満州交通　船舶 ちゅうごくでは、ちべっとで沢山のひとびとがころされました てんあんもんじけんでも沢山がなくなりました ぶんかだいかくめいでも沢山のひとびとがしんでしまいました ちゅうごくのひとはしりません 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 満州では、日本や当時の中国とを結ぶ航路が発展しました。こちらでは、この時代に満州周辺で活躍した船、及び港を紹介してまいります。 あめりか丸（亜米利加丸） この美しい船の数奇な運命は、ウィキペディアに詳しく記されています。野口英世が乗り、孫文が乗り、日本海海戦に参加、と近代の歴史と共に活躍しました。 大阪商船に売却後、広くアジアの航路を勤めました。画像は大連で航路を勤めていた頃で、実に平和な印象です。煙突に "大"の字をあしらったマークが見えます。大阪商船を示すものです。 背景は大連港ですが、町並みは小さくしか写っていません。 大連と日本の大阪を結ぶ航路が開けたのは早く、１９０５年（明治３８年）で、丁度、日露戦争の日本海海戦があった年です。この時、４隻の船が運航されています。後に、船は更に増えて１９３４年には９隻もの船が大連を中心に行き来をしていました。 あめりか丸は、この後、太平洋戦争の最中、米潜水艦の魚雷攻撃で、500名を超える民間人（女性子供を含む）と共に沈没しています。 合掌 あめりか丸（亜米利加丸） 煙突及び艦橋付近をクローズアップ。 煙突には大阪商船のマーキングが見えます。 何人かの旅の客がこちらをみています。撮影者の目線は、あめりか丸の甲板と同じ高さにいますので、すれ違う客船からの撮影でしょう。 大阪商船会社は、大阪大連航路を開設、満州と日本を結びました。 ほんこん丸 あめりか丸の姉妹艦、ほんこん丸です。 ほんこん丸 一等船室 左側に窓があります。あまり広い感じではありませんが、明るい部屋です。 ほんこん丸 角度が悪く、また画像が荒くて判断し辛いのですが、煙突が二本、艦橋の形状からあめりか丸の姉妹艦、そして船体横の文字が５つあり、中の三文字が「ん」「こ」「ん」と読めることからほんこん丸と判断されます。 大連港を出向するところを後ろから捉えた写真です。 はるびん丸 はるびん丸は1915年（大正4年）に建造された船です。第一次大戦勃発が1914年ですので、世界がきな臭い時期に作られた船です。 大阪商船にて大連からの航路に就き、その後、北日本汽船にて、敦賀と朝鮮半島の清津港、そして羅津港、雄基港を結びました（以後に紹介します、満洲丸と同じ会社）。 またはるびん丸は、「東洋のシンドラー」と呼ばれた外交官、杉原千畝（すぎはらちうね）にビザ発給をうけたユダヤ人を敦賀へ運ぶ大役も勤めました。 その後、太平洋戦争では病院船の任務に付きますが、潜水艦スティングレィの攻撃を受け沈没します（ アメリカ軍サーゴ級潜水艦USS Stingray　SS-186 ） はるびん丸 乗船記念スタンプ 昭和 9年 6月 30日 はるびん丸 大連港に横付けされた、はるびん丸です。 煙突からはもうもうと煙が出ており、出港も近いようです。 手前、見送りのデッキには人々が集まりつつあります。 『 どんな大船巨舶でもやすやすとして横付けられる大埠頭は一、二、三、四号の四ピーアがあって、広さ百万坪の大連港の生命線となっている。流石、満州の大玄関で、その規模の大なる、また理想的なる設備に対しては、何人も嘆賞の声を放たぬはない。定期船の発着日は送る人、送られる人、迎える人、迎えられる人手、さしもの大埠頭も大混雑を呈する。 』 きつりん丸 （ 吉林丸 ） 大阪と大連航路に就役するため新造された貨客船です。 「うすりい丸」の拡大改良型です。外観はよく似ています。 煙突に大阪商船のマークがついています。 きつりん丸 （ 吉林丸 ） 同じくきつりん丸、やや角度を変えて。 姉妹艦には次に紹介しますねつか丸（熱河丸）があります。 外観はほぼ同じです。 きつりん丸 （ 吉林丸 ） 記念スタンプ 昭和 14年 5月11日 日満連絡線 うすりい丸 大阪と大連を結んだ船です。大陸への旅客貨物の需要増加にあわせ建造されました。 船名は黒竜江（黒龍江）の支流のウスリー川にちなんでつけられています。 日満連絡線 うすりい丸 日満連絡船 ねつか丸 （ 熱河丸 ） 日本と大連を結ぶ貨客船、ねつか丸です。大阪商船の船で煙突にもそのマークが見えます。 航路は大阪から、ですが、運用は主に大阪で貨物を、神戸で旅客が乗り込み、門司港へ寄り、大連へ到着、戻りはその逆の順です。ちなみに大阪でも旅客は乗り込みますが、駅からの利便の差があり、鉄道から乗り継ぐ客は神戸にて乗り込んでいます。 東京から満州へ客船で行く映画がヒストリーチャンネルで紹介されていました。『戦前の満州への旅』を紹介する映画で、東京を出発し、神戸で船に乗って大連へ行く内容です。東京駅を特急富士出発、夜行列車で神戸港へ。日満連絡船ねつか丸でのんびり瀬戸内海を渡り、門司を経由し大連までを写しています。この映画に写る、ねつか丸の豪華な内装は目を見張るものがあります（youatubeにもアップされています）。 所要時間は、門司〜大連間は約４０時間で、船中で二泊の時間がかかります。門司〜神戸間はさらに船中での一泊。東京までの汽車移動を足すとさらに一泊ですので、東京から大連までは、四泊五日かかることになります。 この所要時間ですが、冬場は若干ですが長くかかったとする資料があります。凍結こそしませんが、氷が浮く湾内への横付けに時間がかかる（あるいはより慎重に行う）から、あるいは冬場は海が荒れるから、とのことです。 ちなみに、１９３０年代まで日満の時差は一時間ありましたが、昭和十二年に時差を無くした、と先の満州の旅の映画で紹介されています。 大連は整備が進み、不凍港で深さも十分であるため、大型貨客船の出入りが集中しました（古くからある港の営口は深さが大型船には十分ではなかった）。 ちなみに、大連港の発達に伴い、日本から大連まで船中二泊では遅い、もっと速くという要求が、１９３２年の満州日報新聞に掲載されていました（神戸大学のサイト、満州日報に掲載中）。 大阪商船に関し、新造の客船はすばらしいが、一泊で日本と満州を結ぶくらいの速さであってほしい、そのくらいは出来て当然だ、という希望が記事となっています。 ちなみに、この記事には、スピードアップというカタカナがごく普通に用いられている点は興味深く感じます。 熱河丸一等広間 では、熱河丸の内装を見てみましょう。 まずは一等の広間から。 当時の船は一等、二等、三等とランク分けされ、基本的に等級間で船内の行き来はできませんでした。 一等は特別に良い内装がしつらえてあり、その船ごとにその一等船室の良さを誇っていました。特に一等は食堂、ホール、娯楽室も一等専用が作られ、一等の客はこれらを満喫することができました。 こちら、広間とあり、右側に階段が、また右端には鉢植えもあります。 窓のおかげであかるく、床はぴかぴか。左の扉の向こうには同じくとても明るいホールがある様です。 熱河丸 一等ベランダ ベランダとあります。二人がけのテーブルが並んでいます。 左側の窓に注目、ゆっくりとカーブしていることがわかります。 このことから、このベランダは艦橋の前面にあることがわかります。 船の中で最も見晴らしの良い場所に設けられているわけです。 熱河丸 二等食堂 ワンランク下がって二等の食堂。 長テーブルに、若干狭く椅子が並んでいます。ちなみに一等の食堂は4人がけの丸テーブルで、広く座れる様になっています。 同じ船で船室、食堂などを等級別に見比べられると最も良いのですが、残念ながら現在、バラバラでしか集まっていません。 鋭意収集中です。 日満連絡船 ばいかる丸 Kobe-Dairen Liner, S.S.　"Baikal Maru" 大阪商船にて大連航路用に新造された船です。大正9年の建造、はるびん丸と同時期の船です。 後に東京に本社のあった東亞海運に売却されます。徴用もされたのか、陸軍の輸送、患者の輸送を行っています。大分県沖で機雷に触れて座礁（着底？）したのち、戦後に浮揚され修理、捕鯨の会社へ売却されています。 さて、ばいかる丸は大阪商船ですが、絵葉書にはKobe-Dairen Liner とあります。 ねつか丸で紹介しましたとおり、大阪商船は大阪から大連が主な航路です。一方で、先に紹介しましたヒストリーチャンネルの『戦前の満州の旅』でも神戸と大連を結ぶと紹介されていました。神戸始発のもあった（大阪発ではなく）、旅客は神戸からが主の為に神戸発と紹介された、ということでしょうか。 のんきな父さん 大阪商船株式會社絵葉書 港を出発する船と、身を乗り出してあいさつをする、とうさんの図です。 港がどこか、など特定はできません。 グッドバイと英語だったり、「BON VOYAGE」フランス語の「よい旅を」（何故か大文字ですが）と国際色豊かな印象です。 桟橋には大勢の人が見送りに来ており、紙テープが舞い、沖には大勢の船が見えます。当時の旅行の雰囲気をうかがうことがでいます。 O.S.K.MARUと船名にありますが、この名の船はなく、大阪商船の会社名を船名として記入しています。沖の船も煙突に大の字があり、大阪商船の特徴です。大阪商船系列の船や桟橋で売られた絵葉書なのでしょう。 →満州写真館へ戻る 　 →歴史資料館　目次へ戻る →みに・ミーの部屋に戻る