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 EF65形直流電気機関車の概要

 

1.はじめに

世は国鉄時代、そして昭和の時代の1965(昭和40)年に誕生した直流貨物用電気機関車、それがEF65形である。

戦後、東海道本線は電化が進められ、旅客用のEF58型電気機関車、貨物用のEF15型電気機関車が、終戦直後の昭和20年代に増備された。現在何かと新聞を賑わせている「団塊世代」が産まれたころに新製された電気機関車である。この2形式はしばらくは準戦時設計であまり調子が良くなかった様だが、やがて改良とともに安定し、東海道本線の電化の西進とともに活躍の場を広げていった。一方で東海道本線には途中、関ヶ原越えという勾配があり、これを克服するために重貨物を比較的早いスピードで走れるようにEH10型電気機関車が誕生し、1956(昭和31)年には東海道本線の全線電化が完成した。そのときの東海道本線の主力の電気機関車はこの3形式であった。その後は山陽本線の電化が西へと進み、1960(昭和35)年に、EH10型に匹敵し、動輪を6軸とした(同時に車体も短く済み,重量も当然軽くなり、軌道への負担が軽くなる)EF60形電気機関車が登場した。出力はEH10の2530kWに対して2340kWであり、後の増備機(15号機以降)は2550kWにパワーアップした。

 

     

 

(画像左)EF58形電気機関車

1987-12 広島機関区にて(許可を得て撮影)

 

(画像右)EF15形電気機関車

1999-12 碓氷峠鉄道文化むらにて

 

しかしこのEF60は、出力こそ高いものの、同一機で性能をそろえるために、出力向上分は牽引力の強化にまわされ、勾配区間ではEH10のほうが速度特性が良いなどの矛盾も出てきた。やがて山陽本線の電化は広島(厳密には横川、但し広島〜横川間は当時私鉄だった現在の可部線の乗り入れのために電化されたという感じ)まで達し、1900kWのEF58では瀬野〜八本松間の勾配を自力で登坂することができず、また現在とは違って当時の九州行きブルートレインは、連日満員の大盛況で、切符が取りにくいという苦情が殺到していた。しかしEF58牽引ではこれ以上の増結をするとスピードダウンを余儀なくされ、当時のブルートレインの客車だった20系との連絡電話などの装備をつけたEF60形500番台が登場、EF58に変わって、東京〜広島間でブルートレイン牽引の任に就いた。やがて山陽本線の電化は西へと進み、東京オリンピックが行なわれ、そして東海道新幹線が華々しく開業した1964(昭和39)年、山陽本線の横川〜小郡(現新山口)間の電化が完成し、山陽本線の全線電化、そして東京から下関まで電気機関車による直通運転が可能になった。

 

                               

(写真左)EF60形電気機関車。写真はお座敷客車「やすらぎ」牽引用に塗色変更された19号機

2002-11 川口にて

 

(写真右)かつてブルートレインを牽引したEF60形500番台

2000-8 碓氷峠鉄道文化村にて

 

このころ、東海道・山陽本線は旅客用にEF58形、EF61形をメインに、東京と九州を結ぶ寝台特急列車(ブルートレイン)にEF60形の500番台、そして貨物列車にEF60形、EF15形がメインで岡山以東でEH10形が使われていた。この中で最も性能が優れていたのが2550kWの出力を誇るEF60であったが、前述のように高速性能が必ずしも万全ではなかった。これは貨物列車用に牽引力を重視し、高速性能も「出せることは出せる」といった感じであった。また天下の東海道、山陽本線とて貨物列車の増強はこれ以上望めず、編成を短くする代わりに高速性能が要求される貨物列車(たとえばコンテナ列車や自動車輸送列車など)が増えてくることが予想された。

こうしたことで、EF60形をベースにしながら、ギヤ比を高めに設定して高速性能の余裕を若干持たせたになった。いわゆるEF60のパワーと、EF58の高速性能の中間的な存在で、貨物列車だけでなく、客車列車も牽引できるように設計されていた。

これは、当時東京と下関を牽引していたEF60形500番台が、高速連続走行でモーターのトラブルが多発したことにもあった。EF60の500番台は、当時ブルートレインの主力だった20系客車を牽引するための連絡電話などの装備をつけていたが、間合いで貨物列車も牽引することも想定して作られており、客車1両の増結、セノハチで補助機関車無しで登坂できるようになった功績は大きかったものの、平坦線のスピードはEF58形のほうが速かったのである。

このために、東京と九州を結ぶブルートレインもEF65形の牽引とされた。ブルートレイン牽引用のEF65形を500番台と区分され、客車との連絡電話などの他、1968(昭和43)年から計画されていた110km/h運転時に非常ブレーキ制動時に600m以内で停車できるためのブレーキ装置がつけられていた。500番台はブルートレインを牽引する特急旅客用と、重連で特急貨物列車A(現在の高速貨物列車A)を牽引できる特急貨物用の2種類が存在する。F形のほうは、後に当時日本最強(3900kW)を誇ったEF66型の登場により、本来の始業は譲ったのである。

その後東北本線にも特急貨物列車が運転され、重連、耐寒耐雪装備付きの1000番台もデビューした。東北本線は直流電化区間が短く、また東海道・山陽本線のように列車密度は高くないことから、500番台のP形、F形の両方の装備を持っており、「EF65PF形」とも呼ばれる。後に当時の日本最強、そして狭軌の鉄道では世界最強(3900kW)のEF66形のデビュー後も増備が続いたのである。

 

 東海道、山陽本線の主要電気機関車のスペック表

 

EF15形

EF58形

EH10形

EF60形

(1〜14号機)

EF60形

(15号機以降及び500番台)

EF61形

EF65形

EF66形

EF81形

一時間定格出力(kW)

1900

1900

2530

2340

2550

2340

2550

3900

2550(直流)

2370(交流)

 一時間定格引張力

(kg)

15,900

10,250

18,720

19,200

23,400

18,000

20,350

19,590

19,980(直流)

18,200(交流)

 一時間定格速度

(km/h)

43.9

68.0

49.7

44.7

39.0

47.0

45.0

72.2

45.7(直流)

43.2(交流)

 全長(m)

17.0

19.9

22.5

16.0

16.5

17.6

16.5

18.2

18.6

 重量(t)

102.0

115.0

118.4

96.0

96.0

96.0

96.0

100.8

100.8

最高運転速度(km/h)

75

100

(許容120)

80

90

100

95

110

(許容115)

110

(許容120)

110

(許容115)

現在は貨物列車としても後のEF66やJR貨物になって新製された後輩達に譲り、またブルートレインもEF66やEF81に譲ったり、またその列車そのものが少なくなってきたこと、そしてEF65自体の老朽化により、数を減らしているが、東海道、山陽本線の輸送力増強や近代化など、この機関車の功績は軽視できないだろう。

 

 

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