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 高土林道/ Takado林道探索の書 〜今日もどこかで林道ざんまい〜 
探索日 2012.07.22 / No.SHI-072 
 [ 所在地 ]富士宮市 [ 状態 ]ピストン半ダート [ 接続林道 ] 十万石林道  [ 分岐林道 ]-
 延長距離は短めなれど、広大な富士裾野のまっただ中の森の雰囲気を満喫できるピストン

士宮市の富士裾野に展開する広大なる国有林。そこにはとても一日では回りきれない林道ネットワーク網が張り巡らされており、平成25(2013)年には世界遺産にも登録された富士山の山裾という禁断なる特殊な場所柄か、決して紹介されることのない膨大な数の未知なる林道が人知れず存在しています。それらを一網打尽にすべく、探索中に発見したのが高土林道。富士宮市人穴「広見」(県71号線方面)から富士山(上井出)林道を進み、途中で左折して支線の十万石林道へと入り、1本目の分岐が高土林道の起点となっています。
→ 林道標を眺める!
利ダートの右カーブで緩く登坂していく十万石林道から分岐する高土林道ですが、路面はご覧の通り舗装状態で開始しています。林道のダート率が95%を超える上井出富士山国有林の中では、鋪装林道の方が逆に珍しくもあったりするのですが・・・。ちなみに画像では十万石林道が登坂しているので、目の錯覚で高土林道が下っているように見えています。
→ 振り返る!
密な白いガスに包まれた高土林道へといざ入線、少し進むと怪しい左折分岐が現れます。「またしても支線林道が?!」と嬉しくなってしまいましたが、支線林道の分岐地点に必ず設置されている林道標がここにはありませんでした。どうやら森林作業道らしかったです。行き着く先が気にはなりましたが、富士山国有林では作業道探索よりも、まずは膨大なる林道群の探索調査が優先されます。なのでここは眺めるのみに留めてパスしておきました。
→ 森林作業道(左折)を眺める!
「おお、やったぜぇ!」入線直後に開始していた舗装路状態でしたが、しばらく進むとやがて前方にダートが姿を現しました。しかもよく整備されたフラットな砂利系で、いかにも走り心地が良さそうな状態です! これはどうしたって興奮度が高まりますね!
高およそ1170m。白い濃霧に包まれて幻想的な雰囲気の中、広大な国有林の大森林をストレートに貫くダートが続きます。路面の溶岩質の小砂利の感触も抜群に良く、ハンドルを握る手にも自然と力が入るというもの。エンジン音も軽やかに極上ダートを駆け抜けます!
「それにしても濃厚なガス!」本格的な山岳林道で濃霧に包まれると、僅か先の視界までもが利かなくなって景色どころでなかったりもしますが、ここでは周囲に漂う白乳色のガスがしっぽりとした素晴らしい風情を演出。もちろん富士山麓ということで、快晴に恵まれれば最高に爽快ですが、たとえこのようにガスっていても、それはそれで素晴らしい神秘的な雰囲気が楽しめますよ。うん、さすがは世界に誇る富士山だけのことはあるな!
霧で幻想的な雰囲気に包まれた森林地帯をストレートに貫く高土林道のワダチダート。山の天気は変わりやすいとよく言われますが、富士山の天候が最も安定するのは7月下旬〜8月上旬。その代わりこの時期は霧がかかりやすくなるのが特徴で、探索当日は山麓では晴れていたのに、標高の高い林道に入った途端ガスに包まれたんですね。ちなみに林道の位置する富士宮市は市内域の標高差が3741mと日本一。この標高差によって、同じ市内でも地域よっては雨が多く冬季は厳しい低温となるので、富士山林道を探索する場合は見た目の天候にまどわされないことが重要かも。冬、山麓の富士宮市街地では雪が降るのは稀なのですが、それにだまされて富士山に近づいた途端に積雪まみれとなることがよくありますよ。
道の延びるここは標高1000mを優に越える高所地帯。切り立った崖や斜面があるわけでもないので、景観的には標高の高さをあまり実感できませんが、高土林道のダートは富士山麓のその辺りの等高線をなぞるようにして延びています。なのでそれほどの標高でありながら険しい急坂が現れることもなく、意外なほどなだらかな水平コースが続きました。
「ここは一体?!」そんな感じでしばらく進むと、やがて森が林道に沿って細長く切り開かれた区間に差しかかります。富士山の自然は原生的で人の手など入っていないと思われがちですが、これは林業によるものだと思います。富士ヒノキの伐採地でしょうか? 富士山麓の大森林のまっただ中に伐り開かれた伐採地は、外部からは絶対に存在を知ることのできない空間でもあり、どこか秘密めいた雰囲気をかもし出しています。地図を眺めただけでは、そこにあることすら分からない場所ってやつであり、これも一種の秘境ですなぁ。
→ 付近を眺める!
道伝いに細長く伐採地が続きます。伐採直後の地面の土剥き出しな区間を眺めつつ進みますが、ここは伐採後しばらく経ったのでしょうか。やがて一面に芝生のように草が生えた区間に変化しました。それにしても緑一色に覆われた伐採跡地がとても美しかったなぁ。漂う白乳色の濃霧が幻想的ないい雰囲気を演出しています。
道沿いに積まれて搬出を待つ大量の木材の山がありました。新鮮な樹木の香りがぷ〜んと辺りに充満、まだ伐り出されて間もないのでしょう。ちなみに「富士ヒノキ」とは、富士市、富士宮市、御殿場市、裾野市、三島市、沼津市、小山町、長泉町、清水町の6市3町で植栽されているヒノキのことなんだぜぇ。
肩に積まれた大量の木材の山を眺めつつ伐採地伝いにストレートに進んでいきますが、やがて路面はそれまでの未舗装状態からまたしてもアスファルトに変化・・・。位置的には伐採地のちょうど端の辺りで、以前は樹木が伐られて草原状態であった場所に新たに植林された樹木が育ちつつあるような地点でした。しかし、ガスで霞んで景色がよく見えないな。
→ 振り返る!
採地区間を過ぎると緩い僅かな登り坂となった路面は再びダート化し、再び鬱蒼とした樹林のまった中を進むようになります。そして周囲のどこを眺めても鬱蒼たる森に囲まれた状況に、森の中をとてつもなく深くまで進んできたかのように思えてなりません。
かしこの雰囲気はなんとしたことでしょう! すれ違う車両はおろか、人っ子一人誰もおらずに人の気配をまったく感じさせない森の隔絶感は抜群! これこそが富士山裾野の大森林を行く林道ならではの独特な雰囲気であり、さすが富士山だけのことはあります。浮世離れした森と林道の雰囲気にゾクゾクしてやみませんでした。そしてガスが漂う森の雰囲気に、どこか恐ろし気なただならぬものが感じられたんですね。ここ、なんだか魔女が出そう・・・。
霧に包まれた幻想的な森の中を進んでいくと、こんなところにブロックタイプの林道標がありました。林道標が示しているのは延長開設の起点だと思われますが、これってもしかして当初の高土林道の終点はここで、これより先はその後に延長開設されたということ?
道標によれば高土林道は3.2キロの延長距離であり、進んできた距離から判断してそろそろ末端地点にたどり着く頃合いですが、ピストンではよくある荒れや廃れの状況はまったく現れなかったです。深い森の中、ワダチの鮮やかなグリーンが美しい状態でダートはなおも続きました。できるればどこまでも途切れないで欲しいと思ってしまう極上のダートです。
してたどり着いた高土林道の終点がここでした。お約束の回転場の広場となった深い森の中でそこだけぽっかりと開けた、どこか秘密めいた空間。周囲を完全に樹木に囲まれたなにもない地点でしたが、それでいて雰囲気は悪くもなかったです。なお、回転場の先端を眺めると山道というか作業道らしき踏み跡レベルの道筋がありましたが、林道としてはここが終点。というわけで、誰もやって来ない秘境じみた雰囲気を心ゆくまで味わうべく、しばしまったりとした時間を過ごしてから今来た道を戻って高土林道の探索は終了としておきました。
→ 探索終了!
→ 引き返して十万石林道に向かう!
→ その先の様子を眺める!
→ 周囲を眺める!
→ 周囲を調べる!
→ 振り返る!
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