このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 <大手門周辺>
戸無門(重文)・筒井門(復興建造物)・隠門(重文)をめぐる


亀郭城秘図<本丸南腰郭>
(現地説明板に追記)


本丸高石垣
 亀郭城秘図から見た巽櫓。東雲口登城道から本丸を目指すと、この高石垣をまのあたりにし圧倒される。

本丸高石垣
 亀郭城秘図から見た隠門続櫓。左奥に大手門が築かれている。石垣の石材は、主に花崗岩が使用され、隅部はほとんどが算木積です。本丸を囲む高石垣は、高さ10mを越える。


揚木戸門跡
 慶長年間、松山城創建のはじめはここに門があり、西の大手門とともに大手の入口の重要な拠点となっていた。石垣右の平坦部は、待合番所跡。

待合番所跡
 東雲口からの登城道と二之丸からの登城道の合流する地点に、警備のために設けられた。この場所は、東は揚木戸門、西は大手門によって仕切られ、大手の入口で最も堅固な筒井門に続く要点で、兵力運用の重要拠点ともなっていた。


大手門跡
 大手門は、慶長年間(1596〜1615年)の築城時に建てられ、山麓にある二之丸および三之丸(堀之内)へ通ずる重要な門です。明治時代に、揚木戸門とともに取り壊された。

筒井門への坂道
 本丸へ入城するため、大手門跡(左側石垣)右側の坂道を進む。後方の櫓は太鼓櫓(復興建造物)、そのすぐ下には、中ノ門跡がある。さらに太鼓櫓左奥後方は大天守。

▼大天守と太鼓櫓

太鼓櫓石垣横の後方が大天守(重要文化財)


坂道途中の本丸石垣
 左は太鼓櫓。石垣の積み方は、「打込接(うちこみはぎ)」。坂道を直進すると中ノ門に突き当たる。

中ノ門跡
 中ノ門は、大手登城道の太鼓櫓石垣下に設けられていた。この門を設けることで、攻めてきた寄手(敵の兵士や軍勢)は、門を通り過ぎて直進する者と、戸無門へ行く者とに分かれることになりますが、直進した者は行き止まりとなる。
 本丸へ侵入し天守郭に進むためには、ここでUターンして戸無門(となしもん・重要文化財)を潜らなければならない。


戸無門(城外側)
 本丸の大手登城道に設けられた高麗門です。建築年代は明らかではありませんが、寛永から正保年間(1624〜1648年)の建立になるものと推定されています。また、寛政12年(1800年)に建替えられたことを示す棟札が残されている。右側の道を下ったところが大手門跡の石垣。


戸無門(城内側)
 戸無門を過ぎて左折すると、大手で最も堅固な筒井門と隠門(かくれもん)の防衛線に達します。戸無門の上は太鼓櫓、右上は筒井門西続櫓(復興建造物)。

筒井門(復興建造物)
 写真には写っていませんが、右奥に隠門と隠門続櫓が位置する。戸無門から筒井門に迫る敵の側背を不意急襲する目的のために築かれた隠門は、ここから見えないようになっている。


筒井門(脇戸付櫓門)
 松山城最大の門。三之丸・ニ之丸から本丸へ向かう、大手(正面)の固めを構成する重要な櫓門で、城中で最も重要かつ堅固な所となっている。


(上)城内側から見た隠門(重要文化財)と隠門続櫓(重要文化財)
(左)隠門
 隠門は、正門である筒井門の奥の石垣の陰に隠された、埋門形式の櫓門で、戸無門を通過して筒井門に迫る寄手の側面を急襲する策略が秘められています。2階は筒井門東続櫓と隠門続櫓とを結ぶ渡櫓となっている。これを過ぎると、太鼓櫓と巽櫓の防衛線に達する。

▼隠門と筒井門
(城内側)
 隠門続櫓は、隠門2階の渡櫓の東側に接続する平櫓で、長者が平(ちょうじゃがなる)からの登城道を監視する目的で、揚木戸門前の本丸石垣の上に建っています。平面形は、石垣に合わせて東側に突き出た変則的なものとなっており、西側は隠門渡櫓につながっています。隠門と同様に慶長年間の築城時に建てられたと考えられており、創建当時の技法が残されている貴重な建造物です。
 筒井門西続櫓(復興建造物)と同東続櫓(復興建造物)は、筒井門の両側に設けられた平櫓で、筒井門・隠門とあわせて大手の防備を担っています。


太鼓櫓(左端)・太鼓門西塀(中)・太鼓門南続櫓(右端)
 侵入して来た敵が筒井門を通り過ぎても、目の前には石垣と櫓が立ちはだかり、虎口が分かりにくい構造となっている。渡塀(太鼓門西塀)には狭間・石落としが設けられている。門(太鼓門)は右端の石垣を左に曲がったところに位置する。太鼓門西塀、太鼓門南続櫓は復興建造物。


太鼓門(復興建造物)
 太鼓櫓から太鼓門にかけては1つの防衛単位を構成し、筒井門から本丸南腰郭に侵入してくる敵に備えている。
 大手門跡から太鼓門まで、通路は鋭角的に曲がり、迷路をつり徹底した防護の縄張である。

▼天守から本丸南腰郭を望む




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