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 大地沢林道/ Ochizawa林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2016.08.11 / No.I-027 
 [ 所在地 ]雫石町 [ 状態 ]ピストンダート [ 接続林道 ] 志戸前川林道  [ 分岐林道 ]-
 各種「聖地」が密かに存在、沢沿い山間部に延びるマニア垂涎の聖地巡礼系ピストン林道

石町の志戸前川林道から分岐している大地沢林道。志戸前川の支流である大地ノ沢沿いに遡る延長4キロほどの沢筋ピストンであり、それだけならばよくある普通の林道ですが、なんといってもそのコースが特徴的。地図で眺めてみると一目瞭然ですが、大地ノ沢に並走しているのは林道だけではありません。JR田沢湖線(秋田新幹線)の線路も並走しています。林道が線路と並走する場所としては、同じ岩手県のJR山田線「上米内駅」〜「区界駅」区間が有名ですが、大地沢林道もそれに劣らずレアな林道なんですね。しかも日本が誇るハイテクトレインの秋田新幹線E6系「こまち」を林道探索しながら眺められるとあっては訪れないわけにはいかんでしょう! というわけで志戸前川林道からの分岐入口ですよ!
んな感じで密かに楽しみであった大地沢林道。さっそく立ち入りますが、入線直後はこのような鉄板敷区間でスタート。わざわざ鉄板が敷かれているということは、かなり重量のある大型車両が通行している証であり、林道の奥でなにかの工事が行われていることがすぐに分かりました。でも一体なんの工事をしているのでしょうか?
線直後の鉄板敷区間を進んで行くと、左手に大地ノ沢の流れが寄り添ってきます。そのささやかな流れ伝いに大地沢林道のダートは延びていますが、その先でも路肩の危ういカーブ地点などで鉄板が敷かれているのを目にしました。かなり重量のある車両、すなわちダンプや大型トラックが林道を走行しているのだと思います 。
して現れた怪しい分岐地点。圧縮されたように固く締まった路面の本線に対して、みるからにガタガタなダートが右手の森の斜面を登坂しています。さすがにこのような小さな分岐は手持ちの県別地図にも記載はありませんが、進むべき方向に迷う心配はありません。一目見ただけで本線は直進方向であることがすぐに分かります。
地ノ沢の流れに沿って蛇行を繰り返しながら進んで行きますが、これといった急な勾配はまったく現れません。沢伝いに上流へと遡っているので、厳密には登り坂なのですが、それが感じられないんですね。ほとんど水平コース状態です。
れる水はきれいに澄んでいますが、景観的にはそれほどでもなかった大地ノ沢の渓流コースがダラダラと続きます。そして基本は固く締まったフラットダートの大地沢林道ですが、なぜか無数の窪みが発生していた箇所もあって、そういう地点では天気は快晴なのに大きな水溜まりが点在していましたよ。大型車両の通行が路面に与えた影響ですね。
流の水際ギリギリな斜面に張り付いて沢を遡って行く大地沢林道。途中、路肩崩落を復旧したと思われる地点がたまに現れますが、この林道はよく豪雨災害の被害に遭うらしいです。平成25(2013)年にこの地を襲った豪雨によって林道は甚大な被害を被り、それが復旧したと思ったら再び豪雨災害に遭遇・・・。林道はその後1年半ほどかけて平成27(2015)年にようやく復旧したみたいです。所々で見られた真新しい法面箇所はその名残りでしょう。
「またしても怪しい分岐!」そして再び現れた右手の森を登坂するダート分岐です。県別地図で確認しても記載はありませんが、地図上ではすぐ右手の斜面の上をJR田沢湖線(秋田新幹線)の線路が走っていることから、その正体は保線系のアクセス路だと思われます。おそらく、右手に登って行けば線路際に出られるのかもしれませんが、所詮は名のある林道ではないので手は出さないでおきました。というわけで大地沢林道本線は直進方向です。
「田沢湖線と秋田新幹線、キターーッ!」やがて前方に大地ノ沢の流れと林道とを同時に跨ぐ田沢湖線の鉄橋が! 手前から眺めてもそれと分かる見上げるような高さの鉄橋であり、このような人里離れた山間部を行く路線なので単線ですが、そのためにすれ違いの「大地沢信号場」がすぐそばにあるとのこと。う〜ん、ここまで舞台がそろったならば、あとはこの瞬間に「こまち」が通過してくれれば最高なんですけどね。
→鉄橋を見上げる!
ほどの鉄橋のたもとで2〜3分ほど待ってみましたが、さすがに「こまち」はやって来なかったので大地沢林道を先へと進みます。相変わらず沢伝いの渓流コースが連続しますが、幅員がぐっと広がって河川敷じみた区間もありました。不自然な幅員の広がりは、やはりこの先で行われている何かの工事が関係しているみたいです。
「線路だ!」そんな感じで大地ノ沢の水際ダートを進んで行くと、やがて沢の対岸の急斜面に田沢湖線の線路が! そこはあまりにも斜面が急過ぎるため橋梁で線路を通している箇所であり、下から見上げるアングルが、列車走行シーンを眺めるはうってつけなポイントでした。先ほど同様、2、3分くらいなら待ってもいいですが、さすがにそれ以上はいつやって来るか分からない状態でボケ〜っと待つほどの鉄道マニアでもないしなぁ・・・。
→線路を見上げる!
然にも待ち時間なしの絶妙なタイミングで、迫力の「こまち」通過シーンを眺めることができ、大地沢林道探索の目的の一つをあっさりと達成。これで心置きなく大地沢林道の未だ見ぬ末端を目指して林道探索ができるというもの。心軽やかにその先へとWRを進ませますが、ここでいったんダートは大地ノ沢の左岸へと位置を移します。真新しいコンクリ橋で沢を渡りますが、これはかつての豪雨災害復旧で架け直された橋くさいです。
「やや、これは?!」その後再び沢の右岸に戻ってしばらく進むと、大々的な工事現場に差しかかりました。でも工事の対象は林道の復旧とかではなくて、田沢湖線の橋梁の耐震補強工事であったことが判明。度重なる豪雨水害や地震に備えてというわけですね。でなければ、わざわざ鉄板敷きの走行対策をしたり、このような山奥のピストンにダンプや大型トラックは入らないでしょう。うむ、これで納得。
の後しばらく左手の大地ノ沢沿いに田沢湖線の橋梁区間が連続しますが、全ての橋脚を補強工事しているらしいです。幸いにして探索時はお盆休みにつき休工中でしたが、工事の行われる平日は工事車両の往来で林道探索どころじゃないかもしれません。ちなみに、前方に見えているトンネル出口のような地点が「大地沢信号所」です。
→大地沢信号所!
地沢信号所が現れると田沢湖線は「仙岩トンネル(3915m)」へと入って消えることで線路沿い区間は終了。林道は引き続き大地ノ沢の流れに沿って遡って続きますが、地図上ではそこより上流は「大地ノ沢」から「ナカノヒロコ沢」へと沢の名称が変わるみたい。だいぶ源流域へと近づいたようですが、橋脚補強の工事現場を過ぎたことで、ダートにもより一層のひっそり感と静寂さが漂いはじめます。
→さらに大地沢林道を進む!
→探索中止!
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