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超能力開発研究所 Supernaturalism |
第一話 お化け考
第九章 お化けとの共存の勧め
エコロジーライフ、スローライフというのが昨今の標語である。
このようなライフスタイルを筆者は嫌うわけではないが、このスタイルの行きすぎには嫌悪感を覚えるのである。
既存のエコロジーを守るためにダム建設を中止することは筆者としてやぶさかではない。しかし、これは場合によりけりである。
日本のように国土開発がほぼ終了して、建設から維持管理の段階に入った国では、水資源にせよ、電力にせよ他の分野・地域からの転用が可能であるからダム建設の必要性は自然環境破壊とのバランスで検討する必要があるが、開発途上国では他の分野・地域からの資源の転用が不可能であるため、国土開発にはダム建設が不可欠であることは言うまでもない。それでもダム建設に反対するのなら、その土地で一年も暮らしたらよいだろう。ダムの必要性を切実に感じるようになる。
さて、科学的にその存在が認知されたものではないお化けについて考えてみよう。お化けはオカルトと同種であるから認めない、という人もいるだろう。では科学とはなんだろうか?
科学とは、オカルトの一種であるが、社会的に認知されたもの、と定義できるだろう。地球温暖化は炭酸ガス効果によるものであると「科学は証明している」と政府は言っているが、本当は間違えているかもしれないのである。この間違いの可能性を無視して物事を断定するのは「科学的」ではない。「科学の常識」は明日塗り替えられるかもしれないという危険を常に孕んでいるからである。
だから社会的に認知されていないお化けも自然環境の一部の構成するものであると考えてみよう。そうすれば、いろいろな問題が解決できるからである。
問題の解決にはふたとおりの方法がある。上流側から原理原則の理論詰めで問題を解析していく間に発見した問題点を解決することで、もともとの問題を解決する方法。もうひとつは下流側から複数の問題に共通因子を見つけて、その解決方法を見つけ出す方法である。
お化けの場合には科学的な原理原則がないので、後者の下流側からのアプローチに頼ることにならざるを得ない。共通因子から導き出された解決方法は、科学的理由が付けられて論理的に応用される。
お化けが関与する現象はカテゴリー別に別章に掲載してあるとおりである。
さて、お化けがこの世に存在する意義とは彼らの持つ恨みなどの感情を晴らすことである。しかし、恨みを晴らそうにも長い時間が過ぎてしまうと晴らす対象がこの世からいなくなってしまう。したがって、だれでもよいからうっぷんを晴らそうとするか、助けを求めることになる。しかし助けを求めようとしても、怖いから人間たちは近寄ろうとはしないし、お祓いなどで追い払おうとする。お祓いがうまく効けば良いが、逆にお化けを怒らせてしまうこともあるのではないかとおもう。だから昔からお祓いをしていても古くからそこにいる霊が残ってしまうことになる。
上記の理由から、筆者はお化けとの共存をすすめたいのである。お化けを刺激しなければ人間には悪さをしないからである。またお化けが成仏するのに手助けしてやれば、かならずその人が困った時にはお化けたちが恩返しに来てくれるからである。
お化けたちが感謝や恩返しに来た時には甘い花の香りが数秒間たちこめる。ちょうどお線香をたいたときのようにである。この香りは何度も嗅いだ事があり、その時は温かい感覚が身を包んだのである。
目で見えるものだけがこの世にあると思うのは大間違いであり、科学で立証できないものは信じないというのも行きすぎだ。では「愛」は学問の対象、科学の対象になるか? ならないのである。
世の中には客観という言葉がある。さらに「客観的」という言葉を振り回す者が多い。これはとくに科学者と技術者に多くみられる。自然科学の範疇の事象については「客観的に」説明することができるだろう。しかし、この発言者は自分の言った「客観的」という考えが「主観的」であることを忘れている。この世には「客観」というものは存在しない。すべてが「主観」なのである。「神は遍在する」という文言を一神教の信者の発言者は「客観」と主張するだろうが、実際には彼の主観なのである。あくまでも客観と言い張るのなら「そんなら、その神様とやらを俺に見せてくれ」と言い返してやるのがよい。まず返答はないだろうし、その人との人間関係が悪くなることはいうまでもない。しかし、こんな人とは付き合わないほうが人生が楽しく過ごせるのである。
心を澄ませて感じるものが、あなたにとって「存在するもの」なのである。おばけもそのひとつである。
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2009-09-06 作成
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