| 小川盛徳氏は画像の中央の方です。
ちなみに画像ですが、後ろに並んでいるのは少女に見えますので恐らく生徒でしょう。また手前は保護者ではないでしょうか。
巴彦庫仁国民学校は、タイトルの通り公立で、税金で運用されている学校です。
校舎は全部で三棟、ひとつは煉瓦建てでした ( 写真に校舎が写っていないのは残念です )。
さて、この広野の真ん中に建てられた学校は蒙古人子弟に対する初等教育をおこなうものです。
全寮制で、先生は蒙古人2名、日本人が2名 (1名は小川氏、あともう一名は女性教員)
全寮とはいうものの、教室が寄宿舎を兼ねており、児童は家から持ってきた羊の毛の敷物を敷いて寝起きしていました。
また運営費は児童の親からの徴収と寄付でまかない、黒板は立てかけただけの粗末なものであったそうですが、机をそろえるなど順次、環境を整えました。
給食もありました。羊肉の汁で煮出した茶、粟によく似たミズミを入れた粥、野菜の醤油煮と饅頭などのメニューです。
牛乳も出来るだけ多くの確保を目指したそうですが、なかなかこれは難しかったそうです。
満州国設立後の政情安定に伴い、ここ蒙古(ホロンバイル)でも
『 教育に対する関心の昂揚に伴い、入学希望者はますます増加、女子の入学希望者もおりまことに喜ばしい傾向である 』
とあります。
が、初等教育といいながら、年齢はまちまちで十歳から二十歳が入学してきたとか。
さて、学校を運営する上で見られた蒙古の面白い(?)習慣として、休暇の考え方が日本とことなっている点が挙げられます。
日本では何月何日から何日まで夏休み、と明確に決めます。が、ここ蒙古ではこれが実にルーズで、適当に親が連れ帰って二〜三ヵ月後にひょっこり登校するといった具合だったそうです。
またこの地方は十二歳をを越えるころから結婚をさせられる為、これが学校の出席率低下の原因のひとつとしてあげられています。これも日本と違う風習を感じます。 |
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