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旅で出会った生き物リスト
旅をしていると、いろいろな野生の生き物たちに出会います。とりわけ、自転車で旅をしていると、列車やクルマより遥かに出会いのチャンスが多くなります。列車やクルマと違って、いつでもどこでも自由に立ち止まって彼らを観察できるのも自転車の旅ならではの楽しみです。ここでは、過去に旅先で出会った主な野生生物のリストを作ってみました。
ジロー君のこと
柴犬のジローにあったのは1996年5月3日のことでした。初めて自転車で神奈川県の江ノ島まで走った時、サングラスをかけ、ジーンズの上下を身につけ、赤いシューズを履いて、ミニバイクに跨ったヘンな犬が行楽客の人気を集めていました。そばにいた飼い主のおじさんに聞くと、横須賀市から来ていて、これから一緒にバイクで日本一周の旅に出て、各地で阪神大震災の被災者のための募金活動をするのだという話でした。バイクには「さわるとおこります」と書いてありましたが、頭を撫でてやっても、おとなしくしていました。しばらく立ち話をして、写真を撮らせてもらい、少額の募金をしただけでお別れしたわけですが、おじさんから「北海道に行くと自転車にテントを積んでキャンプしながら旅をしている人がたくさんいる」という話を聞いたことが、それまで一度もキャンプ経験のなかった僕を自転車でのキャンプツーリングに向かわせることになりました。
さて、その年の暮れに『朝日新聞』にジローのことが写真入りで紹介されました(1996年12月25日の「青鉛筆」欄)。
おじさん(蒲谷哲さん、55歳)とジロー(7歳)が無事に日本一周を終え、ゴールの神戸に到着し、全国の観光地で集めた義援金147万円を神戸市に寄託した、という記事でした。「ジローは走行中、ミニバイクのステップに立ち、ヘルメットもかぶる」と書いてありました。
おじさんとジローの旅はその後も続きました。毎年一緒に全国を回って募金活動を続けていたのです。ここから先はインターネットを通じて知ったことですが、おじさんとジローを悲劇が襲います。1999年におじさんは旅先の京都で脳内出血で倒れてしまったのです。そして、知人宅に預けられたジローもおじさんを慕って自宅に戻ろうとして交通事故に遭い、瀕死の重傷を負ってしまいます。ジローは奇跡的に助かったものの後ろ足が不自由になり、特製車椅子での生活になってしまったということです。
元気になったものの左半身にマヒの残ったおじさんと下半身が不自由になったジローはその後も各地を回って福祉のための募金活動を続け、多くの人との交流を続けました。ジローを主人公にした絵本も出版されたといいます。
そして、2004年2月7日、ジローはおじさんに見守られながら14歳で亡くなったそうです。
エゾシカ
(阿寒湖畔にて)
北海道、とくに道東地方を旅行していると会いたくなくても会ってしまうのがエゾシカ(とキタキツネ)です。僕は過去に数百頭のエゾシカを見ています。特に知床半島、根室地方、阿寒湖周辺などには本当にたくさんいます。
交通事故も多く、大型のシカとぶつかると普通の乗用車なら最悪の場合、廃車になるほどのダメージを受けるそうです。北海道の道はどこでシカが飛び出してくるか分からないので注意が必要です。
列車だと根室本線の釧路〜根室間、釧網本線などで大抵は車窓にシカを見かけます。シカの群れが線路に立ち入ったり、横断したりして列車が急停車、あるいは立ち往生という経験も何度かあります。
知床半島、釧路・根室地方、阿寒湖では数え切れないぐらいのシカに会っているので、細かい場所は省略しますが、経験上、ほぼ確実にいると言えるのは、知床半島の知床五湖手前の開拓跡地周辺でしょうか。
それ以外では国道37号線の室蘭市白鳥台付近で1頭(国道横断)、十勝の糠平付近、湧網線跡のサイクリングロード(網走市・常呂町境界付近)、十勝・豊頃町の大津付近など。
キタキツネ
北海道を旅していて、シカと並んでよく出会う動物。こちらも数え切れないぐらい会っています。やはり道東地方でよく見ますが、北海道のほぼ全域にいるようです。人から餌をもらうことに慣れ、まったく人間を恐れず、向こうから近づいてくる例も多いですし、大抵のキャンプ場にもしばしば出没し、食料やゴミ袋を持ち逃げしています。そのため、北海道を自転車で走っていて、交通事故に遭った死体を見かけるのもキタキツネが一番多いです。
ちなみに初めてキタキツネを見たのは1983年3月28日、旧国鉄湧網線の車窓からでした。
北海道の釧路・根室地方、知床半島、浜小清水(かつて大ヒットした映画「キタキツネ物語」の舞台)、サロマ湖畔などで多数。
北海道・国道273号線の大雪湖〜三国峠間および幌加付近
北海道・ニセコパノラマラインの岩内側山麓
北海道・大沼公園の路上で轢死体。
エゾリス
北海道・阿寒湖畔ボッケ遊歩道
北海道・屈斜路湖和琴半島遊歩道
シマリス
北海道・国道391号線弟子屈付近(自転車で走行中)
北海道・釧路湿原・細岡〜岩保木山間の林道(自転車で走行中)
北海道・足寄町オンネトー湯の滝付近(徒歩で散策中)
北海道・摩周湖第一展望台(餌付けされたシマリスが出てきます=右写真)
北海道・小清水峠(自転車で走行中に車に轢かれた死骸を見ました)
ゼニガタアザラシ
北海道・襟裳岬(ここでは300頭以上が生息し、一年を通じて観察できます)
トド
北海道・羅臼沖で船上より(1985年3月)
北海道・斜里町オシンコシンの滝付近の海岸で漂着死体。1997年8月に発見。1998年8月には白骨化。
ニホンザル
東京都奥多摩町(青梅街道・小河内ダム〜氷川)で2回。自転車で走行中に群れが出現。
東京都檜原村矢沢林道(徒歩で散策中)
埼玉県・西武秩父線芦ヶ久保駅付近の車窓より。
千葉県・鋸山ロープウェイの窓より(2008.4.27)
山梨県・富士急行線三ツ峠駅〜寿駅間で群れを目撃(2007.4.29)
長野県上高地(大正池〜河童橋)徒歩で散策中
長野県駒ヶ根高原(バスの車中より)
群馬県・信越本線軽井沢〜横川間の車窓より(下り線路上に子ザル1匹)
宮崎県串間市幸島&都井岬周辺
鹿児島県・屋久島の各地で多数出没(特に西部林道を中心に西海岸で多く見かけました)
イタチ
北海道・礼文島金田ノ岬〜上泊で道路横断(自転車走行中)
ミンク
北海道小清水町・止別川の河口付近。飼育場から脱走して野生化したものがいるそうです。雪の季節なのに、冷たい水の中に飛び込んだりしていました。
チョウセンイタチ(?)
長崎県・対馬の芦浦(自転車走行中) 初めはツシマテンかと思ったのですが、たぶんイタチでしょう。毛色は黒っぽい茶色でした。
テン
東京都檜原村・都民の森(
夜行性動物観察会
)
(いずれも都民の森にて。夏毛と冬毛)
ホンドギツネ
秋田県・奥羽本線の車窓より雪原を横切るキツネの姿を目撃。(湯沢市付近?)
北海道のキタキツネは観光客を見ると近寄って来たりしますが、本州のキツネは大変警戒心が強く、なかなか姿を見せないようです。それが野生動物の正しい姿だと思いますが。
タヌキ
東京都檜原村・都民の森(
夜行性動物観察会
)
東京都・明治神宮御苑
(明治神宮にて)
自転車で走っていると車に轢かれた死骸はしばしば見かけます。
「動物横断注意」の道路標識も本州以南ではタヌキの図柄が多いようです。
ハクビシン
東京都檜原村・都民の森(
夜行性動物観察会
)
世田谷区上祖師谷の路上で車に轢かれた死体発見(2005年7月)
世田谷区代沢の住宅街で目撃(2006年1月) 野良? 野生?
(最近、世田谷区内でも目撃情報が増えているそうです)
(都民の森にて)
ムササビ
東京都・高尾山薬王院(
ムササビ観察会
)
東京都檜原村・都民の森(夜行性動物観察会)
ニホンカモシカ
長野県駒ヶ根市しらび平付近(バスの車中より)
長野県・上高地(河童橋〜明神池、徒歩で散策中)
東京都奥多摩町日原(徒歩で散策中)
ニホンジカ
東京都奥多摩町日原(徒歩で散策中、多数)
山梨県の富士スバルライン1合目付近でメス1頭(2009.6.20)、4合目付近でメス1頭(2012.6.23)
栃木県日光市のいろは坂・道路下の草地に4頭(2010.9.19)
(日光いろは坂にて)
ヤクシカ
鹿児島県・屋久島の縄文杉の根元に母子2頭、楠川歩道で2頭など。
ニホンリス
東京都檜原村・都民の森
東京都奥多摩町・日原
山梨県・西湖野鳥の森
(都民の森にて。2015.3.15))
タイワンリス
神奈川県・鎌倉周辺(多数)、江ノ島
タンチョウ
丹頂鶴は冬は釧路湿原周辺の給餌場に集まって過ごし、夏は道東各地の湖沼や湿原にペアごとに散らばって子育てをします。以下のリストで2羽と表記してあるものについては、子連れだった可能性もあります。
北海道・厚岸湖(1982年3月、根室本線車窓より2羽)
北海道・阿寒丹頂の里(1982年3月、多数)
北海道・鶴居村(1983年3月、多数)
北海道・釧網本線茅沼駅付近(1983年3月、釧網本線車窓より4羽))
北海道・釧路阿寒自転車道沿いの牧草地(1羽)
北海道浜中町・霧多布湿原(2羽)
北海道浜中町・ポロト沼(2羽)
北海道根室市・温根沼(2羽)
北海道根室市・春国岱(2羽)
北海道標茶町・シラルトロ湖付近の牧草地(2羽)
北海道・野付半島ナラワラ(2羽)
北海道・野付半島竜神崎付近(2羽)
北海道網走市・能取湖(2羽)
北海道豊頃町・大津の湿原(2羽)
オジロワシ
北海道・羅臼町(1985年3月)多数
北海道・野付半島トドワラ付近(1997年夏、自転車で走行中に1羽が頭上を飛んでいく)
オオワシ
北海道・羅臼町(1985年3月)多数
コマドリ
ウグイス・オオルリと並ぶ日本三鳴鳥のコマドリは本州以南だと標高1,000メートル以上の高山に飛来する夏鳥ですが、北海道では海岸付近でもその美しい声を聞きます。ただ、実際に会うのはなかなか難しいようで、僕が姿を目にしたのは2回のみです。
東京都檜原村・都民の森の三頭沢
鹿児島県・屋久島の縄文杉付近
イルカ
イルカといってもいろいろな種類がいますが、見分けるだけの知識がないので、ひとくくりにしています。当然、すべて船上から見ました。
紀伊半島沖、北海道釧路沖、北海道十勝沖など。
サメ
フェリーに乗っていて、イルカと並んで、よく見るのが意外にもサメです。頭部がハンマー形のシュモクザメ以外は種類は分かりませんが、けっこう大きなサメが海面のすぐ下を泳いでいます。
シュモクザメ・・・徳島沖(紀伊水道)、茨城沖
それ以外のサメ・・・紀伊半島東方沖、宮城県沖(映画「ジョーズ」みたいな背びれのみ。たぶんサメ)
マンボウ
北海道沖の太平洋でフェリー船上より目撃。海面近くをプカプカ浮いていました。
ウミガメ
屋久島・栗生の沖合で海中展望船から2匹目撃。アオウミガメかアカウミガメかは分かりませんでした(2002.8)。
千葉県・房総半島の和田浦で浜に打ち上げられた死骸を見つけました(1995.8)。
アライグマ
北アメリカ原産のアライグマは今や日本各地で野生化して、すっかり悪者扱いですが、僕が唯一見た野生のアライグマは千葉県長南町の路上で車に轢かれて死んだものでした(2007.10.7)。
ヤマドリ
東京都檜原村・都民の森(2015.3.15)
スミスネズミ(カゲネズミ)
東京都檜原村・都民の森(2015.3.15)
ノウサギ
東京郊外の丘陵地帯に広がる多摩動物公園には飼育動物以外にも野生動物が生息しており、園内で野生のノウサギを目撃しました(2015年春)。
アナグマ
これも多摩動物公園内で、園路の側溝の中を移動中の野生のアナグマを目撃しました(2016年4月)。園内にはいくつかの巣穴があるそうです。
クマタカ
東京都檜原村・都民の森(2017.3.18)
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