このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください


山形線・赤岩駅訪問記 #1

駅名表示板この駅を訪問したのは、 スカパー277ch「旅チャンネル」 で放送された 秘境駅へ行こう を見たのがきっかけです。なぜそこに駅があるのか、周辺には民家はおろか、駅へ通じるまともな道さえも存在しない、そんな駅をテーマにした番組で堂々第12位にランクしているのがこの赤岩駅……せっかく近くまで来たのだから、ひとつ足を伸ばしてみようと考えました。
福島県の中心・福島駅からたったの230円、18分、3駅目にそんな駅が本当にあるのか……半信半疑で早朝の山形線に乗り込みました。

秘境駅へ行こう はDVDも出ています。

福島駅5番ホーム
福島駅5番ホーム。米沢行き一番列車は7:08発と遅め。山形新幹線と同じところを走るため、JR在来線では非常に珍しい1435mmの標準軌道の2両編成です。隣の引込み線と比べて線路幅が広いのが判ります。
車内は固定クロスシートの2列ずつ向かい合う方式。西日本では見かけないのでこれまた珍しかったです。座り心地はまずまず悪くなかったです。福島駅を10人ほどの乗客で発車しました。
福島駅を出てしばらくすると高架から降りてきた山形新幹線と合流します。新幹線専用線も単線、在来線も単線で合流して複線になるんですね。この後すぐに右 側の線路に移りますが、福島市郊外の住宅地をしばらく走って笹木野、庭坂とほぼ5分間隔で止まります。庭坂を出て少しすると目の前に山が立ちはだかり、右に90度カーブを切るといきなり急勾配にかかって山岳路線に変化し、スピード を落として昇ります。
赤岩駅庭坂から約10分、トンネルをいくつも抜けると赤岩に到着。降りたのは私だけ、乗車した人はゼロでした。切符は車掌さんが回収します。

降りた瞬間…「こりゃすげー!」

この路線の常連さんでも、ここで降りたことがある人はあまりいないのではないでしょうか?自分が使わない駅って、近所でも乗降経験ないですもんね。
写真の右側は急傾斜の奥深い林、左側は雑木林があって谷になっています。
というわけで去って行く米沢行き。ここは福島市内なのですが、あたりに民家は見えません。走行音が聞こえなくなると、川のせせらぎと鳥のさえずりが聞こえるだけの、寂寞感と孤独を味わえる、まさに秘境駅!


【右の4枚】

と、 そこへ突然警報機の音。
山形新幹線つばさ102号・新庄発東京行きがやってきました。もちろん止まるわけはないのですが、福島市内にあることといい、新幹線が通ることといい、ミスマッチ感覚が むしろ秘境駅という雰囲気を盛り上げている気がします。
時速75km制限がかかっているので比較的低速で過ぎ去って行きますが、この距離で見ると在来 線特急にはない重厚感がありますね。

ところで、山形&秋田新幹線のように在来線を改軌して使う方式は、専用線と比較してスピードに難がありますが、コストを重視するこれからの時代に大いに参考になると思います。
だって、フランスTGVやドイツICE、スペインAVEなど、スピードで新幹線と張り合っている国の高速列車はみんな在来線に乗り入れています。
問題はあるでしょうけど、青天井で回収できるかどうかさえ判らない建設費出したうえに平行在来線を廃止か第三セクターにしてしまうよりも、現在の路線を可能な限り使ったうえで、沿線の騒音・安全対策などを充実させた方がよほど安上がりで済むと思いますが……。







【左の2枚】
福島方面を見ます。1435mmの軌道幅と傾斜が判ります。駅に続く道はこれ一本、踏切の向こうにある小屋が待合室になっています。
右側の家らしき建物は無人施設のようです。



この写真は待合室内にある時刻表。
かつては駅ホームにあったらしいのですが、風雪で被害が大きいのか室内に移されています。
時刻表の画像をクリックすると#2に飛びます。

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