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タカハシのプラネットフォーク PM−1                         MENUへ戻る    

Takahashi PM-1赤道儀
      タカハシのプラネットフォーク PM−1
  PM-1 の各部外観  
  実戦記録  
FSQ−85EDを載せてみる
防備録ほか、雑記帳・・・  


 タカハシのプラネットフォーク・・・ Takahashi PM−1赤道儀  (2012.04.01)

タカハシ PM−1って? 

タカハシの最新鋭?赤道儀。 
通常のドイツ式赤道儀のほか、プラネットフォーク(フォーク式赤道儀)、フォーク経緯台、全方位経緯台、多連カメラに組替えできるという、ユニークな架台。
搭載重量は5kgしかないので小型望遠鏡しか乗せられないが(FS−60Qにはベストマッチ!)、その分、重量も 5kg+脚 2.7kgと軽量。
自動導入はできないが、月や惑星などは肉眼で見えているので支障は無いし、かえってアライメントなどの手間もかからないのでお手軽に使える。
また、赤緯軸はモータードライブ、手動もインナークラッチ付きの全周微動、赤緯軸は手動の全周微動、倍率9倍の極軸望遠鏡内蔵など、基本は押さえてある。
しかし小型望遠鏡しか実装できず、自動導入もできないのに、積載15kg級の自動導入機、SXDさえ上回る結構なお値段。 
メインの機材として考えるならコストパフォーマンスは良いとは決して言えない。 

○じゃ何で買ったの? 

まず第一は他に例を知らないフォーク式のモータードライブ赤道儀にできる事。  これなら子午線越えの反転パフォーマンスに煩わされる事も無い。
子午線反転が嫌なら、自動導入機でないGP2にモータードライブを装着すれば用は足りるんじゃない? って? その考えは正しい!
しかし、しっかしぃっ、プラネットフォークに組んだPM−1、バランスウェイトもいらず、鏡筒を載せたままでも担ぎ出せるコンパクトさながら、天文台の超大型架台を彷彿させるような、いかにもメカニックで凛々しいお姿。
最初、ひと目見た時から、 いいなぁ~とは思った。 
しかしタカハシのニュースリリースでの仕様や展示品を眺め回しただけでも数々の欠点は予想できる。 (買うのを諦める理由探し。)
①.フォーク式に組んだ場合、適合鏡筒でも赤緯±30度までしか向けられない。(まあ、お月さんや惑星相手ならこれで充分。)
  (天の赤道周辺しか向けられないから、惑星用として、プラネットフォークって呼び方にしたのかも。 きっとそうに違いないっ!)
②.一般のドイツ式赤道儀と比べてフォークアームの分だけ長いので安定性では不利。
  (FS−60Q実装程度なら必要充分、FSQ−85EDクラスで眼視には問題なし、撮影は高速シャッターなら問題なし、低速シャッターはテスト未完。)
③.赤緯体、赤径体の固定がイモネジなので強度的に不安。 外れないまでも緩みそう。 
  (まぁ、頻繁に点検すればいいか・・・    フル実装したFSQ−85EDでは5kgオーバーとなるためか、各部のネジが緩み易くなった・・・ような気がする。)

④.電源が単三電池って、本当に大丈夫? 
  (杞憂だった。 もう10時間は使っているのに、まだ動いている・・・。 ポラリエ並みか・・・?)
⑤.搭載質量僅か5kgのポータブル赤道儀としてはめっちゃ高いっ!
  (PM-1 + プラネットフォークセット + 三脚で 定価 327,600 円! 搭載重量15kgのSXDより高価!  購入は当然、アウトレット! )  
・・・など。いいなぁ~とは思いながらも、その価格にまだ自制心が効いていた(本当は購入資金が心許なかった)が、ふと見た某店のサイトで中古扱いの展示品。 
とりあえず同店の大阪店へ寄って、”もう売り切れた” という返事を半ば期待しながら確認して貰ったところ、”まだある” との返事に思わず衝動買い。

○で、実際に使ってみて

宅急便で届いてすぐフォークに組み替えてしまったのでドイツ式としてはまだ使っていない。 (今のところ、使う予定もない・・・)
しかし、焦った! フォークへの組替えするのにシステムチャートしか付いて無かったので、あーだろうか、こーだろーかと試行錯誤し30分も掛かってしまった。  
 (某店の展示を見た時にはフォークアームがアイピース側から見て左にあったけど、赤緯体のアリガタ下面がフォークアームのアリミゾ面に密着するよう右側に実装した・・・これでも良かったのかな?)
フォーク式として実際に使ってみてから、新たに気付いた欠点は、
⑥赤径、赤緯のクランプレバ—(赤緯はネジ)を不用意に緩めると、鏡筒がカックンとお辞儀したり天を仰いだりして赤道儀筐体に当たり、破損の恐れあり。
 (厳重注意! とりあえずはクッションゴムテープで保護)
⑦コントローラのスイッチが小さいので暗い中で操作すると破損しそう。 (まあ、気をつける事にしよう・・・ どうせ最初と最後にしか操作しないんだから。)
⑧フォークアームと赤緯体を接続するアリミゾ・アリガタの止めネジが緩むと外れて脱落しそう。 (タカハシさん、ごめんなさい! 脱落防止のロックネジがちゃんとあった!) 
・・・などなど。
星を導入する操作感は全周微動が効くので、経緯台のポルタと同様にストレスも違和感もなく操作できる。
ただし手動で大きく動かす時にはクランプレバ—(ツマミ)を緩める必要があるが、欠点⑥の注意をする必要がある。
一旦導入さえしてしまえばモータードライブで追尾してくれるので、ポルタのように頻繁に微動調整を繰り返す必要はなく、至って快適。
○購入後1週間経った現在の評価。
設置から観られるまでの手間はポルタとほぼ同じ。
思い立って玄関から担ぎ出し、およそ北方向に向きを合わせて設置、水準器で水平の確認。
赤緯・赤径のクランプを緩めておよその方向を定めてクランプを締め、微動ダイヤルで目的の星をファインダーに、そして望遠鏡の視界に納めるまで約2分程度。
 (ポルタならフリーストップが効くのでいきなり星に向けられ、10秒くらいは早いかも。)
一旦、導入さえしてしまえばモータードライブで追尾してくれるのは赤道儀SXDと同じ。

一方赤道儀SXDの場合、重く、でかいので、あっちこっちぶつけないようにして運び出し、PM−1と同じように設置したのち、自動導入する為にアライメントの儀式。
しかも電動なのが災いして望遠鏡の視界の中を行きつ戻りつ、それも3つの星でアライメント。
この間、5分、10分と過ぎていき、これがポルタやPM−1なら二三十枚は撮り終わって、撤収しようかと思う頃、ようやく準備完了。
しかし一旦アライメントさえしてしまえば見えない星まで自動導入できる。

PM−1の追尾精度は設置した時の ”およそ” の程度次第。  正式な極軸合わせはまだしていない。 
高度は あらかじめ傾斜角目盛でセットし付属水準器で合わせただけ、北向き調整も ”まあ、こんなもんだろー” 目測で合わせただけ・・・、
FS-60Q の 600mm をテレプラスで2倍に拡大し、更にデジカメのライブビューを最拡大表示にした状態でも、ちょっと見た目には充分に静止している。 
北極星での極軸合わせができない自宅では赤道儀本来の追尾精度がどうの、なんて言える状況ではない。
まあ、自宅の空での露出限界の30秒程度までなら、600mm直焦点でなんとか流れているのが気にならない程度には追い込める。
更に、星のずれていく方向を見ながら慎重に東西上下の微調整をしてやれば、数分はOKだが、かなり面倒だし時間もかかるので、手抜きしてISO感度を上げて露出時間を短縮。 

(その後)
今では、肉眼で見える星やお月さま相手での役目は、経緯台のポルタから主力の座を完全に奪い、
赤道儀のSXDも、肉眼で見えない星を自動導入する時、一晩中腰を落ち着けてあっち、こっち、と目標を替えていく時、そして反射のみゅーろんちゃんを使う時程度でしか出番は無い。

・・・という事で、現在90%以上の稼働率を考えれば 案外といいコストパフォーマンスになるのかも。


 PM−1の主な仕様 (タカハシのニュースリリースより)
ドイツ式赤道儀としての仕様

形式赤経モーター内蔵ドイツ式赤道儀
赤経微動ウオームホイル全周微動 (歯数:144枚)
ステッピングモーターによる電動駆動
クラッチ操作で手動可能
赤緯微動ウオームホイル全周微動 (歯数:112枚)
方位微動ダブルスクリュー方式、可動範囲±10°
方位粗動±360°
傾斜角微動スクリュー式、可動範囲 高度 0°~55°
方位微動ダブルスクリュー式・微動ツマミ付
搭載質量約 5kg
本体質量5kg (ウエイト、シャフトを除く)
極軸望遠鏡固定内蔵式、倍率 9倍
スケールパターン(2030年まで対応、時間目盛付)
*北極星用リング
*南極星八分儀座σ星用リング
*水平・垂直基準十字線
モータードライブ駆動周波数:約40PPS
駆動速度:恒星時、恒星時の 0.7・0.5・0.3倍、太陽時
対応地域:北半球、南半球
電源:単三電池4本、外部電源用入力端子有
付属品ウエイト(1.4kg)
コントロールボックス、コントローラーケーブル、工具
  バリエーション

プラネットフォーク
プラネットフォークに変更すれば、子午線を通過する使用でもポジションを変更する必要がないので、日食や月食の連続観測が可能です。
適応鏡筒なら赤緯±30°以内の天体に鏡筒を向けられます。
フォークの上部はアリミゾ・アリガタ機構で、鏡筒を赤緯軸に沿ってスライドすることができます。この機能があることで、片持ちフォークタイプで困難だった極軸周りのバランス取りがウエイトを使わずに調整できます。
【適応鏡筒】
FS-60Q、FSQ-85ED、SKY90

フォーク経緯台
微動付の経緯台は天体だけでなく、野鳥の観察や撮影にも便利です。
上記の適応鏡筒を搭載した場合、仰角 30° ~ 俯角 30°の範囲で使用できます。

全方位経緯台
天頂まで望遠鏡を向ける時は全方位経緯台の出番です。
この仕様は、全天のどこへでも鏡筒を向けられます。

多連カメラ
赤緯ユニットを外しカメラ台に交換すれば赤緯部にカメラが3台搭載できます。さらに、バランスシャフト側もカメラ台に交換することで4台のカメラが搭載できます。


 
 

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 PM−1の各部外観
 PM−1の付属品、各部外観、その他いろいろ
折角宅配便で届いた日曜は曇りのち雨のち土砂降りのち曇り。 まあ、気を取り直して組立てながら撮ってみる。 

まずは外観から・・・
おっと、ドイツ式の画像は・・・ありません。
届いてすぐ、フォーク式に組み替えてしまったので。 

※ 付属の説明書を見て組立てると左写真のようになるが、赤緯体のクラッチツマミが遠くなってしまい少々使いづらいな、と思っていた。 しかし後でタカハシのサイトをよくみて見ると右写真のようになっていたので組み替えてみるとくクラッチツマミが手前になって使い易くなった。 
 まあ、どう組んでも動くには動くけど、わくわかる親切な説明書?・・・・だ。

(2013.1.17 訂正) やはり左の写真の組立は間違いで、重量バランスをとるためにも、操作性からも右の写真が正しそうなので、現在は組み替えている。  →参考

傾斜角目盛と水準器
ここで水平と傾斜角を合わせておけば、北極星の方向は運と勘任せ・・・
なんせ、庭先から北極星が見えないもので・・・。 
 

赤経ウオーム軸インナークラッチ機構 (A→)
タカハシのニュースリリースによると、
「ウオーム軸インナークラッチはウオーム軸に内蔵された機構によりクラッチハンドルの回転運動を直線運動に変えスパーギアを固定する方式で、クラッチハンドルを軽くしめるだけでロックでき、逆回転してもゆるむことはありません。 このクラッチの特徴はハーフクラッチ状態で使用できることです。」
 ・・・って事らしい。
全電動のSXDだとクラッチが無く微調整もコントローラでしなきゃならんので行きつ戻りつしてしまうけど、PM−1では手動で直接微調整できるので はるかに簡単。

右側に見えるレバー (←B) は、赤径体のロックレバー。 
不用意に緩めると、カックンと動いてしまうので要注意!

※この写真の実装ではクラッチのツマミが南側だけど、現在は北側 (この裏側、望遠鏡を南天に向けた時の手前側) になるよう組替えている。 

モータードライブ(PM−D)
モーター本体は最初から赤道儀に内蔵。 単三電池4本で駆動。
初め、仕様に”電源:単三電池4本”とあったので”ウソだろ?”と思ったけど、本当に単三電池だった。 ポラリエ並みか。
電池がどの程度持つのかは不明。 まあ、エネループで3ヶ月に1度の交換ペース。
基本の恒星時駆動の他に、恒星時の0.7倍、0.5倍、0.3倍の追尾速度が選べるが、”地上の景色を入れた いわゆる星景写真の撮影” ができるほどの景色ではないので当面無用の仕様。 
太陽時駆動も選べるが、お日さまに向けるなんて恐ろしい事はまだできないのでこれも不要。 
更に南半球も選べるらしいがこれも私には無用の仕様。
しっかし、電源のスイッチが小さい! モードダイヤルも小さくて乱視+近視+老眼フルセットの目には辛い!
電源SWを入れると赤いLEDが不気味に、いや、愛らしく点滅。

※ 本体とコネクタに貼ってあるのは恒例の、闇の中でも不気味に光る蓄光テープ。
  この蓄光テープが張ってないと闇の中でのコネクタ接続にかなり苦労する。 

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ここが不安要素 ③ の、赤緯体を固定するイモネジ。(Y字型に3ヶ所)
タカハシの製品だから搭載可能重量までは大丈夫なんだろうけど、やや不安。

続いて不安要素⑧ の、フォークアームと赤緯体をアリガタとアリミゾで接続する構造だが、アリミゾの固定ネジを緩めるとアリガタ側の赤緯体が滑って脱落しないかと不安だった。
しかし取説をよく読んでみると、アリミゾの裏側に脱落防止のネジがあったので不安⑧は解消。
このアリガタ・アリミゾで赤緯体ごと望遠鏡をずらしてバランスをとる構造なので、重力に逆らって緩みが出ないよう、アリガタとアリミゾの密着面を下に(固定ネジを上に)セットするとアームは望遠鏡の接眼側から見て右側になる。 ・・・これでいいのかな?
FS−60QのMEF(ピント調整用減速微動装置)を右手側に付けているとアームと干渉してしまう。
しかし私は左手側に付けていたので正解。 えらい! 先見の明。

フォークアームが長く、かつ赤緯体の固定もイモネジなので安定性に若干の不安があったものの、FS−60Qで使っている限りにおいては安定している。

不安要素 ⑥ 、赤緯体のロックネジ (←A)
このロックネジも不用意に緩めるとカックンとお辞儀した鏡筒が赤径体の角にぶつかり、鏡筒を痛める恐れあり。

とり合えずクッションゴムテープ (←B) で保護。
 (現在、もっと幅広のクッションテープに貼り替え。) 
鏡筒のアイピース側も同じ。

現在、望遠鏡用に使っているツール(六角レンチ)

通常の+ネジボルトの場合、不用意に締め。緩めすると+ミゾをナメてしまうので、極力、六角レンチで作業できるように、六角穴のキャップボルトにしている。

画像の六角レンチは、
右列 上から 5mm、 4mm 
左列の上は、PM−1に付属してきたタカハシのもので、4mm、 下の赤いのははPM−1のイモネジ用に苦労して探してきた2.5mm

タカハシ添付のレンチ、先が長ので狭いところでも余裕で届くし、工具としてのバランスもいいので、作業し易く、同様なものを探してきたが、一度使ったら手放せない優れもの。
今のところ、5mm、4mm、2.5mmあれば間に合っている。


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 実戦記録 

使用した結果は・・・
画像は高速シャッターの切れるお月さまでは参考にもならないけど・・・
まあ、PM−1のデビュー戦の記録としてUP。

夜空の条件が良くなったら、そのうちに追加・・・できたらいいな・・・

※ 画像クリックで等倍トリミング画像。
  素人でもこの程度なら充分に撮れる。
  設置3分、直焦点でピント調整して露出を変えながら十枚程、更にテレプラスを実装して十枚程、
  外気に順応するに従ってピントが微妙に変化するので、念のため再度直焦点に戻してまた十枚。
  ここまで25分、 そして撤収に2分。 合計30分程の作業。
  モータードライブで視界が安定しているのでピント調整も随分と楽になった。

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 FSQ−85EDを載せてみる
PM−1(フォーク仕様)にFSQ−85EDを載せてみる。
現在使っている架台と鏡筒の組合せは、
明日は休みだ! と、ちょっと気合を入れて担ぎ出す時は、
 ①.Vixen SXD + タカハシ FSQ−85ED
 ②.更にシーイングが悪くなければ鏡筒を タカハシμ−210 に載せ替えてみる。
明日は出勤、夜更かしはできないな・・・って時は、鏡筒を載せたままでも担ぎ出せる、
 ③.タカハシ PM−1(フォーク仕様) + タカハシ FS−60Q
の組合せ。

しかし当初は十分満足していた60Qも、85EDを使い始めると やはりその差は大きく、85EDを持ち出したくなる。
しかし85EDはともかく、SXDを担ぎ出すのは少々面倒。
まず外に出て空を眺め、架台設置場所を見定める。
①北は自宅、東西に隣家、南にも家が並んでいるので低高度は無理だが、生活道路を隔てているので黄道辺りから上なら何とか開けてはいても、視界を横切る電線の簾。
 街灯や近隣の門灯の陰になり、更に電柱・電線の隙間を狙い、”この辺りか・・・” と見当をつけて戻り、
②三脚に載せたままのSXDを”セェノォッ!”と担ぎ出して、”まあ、こんなもんで良かろう”と庭先に設置。
 (毎回設置位置が変わるので、地面にマーキングしても無駄。)
③続いてバッテリーとコントローラーを入れた収納バッグを持ち出してコード接続、また家の中に戻り、
④ウェィトを持ち出してSXDに実装。 
⑤続いて持ち出した85EDをSXDに載せ、カメラを実装、おもむろに電源を入れてタバコに火を点け、立ちあがってきたコントローラーの照度を落とし、コントローラーで目標に向ける。
ここまで計5回の玄関出入り。
まあ相手がお月さまならカメラの視界に収まらなくともファインダーの視界には入っている。
視界に入っていなければ三脚ごと抱えて向きを微(疎?)調整。更にカメラのモニターに目標を導入。
相手がお月さまならどうせ高速シャッターなのでそのまま撮影スタート。
相手が星雲星団などなら近くの明るい星を拡大表示させたカメラのモニターに導入し、微妙に動いていく方向から方位・高度を微調整。(北極星が見えないので通常の極軸合わせができないつらさ・・)
更に更にアライメントの儀式を経て、ようやく準備完了。

これがPM−1なら・・・
①60Qを載せたままのPM−1を抱え出し(担ぎ出さなくとも抱え出せる。)、目標が見える辺りに設置し、ポケットに入れたコントローラーを接続して、とりあえずファインダーを覗いてみる。
ははは・・・、玄関出入りは一回。(しかしやはりPM−1と鏡筒は別々に運び出すべき。 それでも2回の出入り。)
PM−1で観る対象は目視でも見える明るい星か、その周辺。  PM−1ならクラッチもあるし手動の微調整もできるので、導入のし易さはポルタと同等。
自宅では電柱やら、すだれになった電線やら、隣のの屋根とか植木とか何かと障害物が多いし、更にPM−1の場合は姿勢が低いので、この辺りなら大丈夫だろう、と据え付け覗いて見ると眼線が被っていたりする。
そのため、まず視界に目標が入る事を確認したのち、一応付属の水準器を頼りに脚調整して水平を合わせ直し、再度、目標を捉え直す。 まあ、目標がお月さまだったり、眼視だけならこれで一応準備完了。 
低速シャッターが必要な撮影ならカメラのモニターを拡大してずれていく星の動きをたよりに極軸微調整しければならないが、これはSXDでも同じ事。

やはりお気軽に使うならPM−1。
しかし口径60mm のFS-60Q がベストマッチとは思うけど、やはり写真撮影するには85EDを使いたい。
PM−1の取扱にも多少慣れたところで、いよいよ85EDを載せてみる。
とりあえず問題は2つ。
一つ目は荷重。 一応、タカハシのWebサイトではプラネットフォークの欄で、【適応鏡筒】FS-60Q、FSQ-85ED、SKY90 とはあるので眼視なら何も問題無いはずだけど、撮影用としてカメラを装着すると耐荷重をややオーバー。 
二つ目は架台への取り付けをどうするか。 PM−1側はタカハシ標準サイズのボルト止め式。 一方、FSQは赤道儀SXDに実装できるよう、アリガタ仕様。 
現在、PM−1に実装しているFS−60Qは、タカハシ純正の鏡筒バンドでボルト止めしているが、簡単に鏡筒載せ替えができるよう、アリミゾ/アリガタ方式にしたい。 

まあ、実際にやってみよう! って事でトライしてみる。

今回、PM−1に実装をトライしたFSQ−85ED。
タカハシのカタログ値では質量約3.6kg(ファインダー含む)とあったが、常用フル実装で実測すると、約5.6kg となり、PM−1の搭載質量約5kgを若干オーバーする。

計量時の実装は、
①エクステンダーED1.5Xほか、タカハシのシステムチャート各アダプター
 (エクステンダーED1.5X、 CA−35(50.8)、 
  およびワイドマウント (光害カットフィルター LPS-P2 組込) )
②K−ASTEC製の鏡筒マウント 
③ファインダーは国際光器 8倍50mm 正立ファインダー 「EF-508」に装換
④デジカメは Nikon D5100 

※写真では実装していないが、ケンコーのテレプラス( MC7 2X )を実装すると、
 更に+0.2kg 
テレプラスを実装すると計5.8kgで搭載質量の 16%オーバー。

※下の写真、アーム(鏡筒の下方)に貼ってある青い不審な代物は、”鏡筒不用意衝突衝撃緩和装置”。
 要するに、上下動のクランプを不用意に緩めた時、カックンと頭を下げた鏡筒がアームに直接当るのを防止するクッション材。 (必須!) 

まずは実装しない事には始まらない。
問題は、85EDにはSXDに乗せるためアリガタを実装しているが、PM−1はタカハシ規格のネジ止め式。
”う~ん、アリミゾのアタッチメントがいるな・・・しかし、財布が・・・貧しい”
何せ、PM−1、みゆーろんちゃん、ハチゴー君、とたてつづけの浪費、おまけにエアコン、DVDビデオ、インターホン・・・と立て続けの昇天に、故国存亡の危機。 

しっかし、捨てる神あれば拾う神あり! やはり日頃の心掛け !!
”・・・これは?” PM−1のドイツ式ユニットなどともに、”当面使わない付属品保管(放置?)カゴ” を漁っていて発見したのはプチプチ包装のままの怪しげな付属品。
”んっ? もしかしたら・・・” と、そのプチプチを開いてみると、出てきたのはビクセンのポルト締めの点固定タイプより上質そうな、面での押さえるタイプのアリミゾアタッチメント!
”そうだ! ミューロンちゃんの付属品のアリミゾのアタッチメントだっ!”
アリガタ仕様のみゅーろんちゃん、最初からアリミゾ仕様のSXDに載せたので忘れ去られかけていたのだった。
これで今回最大の問題解決!! 

さっそくPM−1から60Qの鏡筒バンドを外して アリミゾアタッチメントを取り付け、85EDを載せてみる。
バランスは・・・ なんとかとれる。 可動範囲も多少狭くはあるものの必要には十分。
操作性は・・・ピントのツマミが引っ掛るが・・・鏡筒バンドを90度程ずらせば問題なし! って事で外に持ち出してみる。
しかし60Qの時のように鏡筒を載せたまま抱え出すのはやはり危険。 まずはPM−1、続いて85EDと二度に分けて運び出す。

まずはお月さまを導入してみる。
クラッチを緩めての疎調整・・・60Qの時より、やや粘りを感じるような重さはあるが一応は問題なし。
次に微調整・・・やはり60Qの時よりやや硬く感じるが、これも問題なし。
次、カメラのモニターを拡大してピント合わせ・・・”んっ?” 月が微妙に流れていく・・・

向きが悪かったか? 三脚ごと動かしてみても、高度調整してもダメ、それに動きも早すぎる・・・
とりあえず電池を確かめてみる。 多少電圧低めだけど、まだ問題なし。
あーでもない、こーでもない、と試しても状況変わらず、やはり荷が重かったのか、と諦め、端にずれてしまった月を中央に戻し、クラッチを少し強めに閉め込んだら、・・・止まった!
原因は簡単だった。 クラッチツマミの締め込みが弱かっただけだった。
軽量な60Qなら軽く締め込んだだけで止まっていたけど、重量のある85EDの場合はしっかりと締め込まないと滑ってしまうようだ。 
また、ピント合わせ時やカメラ操作時など、多少は揺れるものの、リモコンシャッターの遅延時間2秒以内には充分減衰する。 

振動に対しては・・・ピント調整で鏡筒に触ったり、カメラを触ったりすると少々揺れるが(最拡大したカメラのモニター画面の、1/5程度の振れ幅)、1秒程度以内には収まるのでD5100のリモートシャッター遅延時間2秒で充分安定している・・・ような気がする。  
外部からのショックなどに対しては、より図体のデカいSXD と比べても、脚が短く重心も低いので、より剛性感があり、安定しているような印象。 
 
結論! PM−1でも85EDが十分使える! いや、”使えた!”の間違い。
ただし、確認できたのは眼視とお月さま相手の高速シャッターで、長時間露出での追尾精度については未確認。

PM−1で85EDを使う場合の注意。
①.85EDをPM−1に載せたまま運ぶなど、無精してはいけない! 
 重量がある分、PM−1にも負担がかかるし、そのうちどこかにぶつけたりコケたりする。
②.星が流れいいくときは、余分なところをいじる前にクラッチつまみの緩みを疑う。 
③.重心が高くなるので鏡筒を載せる前に脚全開(必須!)をチェックし、使用中は足元に注意!
④.60Qを載せていた時より、各部のボルトが緩むようになった(気がする・・・)。 月に一度は増し締めするのが無難。  
⑤.電源が単三電池(x4本) にも関わらず、まさかと思うほど消耗が少ない。 このため、電池交換を忘れ、肝心な時に消耗してしまっていた・・・という恐れがある! (+o+)

PM−1にFSQ−85EDを載せ、エクステンダーED1.5x に加え、2倍テレプラスで拡大。  

(画像クリックで実寸から57%に縮小した画像にリンク。)
 PM-1 と FSQ-85ED の組合せとは関係ないけど、やはりテレプラスを使うと周辺部(南北の極周辺)のエッジが甘くなるが、まあ、素人が撮れた、撮れたと喜ぶ程度には充分。

この写真程度の露出(1/250)ならあえて赤道儀は必要ないけど、露出を変えたりして何枚も撮る時や、雲の晴れ間待ちでも、都度、アングルをとり直す煩わしさもないし、スローシャッターでも安心して撮れる。 

ISO3200 で 10秒。
自宅では、ISO3200 とは言え、僅か10秒の露出でこのくらい明るくなってしまう。  

この画像もPM−1の追尾精度以前に、極軸合わせ精度のウェィトの方が大きく、他の人の参考にもならないが、まあ自分が楽しめればよし、の世界。
これも現寸で見ると少々かなり流れてはいるが、HPに使ったり、キャビネ、2Lサイズ程度に印刷する程度なら何とか許容範囲。
まあ、厳密な極軸合わせができなくても、かなりラフなセッティングでもそれなりに楽しめる。 

 ←コントラスト補正 

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 防備録ほか、雑記帳・・・

この欄は使っているうちに気付いた事を防備録として順次掲載・・・していくつもり。 ただし、PM−1はフォーク式赤道儀として使った感想に限定。

経緯台(Vixen ポルタ)と比べて
価格的には10倍の差があるポルタと比べるのはおかしいが、どちらも積載重量5kg級という事で無理やり比較。
重量では、PM-1 が本体 5kg、メタル三脚 2.4kgで計 7.4kg、ポルタは三脚含みで 5.7kg。 経緯台のポルタの方が当然軽いが30% 程の差で大差はない。
安定性は、当初標準ポルタ程度だったので、あれ? と思ったけど、一通り増し締めしてからは、クィックレリーズで強化した鉄人ポルタより更にいい。
操作性では手動で大まかに位置設定して全周微動で微調整できるのも同じ。
 (ただし当然ながらポルタは経緯台なので見たまま水平・垂直に合わせればいいが、PM−1は赤道儀なので赤緯・赤径に沿って動く違いはある。)
しかし手動調整の時、ポルタならフリーストップで使えるが、PM-1ではクランプを緩めて調整したのちまたクランプを締めなければならない煩わしさはある。
 (クランプを緩めた時、カックン、とならなよう、要注意!) 
決定的な違いは、ポルタではせっかく導入しても視界からズン ズン 逃げていく星を手動で追いかけなければならないが、PM-1 ならモータードライブで追尾してくれるので圧倒的勝利。

SXD赤道儀と比較して

重量ではSXDは8.8kg+三脚5.5kgの 計14.3kg。(更にバランスウェイトが必要)  7.4kgのPM-1に対して約2倍。
安定性では、フォーク仕様にしたPM-1の場合、構造的にフォークアームの分だけ長くなってしまう分は不利で、ピント合わせやシャッタースピードを変えた時など、接鏡筒を触った時の視界の揺れ幅はSXDの五割増し? しかし、その揺れの収束は充分に早く、D5100の遅延シャッター2秒以内には余裕で収まっている。
操作性は見えている星を導入するだけなら、クランプを緩めて大まかに合わせたあと微動で追い込めるPM-1の方が、電動で行きつ戻りつしなければらないSXDより扱い易い。
しかし見えていない星を探す場合は、極軸調整とアライメントさえしておけばスターブックで簡単に自動設定してくれるSXDの方が、当然ながら圧倒的有利。
南天を眺める場合、真南を通過する時、賢いSXDは”子午線越えの反転”ダンスを踊って楽しませてくれるけど、単純なPM-1君は ”そんなのカンケーネェー” と無愛想に何事も無かったように通り過ぎていく。 当然PM−1の勝ち。 
総合的に見て、搭載重量、自動導入機能、価格(SXDの方が安価)、など、SXDの方が優位。 特に搭載重量の差は決定的。
PM−1を使うメリットは、軽量鏡筒しか載せられないが小型軽量でポータブル性がいい事、更にバランスウェイトがいらない (ドイツ式に組んだ時には当然必要)事、経緯台並みの手動操作性などだが決定的なものはなく、最も大きなメリットは 手軽に扱えるため高稼働率が期待できる事かも。 
他の赤道儀とは?
操作性は従来の手動ドイツ型赤道儀にモーターを付加したもの (ただしクラッチ・クランプのあるもの) と同等と思われ、大きな違いはPM−1ではウェイトがいらない事、しかしモータードライブを付けても1/2以下の価格で入手できるV社GP2で積載重量7kg、GPD2なら10Kgと、更に大きな鏡筒が載せられる。 
初めての望遠鏡・架台として選択するなら、より安価で、より口径が大きく性能のいい望遠鏡が載せられ、将来、自動導入などへの発展性のあるGPD2などの方がコストパフォーマンスは高いだろう、と想像。  
最適用途は・・・
FS−60Qの様な軽量望遠鏡で、目で見えている星(月とか惑星とか、オリオン星雲や”すばる”とか・・・)を相手にするなら、自動導入の必要も無いので軽快に操作でき、最適。 
 (ポルタの水平移動の軸を極軸に合わせて傾けてモータードライブにしたイメージで、初めてでも違和感なく操作できる。) 

自宅での運用に関しては軽量・コンパクトなので、いつでも思い立った時に抱え出せ、お気軽用途には不満の無い機能と精度はある。
また駆動音も動いているのか心配になるほど静かで ご近所迷惑の心配は全く無い。
稼働率もお手軽ポルタの役目(撮影に関しては月・惑星など高速シャッター可能な対象)に加え、目視で探せさえすれば星雲・星団(オリオン、すばるなど?)などでも充分露出時間が稼げるし、眼視でも一度導入すれば追尾してくれるのでSXDの役目も半分くらいは肩代わりして、かなりの高稼働率で働いてくれており、物置の主になる可能性はほとんどない。  

構造的にも、フォークに組んで鏡筒バンドも付けたままでも充分薄く梱包できるので、手頃な収納ケースさえあれば長距離移動に関しても扱い易い。 
ただし、フォークのままでは天頂付近には向けられない(ドイツ式に組み替えればOK)とか、最大荷重5kgしかないこととか、自動導入はできないとかの制約はあるので、これ1台で何にでも使おうとするのでなく、二台目、三台目のサブ架台、あるいは移動用として使うのが吉。
ベテラン、特にいつも大型の高級架台を苦労して担ぎ出している人には、チョイ見用として最適かも。 

架台の型式追尾自動導入眼 視写真撮影 現在の常用鏡筒 
名称 タイプ 肉眼で
見えている星
肉眼で
見えていない星
月・惑星明るい星雲・星団淡い星雲・星団
Vixen
ポルタ
経緯台手動無し◯ *4
1/10秒程度まで
△ *5
1/2秒程度まで
☓ *2
SE102、SE120 (眼視用)
FS−60Q (眼視および月撮影用) 
Takahashi
PM−1
フォーク式
赤道儀
モーター
ドライブ
無し△ *1FS−60Q、 FSQ−85ED
 (眼視および月・惑星等撮影用)
Vixen
SXD
ドイツ式
赤道儀
モーター
ドライブ
STAR BOOK
付属
◎ *3μ−210、FS−85ED
凡例: ◎:最適 ◯:適 △:経験次第 ▲:、運次第でかなり苦労する ☓:まず無理でしょう。
*1 モータードライブの追尾ができるので、”とりあえず、この辺りかな”っと狙いをつけ長時間露出で撮ってから再生画像で探す方法が有効。
*2 淡い天体を写すのに必要な長時間露をしても画像が流れてしまう。 経緯台での手動追尾は初心者(私)には事実上無理。
*3 スターブックに登録されていれば自動導入できる。
*4 月や惑星など明るい星ならISO設定にもよるが 1/4000~1/30 秒程度の高速露出で写せるので、追尾が無くともさほど困らない。( f=600mm F=10 の場合)
*5 オリオン星雲とかなら元々ボヤッとしているので多少流れても目立たない。
  また、”撮れた、撮れた、カッコいいな!” と楽しむ程度の写真なら、個人的には 1/4秒程度までは耐えられる。( f=600mm F=10 の場合)

コストパフォーマンスは・・・

初めての架台としてはお薦めしない。 選ぶならまずポルタ。 コスト(実売2万3千円程)も、1/10以下で、眼で見える星を追いかけて眼視するなら充分な操作性があるし、写真撮影するならGP2 (Vixen) あたりの赤道儀にモータードライブを付けて同じ機能にしたものでも、PM−1の1/2以下で購入できるはず。
更に、自動導入のスターブックまで実装し、カタログの搭載重量15kgのSXDでさえも実売価格はPM−1よりも安価に入手できる。 

はっきり言って搭載可能重量は5kgしかないし、PM-1でできない事(例えばフォーク式のままで天頂方向を眺めるとか・・・)はあっても、PM-1 でしかできない事はあまりないので、最初の1台で購入するにはコストパフォーマンスは良くない。
  (いろんな形に組替えできるのを、”何にでも使える万能機”などと誤解して購入してしまうと、”こんな筈じゃなかった”と後悔する事になるかも。)

しかしコンパクトなので可搬性はいいし、モータードライブも単三電池駆動、作動音も聞こえないほど静か、欠点も注文もいろいろあるものの、PM−1の長所と共に、その欠点もよく納得してからなら、二台目、三台目以降のポータブル用として、あるいは簡単に扱えるサブ機(サブ機の方が高価だったりして)としてはかなり面白く、稼働率を考えればかなり良いコストパフォーマンスになっている・・・はず、と不気味に ほくそ笑んでいる今日この頃であった。  
※追記・・・設置の手間も鏡筒実装のまま抱え出せる(※1)のでポルタよりも手軽に設置でき、モータードライブで追尾できるのでFS−60Q専用架台(※2)として常用。(していた)
      その後主の座を乗っ取ったFSQ−85EDでの、90%以上の稼働率を考えると、コストパフォーマンスも期待以上かも。 
   ※1 鏡筒実装のまま抱え出すのは各部に無理が掛かると思うのでよい子は真似をしないように。  また北極星で極軸を合わすには、どっちみち鏡筒を外さないといけない。
       またFSQ−85EDを装架したまま移動させるのは、総重量はともかく重心が高くなるので絶対不可! (危うく人柱 ・・・経験者の忠告には従うものだ!) 
   ※2 FSQ−85EDをカメラ搭載で実装すると重量オーバーとなるが、お月さま相手なら撮影にも問題なく使えている。 数分を越える超低速シャッターでの確認はテスト未完)

設置方向の微調整 (追尾ズレ)の防備録 

自宅の庭先からでは北極星が見えないし、更に自宅の向きも真南から少しずれているので建物などとの水平に惑わされ、自分としては慎重に設置したつもりでも、追尾しているうちに微妙にずれていく。 (周囲の障害物で常に同じ場所に設置できないのもつらい・・・) 
その自己流対処法
 ①赤径体微動のクラッチが緩めたままになっていないか確かめる。 クラッチが緩んでいれば、当然追尾はズレていく。
 ②架台固定クランプのネジが緩んでいないか。 (まさかと思ったけど、担ぎ出したりしているうちに意外と緩んでいる事がある。)
・・・ここまで確認してから・・・ 
 ③方位調整ネジでズレが少なくなる方向へ追い込んでいく。 (南天の明るい星で、上(カメラは正立像なので北)にずれたら方位調整で東へ、逆なら西へ、)
 方位調整ネジで追い込めないほどずれている時には脚を置き直す。 
  (鏡筒を含めても 10kg 程なので全実装状態でも容易に置き直せる。) 
今のところ追尾ズレは、この3ポイントの確認と調整で 眼視でのチョイ見、数十秒程度のチョイ写しには充分な収まっている。
 (赤緯方向(縦方向)の追尾ズレについては傾斜角指針と水準器で合わせただけだが、偶然、上手く調整できていたらしく、今のところほとんど追尾ずれは生じていない。) 

※ ここで記載した追尾精度について・・・。 自宅の環境では、ISO800 で30秒~1分も露出したら空が真っ白になってしまうので、それに応じた程度の追尾精度は十分という事で、
  当然ながら、PM−1ならこんなラフな極軸合わせでもいいという訳ではないので誤解の無いように。
  露出時間の稼げるもっといい環境では、当然ながらもっとしっかりと極軸合わせしないと実力発揮できない。(はず。)

要注意点の追加!

ネジの緩み、特に脚のネジの緩みには注意! PM−1に限らないけど、脚のネジが緩んでいると、ふとした弾みで倒してしまう!
 (撤収した赤道儀を玄関口に仮置きしようとして倒してしまった! 幸い大事には至らなかったけど・・・ すぐ確認したら脚のネジが緩んでいた・・・) 
その他部分のネジも意外と緩んでいるので、定期的に増し締めするのが吉。 
 (FS−60Qを使っていた時は、軽いので、つい鏡筒までも装着したまま抱え出して、また撤収していたが、この為に各部に無理な力が掛かってネジが緩んでしまうのかも・・・。 
  また、ネジが緩んでいても 各ユニットの表面の凹凸で滑り難いため、気づかない事がある。)

最初のトラブル

赤緯体(フォークに組んだ時、赤緯方向(上下方向)に動かす、微動ダイヤルとクラッチが組み込まれた回転ユニット)にガタが出ていたので、どこかのネジが緩んだのかと調べてみたものの原因不明。 とりあえずユニットを外してメーカーに調整修理して貰うように出したので当面使用不能。 ついでに60Q用のカメラマウントもガタがあるので一緒にメーカーへ。
お気に入りの架台と鏡筒だけに、使えなくなると若干寂しい気分。(2012.05.04)   ・・・5./10 修理完了。 ガタが無くなって気分的にも良好。
 

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