このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 

 

秋風のいざない〜〜上田交通の丸窓電車

 

 

 

■下之郷

 軽い昼食をとって、下之郷に移動する。目的とするは、西丸子線跡である。写真の解説が要らないくらい、よく知られた存在になりつつあるが、実地を訪れてみないことには、やはり話にならない。長男(3歳4ヶ月)と同道であるから、駅付近を散策するつもりで、行ってみた。

  

 

■塩田平の風

 気温は今日も高い。おそらく30度に達しているであろうか。とはいえ、とおりゆく風の爽やかさに、ふと気づく。心地よい風だ。誘われてつい、中塩田まで歩き出す。

 

 長男は踏切が気に入ったようである。「いつ鳴るの?」と訊いてくる。電車は30〜60分おきの運転、そう簡単には鳴らない。とりあえず先に進んでしまおう。

 田圃の中を行きつ戻りつする。輝く稲穂が目に鮮やかだ。蜻蛉や鷺や鳶を目で追いつつ、長男のペースにあわせ、のんびりと歩んでいく。

 

 唐突に、間延びした電子音が響いてくる。「踏切鳴ってるよ!」、長男の声を待つまでもなく、電車の登場である。しろがねの電車が、稲穂の海を渡っていく。カメラを構える私の足許で、長男はしっかりと電車を見つめていた。

 

■鉄橋

 中塩田近くに小さな鉄橋があった。桁下わずかに2m、私の背ではぶつかりかねない。長男を鉄橋下に置いてみたところ、ようやくそれらしい絵になった。ほとんどガリバーの世界であるが。

 

 鉄橋のすぐそばで、蟷螂を見つけた。長男は生まれて初めての出会いである。「触ってごらん」と促すと、蟷螂は猛ダッシュで逃げ出した。実をいうと、引っ掻いてくる生物に長男がどう立ち向かうか、親として強い興味を持っていたのだが、「対戦」は実現せずに終わった。長男にとっては幸いながら、ちょっと拍子抜けだった。

 

 

先に進む

元に戻る

 

 

このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください