このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

   

ミズリナグリーンのトヨタクラウン

クラウンのタクシー色として知られる#606ミズリナグリーン。
一般の市販車に塗られることはなく、しかし歴代のクラウンには
なぜか必ず設定され続けてきた謎の色。

トミカでの製品化でスポットが当たったこともあり、あらためて取り上げてみます。


トミカリミテッドビンテージでミズリナグリーンの
50クラウンが出る、という知らせを聞き、
余りにも楽しみだったので、発売前に手持ちの
前期50を塗装してみました。

Mr.カラー[74]エアスペリオリティブルー
レベルカラー[6]グリーン(笑)
Mr.カラー[65]インディーブルーをごく少量

という混色ですが、もうちょっと濁らせても良かったか?
【実車用の配合
800ハイコンクホワイト
177ファストグリーン
201オーカー
231チンチングブラック
102インディアンレッド

【参考】昭和の扇風機
塗装は剥離せずパー吹き、クリアも研ぎ出しもナシ。
最近エアブラシの調子がイイのか綺麗に塗れました。

黒く塗ったトミカホイールに輪切りにした3mmの
プラ棒を貼り付けてお椀キャップが完成。

今回のコンセプトは「極力手を抜く」ということで、
アッサリ仕上げました。
カタログに見るミズリナグリーンのクラウン
1978年 クラウンLS100


KATOのNミニカーでおなじみの100系スタンダード。

いい色です。

1979年 クラウンLS110

ボディスタイルが変わってもボディ色は
もちろん同じ。ハーフキャップも変わりません。

フェンダーミラーはタルボ型に進化。

印刷物ですら、すでに色が違って見えます。
なんて難しい色なんでしょうか。

1991年 クラウンGS130


130クラウンのフルラインカタログは
白いボディ色で掲載。

ミズリナグリーンの設定があるのは
スーパーデラックス、デラックス、スタンダードの
下位3グレード。

伝統の#103ウッドミストグレーも
同じく低グレード専用色となります。

1955年 トヨペットクラウンRS

似た色は観音開きの初代クラウンから
採用されているが、色名の裏づけは取れていません。

今のところ、二代目のMS40/RS40/RS40-Pの、
スタンダード3種で既にミズリナグリーンと
ウッドミストグレーの2色が確認できています。
(1966年3月現在の資料による)

初期のクラウンでもDXグレードのRS31やRS41には
設定されておらず、当初からスタンダード専用色のようです。


【ミズリナグリーンの語源を考える】

海外サイトで販売されている補修用塗料を見ると、ミズリナはmissourinaと英語表記するようです。
お得意の造語のようですが、イタリア北部にあるミズリナ湖(Lago Misurina)と関連を感じなくもない名前。
が…ミズリナ湖の水面は蔵王の火口湖ように緑色っぽいワケではありませんでした。

あるいは、アメリカのミズーリ州(Missouri)にイタリア語の縮小語尾-inaを
つけたもの、となると、「ちっちゃいミズーリ」あるいは「ミズーリちゃん」といったところでしょうか。

いずれにしろ、名前からルーツを掘り下げるのは難しいようです。

現代のミズリナグリーン
ミズリナグリーンのトヨタコンフォート。

2012年4月現在、設定色はスーパーホワイトII〈#040〉
とブラック〈#202〉のみのようですが、従来と同じく
ミズリナグリーンのクルマを見かけます。

日差しが強い日の写真のため、随分鮮やかに見えます。

ラッカーからウレタン、そして水性ペイントへと
自動車用塗料が大きく変わってゆく中で、
昭和を感じるこの色が今も現役なのは
なんだか嬉しいものがあります。

ミズリナグリーンと混同されがちな色
こちらはミズリナグリーンではありません。
関西の個人タクシー指定色、“アイスランドグリーン”。

この色については 330セドリックのページ でも触れました。

国鉄色で言えば
ミズリナグリーン=灰緑色3号(国電の運転台の色)
常磐線の青緑1号では明るすぎる?

アイスランドグリーン=淡緑6号(グリーン車の帯の色)
ぐらいのイメージです。

京都駅で見つけたギャランΣのタクシー(2008年)

これもアイスランドグリーンです。
京都駅でみかけたマツダルーチェのタクシー(2006年)

なんだ「アイスグリーン珍車TAXIコーナー」になりつつありますね。

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