うさんぽまめ/花図鑑　桜

花図鑑　桜(ソメイヨシノ)

ソメイヨシノ（染井吉野）は、日本を代表する春の花で、バラ目バラ科サクラ属の落葉高木です。
4月頃、緑の若葉が出る前に薄桃色の小さなな五弁花を4〜5個単位に固まって咲きます。
その起源には謎が多く、従来から様々な説がありましたが、
最近の遺伝子解析による研究の結果、ソメイヨシノの起源は
エドヒガンザクラ（母種）とオオシマザクラ（父種）の交配によって、
生まれたものであるということがわかりました。
明治初年、東京の染井（現在の駒込）から全国に広まりました。

花の散り際の、サクラ吹雪は見事ですし、秋の紅葉綺麗です。
一般に桜と言えば、ソメイヨシノをさすのが常識的です。
それだけ全国に多く植えられ、名所があり、人々になじみも深いからなのでしょう。

一般名：ソメイヨシノ(染井吉野)
学名：Prunus Yedoensis
分類名：植物界被子植物門双子葉植物綱バラ目バラ科サクラ属
原産地：日本

おじさんの独り言

毎年、桜前線が発表されます。一斉に咲き出すソメイヨシノ。
毎年の光景で疑いもせずに桜とは、こんなものだと思ってましたが、
まめとの花紀行をおこなっていると、こんな咲方をする植物は他にありません。
疑問に思い少し調べて見ると面白い事が分りました。

ソメイヨシノはクローン植物?
ソメイヨシノという栽培品種は、自然に増えることができません。
「そんな馬鹿な」って言われそうですが、ソメイヨシノは不稔性(種が出来ない)と言われています。
それで、最初の1本から押し木などの方法で増やして来たのです。
だから、ソメイヨシノは最初の1本から複製されたクローン植物なのです。

しかし、おじさんはこの記載は間違っていると思います。
と言うのも、ソメイヨシノに実がなっているのを見た事があるからです。

上の写真は、公園のソメイヨシノに実が付いてる写真です。
もう少し、調べて見ると下記のような事が分りました。

ソメイヨシノは不稔性との誤った記述を見かけます。
必ずしも種子が出来ないことはなく、ソメイヨシノ以外の桜の種、品種が近くにあった場合、よく実ります。
これは、桜の自家不和合性というもので、同一固体（自身）の花粉で受粉しないシステムです。
クローンであるソメイヨシノはすべての花が同じものとなるのでソメイヨシノばかりだと受粉することがないわけです。
では、ソメイヨシノとそれ以外の桜を植栽すれば、全てのソメイヨシノが結実するかといえばそういうわけにいかず、
同じ時期に開花する他の桜とソメイヨシノを並べて植えても真横にあったものでも結実せず
少し離れた場所のソメイヨシノが見間違うほど種子をならせる場合があるなど一概には言えません。
結実にはポリネーター（花粉媒介者）の存在や
ソメイヨシノがそもそももつ不稔性花の発現数によるものと考えられますが、
ソメイヨシノが不稔性だとするのは間違いです。

(‾‥‾a;)ぽりぽりなるほど、納得です。
では、何故、ソメイヨシノはクローン植物と呼ばれているのでしょうか?

ソメイヨシノがクローン植物と言われる由縁
どうも種子で増やすと上記の理由でソメイヨシノの優れた遺伝子が必ずしも子に伝わることがないためらしいです。
種子で増やすとソメイヨシノがソメイヨシノではなくなってしまと言う事ですね。
それでは、現在のソメイヨシノと言う優れた遺伝子を残す為に人はどうしたかと言うと、
接木もしくは挿し木などの栄養繁殖の方法をとらざるおえなく、結果クローンとなってしまったのです。

冒頭でおじさんがつぶやいた一言
「毎年、桜前線が発表されます。一斉に咲き出すソメイヨシノ。
毎年の光景で疑いもせずに桜とは、こんなものだと思ってましたが、
まめとの花紀行をおこなっていると、こんな咲方をする植物は他にありません」

クローン植物なるがゆえに、遺伝子が同じなので条件が整えば一斉に開花します。
これが桜前線の本当の意味だったのです。

日本中にあるソメイヨシノは最初は1本だった
　クローンといってしまえば、あまり良い印象受けませんが、
日本の象徴と言って良い、皆から愛され続けている桜です。
　言い換えればソメイヨシノは、人の力が無いと（接木などで増殖）生存することが出来ない
品種だといえます。
美しい花を咲かせ、人に安らぎを与えてくれるソメイヨシノ。人と共存の道を選んだ桜なのでしょうネ。
ペットのHPを書いているおじさんとすると、何だかよく似ているなぁって思ってしまいます。
ペットもやはり人の手が無いと、生存出来ない生き物なのではと思ってしまうからです。

百年もほっておくとソメイヨシノはこの世からなくなってしまうかもしれません。
日本の花の代名詞と言って良い桜。大事に育てて行きたいものですね。