このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

 杉川線/ Sugikawa林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2014.05.06 / No.Shi-030 
  荒々しく険しい本格的な山岳ダートが満喫できるが、局地的なガレが通り抜けを拒む!


↑途中までならば本格的な山岳ダートを満喫できますが、終盤の局地的なガレは致命的。危ういと思ったらこの林道では偵察が重要です!
野、山梨、静岡県に跨がる赤石山脈から連なる険しい山岳地帯に延びる完抜け長距離ダート林道。大井川周辺の林道としてはガレていることで有名であり、崖崩れや路面崩落で通り抜けできないことが多い。ただし、全面的にガレているわけでもなく、362号線側から入線すると美しい渓流沿いの走りやすいコースが続く。その後、進むにつれて崖崩れなどによるガレが目立ちはじめ、最終的には局地的な難所が数カ所現れる。したがって、南赤石、蕎麦粒林道側からアプローチするとすぐにガレに阻まれてしまう。探索するにあたっては、最初から通り抜けできないくらいの予定でいれば慌てずに済むだろう。

 [所在地]浜松市
 [路面状況]半ダート / 完抜
 [接続林道]南赤石林道・蕎麦粒林道
 [分岐林道]杉川支線林道・玄馬林道
 [コース]R362号線「奥村」地区(春野町川上)から
      南赤石林道、蕎麦粒林道との三叉地点とを結ぶ

R362号線沿いの浜松市天竜区春野町川上「奥村」地区にある杉川林道の入口にやって来ました。アプローチは簡単で、「べんてんじまヴィレッジ」が目印となる国道の「川上バス停」の脇を曲がって500mほど進んだ地点が林道入口となっています。そこは杉川を跨ぐ橋のたもとであり、古めかしいタイプの林道標が設置されています。ここは迷うこともないと思います。
川の橋を渡るとそこから林道のダートがスタートしますが、そこには「杉川林道(起点)」と記された林道標がもう1つ設置されています。林道のコースとしては、ここからおおよそ杉川の左岸に沿って山中深く山岳地帯へと分け入り、杉川の源流部の上手を回り込んで南赤石林道および蕎麦粒林道との三叉路を目指す形となっています。地理院地図でも眺めてみれば分りますが、とにかく山深い山岳地帯を巡る林道です。
→周囲を見渡す!
岡県下でも極めてハードなガレ状態で知られた杉川林道ですが、さすがに入線直後はいたってまともなダートです。杉林越しの右手下方に杉川の渓流を眺めつつのフラットな路面状態が続きました。川や沢に沿って分け入る林道ではその序盤によくあるコース展開のパターンです。
川林道は渓流沿いに進むため途中にはいくつかコンクリ橋が現れます。これは左手の斜面から杉川へと注ぎ込む沢を跨ぐ地点。お約束で欄干越しに見下ろしてみましたが、ここは草木が深くてよく見えなかったような気がします。その代わり、4月から6月にかけて各地の林道で目にする美しく咲き誇っていたヤマツツジを眺めることができました。
→ヤマツツジ!
川の渓流沿いに進んで行きますが、さっそく林道の険しさを彷佛とさせる箇所、すなわち中規模の土砂崩れ跡が現れました。現場はすでに復旧されて立派な擁壁が構築されていましたが、よく眺めてみると、ここは何度も土砂崩れが発生しているみたいです。純白のガードレールの下にはすでに大量の土砂が山盛り状態となっていました。
道は杉川の左岸を進みますが、1箇所だけ右岸沿いの区間が現れます。右岸へと移動する橋上は絶好の景観ポイントとなっており、迫力ある渓流美を見下ろすことができました。…と、まあ、ここまでの所は路面に問題はないので自然を愛でつつのんびりと進んでいます。
→杉川(上流方向・左)を眺める!
→杉川(下流方向・右)を眺める!
岸をしばらく走って再び左岸へと戻りますが、ここでも素晴らしい杉川の景観を楽しむことができました。両脇を切り立つ岩壁に囲まれた自然の造形が織りなす渓谷美ですが、ここはうまい具合に橋上という絶好のポジションから眺められますよ。
→杉川の景観!
いのほかの素晴らしさを見せてくれた杉川の景観を楽しみつつ先へと進みます。ただし、路面はご覧の通りのフラットさで険しさは全く感じられません。ガレていたのは過去の話で、現在は「もうすっかり整備されている?」などと思ってしまいます。
ゲートだ!」道すがらの山深さは感じるものの、路面的な険しさをほとんど感じないままに進んで行くと、やがて前方に鉄門式ゲートが! そこには「通行止」やら「関係者以外立入禁止」などの立て看板が乱立していますが、その中の一つにはこの先の崩土を予告する立看板もありました。というわけで、ここから先がいわゆる「ガレの激しい杉川林道」となっているみたいです。
→ゲートを眺める!
→付近を眺める!
士の情けでゲー○脇を失礼させていただくと、渡り終えたその先にダート分岐が見えているコンクリ橋が現れます。そして分岐のそばになにやらトタン小屋の存在も確認できました。ここはどういう場所であるのか気になるので急いで橋を渡って接近してみます。
やったー、支線林道発見!」手前から見えていたのは左手に登坂していく「杉川支線林道」の分岐地点でした。杉川林道に関する情報はネットでも多いですが、さすがにその支線林道までとなると…ないんですよね。というわけで、ここで嬉しい支線林道の発見となりましたが、手前から見えていたトタン小屋の正体も同時に判明。それは林道整備の重機車庫であったようです。そして、それとは別の存在であるトタン小屋がすぐ先に見えています。
→重機車庫を眺める!
→振り返る!
→!?
→杉川支線林道に突入!
、これがそのトタン小屋。その正体は造林作業小屋で、「傾城造林作業所」という名称が付けられています。杉川林道で見かけたこの造林作業小屋は現役で使用されているらしく、なかなか設備が充実している模様。せっかくなので少しだけ観察しておきました。ちなみに、作業小屋手前に置かれている巨岩は廂部分の構造上の強度を増すためのもの。上部のトタン部分から延びた鋼鉄製ロープが巨岩にくくられています。
→入口を眺める!
→入口廻りを眺める!
めているだけでなかなか楽しかった造林小屋を後にして前進再開。落石してきた岩屑が散乱、ややガタガタ感が増してきたダートを進んで行くと路肩に1本の巨木がありました。なぜかこの1本だけ伐採されずに残されたものと思われます。あえて最後の1つにだけは手を付けないで残しておく。日本人はなぜかそういうことが好きなんですね。
の後なぜかコンクリ簡易舗装区間が現れました。この状況からみて坂道対策というわけでもなさそうですが、なんでここだけ舗装した? しかもかなり傷んでボロボロ状態だし…。オフバイクの場合はコンクリ上の浮き砂利でかえって危なかったりもします。
→あ、あれは!?
期せぬ林鉄遺構を目にすることができ、なかなか見所の多い杉川林道。ここがかつての林鉄軌道跡だとすれば、先述の造林作業小屋は貯木ステーションの類だったのかもしれませんね。ただの造林小屋にしては立派すぎるので不思議に思っていましたが、おそらく林鉄時代には駅舎として使われていた歴史があるのでしょう。などと、過ぎ去っていった過去に思いを馳せていると、今度は左手の斜面に滝が現れました。まったく実に楽しませてくれるなぁ、この林道は!
→さらに杉川線を進む!
→もう飽きた…
→滝を眺める!
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