まずは、マニュアル通りに北極星と極軸望遠鏡で極軸合わせを行ってみる。
(そして場所を変え、同じ設定を、そこそこの精度で手間をかけずに再現できる方法は、と試行錯誤してみる。) |
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①.まずは架台(三脚部)を設置する。 |
| いつもなら三脚に赤道儀を載せたまま運んで設置していたけど、今回は短時間で効率よく水平をとる方法を試すため、赤道儀を外した軽い状態で設置する。
向きは通常通り、架台部のツノある方向の脚(以下、北脚)を北に向けて設置する。 (当然、残った2脚は東西方向となるので東脚、西脚あるいはまとめて東西脚と略す。) |
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②.架台(三脚部)の東西・南北の方向の傾きを調整し水平にする。 |
| 場所を移動しても再現性を保つために、基準となる画題の水平になるよう調節する。
以下、試行錯誤の結果、私の場合で最も効率的と思われる手順。
しっかりと脚を開いて一度上からグッと荷重をかけて安定させてから、おもむろに架台に水準器を載せ、まずは南北の方向の傾きを確認する。
(私の場合、脚はできるだけ縮めた状態で使いたい。 そのため三脚の各脚は全部縮めた状態が基本。)
北側が低い場合は伸ばす方向での調整なのでそのままで可。 北脚が高い場合はそれ以上縮められないので反対側の東西脚を若干高めに伸ばしておく。
次に水準器を東西方向に載せ、東西脚で水平をとったのち、 続いて水準器をまた南北方向に変え、北脚で水平をに調節する。
(これをもし南北から先に水平調整すると、再度、南北の水平調整しなければならなくなる。)
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※ | コンクリート、アスファルトなど水平に思える場所でも雨水などの水はけのため、必ず1m当り、1~2cmの水勾配がつけてあるので少なくとも1脚は長さ調整が必要となる。
もし水勾配がなく三脚調整無しで水平が得られたなら、コンクリートあるいはアスファルトの施工不良? |
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③.おもむろに赤道儀を載せる。 |
| 初めに三脚を設置する時、しっかりと脚を開き、グッチと押さえて荷重をかけておかないと、赤道儀を載せるとその重量で三脚に荷が掛かり、折角合わせた水平が微妙に崩れてしまう。
東西方向は赤道儀南側の架台部分で水平を確認する。
南北水平は水準器を乗せる適当なスペースが無いので、やむを得ず先に進む。
なお、赤緯クランプ、赤径クランプを緩めてホームポジションに合わせ、アリミゾ部で水平を確認しておくのも吉。 |
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④.極軸合わせの準備。 |
| 極軸合わせのため赤道儀に STARBOOK および電源を接続、電源ON、起動時の儀式を一通りしてから極軸望遠鏡のカバーを外し準備する。
おもむろに極軸望遠鏡を覗き、STARBOOK で極軸望遠鏡の照明を調節する。
しかし極軸望遠鏡をいくら覗いても北極星が見えない! ここまで多少手を抜いたところはあったにせよ、そう大きくずれているとは思えない・・・
焦る、大いに焦る。 どうしたんだろう・・・。 改めてマニュアルを読み返すと、どうやら赤緯軸に開けられた穴を通して北極星を眺めるものらしい事が判明。
さらにもうひとつ、赤緯軸の中に通っているらしいウェイト軸・・・これもも伸ばさないと、ダメ。
ベテランには常識でも素人の私には思い及ばなかった。(赤緯軸についてはマニュアルにも書いてあったが見落としていた。)
さっそく極軸望遠鏡の対物側から覗きながら赤緯軸を回転させて穴の向きを合わせ、ウェイト軸を伸ばし、あらためて極軸望遠鏡を覗くと北極星が鎮座ましましておられました。
| 赤緯軸に遮られた状態 | 赤緯軸は開いているものの、
ウェイト軸に遮られた状態 | 北極星が見える状態! |
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⑤.マニュアルに基づいて極軸合わせの儀式を行う。 |
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詳細はマニュアル参照。
調整後、合いマーク、そしてついでに水準器も両面テープで貼付けてみた。
合いマーク→ 緯度の異なる場所へ移動して場合に行った極軸調整を元に戻す目安。
水準器→ いつもの設置場所とは、ほんの数メートル程度なので、
ここでの調整が再現できればと、淡い期待を抱いて両面テープで張り付けてみた。
※ 折角合わせた高度調整が不用意に動いてしまわないよう、高度調整クランプをしっかりと
締めつけておく。
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⑥.望遠鏡を載せて最終確認、そして撤収。 |
| いつもの場所に移しての再現性を確保するため、鏡筒を載せた状態での水平を確認しておく。
STARBOOK からホームポジションに戻して電源を切る。
いつも使う望遠鏡を載せ、ホームポジション位置で鏡筒部分で水平を確認し、ずれている場合は水平になるよう調整する。(STARBOOK では方位90度、高度0度)
念のため、STARBOOK から方位0度近く、そして高度0度に調整して鏡筒を南に向け、南北方向での水平を確認する。
再度、極軸望遠鏡を覗いて設定がず゛れていないかチェックするのが吉。
これで、いつもの場所で設置した時に、西向き高度0度、南向き高度0度で水平がとれていれば、水準器の精度と読み取り精度の範囲で再現できる・・・はず。
一応これで、この場所における赤道儀の高度、基準設定完了。 撤収~っ!
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