このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

探索日 2010.08.15
No.AO-049

下二股沢線■大間町 ■全線ダート ■接続→奥戸川線
■奥戸川線から分岐して山中に延びる

 野猿も跋扈する雑草むした重厚ムードの漂う放置系ピストンダート 

 ↓雑草むしたダートは慣れない者を怯ませるに十分ですが、その下に隠された
 路面はさほど荒れていません。沿道の自然色だけは豊かなのですけどね…。


……こんな感じ……
■奥戸川線から分岐して下北半島最北端の大間町の山深い山中に延びるダート林道。通行困難というほどではないが、不安定な山土っぽい路面で入線直後から雑草むしたダートが続く。入口には林道標が掲げられておらず、一見すると作業道のような趣がある。よってここは物理的な障害よりも、場慣れしていないと被るであろう雑草むした放置系の雰囲気による精神的な負担の方が大きいので、その手のダートが苦手という方は遠慮しておいた方が無難かも。ただし、路面崩壊や崩落などは見られなかったため、それさえ気にしなければ意外とあっさり進めてしまう。道すがら目に入るものは前後左右緑のみだが、その代償として下北の濃厚な自然色だけは満喫可能。

■奥戸川線を接続する材木沢線方向へと進むと、やがて現れる林業小屋の脇に入口が現れるのがこの下二股線です。コース的には林道名にもなっている下二股沢に沿って、隣接する風間浦村との境界付近の三界平山(346m)の山裾に向かって延びているようですが、入口には林道標すら設置されておらず、詳細な県別地図にもその道筋は未記載であるのが目下の現状。このような状況を考慮すれば、その深部では放置系の荒廃が予想されたものの、その反面、探索のし甲斐だけはありそうなので突入を試みることに。ただし、なにぶんにも山深い山中に延びるピストンなので、現時点ではどこまで進めるのかまったく先が読めません。
■で、これが林業小屋の脇から眺めた下二股沢線の入口の様子。前日の降雨の影響もあって、山土っぽくいかにも軟弱そうなダートがスタートしており、一見しただけでそうと思わせるに十分な草深そうな雰囲気です。「大丈夫なのか、この下二股沢線は?」と一抹の不安を覚えたものの、たぶん大丈夫であろうと自らを鼓舞させていざ突入せん!
■うへぇ〜、これほどだったとは! ダートは僅かに痕跡の残るワダチを残してすぐにびっちりと雑草に覆われてしまいましたよ。入線早々にして雰囲気的にはかなりの濃さがありましたが、走行的にはさほど問題がなかったので、引き返し所を掴めずにズルズルと前進してしまいます。
■予想外の草むしさ加減にドキッとさせられましたが、未知なるピストン探索ではむしろそれは望むところ。「これでいいのだ!」と自らを納得させて前進していくと、とある逆S字カーブ地点にて前方からこちらを見つめる視線が…。
■「猿だッ!」なんと、そこに待ちかまえていたのはダートにたむろしていた猿野の集団でした。数メートルほどの間隔を空けて路面中央に居座っている様子。最近の猿は人間様を恐れないとしばしききますが、確かにその通りで、ちょっとした睨み合いが続きます。野猿にはエンジン音が聞こえていたはずなので、前もって逃げようと思えばすでに逃げられていたはずなのに。おのれ…、こやつはちとばかし強気ですよ!
■「うぬ、そちらがその気なら…」いつまでも続く膠着状態にケリを付けるべくじわりじわりと接近してみたところ、クルリといきなり上半身を半回転! どうやらこちらのプレッシャーに耐えられなくなったのか、野猿は逃げの態勢に入りましたよ!
■そして路肩の藪に逃げ込む直前、「ちぃ!」とでも言いたげにこちらをガン見、ふてぶてしく立ち去っていきました。最近は噛みつき猿が増えているので、ひょっとしたら集団で襲撃されるかとも思いましたが、さすがにXR相手にそれはなかったようです。大人猿はとっくに逃散しており、なにせこやつはまだ世間を知らない子供猿だったのでね。わっはっは!
■と、まあ子供猿相手の冗談はさておき、野猿の集団が立ち去ったので下二股沢線の探索を続行してさらに前進します。ちなみに下北の野猿は天然記念物に指定されていることで天敵もおらず、農作物食い放題状態であり、加えて以前ならば弱った個体や赤子猿などは寒さで自然淘汰されていたのが、地球温暖化で生き延びるようになって生息数を増加させているとのこと。なのでこのような滅多に人の立ち入らないピストンなどではよくその姿を見かけます。
■路面に僅かに残されたワダチは、その後、所によっては雑草に埋もれて完全に消滅していたりもしていましたが、道筋自体ははっきりしていたので、とりあえずまだ大丈夫そうです。でも、こうも草深いのでは行く手に何が現れてもおかしくはない雰囲気であり、これじゃあ野猿だって出没するというもんですね。
■「切り通しだ!」雑草で草ボーボーなダートをさらにたどって行くと、このような切り通しがありました。すでに車両の通行は半ば途絶えてしまっている様子から察するに、下二股沢線は林道的にも簡易的かつ規格の低そうな1本であると思っていましたが、ここまでして道を通したとあっては、その開設にはそれなりの手間とお金がかけられていたのかもしれません。
■ただし、現在はお金と手間をかけたその甲斐もなく放置が続いて草ボーボーであり、ここまで進むとワダチもすっかり雑草に埋もれてしまいました。ここ数日、というかこの一夏の間に下二股沢線に立ち入った車両は、おそらくこのXRくらいなものと思われます。たぶんですけど。
■道を通すために切り崩された垂直な壁に沿ってなおもダートは続いていました。このような壁にはさすがに雑草の種も根付かないのか、周囲一面の緑の猛威の中にあって壁の灰色だけが異様に目立ちます。それにしてもこのダートは一体どこまで続いているのでしょうか? 何となくズルズルとここまで来れてしまいましたが。
■で、さらに前進するとやがてこのような左カーブ地点にたどり着きました。たしかに草深くはありますが、まだその先があるように思えたので、なんの疑いもなくカーブを曲がってみると…。
■画像では分かり難いですが、カーブの途中でダートはプツリと途切れてしまい、その先には薄暗い重厚な森の壁があるだけでした。中途半端なカーブの途中でダートが途切れていることから、雰囲気的には延長工事が行われてもよさそうなものですが、おそらくそれはこの先100年待ってみても実施されることはなさそうです。ということで、果たしてどこまで前進できるか危ぶまれた下二股沢線の探索ですが、草深い見かけによらずあっさりと終点までたどり着けてしまったのは意外であったものの、無事が何よりということで探索は終了です。
→探索終了!
→引き返して奥戸川線に向かう!
→その先を眺める!
→振り返る!

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