| 星ケ浦その2としまして
星ケ浦ヤマトホテルと周辺施設を見てまいります。 |
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| 星ケ浦ヤマトホテルの利用案内を、当時のパンフレットを引用して紹介いたします。
『位置、東洋一の名を自他共に許す避暑地、大連の郊外、星ケ浦海浜の高台に位置し、眺望絶景、スタービーチの名によりて広く知られて居ります。
バス、電車の便あり、姉妹ホテルの大連ヤマトホテル、からは自動車にて十分、ホテル専用のバスが両ホテルの間を連絡して居ります。
○ 本館
二階建ての赤い屋根、洒落なバンガロー風の本館は、客室四十四の他、サンルーム式の大食堂、グリルルーム、酒場、撞球室などいずれも近代的ホテルの粋を集め、緑滴る庭園の芝生に立てば、渤海の静並み、一望に集まる。
避暑に、避寒に、全く理想的の、リゾートホテルでございます。
○ 分館
近代式二階建て、スマートな分館は客室六十を有し
毎年六月から
九月まで会館、御避暑の為の長期ご滞在には、至極御便利でございます。
料金はいたって低廉、全てがお手ごろで、ご家庭本位であります為、
毎夏、ご好評をいただいて居ります。
○ 別荘
白砂の汀(なぎさ)に沿った緑の丘に林間に転々として建つ四十六の貸し別荘は、初夏ともなれば御予約の申し込み多く、夏は星ケ浦で、は近頃の常識でございます。
○ 御送迎
汽車汽船の発着時には制服のホテル送迎係員が駅、埠頭に出向きまして御荷物そのほかの御用を承って居ります。』
『○本館料金
室料
御一人
浴室付 9.00以上
浴室無 4.50以上
御二人
浴室付 13.50以上
浴室無 9.00以上
季節外(自十月至翌五月)及び長期御滞在には割引の制度がございます。
米式宿泊(三食付)は御一人一日6円増し。
○食事料(円)
洋食 朝食1.50 昼職2.00 夕食2.50
和食 朝食1.50 昼職2.00 夕食2.50 』
画像は本館の玄関です。
一階部分は、蔦が覆っています。左端、海を見ている人物が見えます。
さて、流石は高級ホテル、一泊一人風呂付の部屋で9円もかかります。
お風呂が無し、という部屋もある様ですが、共同浴場でもあるのでしょう(言及していませんが)。
本館は、白い壁、赤い屋根が特徴でした。画像でもきれいな白い壁が判ります。
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| 二階の窓の部分をクローズアップ、おしゃれな窓にしてあります。
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| 夏季シーズンのみ営業、北満方面よりの家族連れ長期滞在客を対象に賑わっていました。
『○分館詳細と料金
六月より九月まで開館
室料
洋室
一人室 浴室無し 3.00以上
二人室 浴室無し 6.00以上
○和室
寝具無し
一室一日六畳 3.00以上
○食事料
和食0.50 昼食1.00 夕食1.00
洋食 一品料理の御需に応じます。』
夏季限定で、海水浴客を当て込んだものと考えます。
本館よりはリーズナブルです。
ただ、それでも尚、6円という費用です(以上とあり、実際にはなにかとかかるのでしょう)。
それもそのはずで、ヤマトホテルは、特等ホテルとされ、一般のホテルとは格が違う為、価格にも差があります。
ちなみに、大連市のヤマトホテル以外の一般のホテルでも、一等室で、一泊3.5円程度です(伊勢屋旅館満洲館を参考)。
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| 『○貸し別荘
A温水暖房月 一ヶ月
100.00以上
B下記別荘
六月から九月の四ヶ月間
430.00以上
間取り三室以上、浴室、水洗便式所、炊事室、使用人室、電灯、瓦斯(ガス)、水道、電話などの料金は別に申し受けます。』
貸し別荘の利用料金の高さには驚きますが、使用人用の部屋もあるなど、お金持ち向けであることがわかります。
貸し別荘は一戸建てであることは判りますが、残念ながら画像は未だ入手できておらず、詳細は不明です。
ちなみに、当時から星ケ浦は沢山の別荘が建てられ、それらは二階建てなどの贅沢なつくりでした。これらは、今日も残っているものがあります。
もしかすると当時の貸し別荘にものこっているものがあれば、と期待します。 |
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| 『星ケ浦は大連の南西八キロ、海水浴場を包含した一台公園の総称でございます。
北は大連不時の名の有る台子山の美しいスロープにつならりて、十五万余坪の十八ホールのゴルフリンクがあり、南は渤海に面して限界遠く展け、大小の島、転々として
指呼のうちに浮かぶ。
夏は涼しく冬暖かく、理想の避暑避寒地でございます。
丘の東は曙の浜、西は黄昏の浜、ともに波静かに砂白く、夏は海水浴場として内外人に喜ばれて居ります。』
画像は、ゴルフ場です。遠くに海が見えます。
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海と海に浮かぶ島が見えます。
ゴルフ場の向こう、家が何件もならんでみえます。
もしかするとこれが別荘地でしょうか。
星ケ浦にも住宅街があり、文化住宅が幾つも建っていましたので、それかもしれません。 |
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| 『大正十三年、工費三十余万円を投して完成した旅大道路は、此の地をすぎて遠く
旅順へと山間を畑地を、はた海辺を淡々として続く四十余 米千 (キロ)の
ドライブウェーは、四季の眺美しく、旅大八景の名勝がございます。
ホテル旅館に関する御問い合わせは、
其の地のホテル又は鉄道総局旅館課に願います。』
この記述から、当時、大勢が訪れた旅順へ直ぐにいけることがわかります。
バスなどで出かけたものと思われます。 |
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| ヤマトホテルを遠くから。
二階建てのデザインの統一された屋根が見えます。
右下、しろっぽい建物が見えます。ガラス張りっぽく見えます。
ヤマトホテルの左側、画面中央上、木々の間に一戸建ての建物が見えます。もしかすると、これが貸し別荘でしょうか。
星ケ浦の砂浜が三重、ブランコかなにかが見えます。
左手前、岩がごつごつしています。 |
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