このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください |
秋風のいざない〜〜上田交通の丸窓電車
■別所温泉
平坦な道をトコトコ走ってきた電車が、いきなり急坂に立ち向かったかと思うと、そこが終点の別所温泉であった。高名な温泉の玄関にしては小ぶりな駅である。駅舎のつくりが時代がかっていて、なんだか懐かしい感じがする。中古とはいえ、もと東急電車の光る車体は近代的すぎて、かえって不似合いな雰囲気だった。
■丸窓電車
別所温泉駅の引上線跡に、丸窓電車が2両保存されている。戸袋窓が楕円という細工に、大正という時代を感じる。ありていにいえば、電車全体の造作は野暮ったいものであるが、アクセントとしての楕円窓がよく効いており、印象を規定している。おかげでこの電車、ずいぶんとかわいらしく見える。
車両の保存状態は、あまりよろしくない。風雨雪霜にさらされ、朽ちるがままに近い。とはいえ、5252の車内には旧い時代の備品が整頓されており、「保存」する意図はあるとうかがえる。
■喫茶「丸窓」
5251+5252が保存されている隣には、「丸窓」なる喫茶店があった。扉の窓が楕円形で、そこにつられて入ってみた。ちょうど昼時でもあったし・・・・・・
正直なところ、食事はおいしくなかった。しかしそれでも、この店に立ち寄った価値はあった。地元のお客さんから聞いたところでは、5251+5252には改修計画があるらしい。外観はともかくとして、このまま数年置けば屋根から雨漏りする。だから塗り直しと屋根の補修をする計画が持ち上がっているという。本当だとすれば、慶賀すべきことである。
ちなみに、中塩田の5253はさる企業が買い取ることになり、そのため別所温泉の2両もなんとかしなければという機運が醸されているらしい。5253をどこの企業が引き取るかは(そもそも真偽のほども)わからないが、面白い玉突き現象ではある。
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