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満州写真館 風景その3

                       

                        
図們江
図們江、または豆満江と呼ばれる川です。
ウィキペディアによりますと豆満江は朝鮮半島側の呼び名、中国では図們江の呼び名です。
どちらの呼び名も尊重してか、満州国があった当時の書籍では特に分けてはいない様です。

図們江
『洋々たる図們江
図們江は満鮮国境を縫い、紅旗河、朝陽河などの支流を合しつつ日本海にそそぐ大流である。』
波の静かな水面に、帆をかけた船が見えます。

図們江
図們江の帆船です。
右側、人が乗り込むところです。朝鮮の民族衣装にも見えます。

図們江
図們江の筏です。
木材を筏に組んで河を流すところです。これは松花江など大きな河では大規模に行われています。こちらは小さめですが図們江でも行われており、林業のあるところではおなじみの風景であることが判ります。
こちらでは櫂でこいでいる様子で、漕ぎ手は筏の両端にいます。岸から河の中央へすすんでいるところでしょうか。

鴨緑江
図們江と同じく満鮮国境(今日の中国〜北朝鮮国境)を形成します。
図們江とは反対側、西へ流れます。
今日も現役で水力発電を行う水豊ダムがあるのはこの河です。

上流はご覧のような崖や谷のある景勝地でもあります。

鴨緑江
『下流に至れば両岸開けて洋々たる観を呈し、河口近くの安東付近は大船の航行に便する。』

広々とした河です。こちらも林業の木材を筏で流す姿がみられます。

小凌河
錦州付近での撮影です。
河の流れは緩やかですし、さほど深くもなさそうです。
絶好の渡河スポットなのでしょう。手前の砂地にも沢山の足跡や轍が見えます。

遼河
『遼河はその上流は東西に別れ、東遼河は西安県下に源を発し、西遼河は遠く興安嶺支脈から来て流下し合流、遼河本流を形成して渤海に注ぐ。
遼河の感慨面積は実に三十五万平方里。』

沼のようにも見えますが、流れは中央の横方向でしょう。
遼河は他の満州の河と同じく、輸送、そして農業に役立てられました。

遼河
『河口の榮口は大連、安東と共に満州物資の三大輸出入の港である。』

河口近くの栄口の風景です。帆掛け舟が多く見えます。営口については当HP満州写真館の営口にて別途初会してまいります。

太子河
遼河の支流、太子河の曳船です。
大きな荷車が二台積まれ、三台目を載せようとしている所です。
曳船には大きな櫂があります。これは人の大きさと比べても実に大きなものです。

太子河
こちらの渡し舟は細長い船を4つ横に連ねた様に見えます。
こちらも櫂があり、先ほどのものより小さい様ですが、やはり人と比べて大きなものです。

渾河
撫順傍の渾河にかかる永安橋です。
これは撫順市街地と撫順城を結ぶ橋です。
地図を見ても線路は通っておらず、歩行者用なのでしょう。馬車と思われますものが見えます。

潮河
国境河手前に河が見え万里の長城が右へ斜面をさがっているのがわかります。
写真にはキャプションがなく、撮影場所は推定するしかありません。
画像の右端、万里の長城が河の方へ下りており、河と交差していると思われます。
万里の長城は白河の支流である潮河と古北口という場所で交差しますので、そこでの撮影でしょう。手前が潮河と思われます。

松花江
『松花江は北満の主要部分をその流域とし、約2400キロを流れる。水量極めて豊富で北満の交通の一大幹線をなしているばかりでなく、流域は非常に肥沃で農産物の数量実に驚くばかりである。毎年11月から翌4月に至る六ヶ月間は結氷して船運は途絶するが、氷上が一大交通路となり、人馬の往来頻繁である。』

撮影場所は吉林の近郊、船の上では作業者がくつろいでいます。この写真は切手の絵に使われたことがあるそうです。

松花江
『北満の味を眞に痛感するのは、松花江の水が凍結し、その流氷がさらに凍り、またその上に雪が積もって時ならぬ凝りの奇石怪石といったような光景を現出するのをみて、いかにも物凄まじく思うときである。』

凍結した松花江です。
大変にでこぼこしています。
冬季に氷る河は交通路として役立ちますし、その写真を見ても氷りは平らですが、こちらの写真ではとても交通は出来そうにありません。
河の氷りを交通路にするにあたり、平らなところを選び、さらに氷の上を交通できるように整備するのかもしれません。

牡丹江
『牡丹江は牡丹嶺に源を発し、敦化の北に進み鏡泊湖に注ぎ、再び北に流れ出して
松花江に至る大江である。
水量豊かにして流域は水田の好適地として知られる。』

鏡のように静かな水面で、その背景には広い平野が見えます。牡丹江が流れる付近も冬は大変寒いのですが、夏場の気温が上昇することから稲作が行われていました。

嫩江
『興安嶺に源を発する各種の流れは合流し嫩江(のんこう)をなす。
江は南下し、斉斉哈爾(チチハル)付近に出て迂回して松花江にいたる。
いたるところ、北満州の沃野を潤す大江である。』

極寒の北満での撮影で、嫩江は凍結しています。

嫩江
夏の撮影で、広々とした平原が広がります。
嫩江は水上交通も行われており、この写真も恐らく船の上からの撮影です。

嫩江
初夏の嫩江河畔です。
洋々たる大河とキャプションにありますが、実に広々とした風景です。

烏蘇里江
ロシアと満州の国境付近、虎林での撮影とのことです。
寒々とした風景で、河は凍結しています。


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