| ハルピン(哈爾濱)から南へ、大陸の真ん中に五常はあります。駅もあるのですが、満州地図でもかなり大判の詳しい地図でない限り省略されていることが多い様です。
ここに、満州開拓に呼応して開設された開拓女子訓練所のひとつが設けられました。
吉林、新京よりも北です。この一帯は、冬場は非常に寒い地域です。 |
| |
|
|
| では開拓女子訓練所につきましてですが、これにつきましては、五常開拓女子訓練所の紹介記事から引用を致します。
『大陸の建設には男と同じ人数の夫人が必要だ。
開拓の尖兵として、右手には夫共に建設の鍬をふるい、左手は愛児を抱く。
その大陸のよき妻、よく母をつくる為、濱江(ひんこう)省立五常開拓女子訓練所を訪ねて興亜の花嫁候補の生活をみてみよう。
今度、この訓練書へ入った五十四名の花嫁候補は、ほとんど東北地方の娘さんたちで、はじめ満州行きの決心を両親に打ち明けたときには両親そろって反対したが、乙女心の堅い決心がついに父母を説き伏せたのだという。
内地の娘さんたちよ。
さあ行こう。
満州の沃野へ。
そして青年拓士のよき伴侶となって、楽土の建設へ進もうではないか。』 |
| |
|
|
五常開拓女子訓練所 『 家畜に対する彼女達の愛情は、わが子同様だ。 』 |
| 山羊に草をやっているところです。
山羊の乳は、日本国内でも昭和30年代まで牛乳同様に飲まれていました。
東北地方は、あまり豊かな地域ではなく、
江戸時代には、生まれる子供は女が喜ばれたといわれます。それは不作の時に売ることが出来るからだそうです。
昭和にはいっても、冷害に振り回されるなどして不作の場合、やはり女衒に売られてしまう、そういう時代でした。そうした時代に、新しい土地が得られる満州は、自分で耕地を持つことができ、自立ができる、それは大変な魅力でもあったわけです。 |
| |
|
|
| 緑の草原にむちのうなりが快く響く
緬羊や山羊の群れを追って牧舎に帰る。美しい大陸の夕暮れ。
小型の家畜を追っています。綿羊は、まだ痩せています。 |
| |
|
|
| 『炊事当番が公用の腕章を巻いて満人街へ夕餉(ゆうげ)の買出しに。』
もんぺ姿のご婦人が2名写っています。腕章は不鮮明でよくわかりません。
左上にぶら下がっているのは店の看板で、満州特有の大きなものです。 |
| |
|
|
| 『訓練の暇をみてはトラックを駆って近くの開拓団見学に出かける。』
訓練所は、ひたすら訓練に明け暮れるだけでなく、なにかとイベントがあったのでしょう。
人の手を借りて荷台に載っているところですが、皆、立ったままの既にぎゅうぎゅう詰めです。年齢も女学生くらいですから、さぞ歓声のあがる陽気な日だったのでは、と想像します。
足元は全く舗装がなされておらず、道中はさぞゆれたものと思います。 |
| |
|
|
|
|
| 『満州の豚は猪のように真っ黒だ。
この黒い豚の子もやさしい娘たちの心遣いによって丸々と肥えていく。』 |
| |
|
|
| 『御霊鎮め』(みたましづめ)て食前の感謝を奉唱。
そしてすがすがしい心になり朝餉の膳にむかう。 |
| |
|
|
| 『けなげな娘たちは休憩時間も車座になって裁縫のお稽古に勤しむ。』
広間で、車座になっての風景です。かなり広い部屋ですが、畳がちゃんと敷いてあります。 |
| |
|
|
| 国防色は濃い黄色です(ドイツ軍戦車のダークイエローに近い、明るくない黄色)。 |
| |
|
|
|