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灯台めぐり

 真っ青な海をバックに緑の岬に立つ灯台というのは妙に心惹かれるものです。
ここでは僕が訪れた灯台のいくつかについてご紹介します。とりあえず、北海道・東北編から。

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 宗谷岬灯台 (北海道稚内市)

 宗谷岬は言うまでもなく日本最北端の地です(正確には北方領土・択捉島の北端の方がわずかに北に位置していますが)。僕は雪の季節に2度と夏に自転車で一度訪れています。灯台の主なデータは以下の通りです。
 位置は北緯45度31分9秒、東経141度56分25秒。紅白横線塗、四角形コンクリート造。灯質は群閃白光、毎15秒を隔てて15秒間に4閃光。光達距離は17.5海里(32.4キロ)。高さは地上から頂部までが17メートル、水面から灯火までが39.8メートル。この灯台には霧信号所と無線方位信号所も併設されています。


 稚内灯台 (北海道稚内市)

 稚内市街の北はずれに位置するのが野寒布(ノシャップ)岬で、この岬に立つのが稚内灯台です。近くには水族館もあります。天気がよければ、沖合には利尻島や礼文島が望まれるでしょう。僕は雪の季節に1度と夏に自転車で1度訪れています。
 位置は北緯45度26分50秒、東経141度38分56秒。「紅白横線塗、円形、コンクリート造」で地上から頂部までの高さが42.7メートルもある煙突みたいに背の高い灯台です。灯質は「群閃白光、毎14秒を隔てて6秒間に2閃光」。夕暮れ時に訪れ、心の中で閃光の間隔を数えて確かめました。


 金田ノ岬灯台 (北海道・礼文町)

 最北限の島・礼文島は馬の顔に似た形をしていて、北端には両耳にあたる2つの岬があります。西側がスコトン岬で、灯台は北の海上に浮かぶトド島にあります。一方、東側の岬が金田ノ岬です。この岬の丘陵上に礼文空港があります。
 写真の道路は岬の先端をマラソンの折り返し地点のような急カーブで回っています。

 群閃白光 毎8秒に2閃光。


 沓形岬灯台 (北海道・利尻町)

 利尻島の最西端・沓形岬にある灯台で、ここも紅白横線塗の灯台です。沓形岬は火山からの溶岩流が海岸にまで達して形成された岬で、至るところに溶岩が露出し、灯台も小高い岩山の上に立っています。なお、沓形の地名は現地で購入したガイドブックによればアイヌ語のクチカンタが語源で、岬の崖上にある平坦地の意味だそうです。
 周辺はキャンプ場になっていて、僕も一泊しましたが、とにかく風が強かったのを思い出します。近くには温泉もあります。

 等明暗白光 明3秒暗3秒。


 石埼灯台 (北海道・利尻富士町)

 利尻島の最東端にある灯台で、高さは32.2メートルもあり、道内では稚内灯台に次ぐ第2位のノッポ灯台だそうです。
 単閃白赤互光、毎20秒に白1閃光、赤1閃光。




 


 仙法志埼灯台 (北海道・利尻町)

 利尻島の最南端・仙法志御崎にある灯台です。
 島を一周中に立ち寄り、灯台を間近で眺めようと自転車を止めて歩いていったら、クモの巣に顔を突っ込んでしまいました。

 単閃白光 毎5秒に1閃光。

 岬の近くに自然水族館というのがあり、海の一部を仕切ってゴマフアザラシが飼育されていました。




 金比羅岬灯台 (北海道・初山別村)

 北海道の日本海側に位置する初山別村にあり、自転車で2度訪れました。あたりは「みさき台公園」として整備され、キャンプ場や天文台があります。この天文台は一般公開もされているので、キャンプ場に泊まって夜は星空ウォッチングというのがおすすめです。
 金比羅岬灯台は昭和44年初点灯。「赤白横線塗、塔形、コンクリート造」で灯質は「単閃赤光、毎4秒に1閃光」。地上から頂部までの高さは12.1メートル、水面から灯火までは55.6メートル。灯台の名前は海の安全を祈願して岬に金比羅神社を祭ったことに由来するそうです。


 北見神威岬灯台 (北海道・枝幸町)

 北海道のオホーツク海岸にある急峻な岬です。かつては灯台のすぐ下を国鉄興浜北線が通っていて、列車は急カーブで岬の先端を回っていました。その鉄道も昭和60年に廃止され、同じく岬の先端を回っていた国道も現在はトンネル化されています。
 位置は北緯45度03分25秒、東経142度30分20秒。白地に黒横線2本塗、塔形、コンクリート造。灯質は単閃白光、毎15秒に1閃光。光達距離は20.5海里。高さは地上から灯火までが16.5メートル、水面から灯火までが59.5メートル。
 この岬は流氷の季節に列車で4回通ったほか、自転車でも夏に1度訪れました。その日は浜頓別から雄武町・日の出岬まで走ったのですが、カンカン照りで日陰もまったくなく、とにかく暑かったのを思い出します。


 能取岬灯台 (北海道網走市)

 網走の北方、オホーツク海に突き出た岬の一帯は牧場になっていて、牛や馬がのんびりと草を食んでいます。僕は自転車で2度訪れましたが、2度目の時は岬から能取湖方面へ向かう途中の砂利道でパンクしたのが思い出です。でも、右の写真のような道を岬へ向かって自転車で突っ走る爽快感はどなたでも想像できることと思います。
 大正6年初点灯という道内では比較的古い灯台で、地上から頂部までの高さは20.7メートル、海面から灯火までは57.2メートル。単閃白光、毎15秒に1閃光。光達距離は20海里(約37キロ)。



 宇登呂灯台 (北海道・斜里町)

 知床半島のオホーツク海側、宇登呂から先の海岸は険しい断崖絶壁が続きます。その断崖上から海を見守っているのが宇登呂灯台です。すぐそばには「乙女の涙」の別名を持つフレぺの滝がかかっています。灯台へは管理用道路が通じていますが、周辺には誰もいなかったので、ヒグマが出ないかとビクビクしながら写真を撮ってきました。
 単閃緑光、毎15秒に1閃光。






 野付崎灯台 (北海道・別海町)

 野付半島は根室海峡の潮流によって運ばれた砂が堆積してできた日本最大の砂嘴で、フラワーラインと呼ばれる道が通じています。右に野付湾、左に根室海峡と国後島を見ながら走る道で、僕は自転車で2度訪れました。1度目(1997年)は丹頂鶴やオジロワシを見たりして、気持ちがよかったですが、2度目(1998年)は凄まじい風で、横風の恐ろしさが身にしみました。灯台付近はとても立っていられないぐらいの風で、写真を撮っただけで早々に退散しました。灯台のある半島東端部は竜神崎と呼ばれているようですが、灯台名は野付崎灯台のようです。

 等明暗白光 明3秒暗3秒。


 ノッカマップ埼灯台 (北海道根室市)

 ノッカマップ岬は根室市街から納沙布岬に行く途中にある根室半島北岸の岬です。荒涼とした印象の場所ですが、色とりどりの花が咲き乱れ、僕の好きな岬のひとつです。少なくとも納沙布岬よりは断然いいです。何もないのが魅力でしたが、現在の写真を見ると、周辺に風力発電の風車が建設されているようです。
 群閃白光、毎10秒に2閃光。




 納沙布岬灯台 (北海道根室市)

 言うまでもなく本土最東端の灯台です。晴れていれば、目の前の海峡の彼方に北方領土の島々(歯舞諸島)を望むことができます。あまりに観光地化されすぎている感じで、風情はあまりないですが、そのわりには僕は6回も行ってしまいました。
 8月9日(太平洋戦争末期のこの日、ソ連軍が日ソ中立条約を一方的に破棄して北から攻め込んできた、いわば北方領土問題の発端となった日)の前後には全国から愛国的な団体が集結するので、岬はかなりすごい雰囲気になります。

 灯台の位置は北緯43度22分58秒、東経145度49分16秒。白色で上部円形、下部四角形、コンクリート造。灯質は「等明暗白光、明2秒暗2秒」。光達距離は14.5海里(約27キロ)。高さは地上から頂部が13.5メートル、水面から灯火が23.2メートル。初点灯は明治5年7月12日。
 なお、この灯台には霧信号所が併設され、霧が発生して視界が悪い時はいわゆる霧笛が鳴ります。霧笛も灯台ごとに吹鳴間隔が異なっていて、納沙布岬灯台は毎40秒に3回吹鳴で、吹鳴5秒〜停鳴3秒〜吹鳴5秒〜停鳴3秒〜吹鳴5秒〜停鳴19秒となります。


 花咲灯台 (北海道根室市)

 冬は流氷に閉ざされる根室港に代わって根室の漁業基地となる太平洋側の花咲港のそばにあるのが花咲岬です。僕は雪の季節に根室本線花咲駅から徒歩で1度、夏に自転車で1度、訪れています。夏の時は霧が立ち込め、霧笛が鳴っていました。この岬には千島火山脈の活動によって生成した「車石」という車輪形の奇岩があり、天然記念物に指定されています。また、沖合にはユルリ島、モユルリ島が浮かんでいます。
 灯台は白地に赤横帯1本、塔形。灯質は単明暗白光、明6秒暗2秒。高さは地上から頂部までが10メートル、水面から灯火までが31メートル。
 霧笛は毎15秒に1回吹鳴(吹鳴5秒〜停鳴10秒)。


 落石岬灯台 (北海道根室市)

 根室市の南西端に位置する落石岬は断崖に囲まれた岬の中央部にアカエゾマツの林に囲まれた湿原が広がる特異な岬で、貴重な植物も多いそうです。そのため、灯台まで車両では入れず、木道を歩いていくことになります。僕は夏に自転車で2度訪れていますが、初回(1997年)はひどい霧で、灯台のすぐそばまでいくと、ようやく霧の中から紅白の灯台がぼんやり見えてくるといった状態で、霧笛だけが寂しげに響いていました。2度目(1998年)は完璧に晴れて、緑の草原と青い海と灯台の素晴らしい眺めでした。
なお、落石岬では2度ともエゾシカの群れを見ています。
 灯台は白地に赤横帯1本、塔形。灯質は単閃白光、毎8秒に1閃光。高さは地上から頂部までが14.9メートル、水面から灯火までが48メートル。
 霧信号は毎30秒に2回吹鳴(吹鳴5秒〜停鳴5秒〜吹鳴5秒〜停鳴15秒)。


 湯沸岬灯台 (北海道・浜中町)

 浜中町の霧多布岬にあるのが湯沸岬灯台。1997年、98年と自転車で2度訪れており、灯台近くのキャンプ場に泊まりました。僕にとっては生まれて初めてキャンプでもありました。灯台からは夜通し霧笛が聞こえていた印象があります。
 灯台は白地に赤横帯1本、塔形。灯質は単閃白光、毎5秒に1閃光。高さは地上から頂部までが12.2メートル、水面から灯火が49.4メートル。
 霧信号は毎30秒に1回吹鳴(吹鳴10秒〜停鳴20秒)。



 十勝大津灯台 (北海道・豊頃町)

 十勝川河口の集落・大津の西方の丘の上にある灯台です。夜、太平洋岸の寂しい道を自転車で走っていると、頭上を何度も灯台の光が走りました。それで灯台の存在に気づいたわけで、実は灯台の姿そのものは見ていません。従って、写真もありませんが、妙に印象には残っています。
 白地に黒横線2本塗りの灯台で、灯質は「群閃白光、毎20秒に3閃光」だそうです。


船上から見た襟裳岬 襟裳岬灯台 (北海道・えりも町)

 襟裳岬には1998年夏に自転車で1度だけ訪れました。断崖絶壁に囲まれた岬は風が非常に強く、樹木がほとんど育たないため、草原や笹原になっています。ここは北海道の中央部から南へ走る日高山脈が海に没する末端にあり、山脈は岬の先で岩礁となって海中に消えていきます。その岩礁にはゼニガタアザラシが生息していて、通年観察できます。
 灯台の周知板によれば、明治22年に建設された襟裳岬灯台は太平洋戦争中に爆撃を受けて破壊され、現在の灯台は昭和25年に再建された「白色、円形、コンクリート造」です。地上から頂部までの高さは13.7メートル、海面から灯火までが73.3メートル。灯質は単閃白光、毎15秒に1閃光。光度は90万カンデラで光達距離は22.5海里(約42キロ)。この灯台の光は釧路と東京を結ぶ近海郵船フェリーの船上から3度ほど眺めましたが、今は旅客輸送が廃止されてしまいました。
 また、襟裳岬周辺の海域は寒流と暖流がぶつかり合うため濃霧が発生しやすく、従って霧信号所も設置されています。


 増毛灯台 (北海道・増毛町)

 北海道の日本海岸にあり、JR留萌本線の終点・増毛駅の背後の丘の上に紅白に塗られた灯台を見ることができます。
 増毛は北海道の中では歴史の古い町のひとつで、灯台も明治23年初点灯です。地上から頂部までが13メートル、水面から灯火までは46メートルあります。
 単閃白赤互光、毎16秒に白1閃光、赤1閃光。


 積丹出岬灯台 (北海道・積丹町)

 積丹半島最北端に位置する灯台で、一般的には積丹岬と呼ばれていますが、灯台の正式名称は積丹出岬灯台というそうです。断崖絶壁の多い積丹半島ですが、この灯台もかなり高い位置にあり、急坂の上の駐車場からさらに遊歩道を登っていくと、たどりつきます。僕は2001年夏に自転車で訪れました。
 灯台の高さは地上から頂部が13.3メートル、水面から灯火は141メートルもあります。
 単閃白光、毎5秒に1閃光。


 神威岬灯台 (北海道・積丹町)

 積丹半島西北端に突き出た積丹神威岬に立つ灯台です。駐車場から断崖上の遊歩道を20分ほど歩くと灯台に着きますが、僕が訪れた日は最高の晴天で、海の色がとてもきれいでした。シャコタンブルーと言われているそうです。
 灯台は白地に黒横帯2本塗り、塔形、コンクリート造。灯質は単閃白光、毎15秒に1閃光。高さは地上から頂部が10.7メートル、水面から灯火までが81メートル。



 竜飛埼灯台 (青森県・三厩村)

 青森県の津軽半島北端にある灯台で、1992年3月に訪れました。津軽海峡の対岸に北海道・白神岬が見えます。
 灯台は100メートル以上の断崖絶壁の上にあり、国道339号線が最後は階段になって通じています。
 白色、円形、コンクリート造りの灯台で、地上から頂部までが14メートル、水面から灯火までが119メートルあります。
 群閃白光、毎21秒を隔てて7秒間に2閃光。光達距離は27海里(約50キロ)。



 艫作埼灯台 (青森県・深浦町)

 秋田県から青森県にかけての日本海側を走る最果てのローカル線・JR五能線の艫作(へなし)駅の近くにある灯台です。灯台の入口には昭和11年の五能線全通記念碑があります。
 僕は1992年3月に艫作から深浦まで歩いた際に立ち寄りました。岬の周辺にキャラメル色の温泉が湧き、黄金崎の別名があり、すぐ下の海岸に露天風呂があります。
 灯台は白色、円形、コンクリート造り。灯質は単閃白光、毎10秒に1閃光。地上から頂部までは23.7メートル、水面から灯火までが68メートル。




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