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立山砂防軌道乗車記

平成20年(2008)年7月、(財)立山カルデラ砂防博物館が主催する体験学習会に参加し、立山砂防軌道に乗ってきた。帰りに京阪神の未乗線区にも乗ってきたので、それも書いていこうと思う。

プロローグ
体験学習会
京阪神乗り歩き


◇◇◇ プロローグ ◇◇◇

立山というと何を思い浮かべるだろうか。アルペンルートの乗り物?黒部ダム?雷鳥?立山連峰の雄大な景色?それとも黒部峡谷鉄道のトロッコ列車だろうか。
立山にはもうひとつの顔、カルデラがある。このカルデラは単にあるというだけでなく、歴史的な土砂災害をもたらしてきた。それを防ぐための事業が立山砂防事業で、立山駅すぐ近くの立山カルデラ砂防博物館に行けばそれを知ることができる。

立山駅から立山ケーブルカーに乗って右側を見ると細い軌道が見える。これが国土交通省直轄の立山砂防軌道である。しかし、この軌道は営業運転されておらず、基本的に関係者以外は乗車できない。しかし、立山カルデラ砂防博物館主催の体験学習会のトロッココースに申し込み、抽選で当選すれば乗車可能である。当選しても、学習会は屋外を歩いたりするので、天候によっては中止になる可能性があるので、当選しても当日までは本当に乗れるかどうかはわからない。作者は日頃の行いのせいか運良く乗車できたが。

さて、プランニングであるが、学習会催行は前日の午後にならないとわからない。
最初は京阪神に行ってから立山へ向かうことを考えていた。そのほうが列車の時刻などから見ていいからだ。急行きたぐには大阪始発なのでそこから乗れば自由席でも座れる。逆に富山から大阪方面へ乗る時は始発駅ではない。きたぐには寝台やグリーン車はあっても普通車指定席はなぜかない。それに富山から乗る時刻は午前2時半ごろだ。しかし、このプランだと家を前日の早朝に出発しなければならず、もし学習会が不催行になった場合は旅費が無駄になってしまう。なので順当に、上野から数少なくなった夜行急行能登で出かけることにした。
乗車券は東京から富山往復を買うより、ぐるっと一周したほうが安上がりだ。単に学習会へ参加するだけだと正規の鉄道への新規乗車が全くないことになってしまう。このことから、京阪神の鉄道に乗ろうと考えたのである。ぐるっと一周といっても、北陸本線−米原−東海道本線(上り)というルートになり、北陸本線−湖西線−山科−東海道本線(上り)というルートには規則上ならない。北陸経由で大阪方面へ行くとき、後者のほうが全体ではいくらか安くなるのであるが。なぜかといえば、急行きたぐには米原経由だからである。特急日本海なら湖西線経由であるが、寝台料金を払わねばならないので、反って高くなってしまう。規則上は山科−近江塩津を通るときは米原を通っても湖西線経由で運賃計算する。しかしこの規則は近江塩津以遠新疋田方面(富山、新潟方面)と山科以遠京都方面(東海道本線下り)へ行く場合に適用されるので、大津方面(東海道本線上り)へは適用されない。もちろん、実際に湖西線を通るときは北陸本線−湖西線−山科−東海道本線(上り)で発券して問題ない。
いろいろなことを考え、乗車券は、東京-上越線-信越本線-北陸本線-米原-横浜とし、米原から京阪神へは別切符併用とした。

さて、学習会(見学会ではないのだね)前日、3時間ほど早く家を出る。天気予報でも問題なさそうだし、学習会も催行予定だということは確認した。
なぜ早く家を出たかといえば、横浜市営地下鉄4号線と東京地下鉄副都心線に乗るためである。日暮里・舎人ライナーには数日前に乗っておいた。なぜなら地下鉄は夜でも良いが、地上を走るものはなるべく昼間乗っておきたかったからだ。
横浜線の中山で4号線に乗り換え。開通に併せて整備した感じだ。ラッシュ時間を過ぎていたとはいえ、難なく座れる。この路線は横浜線の中山と東急東横線の日吉を結んでおり、両駅からみれば短絡線ともいえる。しかし、渋谷から長津田ならば田園都市線を使うだろうし、日比谷線からの人だってわざわざ乗換えを1回増やしてまでは乗らないだろう。
一旦地上へでたかなあと思うとすぐにまた地下へ。日吉までは21分。
日吉からは東急東横線上り。上りだからすいてるかなと思いきや、立客も。横浜市営地下鉄4号線から副都心線に行くのに東横線だけですみ、割と効率良く新線乗りつぶしができる。渋谷での乗り換えには8分程度かかったから、直通化すれば乗客は増えるであろう。
渋谷からは東京地下鉄の10000系各駅停車で小竹向原へ。途中で急行に抜かれたが、これは西武の車両だった。なるべくであればその会社の車両に乗りたい。小竹向原で折り返して池袋へ。あれ、電光掲示におかしなことが・・・

JRの池袋から山手線で上野へ行く。。。予定だった。精算所に列ができていたから変だなあとは思ったが、人身事故のため動いていなかった。電光掲示板に書いてあったのはこのことだったのか。しかたがないので、駅のアナウンスに従い、めちゃ混みの埼京線下りで赤羽へ。乗る寸前に山手線は20分後に運転再開予定だとアナウンスがあった。もしその通りなら赤羽経由というのはただの徒労に終わるのである。
しかし、予想以上にすいていた京浜東北線南行きで田端についたあとも山手線は動いていなかった。いずれにしろ、時間に余裕があってよかった。もし、なくても今回の場合は大宮まで行けばリカバリーできるが。

急行能登は地上16番線から発車する。その前に特急あかぎが発車して通勤客らを運んでゆく。13番線には能登と同じ行き先、金沢行きの寝台特急北陸が入線し、発車していく。
プランニングの時は指定席にしようかとも思ったが、夏休み前の平日だし、始発駅から乗るのだから自由席でいいかと、急行券だけ買っておいた。急行券は201km以上なら1260円でそれ以上乗ればお徳用。乗ったのはボンネット形の489系先頭車。489系は碓氷峠での協調運転ができるタイプだが、もうその機能を使うことはないであろう。上野発車時点で先頭車に乗ったのは4人くらい。大宮で乗って来るかな、とも思ったがさほど乗客は増えなかった。なお、大宮で遅れていた湘南新宿ライン?の接続をとって数分遅れで発車。

熊谷あたりまでは起きていたが、そのあとの記憶はさだかではない。この列車は高崎以降は直江津まで時刻表上ではノンストップ(実際には長岡で進行方向が変わるため停車)。翌朝目覚めたときは上野から乗った通勤客はいなくなっていたので高崎までに降りたのであろう。
まだやわらかい朝日が列車に差し込むのは夜行座席車ならでは。陽があたらないほうに座り、自列車の影を水田に映して走っていくのをぼーっと眺める。
人影まばらな早朝5:41に無事富山到着。この列車が2時間半遅れると学習会に間に合わなくなるのでほっと一息。


◇◇◇ 体験学習会 ◇◇◇

立山駅には9時半ころに着く必要があるが、余り早く行っても駅付近には博物館以外あまり見るような施設はないので、富山で少し時間をとる。そうは言っても早朝なので、なんとか館などはやっていない。喫茶店のモ-ニングサービスというのも考えたが、こちらもやっておらず、しょうがないので吉○家の朝定食をゆっくり食べる。
7:28の富山地方鉄道で立山駅へ。駅から徒歩1分で立山カルデラ砂防博物館だ。開館時間ではなかったが体験学習会参加者は出発まで館内を見学できる。

受付を済ませ、注意事項などの説明のあと、館内を簡単に案内される。トロッココースでも行きにトロッコに乗る班と帰りに乗る班があり、作者は行きに乗る班に当たった。直近の乗り場からトロッコに乗る。ここを千寿ヶ原という。右側に乗ったほうが景色がよく見えるが、写真を撮っていたら左側しかなくなってしまった。でもなんか様子がちょっと変。これは後で。
編成は機関車1両に客車3両。これで募集人数が40人(20人ずつ2班)という数になるのだ。スイッチバックする関係からこれ以上の増結は難しいと思われる。「う-2」という車両に乗ってさあ、出発進行。
早速、スイッチバック箇所で立山ケーブルカーの軌道右側に。そこからは常願寺川にそって進んで行く。桑谷オーバーハングも若干期待していたのだが改修されてトンネルになったらしい。ところどころに線路付け替えの跡が残っている。
この軌道にはスイッチバックが38箇所あるが、止まったなあと思ったらすぐに方向を変えて発車する。営業路線ではこんなに早く発車はしない。以前は人力でポイントを切り替えていたそうだが、今はラジコンなのだそうである。営業路線ではないからこういうことができるのだと思うが。で、このスイッチバック地点であるが、線路が途切れたその先は崖なんていうところもある。ATSなんてないのでしょうなあ。
途中ではいくつかの連絡所というものがある。わかりやすく言えば列車交換所で、おばさんが勤務していたりする。スイッチバックがあるので、今通ってきた軌道が見える箇所もあるのだが、別の列車が続行して来たのが見えた。この客車は屋根が赤だから緑色の中でよくわかるのである。なぜ続行列車があるかといえば今日は今年度学習会の初日なので、報道機関がその列車に乗っているのだという。彼らが実費を払って乗っているのか税金を使って乗っているのかは考えるのはやめよう。

山側を見ていると応急的に青いビニールシートをかぶせてある箇所も目についた。学習会に間に合わせるためか?あと、なんとなくではあるのだが、学習会は一般人が乗るため、軌道を整備したようなフシがある。もとより空調はないが、車両にも放送設備があるのはそのためであろう。快適さがないのは認めるにしても、事故などで一般人に怪我などがあってはマスコミの批判の対象になりかねない。いくら、危険を承知で参加するという承諾書の提出があっても。
素掘りトンネル(コンクリートなどで固めてないトンネル)もあるが、最近できたと思われるトンネルは普通のトンネルである。そのほかにも以前は山にへばりつくような箇所でも線路付け替えで盛土というか平地にしたような箇所もある。これは学習会のみならず、関係者の安全のためというのも大いにあるし、カーブが少なくなればスピードアップにもなろう。

砂防ダム(正確には堰堤(えんてい)という)をいくつか見え、立山連邦が雪をいただいた景色も見てきたあとこの軌道最大のハイライトというか正しく言えば最大の難所、樺平(かんばだいら)の18段スイッチバックがある。とはいっても18段全ては見通せなかった。結構木があったからだ。それでも続行列車の赤い屋根で高低差がわかる。これを過ぎてから本線上でしばらく見学のため停車。降りて写真を撮ることもできる。

ちょっと走ると終点の水谷連絡所。ここでレールは途切れている、と書きたいところだが、レール自体はその先のトンネルへ続いている。レール間にはコンクリートが打ってあり、列車は走れないが、以前は走っていたことを物語る。
ここまで1時間半の乗車で、ちょうどお昼。持参の昼食を食べるが、関西電力の見学会の時と違って椅子やテーブルなどは用意されないので、木陰で野草の上に座って食べる。報道機関を乗せた列車も着いたようで、TVカメラを持った人もいる。
昼食後、水谷連絡所付近の見学が少しあり、その時に報道機関の人から、どこから来たのかなど簡単な質問があったので答えておく。
そのあとレールのあるトンネルを歩いて天蓋の湯へ。レールはトンネル後もあったが、橋の先で途切れており、天蓋の湯付近も少し見たが、その先に軌道跡は確認できなかった。
天蓋の湯というのは関係者用の入浴設備であるが、我々学習会参加者も足湯を楽しむことができる。お湯は熱かったが、足の疲れがとれていく感じがした。

天蓋の湯でしばらく経っても一向に出発召集がかからない。解説員によれば、反対側から来るコースの人たちが乗ったバスが来ないからだそう。
来たバスはマイクロバスなのだけど女性の運転手さんだった。すぐにトンネルに入り、出たところで右へ。これがトンネル開通前の旧道なのだそうでもう工事には必要ないようだが、学習会のために残っているのだとか。白岩下展望台からは6段の砂防ダムが見え、厚巻である。ここで下のほうにレールが見える。これは工事用のインクライン。鉄道の仲間といえばそうである。しかし、これは物専用で関係者でさえ乗れないらしい。
見学後、バスに乗り今度は違うトンネルをくぐる。往復2車線の立派なトンネルである。トンネルを出たところでまた降りて、六九谷展望台へ歩く。報道関係者がTVカメラで撮影していたからTVに映ったかもしれない。ここだったか白岩下だったか記憶があまり定かではないが、注意してみると山肌に旧上部線の跡が横線のように見える。旧上部線は水谷からスイッチバックとインクラインで標高を稼ぎ、数キロ先まで行っていたのだ。この線路跡にも興味はあるが、この付近は一般者立ち入り禁止区域なのでどうなっているのかを見るのは無理で、たとえ入れたとしても、一箇所土砂崩れがあればそれ以上先には行けないだろう。この上部軌道のことを書くのは日本広しといえど、作者を含めて数人だと思う。

立山温泉ていうと知ってるような気がするが、実は立山温泉というのは昭和48年にもうなくなっている。現在は浴槽のタイルと石碑だけが残る。ここから徒歩でどじょう池へ。途中でつり橋も渡る。どじょう池にはその名の通りどじょうもおり、魚もいて時々水面がちょろっと盛り上がる。このどじょう池からも先ほどの上部軌道跡を見ることができる。
当初コースにはなかった天蓋の水に寄りペットボトルで水を持ち帰る。
このあと有峰記念館で休息するが、記念館は閉まっているためか入らなかった。説明はなかったが、有峰ダムが車窓からよく見えた。アンケートに記入してくれというのでバスの中で書こうとしたら、つづら折れの道で多少気分が悪くなってしまった。あまり見るものはないが席は左側のほうがよい。ここも川沿いに走るからだ。
富山地方鉄道の線路が見えたらもう学習会は終わりに近い。博物館到着後、ヘルメット返却、アンケート用紙を渡すと学習会は終わり。作者は砂防軌道目当てで学習会に参加したが、学習会の意義はそれだけではないことがよくわかった。立山カルデラ砂防博物館ホームページに書いてある「知られざるもう1つの立山」という意味が。

他の参加者は自家用車や17:17の電車に乗って帰路についたと思う。しかし作者は富山へすぐに戻ってもどうせ乗るのは2時半ごろなのだし、少し気分が悪かったのでベンチで少し休む。その後、立山駅下の川べりにある立山小公園へ行ってみた。これはなにかなあと思ってみると、砂防ダムを小さくした造りになっている。
次の18:10の富山行きに乗った。このまま富山へ戻るのもおもしろくないので、1回しか乗ったことのない不二越、上滝線に岩峅寺で乗り換える。運賃は同じで、実はこちらのほうが富山には数分早く着く。
富山駅横にあるビルの中の食堂で夕食。その後、路面電車沿いに丸の内まで歩く。なぜかといえば、富山地方鉄道市内線の環状線化が予定されているからだが、工事は本格的には始まっていないように見えた。本当に来年中にできるのだろうか。
お堀沿いを歩くとライトアップされた富山城がきれい。昼間は資料館のようなものが開いているようだが、私は城を見ただけで満足。


歩いて富山へ戻り、電車で2つ目の不二越へ。スーパー銭湯、満天の湯というのがあるからだ。立山にもウェルサンピア立山という施設があるが、夜行に乗る時刻午前2時半というのを考えると、最終の富山地方鉄道に乗っても富山着は0時前なので時間をもてあます。
入湯料は700円。ほかにバスタオルを借りる。小さいタオルは持参している。余談だが作者は旅に出るときは小さいタオルを持って行くことが多い。汗も拭けるし多少寒い時に肩にかけるということもできるからだ。普通のお風呂のほかにジャグジーやサウナ、露天風呂もある。風呂から出ても休息所や食堂があり、午前2時まで営業しているから今回はうってつけだ。
富山駅まで歩こうかとも思ったが、防犯上の懸念と、せっかく風呂に入ったあとにまた汗をかくというのは避けたいのでタクシーを呼んだ。1500円也。


◇◇◇ 京阪神乗り歩き ◇◇◇

作者が京阪神で乗っていないのは、京都市営地下鉄東西線二条以西、大阪モノレール西都線阪大病院前以遠、大阪市営地下鉄今里筋線井高野-緑橋、おおさか東線、ポートライナーの市民広場-神戸空港である。さて、これを時間的、金銭的にどう効率よく乗るか。

丑三つ時になろうとしている富山駅。窓口も閉まり、ひっそりしている。夜行列車に途中駅から乗る時は、いつもと違う駅の表情を見ることができる。2時34分の発車時刻が近づくと改札脇の精算窓口だけが開く。
急行きたぐに。定期列車では583系を使っている唯一の夜行列車。他の列車に比べて583系は巨体だと思う。平日なので自由席もすいており、4人がけの広い席を1人じめできた。なぜか普通車指定席がないが指定がよければ寝台を使えということなのだろうか。
昨晩も夜行列車だったので、ほどなく熟睡。

さて、京都で下車。京都市営地下鉄なら山科でも東海道本線から乗り換えられるが、山科での乗り換えはちょっと長いし、きたぐにから多少早く降りなければならない(きたぐには山科の1つ前の大津に停車するので1駅普通列車利用)。運賃面では山科経由のほうが多少安いだろう。しかし、米原-二条間は川瀬で区切ると運賃が100円安くなる。米原-川瀬の切符で乗り越すと安くならないので事前に買っておいた。
二条での地下鉄への乗り換えは割と楽である。早朝の末端区間なのでそれほど混まない。
終点の太秦天神川(うずまさてんじんがわ)は地下鉄の駅を出るともう京福電鉄の嵐電天神川駅がすぐそば。新駅なのでこれを見たいというのもあった。ホームを新設したためその分だけ線路が曲がったという感じだ。200円均一で後払い。上り列車なので座れない。
西院(さい)で下車。人の流れに乗って150mほど歩くと、阪急の西院(さいいん)。駅名は微妙に違うものだな。実は京都市営地下鉄の西大路御池から南へ800mほど歩くと西院へつく。京福に乗るのも久しぶりなのでこちらを選んだ。
これから先、まともに食事にありつけそうもないので、改札外の立ち食いそばで朝食。

太秦天神川から阪急へ乗り継ぐのはもう1ルートあり、京福で嵐山へ出て、阪急の嵐山に乗り継ぐ方法である。しかし、この方法は嵐山で風情があるとはいえ結構乗り換え距離があるし、西院での乗り換えは初体験である。
各駅停車と快速急行とまた各駅停車で南茨木へ。この時間はラッシュ時なのでさすがに優等列車は混んでいるが、東京のそれと比べるとそれほどでもない。なお、急行は南茨木へは停まらない。

ペデストリアンデッキでつながれたモノレールの駅へ。モノレールも当然ラッシュであるが、ぎゅうぎゅうというほどではない。JR茨木に徒歩接続できる宇野辺を過ぎ、万博記念公園へ。ここで彩都線へ乗り換え。ラッシュ時だから列車間隔が短いのは都合がいい。阪大病院前から先が未乗線区だ。以前阪大病院前へ来た時はバスでJR茨木へ乗り継いだ。しかし、終点彩都西からのそういったバス便は今のところない。ひとつ戻った豊川からはバスがあり北千里などへ出られるようだが、いろいろ検討した結果、万博記念公園へ逆戻りしたほうがよいという結果になった。で、また宇野辺方面行きに乗るのだが、今度は南茨木では降りずに、大日まで。実は大日の1つ手前の南摂津からは1時間に1本程度井高野までバスがあるが、作者が乗った時間帯は1時間以上バスがない時刻だったのだ。この区間は地図で見ると1.5km以上あるので、歩くのはちょっとしんどい。

太子橋今市で乗り換えて井高野へ。一旦改札を出るも次の電車で緑橋へ。地下鉄は初乗りであっても景色が見えないので、ホームの様子や車内を見渡すだけだ。終点まで行ってもよかったが1つ手前の緑橋で予定通り下車。この先1駅はこの前乗っている。森ノ宮でJR大阪環状線に乗り換え。ここで買う切符は海老江までの170円。でも最短経路では乗らない。天王寺で乗り換えて久宝寺へ。
大阪市営地下鉄で南巽まで行き、まっすぐ南下して1km強、平野から関西本線に乗り久宝寺へ出てもよかったが、歩いて直接久宝寺へ出られるわけではないので、時間節約のため電車乗り継ぎとした。時間があれば南巽からの徒歩ルートは試す価値があるだろう。

久宝寺からはもちろん、おおさか東線である。関西本線は快速でなく各駅停車に乗ったので接続は悪いだろうと思ったら、意外と1分接続で発車。高架部分が多く、また他線との接続駅も多いがなぜか他線と駅名が違う。現時点での終点、放出でJR東西線(正確には京橋までは片町線)で海老江へ。こう乗っても170円なのだから大回り乗車の特例はこういうふうに使わないと。ちなみに大阪近郊区間は、尼崎から120円の切符で福知山線の谷川、播但線経由で立花(尼崎の隣駅)まで乗れる。

阪神の野田から急行と特急を乗り継いで三宮へ(急行はこの時間、三宮までは行かず、特急は野田に停まらないため)。
ポートライナーに乗り換え。なんか混んでいるので案内係り?に聞いたら、今日はどこぞで催し物があるとのこと。このため途中まで立って乗った。
神戸空港はおそらく鉄道駅から1番歩かなくても済む空港だと思う。チェックインカウンターまで100m程度しかない。こじんまりした空港である。二階の日本食屋で昼食。ここはセミカフェテリア方式で麺にのせるトッピングなどを自分で選べる。
さて、ここから連絡バス乗り継ぎで関西空港へ船でも出られるが(三宮でこの船とポートライナーのセット切符を買うとポートライナーの分が実質ただになる。2008/7現在)、遠くなるためポートライナーで戻ることにする。

三宮からは直接JRに乗ったほうが早いが、高くつくので梅田まで阪急で行く。大阪から京都までの切符を買って新快速に乗車。これで米原まで。乗り越し?いや、京都から先の切符は予め買ってある。こう買うほうがえらく安いのだ。
東海道本線を乗り継いで静岡へ。新快速など在来線で速い列車があるときはこれを使うと値段の割には速く行ける。もちろん新幹線に比べるべくもないが。静岡からは新幹線に乗ったけど、さすが新幹線は高いだけあって速い。”各駅停車”のこだまだって270kmなのだから。

2008年7月

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