ワイドビノ28、 知っている人は知っているけど、知らない人は全く知らない、倍率は僅か2.3倍だが実視野28度の、マニアックの極致をいく双眼鏡!
こんな仕様で何に使えるの、って? まあ、バーードウォッチングには持っていくだけ無駄でしょう。 星見です、星見。 それも星座を眺める専用機。
肉眼で見える星々が更に1〜2等暗い星まで浮かび上がってくる(星の数では3〜5倍)くるので、断片的にしか見えなかった星座も全体が浮かび上がってくる!!
(けど、過度の期待はしないでください。 少しでも良く見えたらそれで喜べる人限定にだけお薦めです。 )
そして最近、これに刺激されたのか、Vixen から同じ用途の SG2.1x42 という代物が店頭に現れた!
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まずは仕様から... |
ワイドビノ28 | Vixen SG2.1x42 | | | ワイドビノ28 | 【キャッチコピー】
「肉眼以上、双眼鏡未満!!」
| 対物レンズ直径 | 40 mm | 倍率 | 2.3 倍 | 実視野 | 28゜ | 最大寸法 | 123mm×43mm×50mm | 重量 | 290 g | 合焦機構 | IF |
| Vixen SG2.1x42 | 【キャッチコピー】
「低倍率で広範囲を見渡せる、星座観察用双眼鏡」
※1:実視界アイポイント8.4mmでの値。
| 対物レンズ直径 | 42 mm | 倍率 | 2.1 倍 | 実視界 | 12.2 ゜ ※1 | 最大寸法 | 128mm×46mm×54mm | 重量 | 410 g | 合焦機構 | IF |
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2.1 倍とか、2.3 倍とかの双眼鏡なんて何に使うの?
実際に遠いところにいる鳥なんかを眺めてみても、肉眼でゴマ粒にしか見えないものは米粒程にも大きくは見えない。
しかしこれで夜空を眺めてみると・・・40mm とか 42mm とか、大きなレンズで微かな光を集めてくれるので、1等〜2等級ほど暗い星まで浮かび上がってくる。
僅か1等級、2等級と馬鹿にしちゃぁいけない!
4等級までの星は全天で 988個しかないが、5等級までだと 3,000個ほど、6等級までだと 8,600個ほどの星があるので、僅か+1等級だけでm3倍の星が、+2等級では8倍の星が見えてくる!
更に視界が広いので、かなり大きな星座もその視界に収まってくれる。 (私の目(裸眼)でオリオン座がちょうど収まる! ・・・ 注:眼鏡使用では視界はかなり狭まってしまう。 )
つまり広い視界の中で暗い星まで浮かび上がってくるので、星座を観察するには最適で、これがこの双眼鏡を使う最大のメリット!
ちなみに、Widebino28 のキャッチコピーは、「肉眼以上、双眼鏡未満!!」 、 Vixen SG2.1x42 のキャッチコピーは「星座観察用双眼鏡」
まあ、これらのキャッチコピー以上でもなく、以下でもない、かなりマニアックな双眼鏡ではある。
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外観 |
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対物レンズ側から見たところ。 口径の大きい方(上・左)が Vixen SG2.1x42、口径の僅かに小さい方(下・右)が Widebino28(笠井トレーディングの復刻改良バージョン)
両者ともレンズは前面マルチコートで落ち着いた反射光となっている。
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接眼側から見たところ。
Vixen SG2.1x42 の方が、かなり大きな接眼レンズで構成されている。
Widebino の見口はゴムで保護されているが、Vixen SG はアルミ素材に塗装しているだけなので質感はいいものの眼鏡使用のまま覗くと眼鏡レンズを傷つけるので要注意。
・・・まあ、これらの双眼鏡では眼鏡使用するとアイポイントが離れてしまうため超広視界の実力が発揮できないので裸眼視が基本。
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側面視
どちらもガリレオ式でピント合わせは左右の見口を別々に回して合わせる IF方式。
寸法的にはさほどの差は無いが、Widebino で 290g、Vixen SG では 410gと、かなり手ごたえのある
重さ。
なお Widebino にはストラップが付属していないので紐などを適当に取り付ける必要がある。
また VixenSG にはストラップは付属するものの取り付け部の紐の強度に若干の不安があるので、
使用時に手首にぶら下げ振り廻すのは控えた方がいいと思う。 |
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どんな風に見える? |
ワイドビノ28 |
ワイドビノ28のカタログスペックの実視界28度にほぼ迫り、オリオン座がちょうど収まる。
(ただしアイポイントが離れると視界は狭くなってしまうので、眼鏡使用は適さない。)
星像の収束は若干甘いが、Vixen よりコントラストは良く背景も暗く締まって見える。
周辺部は自然に暗く霞んでいく感じで印象は悪くない。
光害の大きい夜空では Vixen と比べて視界の印象は良い。
また周辺部辺りまで星像の急激な乱れは Vixen より少ない。
(注).画像は合成イメージ画像
| | Vixen SG2.1x42 |
Vixen SG2.1x42 のカタログ参考値の実視界は 12.2 度となっているが、実際に眺めてみるとオリオン座がちょうど収まった。
また北斗七星では6つまでは視界に収まる。(ドゥーペからミザールまでは視界に収まるが、柄の端にあたるアルカイドまでは入らない)
星図ソフトの視界で比較してみると、実視界 22 度以上の実力はありそうな気配。
視界中心部分から参考スペックの12度あたりまで星像の収束は比較的良いが、更に周辺にいくに従って乱れてくる。
(左のイメージ図で白くモヤった辺りに入ると急に大きく乱れてくる。)
ワイドビノと比べ、口径が大きく倍率も低いせいか、市街地近くで光害のある夜空では背景が明るくコントラストがやや落ちる。
また、周辺部は黒く霞むワイドビノとは対照的に、白く霞む。
光害のある夜空ではワイドビノの一歩譲る印象。
しかし光害が薄らぎ空が暗くなると背景も暗く締まり、周辺部の白い霞みも薄くなる。
バックグラウンドの暗さ、コントラストは、普通の双眼鏡で例えると、ワイドビノはひとみ径4〜5mmの双眼鏡で、Vixen SG はより集光力の大きな、ひとみ径 7mm の双眼鏡で眺める印象。
(注).画像は合成イメージ画像 | |
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その他 |
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その他
左右鏡筒を接続する部分のネジ、カニ目のひとつだけ位置がずれている。
購入品も店頭展示品も同じだし、加工・組立もオプト・ミヤウチとの事なので加工ミスではない筈だが、
わざわざずらしてある目的は不明。 何かの位置合わせかな・・・。 |
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ルーへ゜として使う ・・・
Vixen SG の接眼レンズはかなり大きいので、低歪でマルチコートのルーペとしても快適に使える。
もちろん Widevino 接眼レンズが小さいので見える範囲が狭くなるが、ルーペとして使えない事はない。
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