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九台温泉





ちゅうごくでは、ちべっとで沢山のひとびとがころされました
てんあんもんじけんでも沢山がなくなりました
ぶんかだいかくめいでも沢山のひとびとがしんでしまいました
ちゅうごくのひとはしりません

                        
九台温泉
満州の首都、新京の北東の隣にあった九台温泉を、パンフレットで紹介してまいります。
手前を河が流れています。これは以下に記します小南河(飲馬河の支流)でしょう。

『奉天以南、所詮南満州には熊岳城及び湯崗子温泉あり。
安奉選には五龍背温泉ありて、温泉に恵まれ居れど、北満の地、殊に国都の近傍には温泉なく一種の心細さを禁じ得ざりしを、北満京図線の一寒村九台に沸然と湧き出でし霊泉は将に天興の賜にて国都に近き唯一の保健地また慰安地たらしめたものでございます。

○位置 :
九台温泉は、国都新京より吉林に向かう京図線で一時間十分(新京の東北約二百キロ)下九台駅下車、東に向かい、約八丁、小南河畔にあり、馬車なれば駅より約十分にて到着致します。

○施設 :
温泉場は小南河畔にあり小南山麓に大小の起伏を利用し、ホテル清風館、簡易旅館翠前荘のほか、大衆休憩所(浴場付)、涼風庵 ( 夏季宴会場 )、大小バンガローあり。
又、小南山山上には大展望台あり、之より眺むれば吉林、長白山、一望千里、実に雄大なる大陸的景色にて、小南河は渓流なれど飲馬河に通じ釣魚に適して居ります。
其他、イチゴ、馬鈴薯、甘藷、甘瓜、西瓜等の栽培畑が作られて居り、春は杏子、夏は鈴蘭が一面に咲き乱れ、沃野の中に四季夫々の色を添え付近はハイキングに好適なり。
冬季はスキーに適し、渓流を利用しスケート格好も興味あり。

○温泉の成分及び効能 :
本鉱泉は硝酸塩、クロール塩、硫酸塩、燐酸塩、特に重炭酸亜酸化マンガン、メタ硫酸、遊離炭酸瓦斯(ガス)など、多量。
有効薬を含有するをもって左の諸病に其の効能顕著なるものなり。

○浴用 :
神経病、心臓病、慢性婦人病、生殖器諸病、月経異常、不妊症、流産の傾向、一般皮膚病など。
特に身体を美にし色白く皮膚をなめらかにする特効あり。

○内用 :
消化不良、胃酸過多、貧血症、萎黄病等。 』

成分は、火山国日本の温泉並みに豊富です。クロール、とあるのは塩素系(クロロ)を指すものと考えられます。
内用とあるのは飲むことを指しており、貧血に効くというあたりから鉄分でもあるのか、と想像します。

洋室
『ホテル清風館
和室、大小八室、
洋室大小四室

○御室料御一人一泊 :
金四円 六畳
金五円 八畳
金六円 八畳
金八円 十畳及び三畳副室付き
金八円 八畳お帯四畳半副室付き

外洋室金四円及び金四円五十銭の二種、御二人以上は御一人増す毎に五割増しとす。
日帰り御休憩は半額申受けます。

○浴室 :
一般浴室 二室 家族風呂二室あり。

○御心付 :
茶代廃止女中御心付は御勘定の一割程度願上ます。』

和室

浴室の一部
窓も広く明るい浴槽です。タイル張りのです。

『御食事
一階グリル食堂
お食事は成るべく食堂にてお召し上がりの上、十分、食堂気分をお味い下さるよう特にお願い申し上げます。
但しご病人様または特に御室にて御召上がりご希望の方へは便宜御取り計らい致します。
詳細はメニューをご覧ください。』

食堂

御宴会用大広間
『御宴会
大広間あり五十名様迄の御宴会御引き受けいたします。

○御会席料理 :
 松 :十二品金五円
 竹 :七品金三円
 梅 :五品金二円
但し三十名様以上は特別御相談に応じます。』

『交通
汽車賃 
一人片道金一円
家族遊覧券二人往復金二円八十銭
一人増す毎往復金一円四十銭

普通乗車賃の三割引
駅にはポーター(案内人)御出迎えして居ります。
馬車は駅より温泉場迄片道一人金十銭

バス
新京より直通のバス近々開通の見込みであります。』

満州では、旅館名の入った大きな上着を着て駅前で客引きをかねて待っているポーターが名物でした。
九台にもポーターが駅に待機していたことがわかります。

『簡易旅館翠前荘
和室大小十一室
洋室無し

御室料
二食付き一人一泊
金二円五十銭
四畳半
金三円 六畳
金四円 八畳

但し十日以上長期ご静養のため御滞在の方には特別ご相談に応じます。
御二人以上御一人増す毎に五割増し。

団体御宿泊
当館を御利用くだされば特別御相談に応じます。

浴室
一般浴室二室あり。


浴室付大衆休憩所
冬季閉鎖
団体其他日帰りの方が簡易に入浴し得る様
収容力百人くらい、御休憩が出来ます。

周辺に子供遊技場の設けあり。
料金 大人一日金三十銭
小人 一日金十五銭
団体半額


夏季宴会場
涼風庵
夏季御宴会のため特に設けたるものにして
四十畳敷五十名様迄の御宴会御引き受けいたします。』


場所をおさらいします。
新京を吉林方面へ五駅目です(緑色に縫っています)。

ところでこの九台温泉で貴重なお話を伺いました。
かつて九台街に終戦までいらした方のお話です。
当時、温泉街の雰囲気は無く、温泉の存在はご存じなかったそうです。
確かにパンフレットを改めて見ましても、大きな温泉ではなく、また出来立ての様に見えます。地元民の認知度もまだ確立できないまま、終戦を迎えたのか、と考えます。

今日、九台周辺に温泉らしきものは無く、廃れてしまった温泉の様です。


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