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しってのとおりベトナム語は発音が極めて複雑である。発音の複雑さに加えてというよりも掛け算で抑揚が存在するからそれがますます我々にとって学習国難の原因になってしまいます。
何でこんなに複雑な発音になったかというと、モノの名前を二重母音を含む単音節で表現しようとしたからではないかと思います。しかしこの先祖の目論見も大失敗。文明が進むにつれて表現が細分化していってしまい、単音節だけでは表現力が不足してしまったのです。中国語では似たような意味の単音節単語のをつなげて意味を限定化しようとしています。これはこれで一応成功しているようです。また漢字を使っていることも大きな援助になったでしょう。
徐々にベトナム語に慣れてくるにつれ、中国語からの借用語が多いのに驚いています。
借用語にも二種類あって、交通標識の「最大」や「速度」「水電」などは日本語のsをtに置き換えるとほぼ同じ発音になります。
ちなみに「水電」とは水力発電の中国語です。
昔ニュースで聞いた北ベトナムの放送「ニャンザン」とは「人民」のベトナム語読みで、日本の音読みと全く同じです。
もうひとつは中国語の二字単語をベトナム語風に前後をひっくり返して使っているものです。
言語は20km/yrで広がってゆくといわれます。ベトナムと朝鮮は中国に隣接しているので、日本語にくらべて新しい中国語の発音が入っているはずです。したがって韓国語とベトナム語には似た読みが日本語よりもっと多いのではないかと想像できます。これは韓国人に尋ねた方がよさそうですね。
2007年7月にサイゴンからはじめてハノイに来たときに町の人たちが話しているベトナム語が南方の中国語に聞こえたほど、発音が中国語に近いのです。肌の色も白く顔つきも香港で見られる広東人によく似ています。
さて、だんだんとベトナムに慣れてくるにつれ色々なことを感じるようになった。
その1 ベトナム人は声高にしゃべる
東京で買ってきたベトナム語会話についていたCDに録音されていたベトナム語はとても滑らかで聞きやすかった。
ところが、現地でベトナム人同士の会話を聞いていると、まるでけんか腰でしゃべっているように聞こえる。声高で相手を声で圧倒するようなしゃべり方なのである。英語にもこの癖が出ていて、声高にしゃべるが、英語の下手な人が多いことと、話の内容が整理されていない、話題になっていることの本質が分かっていない、の三点で、我々にとってはますますわからなくなってしまうのである。ただギャーギャーわめいているとしか理解できないのである。
筆者はもともと声が大きい。ベトナム人にも負けないくらい大きい。それに体も大きく、英語もまあまあしゃべれるのでいざとなればこの三つの武器で相手に威圧感を与えようと思っている。
最近の中国人はだいぶ変わったが、以前の中国人は今のベトナム人のようにけんか腰と思われる口調でしゃべる人が多かった。マレーシアを見ていると、1980年代を境にだいぶ変わったような気がする。これは豊かになって精神的にもゆとりが出てきたためなのであろう。
●英語が下手なのは「敵性言語」だったから学校教育で重要課題として教えなかったのかもしれない。
ベトナム語は発音が精緻に出来上がっているので、発音が簡単な英語はすぐに覚えられるだろうと我々は想像するが、現実はそれから程遠い。それは「勉強したくない」からという理由によるだろう。怠け者で有名なインドネシア人でももっと英語を話せる人は役所にたくさんいるのに。
若いうち英語を勉強しておかないと仕事を覚えても英語ができないと海外での仕事にはつけない。さらに十年以内に国内市場は満杯になるから、海外に出稼ぎするしかないことは目に見えている。しかし、これも分かっていない。
最近の中国人はだいぶ変わったが、以前の中国人はけんか腰と思われる口調でしゃべる人が多かった。マレーシアを見ていると、1980年代を境にだいぶ変わったような気がする。これは豊かになって精神的にもゆとりが出てきたためなのであろう。
●話の内容が整理されていないのは、話すべき内容を理解していないからである。これは次の事実からそれと分かるのである。
●話題になっていることの本質が分からないのは経験不足と勉強不足によるものである。勉強しようにも現在の50歳台の働き盛りは対米戦争の犠牲になってしまい、社会で働いている人の数がとても少ないからである。
■経験不足と勉強不足により、話の内容を他人に分かりやすく説明することができない。したがって自分の欠点を隠すためにけんか腰で押し付けるように話さざるを得なくなる。しかし、英語が下手だから、外国人とのコミュニケーションが不十分で外国人からのアドバイスも聞き取ることができない。だから経験がつめない、という悪循環に陥っているのだろう。
指導しようにも、本人がその気にならなければ向上の糸口さえ見つからない。「縁なき衆生は救いがたし」なのである。
その2 相手をにらみつけてしゃべる
そんなに睨み付けなくとも良いだろうと思うほどに聞き手をにらみつけてしゃべっている。微笑みは「ない」。
同席したベトナム人同士の会議の後で内容を尋ねてみると、非常識な要求を業者に突きつけていることが多い。こんな理不尽な要求を突きつけられたら誰でも立腹するのである。「そんな要求をしてはならない、クレームが発生しても知らないよ」と教えても焼け石に水なのである。将来発生するだろうリスクが見えていないのである。
その3 一応は年の差を気にしているようだ
ベトナムでも儒教はさかんであったから、一応は年の差を気にはしているようだ。しかし、仕事となると権力をかさにかけてあーだこーだと文句をいう官吏は多い。ベトナム語がわからないから敬語を使っているかどうかはわからない。しかし、顔つきから見て、若い官吏が年上の業者に相当にひどいことを言っているのが想像できるのである。筆者は役所に雇われている技術コンサルタントであるが、「非常識なことはだめ」と言い切っている。クビにするならしてみろ、とも役所の非常識な人間を脅している最中である。あまりに締め付けたら誰も相談に来なくなるかもしれないが、それはその時に対処を考えればいいのである。悩むことはない。なぜなら、もうすぐ定年だからなのである。
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2008-05-09 作成
2008-05-18 追加
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