Kenbou Art Laboratories
鉄分研究室
幼稚園の頃のスケッチブックには、蒸気機関車の絵が多く描かれていた。
描かれた蒸気機関車の形式はC62である。それも、除煙板にツバメマークを掲げてい
るやつである。
普通、蒸気機関車というとD51が有名だが、僕はシロクニが好きだった。今でも一番
好きである。
その時、大人になったらなりたかったものは、蒸気機関車の機関士だった。その蒸
気機関車も、僕が小学校に入る前に国鉄線上から煙を上げなくなってしまった。一
部を残して…。
鉄道から遠ざかって久しいある日、あるお得意様の担当者が鉄道マニアで、打ち合
わせ中に「小学校の時、模型やってた、中学の時は友達と何度か駅へ写真撮りに行
った。」だとか、「そう、僕は蒸気が好きで、高校の時、はつかりの模型を作ろう
とし、途中になってるんですよねー。」なぁんて話してた時に、そのお得意さんが
一言、「是非、はつかり完成させてくださいよ。」と。
去年の夏、('02)僕にとって3回目の模型運転会に参加した。
一番最初誘われた時は、小3のとき買った電気機関車1両と、貨車20両、気動車1両だ
った。誘ってくれた方々の規模から比べれば、1/800程度であった。
しかし、今回は蒸気で溢れていた、そう、小学校の時、本でよく見た蒸気機関車が
模型となって目の前にあるのである。
除煙板に燕マークを掲げた機関車が赤いヘッドマークを掲げ20系の先頭を走ってい
る。本来ならありえない事なのだが。
他の参加者の最新式の電車と比べると違和感があるが、幼稚園・小学校の時見てい
た光景が、目の前に広がっているのである。
僕にとって、Miniが青春なら蒸気機関車は僕の夢だったんだなと、つくづく思っ
た。
KAL
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