このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
150型について |
'65.12 | H50型“セドリック スペシャル”(2800cc)の後継、本格的な大型車として150型プレジデント登場。150型(3000cc直6)とH150型(4000ccV8)の2種。 登場時は白ハンドル。その後すぐ黒になる模様。 全長はアメリカのミディアムコンパクト(ビュイック・スペシャル、シボレーシェベル、フォードフェアレーン)に匹敵、全幅は国情に合わせてコンパクトカークラス(シボレーコルベア、シェビーII、フォードファルコン)に相当した。 | |
'71.10 | マイナーチェンジ。 ボルグワーナーATから自社製に変更。フェンダーミラー形状変更。 ボンネットの左右端部の見切り用飾りも形状変更。 V8モデルに 日本車初のABSシステム 搭載 | |
'73.8 | 250型にマイナーチェンジ。 |
TECHNOLOGY
プレジデントは乗用車の輸入自由化が行われたなかで、外国製の大型車に対抗する狙いを持って開発されました。そのため、数々の新機構を盛り込んでいます。その後の標準となった装備が多いのは流石です。 |
・EL照明インストルメント・パネル 「従来の点光源(ランプ)、線光源(蛍光灯)に次ぐ第三の光源」として、近年になって脚光を浴びつつある面発光体(EL照明)を各種メーター、時計、ラジオに採用。文字盤は緑色、指針は赤の発光色で、スイッチで輝度の調整が可能。 発光体の寿命により、残念ながら今残っているものは照度が低い。 |
・パワーステアリング ボールナット循環式のステアリング機構にリンケージ式のパワーステアリングを採用。ベンディックス社の設計を改良したもの。 ライバルのクラウンエイトも65年のマイナーチェンジでパワステを追加している。 |
・常時開放式のリヤクオーターベンチレーター この頃の車内換気といえば前後の三角窓が主流だったが、カウルトップから導入してCピラーの根元から排気する方式をいち早く採用。ドア開閉時の不快な圧力変化を防止している。前後扉の三角窓も開閉可能でD仕様は電動式。 |
・熱線封入式の曇り止めガラス 現代では半ば常識のリヤウィンドウの曇り止めだが、この頃はロールスロイスやベンツ600あたりにしかない高級装備だったとのこと。 |
・プリズム式の防幻(アンチダズル)ミラー こちらも今では常識となった、昼夜切り替え式のルームミラー。後続車のライトのまぶしさから運転者を保護する装備。 |
そのほか、一台一台走行テストを行い、慣らし運転を済ませてから納車するなど、日産の最高級車としての誇りに満ちた一台。 |
マイナーチェンジ後のH150プレジデント。
全長5.0m、全幅1.8mの伸び伸びとしたスタイリング。 のち250型へのマイナーチェンジ時に全長(主にトランク)235mm、全幅35mm拡大されるが、バランス良く引き伸ばしているために250型を見慣れた眼にも違和感はありません。 | ||
後姿はテールライトがちょっとロンパリ気味。250型に比べテールライトが小さく、その分ボディが大きく見えるため独特の風格が感じられます。 マフラーが左右に2本出ているのはV8モデルの証。直6モデルは左側の1本出しです。 | ||
表情は地味め。5ナンバー車を見慣れた眼には、やたら幅が広く見えます。 ボンネット左先端のエンブレムはsovereign V8Eとなっていますが、これは252型(角四灯)のトランク用のエンブレムを貼っているようです。グリルのV8バッジはオリジナルのもの。 | ||
60年代のアメリカ車に倣った横長のスピードメーター(通称ラジオメーター)のシンプルなインパネ。初期型はホーンリング付きのハンドルになります。 250型へのマイナーチェンジ時もほぼ変わらず、その後252型へのマイナーチェンジの際に全面的にインパネのデザインが変更されます。 | ||
【参考】 1980 President Sovereign内装 150型と250型のインパネデザインは基本的に同じですが、木目や革シートによって絶妙に70年代的なゴージャス感を出していることがわかります。 「いい車だな」「10年経てば車も変わるわ…」(特捜最前線) | ||
カタログの2面図より、150型と250型の違いを示す。 150型は丸っこく、250型は四角いイメージだが、ホイールベースや車室部分のサイズは変わらず、オーバーハングが長くなっているのがわかる。キャビンの内寸は幅1,510mmで変わらず 全幅の1,795mmから1,830mmへの拡幅はフェンダーアーチやサイドモール、バンパーなどの変更によるようだ。 |
半球状の独特なフェンダーミラーはオリジナルです。初期のリンケージ式リモコンミラー。 足の短い独特の形状はボディラインとの調和を狙ったもので、結構後ろの方についています。 今や懐かしさを覚える50'sカスタムです。60年代のアメ車を範としたマジメデザインなので、こういった方向性にはちょっと違和感があるような。余計なお世話ですね。 | ||
ピンボケながら、ホーンリング付きのステアリング。上記個体とは違う車の内装で、上級グレードがホーンパッド付き、下級グレードがリング付きの時代のものです。 赤内装が艶やかです。 |
参考サイト
GAZOO名車館
1965年 ニッサン プレジデントDタイプ
1971年 ニッサン プレジデントDタイプ
当サイト内
トミカの250プレジデント
子供の頃に読んでいた絵本の表紙が150プレジのパトカーでした。大排気量を生かしてハイウェイパトカーとして活躍したのは事実のようです。今で言うところのシーマⅢのパトカーみたいな感じでしょう。 「絵本に見る150型プレジデント」 へ 6気筒3000ccのエンジンは当時盛んだったストックカーレースでは、セドやクラウンにスワップされて盛んに使われたようです。 | ||
こちらが、ハイウェイパトロールとして活躍したプレジデントです。 偶然にも、絵本と同じナンバー「品川8 た 19−28」です。 バンパーに増設されたオーバーライダー、補助灯、赤色灯、警音機や、 屋根上に2つ並んだ赤色灯など、絵本が実車を参考にしていた事がよく判ります。 「モーターファン1969年2月号」より | ||
もう一台、別のプレジデントパトカーです。 屋根上の大型回転灯、フロントの点滅灯、ボンネットの虫よけ板などが確認できます。所属は神奈川県警厚木分駐隊とのこと。ナンバーは、「横浜8 つ 11-41」と読めます。 他に、センチュリーも配属されているとの事。ミニカーだけのフィクションかと思っていました。 「日刊自動車新聞社 新車アルバム 1970国産車特集」より |
プレジデント用のエンジンを積んだクラウンハードトップ。ソレックス3連です。 国産エンジンと言うカテゴリー枠の中で、このH30をはじめフェアレディ2000のU20型、センチュリーの3V型(V8 3000cc)までスワップされ使われたようですが、H30型搭載車が良い成績を残しています。 加工ワイドホイールやフェンダーミラーなども興味深いところです。 | ||
71年ストックカー富士300キロに出走した「東日本フェリーセドリック」は、この年からのレギュレーション変更によりプリムス・スーパーバード風の大型リヤウイングを装着。 しかし、スポンサーがいちいち興味深い。垂直尾翼には「日本最大カラーボール252レーン」と当時流行ったボーリングの宣伝が…。ゼッケンは斜体に影文字で「らしい」感じです。 【AUTO SPORT 1971-5付録 4th TOKYO RACINGCAR SHOWより】 | ||
このクラウンなんてロータリー&スーパーチャージャーですよ奥さん。ボディには「環八東名入口 サン自動車グループ」の文字が読めます。やはり日本語だと看板を背負って走っている感じが抜けませんが、なんだか新鮮です。 わざわざ台に乗ってるのは「下から見て」という意味でしょう。 タイヤはこちらも鉄チン加工のワイドホイールにスリックタイヤ。車高もずいぶん低いですね。 【AUTO SPORT 1971-5付録 4th TOKYO RACINGCAR SHOWより】 |
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