（縦貫線）二水−車呈間29.7キロを結ぶ支線です。この路線は大正十年台湾電力株式会社が日月潭水力発電所の資材運送のための専用線として開通しました。その後大正十一年より旅客営業を開始し、その後昭和二年四月に台湾総督府が三百七十三万八千円で買収し官営鉄道となりました。

かつては旅客、貨物とも非常に好調でしたが、沿線人口の減少や道路網の発達に伴い業績も落ち込み１９９１年以降は水里駅を除いてその他の駅員のいた駅は無人駅となってしまいました。赤字の問題で廃止も考慮されましたが、沿線の住民、地方自治体の要望によって存続しています。しかし先日の新聞報道によると集集駅を管理している集集鎮公所（町役場）が集集駅の管理業務を中止することを検討しているということです。

現在集集線は１日９往復の列車が運行されており、そのうち上り３本、下り４本が台中まで直通しています。休日は行楽客も多く時間によってはラッシュアワーなみに混雑します。
集集線は二水駅の第二月台に発着します。二水駅を出るとしばらく縦貫線と平行南下して走りその後左にカーブし水田、サトウキビ畑等の間を走ります。線路脇には檳榔樹やバナナの木が多く生えており台湾の支線ではもっとも南国的な雰囲気がある路線です。

二水は濁水渓の豊かな水によって育まれた濁水米の産地として有名ですが、濁水は村落の傍らに濁水渓が流れているために名付けられました。また渓頭へ行く中継地点です。濁水はトウモロコシ、お茶等の産地です。濁水の次の龍泉駅付近で線路は短区間ですが複線になりそのうちの一本は立派なコンクリート製の橋を渡って工場の中に入っていきます。これは「中興二号特種支線」という軍事用の支線で工場は軍事工場です。

集集駅には日本時代に建てられた檜造りの駅舎が残っています。また休日には駅前に多くの屋台が出て賑わうために乗降する行楽客も多いです。濁水−龍泉間で集集線の線路と平行に走る道路の脇には4.5キロにわたって樹齢百年以上の樟樹の並木が続き「緑色隧道」として非常に有名で集集線と聞くとこの風景を思い浮かべる人がとても多いです。この緑色隧道のあたりでは多くの行楽客が集集線の列車を背景にして写真を撮っているのをよく見かけます。

水里は日月潭への玄関口でほとんどの行楽客はほとんどこの駅で下車します。水里は二坪冰棒（枝仔冰）というアイスキャンディーが有名で、駅の売店、付近の商店で購入することができます。このアイスキャンディーの由来は水里の近くにある二坪山の発電所の職員用の売店が電気代が無料なので安い価格で職員に販売したのが広まったと、子供の頃、この近くで育った友人に聞きました。水里駅の売店で売っている枝仔冰でも台北で食べるものよりも安くて美味しいのですが、その友人に言わせると子供の頃にいつも発電所で買っていたのに較べると美味しくないとのことでした。また水里駅の右側には日本風の建築の喫茶店があるので列車の待ち時間によく利用します。水里の次は車呈で集集線の終点ですが今では無人駅となってしまいました。駅の構内にはたくさんの引き込み線がありかつてのにぎやかだった頃を偲ぶことができます。

6月27日に集集線に乗りに行った時、二水10時４分発の集集線に乗るために松山５時４９分発の復興号（山線経由）で行くか松山５時１８分発平快車（海線経由）のどちらに乗るか迷ったのですが（普段なら迷うことなく平快車に乗ります）、間もなく山線の一部ルートが換わることと、復興号の方が二水に早く付くため（復興号は二水10時１分発、平快は10時５分発）、復興号に乗りました。しかし復興号は遅れてしまい、10時10分頃二水に着きました。あとから来るはずの平快車はすでに普段復興号が停車する第二月台Ａで復興号を待っており、復興号が止まったのは集集線が発着する第二月台Ｂでした。集集線に乗り換えようとしていた人たちは駅員がホームにいなかったのでホームにいた鉄道警察隊の警官に10時４分発はどうなったのか質問していました。警官は「出た」と答えると一人のおばさんが「台北駅で聞いたら遅れても待っていてくれると言っていた」と文句を言っていましたが、警官は「ホームが足りないからしょうがない」と言っていました。次の列車までは２時間近くもあり、結局みんなバスに乗って行ってしまい、２時間待ったのは私たち２人だけでした。

集集線時刻表

集集線運賃表

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