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google からの検索すると、私のサイトのいくつかのページで、検索のトップページに引っ掛ってしまったものが相当数あるようで、少々焦っています。  (・.・;)
本ページはもちろん、サイト自体が単なる”戯言”です。 内容については実際に自分で使って試したものにこだわり、憶測や他サイトからの受け売りを極力排除したつもりですが、代わりに私個人の主観で作成していますので内容の正確性・妥当性に欠けるところが多々あると思われます。 
もし、google の検索から直接おいで頂いた方々は、 こちらから 親ページへ、あるいは トップページ へ移動して頂けますよう、お願いいたします。  m(__)m

○どんな双眼鏡がいいか  (星見主体で・・・) 

 一般的には、各種収差が無く、明るく、欠点の無い物がいいように思われている、と思う。
 しかしそんなものは宝くじが当らないと買えないほど高価、私のような素人の初心者が使う場合、これら完全無欠に近いものより、多少は欠点が残っているものの方が使い易い場合もある、と痩せ我慢するのが身分相応。
 で、私の経験上の選択は・・・。


①色収差などが完全に補正されていてシャープなものの方が本当に使い易いか?
頻繁に眺めていて星の配置もイメージが湧いてくる辺りを眺めるにはニコンSEやビクセン・アルティマなど、シャープで星が点像に収束するものを使いたい。当然、”○”
しかし星図を頼りに初めての星々を探すような場合、多少は収差が残っているモナークなどの方が、ガイドとなる星座の明るい星が大きく見えるので、私には使い易く思われる。

 シャープなもの
   Nikon 12X50SE、Vixen アルティマ 7X50、勝間 7X50 など。 (持っていないけど、Nikon SP、フジノン FMT などは星見の定番。 使ってはみたいけど、財布が・・・もうダメだと・・・)
 星を探しやすい物
   Nikon モナーク(Xなし)など、各社25〜35千円程度の中堅ダハ機種は、ほぼ該当。
 Nikon モナークX 8.5X45 はこの中間の印象。、

②ひとみ径の大きな明るいものが本当にいいか?

これは私の場合、”?” 
通常、ひとみ径の有効な最大値は、人の瞳が暗闇の中で開く大きさの7mmとされ、このひとみ径が7mmとなる 7X50の双眼鏡が星見の定番と言われており、確かに光害が無く、真っ暗な中で天の川が見えるような場所では正しい。
しかし私の自宅のように市街地からの光害のあるところでは、ひとみ径7mmの双眼鏡では背景まで薄明るくなってしまうので、極限等級に近い薄暗い星々はその背景の中に紛れて見づらくなってしまう。 
こんな時、ひとみ径がもう少し小さい双眼鏡なら背景まで明るくなりすぎず暗い星が浮き上がってきたりするので、口径40〜50mm 程度で、ひとみ径3〜5mm程度のものの稼働率が高い。
しかし小さくても良いと言う訳ではなく、昼間用途に限定しても最低で2.5は無いと実用には向かないと思われる。

 暗い場所で使う7X50
   アルティマ 7X50、勝間 7X50 など。 (持っていないけど、星見の定番と言われる Nikon SP、フジノン FMT などの 7 x 50 も、ひとみ径7mm。)
 口径が大きく、ひとみ径 3〜5mmのもの
   Nikon SE 12X50(4.2mm)、モナークX、8.5X45(5.3mm)など

③視界は広い方がいいのか?

これは私の場合、”○”。
目的にもよるが、星座を頼りに目的の星を探すような場合、視界(実視界)が狭いと星座を構成する隣の星が視界に収まらず、探している間に迷子になってしまう。
こんな時、実視界の広い物(目安として8度以上)であれば基準とした星を視界に残したまま隣の星を探せるのでかなり楽。 

この目的として
  Nikon30EⅡ(実視界 8.8度)、Vixen アルティマ 8X32 ( 8.3度)、ニューフォレスタ 8X32( 8.0度)、勝間 6X30( 8.5度)、KOWA YF30-6 ( 8.0 度)、極め付けはワイドビノ28 ( 28度) など。 
ちなみに星見定番と言われる機種では、
  Nikon 7x50 SP (7.3度)、フジノン 7x50 FMT ( 7.5度) などと、8mm には届かないが、倍率は7倍と控えめ(ひとみ径7mmを確保するため倍率7倍になったのかも)で実視界はかなり広い。
更に倍率10倍となると、
  10x50 FMT で 6.5度、Vixen ニューフォレスタ でも10倍機だと 32mm、40mm sとも 6.5度で、観察用途にはいいが、星を探す用途には やや物足りない。 
※実視界8度の双眼鏡と、6度の双眼鏡では視界の広さ(面積)は倍近く(1.8倍)違うので、目標を視界に入れるのが随分と楽になる。
④倍率は高い方がいいのか?
これも”?”で、目的による。
手持ちで使用する双眼鏡に常識を越えた高倍率は百害あって一利なし。 高くとも10倍まででないと手ブレでイライラする。
私の使用している最大倍率は Nikon 12X50SE の12倍だけど、常時、三脚アダプターは付けっぱなし。
高倍率(とは言っても10〜12倍) のメリットは星が大きく見える訳ではないけど(月などは大きく見える)、星と星の間隔は広がって見えるので二重星や小さな星団を眺めたりするには有利だし、
一方、低倍率機は視界が広いので視界の中で賑やかに星が見え、大きめの星団を眺めるには気分がいい。 
一般的に同じシリーズの機種なら低倍率の方が実視界は広く、高倍率では狭くなる。 
新しく買う時だけでなく、双眼鏡1台しか持って行けないような場合(普通は1台しか持ってかないだろって? そう、君は正しい!)では、観測目的で倍率高めを優先するか、安定して眺め易く実視界の広い低倍率側を選ぶか悩ましいところではある。 

⑤口径は大きいほどいいのか?

基本的には”○”。
しっかり観察したいなら40mm以上欲しいところだが、当然、大きく重くなる。 倍率10倍とするなら口径も40mmクラスが望ましい。
気軽に星空を楽しむなら30mmあれば十分楽しめる。 30mmクラスなら6〜8倍の低倍率が無難だが、10倍でも悪い訳ではない。
また、20〜25mmクラスでも無いよりははるかにいい。

⑥周辺までシャープでないといけないか。

いろいろなサイトで、よく”周辺部が良くない”とのコメントもあるが、三脚で固定して使う場合は別として、手持ちで使うなら、基本的には中心部50%ほどがシャープなら十分と思う。
手持ちでわざわざ視界の周辺部を眺める事など無いので、私には絶対条件ではない。 
しかし 周辺部まで崩れない双眼鏡の方がたしかに気分良く眺められ、また疲れにくいのは確かだ。 
Nikon 30EⅡ など、広視界で、かつ周辺部の崩れも気にならないのでお気に入りの1台。
また、③で書いたように星座を追いかける場合には周辺視界があまり悪くても困るけど、各社25〜35千円程度の中堅機種なら”周辺部が良くない”とされていても、極端に悪いものは無いと思う。

ただし、数千円〜1万円程度までの入門クラス双眼鏡には首を傾げたくなるものもあるので可能な限り店頭チェックするのが吉。

⑦視界の湾曲や歪曲収差などの歪みがある双眼鏡はダメ双眼鏡かは?

極力少ない方がいいのは間違いないが、私の使っている双眼鏡では、程度の差はあるものの多少はこれらの収差を感じる。 
湾曲収差(視界の中心部でピントを合わせても周辺部てせはビントがずれている現象で、当然ながら周辺部にピントを合わせると中心部がボケる。
 周辺部がよくない、と評価される双眼鏡の多くは、この湾曲収差によるものも多い。 まあ湾曲収差は多少あっても中心部50%が良ければ私には気にならない。
また歪曲収差とは像が糸巻き型に細ったり、樽型に太ったりする収差で、周辺にいくに従って直線が直線に見えなくなってくる。
 しかし、この収差がひどいと双眼鏡を左右に振ると視界がフニャフニャ揺れて酔いそうな気分になる。 

これらの収差は店頭でも容易に確認できるので、その程度が自分の中で許容範囲かどうか、購入前にぜひ確かめておきたい。 

⑧アイレリーフは長いほどいいか?

個人的には、かなり”?”
たしかにアイレリーフが長いと眼鏡をしたままでも視界全部を見渡せるが、短いと眼鏡を外さないと周辺まで見渡す事ができない。
しかしアイレリーフが適当であれば、見口を眼窩に押し当てた安定した状態で、視界がひとつの◯に見えるが、長すぎる双眼鏡の場合、いくら目幅を調整しても左右の◯い視界がひとつに重ならないので見辛くなる。 仕方なく、見口を目から浮かせて覗く事になり、安定性でも不利だし、目と見口の間から光が入って見辛い(コントラストが下がる)。

これはカタログの数値データではわからないし、他人の評価を鵜呑みにして信じるは間違いの元。  実際に覗いてみるしかない。 
いくら高価・高性能な双眼鏡でもこれが合わないと落ち着かないし、多少性能は劣っても、これがうまく合えば使い易い双眼鏡となる。 
(特に星見の場合、目から浮かせないと視界がひとつに重ならな双眼鏡は、いくら高性能なものでも横から光が入ったらコントラストが悪化し、かなり見辛くなる。)

⑨ズーム双眼鏡は使えるか?

少なくとも口径30mm以下のコンパクトズーム双眼鏡は ”×××××”。  
実際に星見で使った事は無いが、ホームセンターに並んだコンパクトズームを片っ端から眺めてみたものの、どれも視界が暗く、コントラストも低く、薄暗い辺りの様子がまるで見えない、更に視界が狭い、手ブレする・・・と二重苦、三重苦で星見にはまったく不向き。  

50mmクラスでは? 実戦で使った事はないので ”?”。
Vixen アルティマ 9〜22X50 は、カタログスペックでも実視界4.6〜2.8度、ひとみ径 5.6〜2.3mm とあり、店頭で覗いた印象は、”使える場面もあるかもしれない” 程度には期待できる可能性はあるかもしれないが、やはり実際に使った事が無いので、想像のコメントは控えておく。  ただし三脚固定必須と思われる。 

⑩EDやフローライトは必要か?

予算に余裕があればどうぞ。 私自身、”欲しい事は欲しいけど、絶対的な必要性はない”、と手を出していないが、本当の理由は経済的理由。 なにしろ、高価。 
(最新(2013.5 現在)のニコンサイトを見ると、モナーク 5、8 がEDを採用しているらしい。 非常に興味あるところだが、41〜58千円。 
 ニコンのEDGシリーズや、Vixen のアルテスシリーズと比べればお買い得感はあるが、今のところ財政的に余裕なし。 ) 
⑪防水は必要か?
星見に限定すれば雨の降る時には使わないので、必須では無い。 (追記: つい屋外に置き忘れたり、夜露に晒されたりするので防水はあった方が、よりいいには違いない。)
昼間も使うなら防水仕様であるに越したことはないが、防水にこだわるなら窒素封入タイプかどうかを確かめる方がいい。

私の場合、特に意識した訳ではないがダハの双眼鏡は全て防水仕様。(最近の中堅ダハ機はほとんど防水仕様。)
ポロのうち光学性能を優先して入手したNikonSE、30EⅡ、Vixen アルティマなどは非防水。 しかし低価格の普及機 KOWA YF30-6 は防水。 
そして勝間光学の 7X50、6x30 はMILスペックの完全防塵防水。 (さぁ、矢でも鉄砲でも持ってこい! あたしゃ逃げるけど・・・。)

⑫カタログスペックで判断する時の基準は? (ただし、現行機種の場合。 旧型機ではこれらのスペックは満たさなくても、良く見えるものはたくさんある。)

 (1).最初に確かめるのはプリズムの材質。 

Bk7 はコストを抑えた入門機。
Bak4 なら他の部分にも相応のコストをかけた中堅以上の機種と考えていい。  Sk15 などは更に高級品らしいが持っていないので評価無し。

 (2).次にコーティング。

コーティングもレンズへのコーティングとプリズムへのコーティングとを考える必要がある。
a.レンズへのコーティング(ポロ・ダハ共通)
 良いのは マルチコート>マゼンタコート>コーティングなし>赤目・金目コート。
 ただし”マルチコート”と記載されていても、対物レンズの表面だけがマルチコート、あとは良くてマゼンタ、ものによってはコーティングなし、なんて代物も多数存在する。
 カタログスペックで確かめるなら、全レンズにマルチコートを施して有れば中堅機種としての資格有。
 ※例外的に勝間製のように、鏡筒内側のレンズは全てマルチコートでも、外側面だけはマゼンタコート、という物も存在するが、これは艦船や軍用として酷使するのが前提なので、露出している面をマルチコートより強い(物理的強度の強い)マゼンタコートにしているとの事であり(勝間光学の回答)、目立つ表面だけマルチコートしただけの普及品とは全く別物。

b.ポロ型プリズムへのコーティング
 通常、コーティングしていない事は明記されないが、コーティングしてあれば誇らしげに明記されている。
 個人的にはコーティングが無くて透過率が下がって多少暗くなったとしても構わないと思うが、コーティングの無い面で反射してしまった光が悪さ(フレアが出たりしてコントラストが下がる)する事が 考えられるので、初めから普及機種と割り切っている場合を除き、プリズムコートは必要、とこだわっている。
 (一部高級品は、プリズムへのコーティングなどしてあるのが当然、と明記の無いものもあるが・・・)

c.ダハ型プリズムのうち、ダハ面へのコーティング(位相差コート)
 屋根型のダハプリズムでの反射時に起こる位相差を補正するコーティングで、これが施されていないと解像度やコントラストが下がる。 
 最近の中堅以上の機種にはほとんど施されている。 新型でこれが無ければ普及品。 
 ただしコントラストが下がるとは言っても見比べてわかる程度なので、旧設計で位相差コートは無くとも全面マルチコートされた中堅機種がアウトレット価格で出ていたりしたらお買い得! 

d.ダハ型プリズムのうち、全反射できない面へのコーティング(高反射コート、増反射コート・・・など)
 通常のダハプリズムには1面だけ、全反射できない面がある(ツァイス製の一部では全て全反射できるよう設計されたものもあるらしい)ので、その面も100%近く反射できるように施すコーティング。
 これが施されているのは中堅機種でも上等の部類に属し、これも施されていれば誇らしげに記載されている。
 (しかしVixen のアルピナなど、初めから高反射コートしてあってもカタログには何も書いていなかったものもあったが・・・。)
⑬視界の色づき
かなりの高級品でも視界が僅かに黄色く色づいて見えるものがある。 鳥見などで色にこだわる人には大きな要素だが、星見に関しては実用上大きな障害にはならないように思う。 
しかし赤目像眼鏡などはもってのほかで、百害あって一利なしの見本。 当然、この欄の対象外。 

※整理

長い間、第一線で使える中堅実用機として選択するなら、全てのレンズ面にマルチコートが施されており(外面だけマゼンタコート、無い面は全てマルチコートの勝間を含む)、
更にポロ機ではプリズム面にもマルチコート、 ダハ機なら、位相差コートと全反射コートがあれば最低限度の中堅実用仕様を備えており、性能も一定以上の水準にあると思う。
実際、これらのスペックが備わっており、かつ①〜⑧の目的に沿った仕様であればどれを選んでも大きく外れる事はない。

 しかし①〜⑧の各項目でも想像できるように、お星様相手の場合、どんな高価な双眼鏡でも全ての場面で最高なものは存在せず、たとえ20万円超の欧州製双眼鏡でも実視界の広さに関してはワイドビノ28に遠く及ばず、明るい星が大きく見える初心者向け利便性に関しては、その高性能が災い?してモナークに及ばない。(かなり強引な理由づけかも・・・m(__)m )
 逆に、①〜⑧の目的にマッチさえしていれば⑫のカタログスペックは満たなくとも、その人の用途において十分に実戦で使える双眼鏡となる。

・・・と、ここまで小難しい事を書いたが、目的別に双眼鏡を揃えるなど普通は無理・・・というより世間一般ではアホの世界。
じゃ、一台で何にでも使いたい場合には・・・?

簡単です。 ①〜⑧は読み飛ばし、⑨のズーム機は切り捨て、⑪の防水は多少気にして、⑩は金さえあればご自由に、まあ普通は縁の無いものとしてスル—して、カタログスペック⑫はそこそこ参考に。
で、選んだのは・・・口径30〜38mm程度、倍率7〜8倍、高くとも10倍まで。
ここまでの条件で、価格は2.5万から3.5万程度(アルティマのように1万円台でも良いものはあるが・・・)、どれを選ぶかは実際に試した使い勝手と、重さ、そして見た目も大事な条件。

何? これじゃ全然絞れないって? 
いいんです。 これらが満足できていなくとも昼間使うかぎりにおいては大差は無いです。 1万円以下でも良質なものはたくさんあります。 
差が出てくるのは薄暗くなってからで、星見や夕方・夜間の動物生態観察などに使う場合。  
まあ、最初に選ぶお薦めは、安価で仕様に無理の無い良心的なもの (私のサイトの中ではVixen ジョイフルなど/ただし、ズームはお薦めしません。) を選び、鳥見に、景色に、コンサートに、と使い倒してください。
低価格機でもそれで満足できていれば買い替える必要などありません。
しかしそのうち、こういう目的でもっとよく見える双眼鏡を、と使用目的が定まれば欲しい性能もはっきりし、最適の双眼鏡が選べるはず。  
(ただしコンパクトのズーム、高倍率、赤目には手を出さないように・・・) 

と言う事で、結局、初心者には小難しい事が書かれているだけで、ベテランには既に承知の事柄、結局、何の役にもたたないページでした。 m(__)m  

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