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資料:厚生労働省法令等データベース H18.9  作成:T.Tsuzuki    Top



定義

2・(1)
2・(1)イ
2・(1)ロ
2・(1)ハ
2・(2)
2・(3)
事業主

3・(1)
3・(2)
3・(3)
国等

4・(1)
4・(2)
基本方針

5・(1)
5・(2)
5・(3)
5・(4)
5・(5)
文書交付

就業規則

指針

8・(1)
8・(2)
8・(2)イ
8・(2)ロ
8・(2)ロ(イ)
8・(2)ロ(ロ)
8・(2)ロ(ハ)
8・(2)ロ(ニ)
8・(2)ロ(ホ)
8・(2)ロ(ヘ)
8・(2)ハ
8・(2)ニ
8・(2)ニ(イ)
8・(2)ニ(ロ)
8・(2)ニ(ハ)
8・(2)ニ(ニ)
8・(2)ニ(ホ)
8・(2)ニ(ヘ)
8・(2)ニ(ト)
8・(2)ニ(チ)
8・(2)ニ(リ)
8・(2)ニ(ヌ)
8・(2)ホ
8・(2)ホ(イ)
8・(2)ホ(ロ)
8・(2)ホ(ハ)
8・(2)ホ(ニ)
8・(2)ホ(ホ)
8・(2)ホ(ヘ)
8・(2)ホ(ト)
8・(2)ヘ
8・(2)ト
8・(2)チ
8・(2)チ(イ)
8・(2)チ(ロ)
8・(2)チ(ハ)
8・(2)リ
8・(2)リ(イ)
8・(2)リ(ロ)
短時間管理者

報告徴収
10
10イ
10ロ
10ハ
10ニ
職業訓練
11
職業紹介
12
雇用管理
13
業務分担
14
14・(1)
14・(2)
14・(3)
14・(4)
14・(5)
14・(6)
14・(7)
14・(8)
14・(9)
14・(10)

1 目的(法第1条関係)
2 定義(法第2条関係)
(1) 法の対象となる短時間労働者の定義を定めたものであること。
イ 同一の事業所における業務が一の場合
ロ 同一の事業所における業務が二以上あり、同種の業務に従事する通常の労働者がいない場合
ハ 同一の事業所における業務が二以上あり、同種の業務に従事する通常の労働者がいる場合
(2) ※同種の業務に従事する場合の判断
(3) 短時間労働者の定義に係る用語の意義はそれぞれ次のとおりであること。
3 事業主等の責務(法第3条関係)
(1) 事業主の責務(法第3条第1項関係)
(2) 事業主の団体の責務(法第3条第2項関係)
(3) なお、これら事業主及び事業主の団体の責務を前提に、国は必要な指導援助を行うこととされ(法第4条)、短時間労働援助センターにおいて事業主又は事業主の団体に対する給付金の支給を行うこととされている(法第16条第1項第1号)こと。
4 国及び地方公共団体の責務(法第4条関係)
(1) 国の責務(法第4条第1項関係)
(2) 地方公共団体の責務(法第4条第2項関係)
5 短時間労働者対策基本方針(法第5条関係)
(1) 趣旨
(2) 内容
(3) 短時間労働者対策基本方針は、短時間労働者の労働条件、意識及び就業の実態等を考慮して定められなければならないこととされていること。
(4) 短時間労働者対策基本方針の策定、変更に当たっては、労働政策審議会の意見を聴かなければならないものとされているが、短時間労働者対策基本方針の内容が他の審議会の所掌に係る事項を含む場合には、その審議会の意見を聴くことを排除するものではない。(8(1)において同じ。)
(5) なお、短時間労働者対策基本方針は、短時間労働援助センターの指定後策定することとしていること。
6 労働条件に関する文書の交付(法第6条関係)
7 就業規則の作成の手続(法第7条関係)
8 指針(法第8条関係)
(1) 厚生労働大臣は、法第3条第1項において責務として規定された事業主が講ずべき雇用管理の改善等のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定め、これを公表することとしていること。
(2) 指針の各項について
イ 趣旨(指針第1関係)
ロ 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置を講ずるに当たっての基本的考え方(指針第2関係)
(イ) 前文の趣旨
(ロ) 「職務が通常の労働者と同じ短時間労働者」の判断
(ハ) 指針第2の1及び2の趣旨
(ニ) 「人材活用の仕組み、運用等」の判断
(ホ) 指針第2の1における措置等
(ヘ) 指針第2の2における措置等
ハ 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置(指針第3関係)
ニ 短時間労働者の適正な労働条件の確保(指針第3の1関係)
(イ) 労働条件の明示(指針第3の1の(1)関係)
(ロ) 就業規則の整備(指針第3の1の(2)関係)
(ハ) 労働時間(指針第3の1の(3)関係)
(ニ) 年次有給休暇(指針第3の1の(4)関係)
(ホ) 期間の定めのある労働契約(指針第3の1の(5)関係)
(ヘ) 解雇の予告(指針第3の1の(6)関係)
(ト) 退職時等の証明(指針第3の1の(7)関係)
(チ) 賃金、賞与及び退職金(指針第3の1の(8)関係)
(リ) 健康診断(指針第3の1の(9)関係)
(ヌ) 妊娠中及び出産後における措置(指針第3の1の(10)関係)
ホ 短時間労働者の教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(指針第3の2関係)
(イ) 教育訓練の実施(指針第3の2の(1)関係)
(ロ) 福利厚生施設(指針第3の2の(2)関係)
(ハ) 育児休業及び介護休業に関する制度等(指針第3の2の(3)関係)
(ニ) 雇用保険の適用(指針第3の2の(4)関係)
(ホ) 高年齢者の短時間労働の促進(指針第3の2の(5)関係)
(ヘ) 通常の労働者への応募機会の付与等(指針第3の2の(6)関係)
(ト) 通常の労働者への転換に関する条件の整備(指針第3の2の(7)関係)
ヘ 職務の内容、意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置の実施(指針第3の3関係)
ト 所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ労働者の取扱い(指針第3の4関係)
チ 労使の話合いの促進のための措置の実施(指針第3の5関係)
(イ) 処遇についての説明(指針第3の5の(1)関係)
(ロ) 意見を聴く機会を設けるための適当な方法の工夫(指針第3の5の(2)関係)
(ハ) 苦情の自主的な解決(指針第3の5の(3)関係)
リ 短時間雇用管理者の選任等(指針第3の6関係)
(イ) 短時間雇用管理者の選任(指針第3の6の(1)関係)
(ロ) 短時間雇用管理者の氏名の周知(指針第3の6の(2)関係)
9 短時間雇用管理者(法第9条関係)
10 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告(法第10条関係)
イ 報告の徴収
ロ 助言
ハ 指導
ニ 勧告
11 職業訓練の実施等(法第11条関係)
12 職業紹介の充実等(法第12条関係)
13 雇用管理の改善等の研究等(法第31条関係)
14 各局(各機関)における業務分担
(1) 法、指針の周知及び啓発
(2) 短時間労働者対策基本方針(法第5条)
(3) 労働条件に関する文書の交付(法第6条)
(4) 就業規則の作成の手続(法第7条)
(5) 指針(法第8条)
(6) 短時間雇用管理者(法第9条)
(7) 事業主に対する報告の徴収並びに助言、指導及び勧告(法第10条)
(8) 職業訓練の実施等(法第11条)
(9) 職業紹介の充実等(法第12条)
(10) 雇用管理の改善等の研究等(法第31条)
(参考)図1(1)〜2(3)

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                           基発第663号
                           婦発第272号
                           職発第839号
                           能発第280号
 
                           改正 平成11年2月26日
                           改正 平成12年4月1日
                           改正 平成13年1月6日
                           改正 平成15年8月25日
                           改正 平成15年10月1日
                           改正 平成15年11月28日
                           改正 平成16年12月28日
 各都道府県知事
 各都道府県労働局長    殿
 雇用・能力開発機構理事長
                           労働省労働基準局長
                           労働省婦人局長
                           労働省職業安定局長
                           労働省職業能力開発局長
 
 
    短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について
 
 
 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号。以下「法」という。)については、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について」(平成5年12月1日労働省発婦第21号)により、労働事務次官より貴職あてその趣旨を通達されたところであるが、法のうち短時間労働援助センターに関する部分を除く部分については「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行期日を定める政令」(平成5年政令第366号)により本日から施行されるとともに、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第5条第4項等の審議会を定める政令」(平成5年政令第367号。以下「審議会政令」という。)、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則」(平成5年労働省令第34号。以下「則」という。)及び「事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置に関する指針」(平成5年労働省告示第118号。以下「指針」という。)が制定されたところである。
 これらの内容の概要は、下記のとおりであるので、その円滑な実施を図るよう配慮されたい。
 また、法のうち短時間労働援助センターに関する部分(法第4章の規定及び第33条から第35条までの規定並びに附則第3条の規定及び附則第4条の規定(労働省設置法第4条第3号の改正規定及び同法第5条第4号の次に1号を加える改正規定に限る。))は、平成6年4月1日から施行されることとなっており、その詳細については関係省令等の内容が決まり次第追って通達する予定である。
 なお、平成元年6月23日基発第343号・婦発第121号・職発第336号・能発第140号「「パートタイム労働者の処遇及び労働条件等について考慮すべき事項に関する指針」及び「総合的パートタイム労働対策」について」は廃止する。
 
                記
 

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1 目的(法第1条関係)

(1)法の目的が、短時間労働者が我が国の経済社会において果たす役割の重要性にかんがみ、短時間労働者について、その適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善に関する措置、職業能力の開発及び向上等に関する措置等を講ずることにより、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もってその福祉の増進を図ることにあることを明らかにしたものであること。
(2)「職業能力の開発及び向上等」の「等」には職業紹介の充実等(法第12条)が含まれるものであること。
(3)「措置等を講ずる」の「等」には、短時間労働援助センターの指定等が含まれるものであること。
 

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2 定義(法第2条関係)

(1) 法の対象となる短時間労働者の定義を定めたものであること。

 短時間労働者であるか否かの判定は、具体には次のように行うこと。

イ 同一の事業所における業務が一の場合

 当該事業所における1週間の所定労働時間が最長である通常の労働者と比較し、1週間の所定労働時間が短い通常の労働者以外の者が短時間労働者となること(第2条括弧書以外の部分。図の1−(1)から1−(3))。

ロ 同一の事業所における業務が二以上あり、同種の業務に従事する通常の労働者がいない場合

 当該事業所における1週間の所定労働時間が最長である通常の労働者と比較し、1週間の所定労働時間が短い通常の労働者以外の者が短時間労働者なること(第2条括弧書以外の部分。図の2−(1)のB業務)。

ハ 同一の事業所における業務が二以上あり、同種の業務に従事する通常の労働者がいる場合

(イ)原則として、同種の業務に従事する1週間の所定労働時間が最長の通常の労働者と比較して1週間の所定労働時間が短い通常の労働者以外の者が短時間労働者となること(第2条括弧書。図の2−(2))。
(ロ)同種の業務に従事する通常の労働者以外の者が当該業務に従事する通常の労働者に比べて著しく多い場合(当該業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間が他の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間のいずれよりも長い場合を除く。)は、当該事業所における1週間の所定労働時間が最長の通常の労働者と比較して1週間の所定労働時間が短い当該業務に従事する通常の労働者以外の者が短時間労働者となること(第2条括弧書中厚生労働省令で定める場合。図の2−(3)のB業務)。

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(2) ※同種の業務に従事する場合の判断

上記(1)のハの(イ)は、労働者の管理については、その従事する業務によって異なっていることが通常と考えられることから、短時間労働者であるか否かを判断しようとする者が従事する業務と同種の業務に従事する通常の労働者がいる場合は、その労働者と比較して判断することとしたものであること。
 したがって、同種の業務に従事する通常の労働者がいない場合は、基本原則にもどり、業務の種類の異同を問うことなく、所定労働時間が最長の通常の労働者と比較すること。
 なお、同種の業務の範囲を判断するに当たっては、労働省編職業分類の細分類の区分等を参考にし、個々の実態に即して判断すること。
 上記(1)のハの(ロ)は、たまたま同種の業務に従事する通常の労働者がごく少数いるために、そのような事情がなければ一般には短時間労働者に該当するような者までもが法の対象外となることを避けるためのものであること。

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(3) 短時間労働者の定義に係る用語の意義はそれぞれ次のとおりであること。

 「1週間の所定労働時間」を用いているのは、短時間労働者の定義が、雇用保険法等労働関係法の用例をみると1週間を単位としていることに倣ったものであること。
 また、我が国においては、通常の労働者より所定労働時間が短い者については、その短さの程度にかかわらず異なった管理が行われているのが一般的であることから、その短さの程度を問わず短時間労働者とすることとしていること。
 この場合の1週間とは、就業規則その他に別段の定めがない限り原則として日曜日から土曜日までの暦週をいうこと。
 ただし、変形労働時間制が適用されている場合や所定労働時間が1月、数箇月又は1年単位で定められている場合などには、次の式によって当該期間における1週間の所定労働時間として算出すること。
                  
     (当該期間における総労働時間)÷(当該期間の暦日数)/ 7

 なお、日雇労働者のように1週間の所定労働時間が算出できないような者は、法の対象とならない。ただし、日雇契約の形式をとっていても、明示又は黙示に同一人を引き続き使用し少なくとも1週間以上にわたる定形化した就労パターンが確立し、上記の方法により1週間の所定労働時間を算出することができる場合には、法の対象となること。
 「事業所」を単位として比較することとしているのは、労働者の管理が、通常、事業所単位で一体的に行われているためであること。
 「通常の労働者」とは、いわゆる正規型の労働者をいい、社会通念に従い、当該労働者の雇用形態、賃金体系等(例えば、労働契約の期間の定めがなく、長期雇用を前提とした処遇を受けるものであるか、賃金の主たる部分の支給形態、賞与、退職金、定期的な昇給又は昇格の有無)を総合的に勘案して判断するものであること。
 「通常の労働者」に該当する者がおらず、すべての労働者がいわゆるパートタイム労働者(その事業所に通常の労働者がいれば「短時間労働者」に該当する者)であるような事業所では、法に規定する短時間労働者は存在しないことになるが、このような事業所では、いわゆるパートタイム労働者がその事業所における基幹的な労働力であり、企業経営の適切な運営という観点からも、本法の適用をまつまでもなく、適切な管理が要請されるものであること。なお、「事業所」については、出張所、支所等で規模が小さく組織的関連ないし事務能力を勘案して一の「事業所」というに足る程度の独立性のないものは、場所的に離れていても直近上位の機構と一括して一の「事業所」と取り扱うこと。
 

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3 事業主等の責務(法第3条関係)

(1) 事業主の責務(法第3条第1項関係)

 労働者の管理は、そもそも事業主が自らの責任において行うべきであり、短時間労働者の適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(以下「雇用管理の改善等」という。)についても、事業主の自主的な努力を基本としつつ、これを促進していくことが必要である。そこで、事業主の責務として、その雇用する短時間労働者について、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して、雇用管理の改善等を図るために必要な措置を講ずることにより、当該短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めることを明らかにしたものであること。
 なお、「その就業の実態」には、業務の内容(困難度、複雑度等を含む。)、労働時間(所定労働時間の長さ及び時間帯)、所定外労働の有無、配置転換の有無、契約期間、勤続年数、職業能力(技能熟練度、専門的知識の有無、免許・資格の有無等を含む。)等が含まれ、「通常の労働者との均衡」とは、短時間労働者と通常の労働者を比較したときのバランスをいうものであること。「考慮」とは、「就業の実態」を前提としてこのバランスを考慮することであり、それだけでは十分でない場合は必要に応じて同業の他社の状況も「等」として考慮することをさすものであること。

(2) 事業主の団体の責務(法第3条第2項関係)

 短時間労働者の労働条件等については、事業主間の横並び意識が強い場合が多く、事業主の団体を構成している事業にあっては、事業主の団体の援助を得ながら構成員である複数の事業主が同一歩調で短時間労働者の雇用管理の改善等を進めることが効果的である。そこで、事業主の団体の責務として、その構成員である事業主の雇用する短時間労働者の雇用管理の改善等に関し必要な助言、協力その他の援助を行うように努めることを明らかにしたものであること。

(3) なお、これら事業主及び事業主の団体の責務を前提に、国は必要な指導援助を行うこととされ(法第4条)、短時間労働援助センターにおいて事業主又は事業主の団体に対する給付金の支給を行うこととされている(法第16条第1項第1号)こと。

 

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4 国及び地方公共団体の責務(法第4条関係)

(1) 国の責務(法第4条第1項関係)

 国は、短時間労働者の雇用管理の改善等について、事業主その他の関係者の自主的な努力を尊重しつつその実情に応じて必要な指導、援助等を行うとともに、短時間労働者の能力の有効な発揮を妨げている諸要因の解消を図るために必要な広報その他の啓発活動を行うほか、その職業能力の開発及び向上等を図る等、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進その他その福祉の増進を図るために必要な施策を総合的かつ効果的に推進するように努めるものとしていること。
 具体的内容は、指針の策定、事業主に対する助言、指導及び勧告、啓発活動の実施、職業訓練の実施、職業紹介の充実、短時間労働援助センターの指定等であること。

(2) 地方公共団体の責務(法第4条第2項関係)

 地方公共団体は、国の施策と相まって短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な施策を推進するように努めるものとしていること。
 具体的内容は、広報啓発活動、職業能力開発校における職業訓練の実施、労政事務所等における講習等の開催等であること。
 

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5 短時間労働者対策基本方針(法第5条関係)

(1) 趣旨

 短時間労働者の福祉の増進を図るための施策は、法に基づくもののほか、他の関係法律に基づく施策等多岐にわたっており、これらの諸施策を円滑かつ効率的に実施していくためには、短時間労働者の職業生活の動向を的確に見通した上で短時間労働者対策の総合的かつ計画的な展開の方向を労使をはじめ国民全体に示し、これに沿って対策を講ずることが必要である。そのため、厚生労働大臣は、短時間労働者対策基本方針を定め、これを公表するものとしたものであること。

(2) 内容

 短時間労働者対策基本方針に定める事項は、次のとおりであること。
 短時間労働者の職業生活の動向に関する事項
 短時間労働者の雇用管理の改善等を促進し、並びにその職業能力の開発及び向上を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項
 その他短時間労働者の福祉の増進を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項

(3) 短時間労働者対策基本方針は、短時間労働者の労働条件、意識及び就業の実態等を考慮して定められなければならないこととされていること。

(4) 短時間労働者対策基本方針の策定、変更に当たっては、労働政策審議会の意見を聴かなければならないものとされているが、短時間労働者対策基本方針の内容が他の審議会の所掌に係る事項を含む場合には、その審議会の意見を聴くことを排除するものではない。(8(1)において同じ。)

(5) なお、短時間労働者対策基本方針は、短時間労働援助センターの指定後策定することとしていること。

 

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6 労働条件に関する文書の交付(法第6条関係)

 労働条件の明示については、労働基準法第15条において、賃金、労働時間その他の労働条件について労働契約の締結に際し明示することが使用者に義務付けられているところである。
 ところが、短時間労働者に対する労働条件の明示の状況をみると、口頭によるものが多く、また、その労働条件は通常の労働者とは別に、かつ、個々の事情に応じて多様に設定されることが多いことから、雇入れ後に疑義が生じ、トラブルが発生することも少なくない実情にある。
 こうしたことから、事業主は、短時間労働者の労働条件の明確化を図るよう、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、労働時間その他の労働条件に関する事項を明らかにした文書を交付するように努めるものとしたものであること。
 

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7 就業規則の作成の手続(法第7条関係)

(1)就業規則の作成又は変更に当たっては、労働基準法第90条において、使用者は事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等の意見を聴かなければならないこととされている。短時間労働者に適用される就業規則についてもこの手続がとられなければならないことはもちろんであるが、短時間労働者に適用される就業規則の作成又は変更に当たっては、これに加えて、就業規則の適用を受ける短時間労働者の意見が反映されることが望ましいため、事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとしたものであること。
(2)「短時間労働者の過半数を代表すると認められるもの」は、事業所の短時間労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、短時間労働者の過半数で組織する労働組合がない場合は短時間労働者の過半数を代表する者等が考えられること。
 この場合の過半数代表者の適格性としては、事業所全体の労働時間等の労働条件の計画・管理に関する権限を有するものなど管理監督者ではないこと、また、その選出方法については、①その者が短時間労働者の過半数を代表することの適否について判断する機会が当該事業所の短時間労働者に与えられており、すなわち、使用者の指名などその意向に沿って選出するようなものであってはならず、かつ、②当該事業所の過半数の短時間労働者がその者を支持していると認められる民主的な手続がとられていること、すなわち、短時間労働者の投票、挙手等の方法により選出されること等が考えられること。
 なお、法は意見の聴取を要請するものであって、就業規則を労働基準監督署に届け出る際に意見書の添付を義務付けるものではないこと。
 

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8 指針(法第8条関係)

(1) 厚生労働大臣は、法第3条第1項において責務として規定された事業主が講ずべき雇用管理の改善等のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定め、これを公表することとしていること。

 また、指針の策定については法第5条第3項から第5項までの規定が、指針の変更については法第5条第4項及び第5項の規定が準用されること。したがって、指針は短時間労働者の労働条件、意識及び就労の実態等を考慮して定めなければならず、指針の策定及び変更に当たっては、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないこと。
 なお、指針の策定に伴い、「パートタイム労働者の処遇及び労働条件等について考慮すべき事項に関する指針」(平成元年労働省告示第39号)は、廃止されたこと。

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(2) 指針の各項について

イ 趣旨(指針第1関係)

 指針第1は、指針と法の関係を明らかにしようとするものであり、指針が法第3条第1項の事業主が講ずべき雇用管理の改善等のための措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るために必要な事項を定めたものであることを明らかにしたものであること。
 なお、指針は、法第8条に基づいて、法第3条第1項に規定された事業主の責務を前提に定められ、関係者が今まで以上に取組を強めるべきものであること。

ロ 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置を講ずるに当たっての基本的考え方(指針第2関係)

(イ) 前文の趣旨

 指針第2の前文は、事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置を講ずるに当たっての基本的考え方を明らかにしようとするものであり、労働基準法(昭和22年法律第49号)、最低賃金法(昭和34年法律第137号)、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)、雇用保険法(昭和49年法律第116号)等の労働者保護法令は短時間労働者には適用されないのではないかといった誤った認識がいまだに一部にあることに着目し、事業主は、短時間労働者についても労働基準法等の労働者保護法令を遵守しなければならないことを確認的に明記したものであること。さらに、事業主は、すべての短時間労働者について、短時間労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して処遇するべきことを明記したものであること。
 また、通常の労働者との均衡を考慮した処遇の考え方について具体的に示す観点から、中でも、「職務が通常の労働者と同じ短時間労働者」について、通常の労働者との均衡を考慮するに当たって踏まえるべき考え方を指針第2の1及び2に示したものであること。
 ここでいう「処遇」とは、賃金等の労働条件、教育訓練、福利厚生等、法第3条第1項の「適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(雇用管理の改善等)」に係る事業主による具体的な取扱いを指すものであること。

(ロ) 「職務が通常の労働者と同じ短時間労働者」の判断

 「職務が通常の労働者と同じ短時間労働者」の判断に当たっては、まず、「職務」の範囲を比較すること。その場合、通常従事する作業が同じかどうかについて、個々の作業の幅や組合せについて比較すること。したがって、通常従事する作業が同じ場合には、臨時的ないし付随的な作業(例えば、作業後の清掃)の有無に違いがあっても、同じ「職務」として考えることが適切であること。ただし、作業の幅や組合せが大きく異なる場合、例えば、通常の労働者が短時間労働者の行う作業に加えて生産計画の策定、顧客対応等も行うような場合などは、「職務」そのものが異なると考えられること。
 個々の作業を比較する際には、作業の遂行に当たって求められている責任や付与されている権限の範囲についても考慮することとなること。責任が同じかどうかは、トラブル発生時や臨時・緊急時の対応、ノルマ等が同じように職務上の責任として含まれているかどうかを判断することとなること。
 また、当該作業を遂行するために必要な最低限の能力や当該作業を実施する上での難易度、複雑度などの職務レベルや労働の負荷(肉体的・精神的負担等)についても、「職務」が「同じ」かどうかの判断基準となること。
 法第2条中「同種の業務」とは、職種(労働省編職業分類の細分類)の区分等であり、個々の作業の責任や権限などの要素を含めて判断する「職務」よりは広いものであること。
 なお、「職務」が同じであるかどうかの判断が困難な場合においては、各企業の実態を踏まえ、現場の労使において具体的に検討されることが適切であること。

(ハ) 指針第2の1及び2の趣旨

 職務が通常の労働者と同じ短時間労働者のうち、人材活用の仕組みや運用等について、通常の労働者と実質的に異ならない状態にある者については、通常の労働者との間の処遇の決定の方法を合わせる等の措置を講じた上で、意欲、能力、経験、成果等に応じて処遇することにより、通常の労働者との均衡の確保を図るよう努めるものとしたものであること。
 また、職務が通常の労働者と同じ短時間労働者のうち、人材活用の仕組みや運用等が通常の労働者と異なる状態にあるものについては、その程度を踏まえつつ、意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡を図るように努めるものとしたものであること。

(ニ) 「人材活用の仕組み、運用等」の判断

 「人材活用の仕組み、運用等」が実質的に異ならない状態にあるかどうかを判断するに当たっては、人事異動の幅及び頻度、役割の変化、人材育成の在り方等、労働者が時間的経過の中で、どのような職務経験を積む仕組みが設定されているかをみるとともに、実際に運用されている実態をみることとするものであること。
 「人事異動」については、複数の事業所がある場合などでは転勤が含まれる場合があるが、同じ事業所内の異動や職種間の異動も含まれ、その範囲を「幅」として比べるものであり、「頻度」についても、単に回数を比べるものではなく、「幅」とも関連してみる必要があること。
 「役割の変化」では、職務に課された責任・権限の重さの変化をみていくこととなること。
 「人材育成の在り方」では、労働者が時間的経過の中で、労働者にどのような職務経験を積ませていく仕組みを有しているかということについて、制度化または慣行化され客観的に把握できるものによってみていくこととなること。
 これらを例示として、総合的に勘案して「人材活用の仕組み、運用等」を判断していくこととなるが、「仕組み」とは、これが制度として設けられていること、「運用」とは、「仕組み」(制度)が実際に運営されていることを指すものであり、これらをともに判断していくこととなること。単に労働時間が短いということだけでは、「人材活用の仕組み、運用等」が異なることにはならないこと。なお、「運用等」の「等」は、「仕組み」がない場合でも、実態として行われている場合を指すものであること。
 「通常の労働者と異ならない状態にある」とは、「人材活用の仕組み、運用等」が通常の労働者と差異が明らかでなく同様の実態にあると判断される場合を指しているものであること。
 「人材活用の仕組み、運用等について、通常の労働者と実質的に異ならない状態にある」かどうかの判断が困難な場合においては、各企業の実態を踏まえ、現場の労使において具体的に検討されることが適切であること。
 短時間労働者と職務が同じ通常の労働者がいる場合、職務が同じ通常の労働者に関する「人材活用の仕組み、運用等」について、当該短時間労働者の「人材活用の仕組み、運用等」と同じかどうかを判断することになること。比較の対象となりうる同じ職務を行う通常の労働者の「人材活用の仕組み、運用等」の状態が複数ある場合には、その中に当該短時間労働者の「人材活用の仕組み、運用等」と実質的に異ならない状態にあるものがあるかどうかについて検討することになること。
 育児又は家族介護などの家族的責任を有する労働者については、その事情を配慮した結果として、その労働者の異動の幅、頻度が少ないことがあるが、「人材活用の仕組み、運用等」を比較するに当たって、そのような事情を考慮することが望まれること。考慮の仕方としては、例えば、通常の労働者や短時間労働者で、異動があり得る労働契約が締結されている者や異動があり得る人材活用の仕組みに位置づけられている者が、育児又は家族介護に関する一定の事由(短時間労働者についても通常の労働者と同じ範囲)で配慮がなされ、その配慮によって異なる取扱いを受けた場合、「人材活用の仕組み、運用等」を比較するに際しては、その取扱いについては除いて比較することが考えられること。

(ホ) 指針第2の1における措置等

 「処遇の決定の方法を合わせる」とは、賃金等の処遇の決定の方法を同じにすることであり、例えば、賃金については、通常の労働者と短時間労働者で同じ体系の賃金表を適用すること、支給基準、査定や考課の基準、支払形態等を合わせていくことが考えられること。
 なお、「処遇の決定の方法」が同じであっても、査定や業績評価等を行うに当たり、意欲、能力、経験、成果等を勘案することにより、個々の労働者の賃金水準は異なり得ること。
 「合わせる等」の「等」とは、事業所の実情に応じて、処遇の決定の方法を合わせることに相当するような取組が考えられること。
 「短時間労働者の意欲、能力、経験、成果等に応じ」とは、処遇に係る措置を実施する際の判断要素について、一般に、通常の労働者についても判断要素とされているものについて例示として挙げているものであること。これらの要素について、どの要素に基づいて判断するかは各企業の実情に応じて決められるべきものであるが、単に主観に基づくものではなく、総合的かつ客観的な判断がなされるべきものであること。
 また、指針第3の5の(1)において、事業主は、短時間労働者から本人に係る処遇について説明を求められたときは、その求めに応じて説明するように努めるものとすることとされており、短時間労働者の処遇が意欲等を含めた総合的な評価の結果である場合も、評価の要素・基準等について客観的な説明ができることが求められるものであること。

(ヘ) 指針第2の2における措置等

 「その程度を踏まえつつ」とは、「人材活用の仕組み、運用等」が「通常の労働者と異なる状態にある短時間労働者」について、一律に異なるものとして取扱うのではなく、「異なる状態」の程度を踏まえつつ「意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置等を講ずる」ことにより、「通常の労働者との均衡を図るように努めるものとする」旨明らかにしたものであること。
 「意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置」の例としては、意欲、能力、経験、成果等を踏まえた、(ⅰ)賃金水準の見直し、(ⅱ)昇給・昇格制度や成績等の考課制度の整備、(ⅲ)職務手当、役職手当、成果手当の支給等が考えられること。この場合において、「意欲、能力、経験、成果」の判断の行い方については、上記(ホ)②と同様であること。
 なお、「成果等」の「等」としては、例えば、勤続、業績が考えられること。また、「措置等」の「等」は、事業所の実情に応じて、多様な取組が考えられること。

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ハ 事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置(指針第3関係)

 指針第2の事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等のための措置を講ずるに当たっての基本的考え方に立って、次の点について適切な措置を講ずるべきとしたものであること。

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ニ 短時間労働者の適正な労働条件の確保(指針第3の1関係)

(イ) 労働条件の明示(指針第3の1の(1)関係)

 指針第3の1の(1)のイについては、労働基準法第15条及び労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第5条の規定を踏まえ、事業主は、短時間労働者に係る労働契約の締結に際し、当該短時間労働者に対して、同法の定めるところにより、労働条件に関する事項を明らかにした文書を交付する必要があることを確認的に明記し、また、その明示すべき労働条件に関する事項について具体的に示したものであること。
 指針第3の1の(1)のロについては、法第6条の規定を踏まえ、事業主は、短時間労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間労働者に対して、労働条件に関する事項を明らかにした文書(雇入通知書)を交付するように努めるものとし、また、その労働条件に関する事項のうち主要なものについて具体的に示したものであること。ただし、当該労働条件が、事業主が短時間労働者に係る労働契約の締結に際し交付すべき文書において、又は就業規則を交付することにより明らかにされている場合は、この限りでないこと。
 なお、精勤手当、勤続手当、奨励加給又は能率手当であって指針第3の1の(1)のロの(ロ)において定める以外のものについては、同イの(ニ)に掲げる「賃金」に含まれることに留意すること。
 指針第3の1の(1)のイ及びロの文書については、そのモデル様式を平成11年2月19日付け基発第81号の別添4(労働条件通知書)により示しているところであるが、これは「雇入通知書」の様式も兼ねるものであること。

(ロ) 就業規則の整備(指針第3の1の(2)関係)

 指針第3の1の(2)のイについては、短時間労働者を含め常時10人以上の労働者を使用する事業主は、労働基準法第89条の定めるところにより、就業規則を作成する義務があることを確認的に明記したものであること。
 指針第3の1の(2)のロ〜ニについては、法第7条所定の就業規則作成の手続の適正を図る観点から、(ⅰ)事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成する場合等において、当該事業所に短時間労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、当該労働組合がない場合においては短時間労働者の過半数を代表する者(以下「過半数代表者」という。)の意見を聴くように努めるものとしたものであること、(ⅱ)過半数代表者の要件について具体的に定めたものであること、(ⅲ)事業主は、労働者が過半数代表者であること等を理由として不利益な取扱いをしないようにするものとしたものであること。

(ハ) 労働時間(指針第3の1の(3)関係)

 短時間労働者の多くは、家庭生活との両立等のため、短時間かつ自己の都合に合う一定の就業時間帯を前提として勤務している者であり、事業主は、このような短時間労働者の事情を十分考慮して労働時間・労働日を設定するように努め、できるだけ所定労働時間外又は所定労働日外に労働させないように努めるものとしたものであること。

(ニ) 年次有給休暇(指針第3の1の(4)関係)

 短時間労働者に対しても、労働基準法の定めるところにより、年次有給休暇を付与しなければならないことを確認的に明記し、また、付与すべき年次有給休暇の日数について、別表をもって示したものであること。
 なお、年次有給休暇の付与に係る「継続勤務」の要件に該当するか否かについては、勤務の実態に即して判断すべきものであるので、期間の定めのある労働契約を反復して短時間労働者を使用する場合、各々の労働契約期間の終期と始期の間に短時日の間隔を置いているとしても、必ずしも当然に継続勤務が中断されるものではないことに留意すること。

(ホ) 期間の定めのある労働契約(指針第3の1の(5)関係)

 事業主は、短時間労働者のうち期間の定めのある労働契約を締結するものについては、労働基準法第14条第2項の規定に基づき定められた有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(平成15年厚生労働省告示第357号)の定めるところにより、契約締結時等における更新の有無等の明示、雇止めの予告、雇止めの理由の明示及び契約期間についての配慮に関する措置を講ずる必要があることを確認的に明記したものであること。

(ヘ) 解雇の予告(指針第3の1の(6)関係)

 事業主が、短時間労働者を解雇しようとするときは、労働基準法の定めるところにより、少なくとも30日前にその予告をする必要があること等を確認的に明記したものであること。

(ト) 退職時等の証明(指針第3の1の(7)関係)

 事業主は、短時間労働者が、①退職の場合において、退職の事由等について証明書を請求した場合、②解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、労働基準法第22条の定めるところにより、遅滞なくこれを交付する必要があることを確認的に明記したものであること。

(チ) 賃金、賞与及び退職金(指針第3の1の(8)関係)

 事業主は、短時間労働者の賃金、賞与及び退職金については、その就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるものとしたものであること。

(リ) 健康診断(指針第3の1の(9)関係)

 健康診断については、短時間労働者に対し、労働安全衛生法第66条に基づき、健康診断を実施する必要がある旨確認的に明記し、また、その実施すべき健康診断及びその実施時期等について具体的に示したものであること。
 この場合において、事業主が同法の一般健康診断を行うべき「常時使用する短時間労働者」とは、次の①及び②のいずれの要件をも満たす者であること。
 期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年(労働安全衛生規則第45条において引用する同規則第13条第1項第2号に掲げる業務に従事する短時間労働者にあっては6月。①において同じ。)以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。
 その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
 なお、1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満である短時間労働者であっても上記の①の要件に該当し、1週間の労働時間数が、当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上である者に対しても一般健康診断を実施することが望ましいこと。
 なお、①の括弧書中の「引き続き使用」の意義については、上記(ニ)のなお書の趣旨に留意すること。

(ヌ) 妊娠中及び出産後における措置(指針第3の1の(10)関係)

 妊娠中及び出産後1年以内の短時間労働者に対し、事業主は、労働基準法及び男女雇用機会均等法の定めるところにより、産前及び産後の一定期間就業させないこと、健康診査等を受けるために必要な時間の確保及び健康診査等に基づく医師等の指導事項を守ることができるようにするために必要な措置等を講ずる必要があることを確認的に明記したものであること。
 なお、指針第3の1の(10)のハの措置としては、労働基準法第64条の3に定める危険有害業務の就業制限、同法第65条第3項に定める軽易業務転換、同法第66条に定める時間外労働、休日労働及び深夜業の禁止並びに変形労働時間制の適用制限、同法第67条に基づく育児時間等があること。

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ホ 短時間労働者の教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(指針第3の2関係)

(イ) 教育訓練の実施(指針第3の2の(1)関係)

 短時間労働者の能力開発等のための教育訓練については、今後の専門職を含めた短時間労働者の就業分野の拡大、短時間労働者の就業意欲の向上という観点も踏まえ、事業主は、短時間労働者の就業の実態に応じ、計画的に実施するように努めるものとしたものであること。

(ロ) 福利厚生施設(指針第3の2の(2)関係)

 企業が設置している福利厚生施設の利用を短時間労働者に認めないなどの例があり、これが短時間労働者に不公平感を生んでいる場合があることから、合理的理由がある場合を除き、更衣室、休憩室、食堂、物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設その他これらに準ずる施設について、短時間労働者に対しても利用を認めるように努めるものとしたものであること。ただし、社宅、独身寮は含まないこととしていること。

(ハ) 育児休業及び介護休業に関する制度等(指針第3の2の(3)関係)

 育児・介護休業法の定めるところにより、短時間労働者についても、育児休業及び介護休業に関する制度、子の看護休暇に関する制度並びに勤務時間の短縮等の措置等については日々雇用される者及び労使協定で定められた一定の者を除き対象となり、時間外労働の制限の措置及び深夜業の制限の措置については日々雇用される者、雇用期間が1年に満たない労働者等を除き対象となることから、育児休業及び介護休業に関する制度その他の必要な措置を講ずる必要があることを確認的に明記したものであること。
 なお、次の点に留意すること。
 育児・介護休業法第6条第1項及び第2項並びに第12条第2項の規定により、雇用期間が1年に満たない労働者等であって労使協定で育児休業及び介護休業をすることができないものとして定められたものについては、指針第3の2の(3)のイの措置の対象とはならないこと。
 また、育児・介護休業法第16条の3第2項の規定により、雇用期間が6か月に満たない労働者等であって労使協定で子の看護休暇を取得することができないものとして定められたものについては、指針第3の2の(3)のロの措置の対象とはならないこと。
 育児・介護休業法第5条第1項及び第11条第1項の期間を定めて雇用される者について、「子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針」(平成16年厚生労働省告示第460号。以下「育介指針」という。)第2の1において、労働契約の形式上期間を定めて雇用されている者であっても、当該契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態となっている場合には、育児休業及び介護休業の対象となるものであるが、その判断に当たっては、同指針第2の1の(1)の事項に留意することとされていること。
 育児・介護休業法第5条第1項の規定により、期間を定めて雇用される者のうち育児休業をすることができるものは、育児休業申出時点で当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であり、かつ、その養育する子の1歳到達日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者であり、この場合、当該子の1歳到達日から1年を経過する日までの間に、労働契約が完了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者は除くこととされているところであるが、期間を定めて雇用される者が育児・介護休業法第5条第1項各号に定める要件を満たす労働者か否かの判断に当たっては、育介指針第2の1の(2)の事項に留意することとされていること。
育児・介護休業法第11条第1項の規定により、期間を定めて雇用される者のうち介護休業をすることができるものは、介護休業申出時点で当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上であり、かつ、介護休業開始予定日から起算した93日経過日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者であり、この場合、93日経過日から1年を経過する日までの間に、労働契約が完了し、かつ、当該労働契約の更新が明らかである者は除くこととされているところであるが、期間を定めて雇用される者が育児・介護休業法第11条第1項各号に定める要件を満たす労働者か否かの判断に当たっては、育介指針第2の1の(2) の事項に留意することとされていること。
 指針第3の2の(3)のニの1歳6か月に満たない子を養育する者に対して勤務時間の短縮等の措置を講ずるべき一定の場合とは、当該労働者が育児・介護休業法第5条第3項の申出をすることができる場合をさすものであること。
  また、平成16年12月28日付け職発第1228001号、雇児発第1228002号「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について」の記の第7の4の(6)のイ及び記の第7の5の(7)のイにおいて、勤務時間が1日6時間以下の労働者については、指針第3の2の(3)のニの措置を講ずる必要は基本的にはないものとされていること。

(ニ) 雇用保険の適用(指針第3の2の(4)関係)

 一定の要件を満たす短時間労働者は雇用保険の被保険者となるが、雇用保険の被保険者に該当する者であるにもかかわらず適用手続をとっていない短時間労働者については、必要な手続をとらねばならない旨、確認的に明記したものであること。

(ホ) 高年齢者の短時間労働の促進(指針第3の2の(5)関係)

 本格的な高齢化社会の到来を迎えて、経済社会の活力を維持し発展させていくためには、高年齢者の高い就業意欲を活かし、その能力を有効に発揮させていくことが必要であり、今後特に60歳台前半層の雇用対策が重要となる。これらの者については、健康、体力等の状況によって個人差が大きくなり、就業ニーズも多様化し、短時間労働を希望する者も増大するので、これに対応して、事業主は短時間労働を希望する高年齢者に対して適切な雇用機会を提供するよう努めるものとしたものであること。

(ヘ) 通常の労働者への応募機会の付与等(指針第3の2の(6)関係)

 短時間労働者の中には、就業期間の長期化等により通常の労働者として雇用されることを希望する者がみられることにかんがみ、短時間労働者の雇用の安定、能力の活用、モラールの向上等を図る観点に立って、通常の労働者を募集しようとする場合であって、募集しようとする業務と同種の業務について応募要件を満たす短時間労働者が企業内にいるときは、事業主は、企業外からの募集に先立ち、その短時間労働者に対して応募の機会を優先的に付与するよう努めるものとしたものであること。また、通常の労働者への応募機会の付与規定の適切な推進を図る観点から、事業主は、通常の労働者を募集しようとするときは、現に雇用する同種の業務に従事する短時間労働者に対し、あらかじめ当該募集を行う旨及び当該募集の内容を周知させるよう努めるものとしたものであること。

(ト) 通常の労働者への転換に関する条件の整備(指針第3の2の(7)関係)

 短時間労働者から通常の労働者への転換については、短時間労働者の意欲を高め、能力発揮に資するものと考えられ、また、企業にとっては有能な人材を確保する有効策になると考えられることから、事業主は、短時間労働者の通常の労働者への転換について、これを希望し、かつ、その能力を有する短時間労働者のニーズが自らのニーズに合致する場合において、当該事業所の実情に即して、これが可能となる制度の導入、必要な条件の整備等をするように努めるものとしたものであること。
 「必要な条件の整備等」には、転換制度を設けることのほか、転換制度以外の転換に関する条件の整備が含まれるが、その例としては、①能力・経験に応じて職務ランクを設け、一定のランク以上は通常の労働者とするような制度を導入すること、②通常の労働者への転換に向けた教育訓練・能力開発を実施すること、③通常の労働者への転換に関する情報提供を行うこと等が考えられること。

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ヘ 職務の内容、意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置の実施(指針第3の3関係)

 短時間労働者について、能力発揮、意欲・モラール向上等の観点も踏まえて処遇をしていくことは重要であり、このため、事業主は、短時間労働者の賃金を単一の時給とするのではなく、短時間労働者の職務の内容、意欲、能力、経験、成果等に応じた処遇に係る措置を講ずるように努めるものとしたものであること。
 本規定は、他の指針第3の措置にみられるように、すべての短時間労働者に及ぶものであるが、職務が通常の労働者と同じ短時間労働者については、指針第2の1及び2の考え方を踏まえることとなるので、実質的には職務が通常の労働者と異なる短時間労働者に関するものとなること。
 どのような措置を講ずるかは、短時間労働者の職務内容等、個々の事業所の事情に応じて決められることになること。
  措置の例等については、上記ロ(ヘ)②と同様であること。

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ト 所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ労働者の取扱い(指針第3の4関係)

 法第2条の定義に該当する者は、短時間労働者として法の適用を受けることとなるが、特に、所定労働時間が通常の労働者とほとんど同じ短時間労働者のうち、通常の労働者と同様の就業の実態にあるにもかかわらず、労働条件その他の処遇の面で通常の労働者と区別して取り扱われている者については、事業主は、その名称によることなく実態に即して通常の労働者としてふさわしい処遇をするように努めるものとしたものであること。
 「ほとんど同じ」とは、所定労働時間が通常の労働者の所定労働時間に比し短いが、その程度が1割から2割程度までに至らないことをいうものであること。

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チ 労使の話合いの促進のための措置の実施(指針第3の5関係)

 企業内における労使の自主的な取組を促進する観点から、労使の話合いの促進のための措置の実施に係る規定を設けたものであること。

(イ) 処遇についての説明(指針第3の5の(1)関係)

 事業主は、短時間労働者を雇い入れた後、当該短時間労働者から本人の処遇について説明を求められたときには、誠意をもって求められた内容について説明するように努めるものとしたものであること。なお、雇入れ時については、指針第3の1の(1)「労働条件の明示」に規定されているものであること。
 「説明」に当たっては、短時間労働者と通常の労働者の職務の内容、人材活用の仕組み、運用等との関係についても「説明」をするなどにより納得性を高めることが重要であること。また、短時間労働者が処遇についての「説明」を求めたことを理由として、当該短時間労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないことは当然のことであること。

(ロ) 意見を聴く機会を設けるための適当な方法の工夫(指針第3の5の(2)関係)

 事業主は、短時間労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して雇用管理の改善等のための措置を講ずるに当たっては、当該事業所における関係労使の十分な話合いの機会を提供する等短時間労働者の意見を聴く機会を設けるための適当な方法を工夫するように努めるものとしたものであること。
 「関係労使」とは、集団的労使関係に限定されるものではないこと。
 また、「意見を聴く機会を設けるための適当な方法」は事業所の事情に応じ、各事業所において工夫されるべきものであるが、例として、職場での労使協議、職場懇談会、意見聴取、アンケート等が挙げられること。

(ハ) 苦情の自主的な解決(指針第3の5の(3)関係)

 事業主は、短時間労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮した処遇について、短時間労働者から苦情の申出を受けたときは、当該事業所における苦情処理の仕組みを活用する等その自主的な解決を図るように努めるものとしたものであること。
 「苦情処理の仕組みを活用する等」とは、事業所内の苦情処理制度を活用すること、人事担当者が窓口となって対応すること、あるいは短時間雇用管理者が選任されている事業所においては、これを活用することも考えられること。
 このような苦情処理の仕組み等について、短時間労働者に対し、周知を図ることが望まれること。

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リ 短時間雇用管理者の選任等(指針第3の6関係)

 法第9条の短時間雇用管理者の選任及び同管理者による適切な業務の運営を図る観点から、短時間雇用管理者の選任等に係る規定を設けたものであること。

(イ) 短時間雇用管理者の選任(指針第3の6の(1)関係)

 事業主は、常時10人以上の短時間労働者を雇用する事業所ごとに、短時間雇用管理者を選任するとともに、次の業務を担当させるよう努めるものとしたものであること。
 指針に定める事項その他の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項について、事業主の指示に従い必要な措置を検討し、実施すること、
 短時間労働者の労働条件等に関し、短時間労働者の相談に応ずること。
 ①の業務には、必要に応じ関係行政機関との連絡を行うことが含まれるものであり、また②の業務には、短時間労働者の就業環境に関する事項等に係る相談が含まれるものであること。

(ロ) 短時間雇用管理者の氏名の周知(指針第3の6の(2)関係)

 事業主は、短時間雇用管理者を選任したときは、その氏名を事業所の見やすい場所に掲示する等により、その雇用する短時間労働者に周知させるよう努めるものとしたものであること。
 なお、短時間雇用管理者の氏名の周知の方法としては、短時間雇用管理者の氏名及び短時間雇用管理者である旨を事業所の見やすい場所に掲示することのほか、例えば、これらの事項を書面に記載し短時間労働者に交付することでも差し支えないものであること。
 

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9 短時間雇用管理者(法第9条関係)

(1)短時間労働者については、通常の労働者と異なる管理が行われていることに加えて、個々の短時間労働者の間でも個別多様に労働条件が設定されることが多く、多くの短時間労働者を雇用する事業主は自らがすべての短時間労働者についてきめ細かな管理を行うことは困難な面が多い。そこで、事業所における短時間労働者の雇用管理の改善等を図るための体制を整備するために、事業主は、短時間労働者を常時厚生労働省令で定める数(則第2条により10人と定められている。)以上雇用する事業所ごとに、短時間雇用管理者を選任するように努めるものとしたものであること。
(2)則第3条においては、短時間雇用管理者は、指針に定める事項その他の短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理させるために必要な知識及び経験を有していると認められる者のうちから事業主が選任することとされていること。この「必要な知識及び経験を有していると認められる者」とは、短時間雇用管理者の職務を遂行するに足る能力を有する者をいい、事業所の人事労務管理について責任を有する者(例えば、人事労務担当部課長以上の者)が望ましいものであること。
 

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10 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告(法第10条関係)

 本法の目的を達成するため、厚生労働大臣は、短時間労働者の雇用管理の改善等を図るために必要があると認めるときは、事業主に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告を行うことができることとしたものであること。
 「短時間労働者の雇用管理の改善等を図るため必要があると認めるとき」とは、法及び指針によって事業主が講ずべき措置について、これが十分に講じられていないと考えられる場合において、その措置を講ずることが雇用管理の改善等を図るため必要があると認められるときをいうものであること。
 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告は、関係下部機関からの情報等を端緒として、事案が重要であると認められる場合に、おおむねイ〜ニのとおり実施するものであること。なお、文書の交付等については、必要に応じて関係下部機関を通じて行わせる場合があること。

イ 報告の徴収

 報告の徴収は、法第10条の助言、指導、勧告のために行う事実の調査として、文書の提出の要請、出頭を求めての事情聴取、事業所への現地実情調査等を行うことのほか、法の施行に関し必要な事項につき事業主から報告を求めることをいうものであること。

ロ 助言

 法の規定(指針に規定された事項を含む。)に違反する状況を解消するために事業主に対して口頭又は文書により行うものであること。

ハ 指導

 助言の対象となった事案のうち改善を行うためには強い要請が必要であると認められるものについて、事業主に対して文書の手交又は郵送の方法により行うものであること。

ニ 勧告

 指導の対象となった事案のうち改善を行うためには更に強い要請が特に必要であると認められるものについて、事業主に対して文書の手交又は郵送の方法により行うものであること。
 

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11 職業訓練の実施等(法第11条関係)

(1)短時間労働者の中には、主要な仕事、高度な技術・技能が必要な仕事、責任のある仕事をしたいと希望する者がいるにもかかわらず、企業の対応は、教育訓練の実施率が低い等短時間労働者の能力をより有効に活用するための環境整備が十分になされているとはいえない。また、短時間労働者になろうとする者の中には、職業生活を一定期間中断していたこと等により、職業能力の減退、かつて習得した知識、技能の陳腐化等、就業しようとする職業に必要な能力に欠けるために希望する職業に従事できない者もいるところである。
 このようなことから、国、都道府県及び雇用・能力開発機構は、短時間労働者及び短時間労働者になろうとする者がその職業能力の開発及び向上を図ることを促進するため、職業能力の開発及び向上に関する啓もう宣伝を行うように努めるとともに、職業訓練の実施について特別の配慮をすることとしたものであること。
(2)「特別の配慮」とは、職業能力開発促進センター、都道府県立職業能力開発校におけるパートタイム求職者に対する普通職業訓練(短期コース)等の推進をいうものであること。
 

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12 職業紹介の充実等(法第12条関係)

 短時間労働者になろうとする者については、職業生活を一定期間中断していた者が多く、職業に関する知識、自らの適性・能力等についての客観的な理解、就労に対する心構えが不十分であるとか、労働市場に関する知識・情報が不足している場合があることなどからきめ細かな配慮が必要とされる者が多いことにかんがみ、特に、その適性、能力、経験及び技能の程度等にふさわしい職業を選択し、並びに職業に適応することを容易にするため、国は、雇用情報の提供、職業指導及び職業紹介の充実等必要な措置を講ずるように努めることとしたものであること。
 

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13 雇用管理の改善等の研究等(法第31条関係)

 国は短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な施策を講ずることとされているが、短時間労働者の福祉の増進を図るためには、その雇用管理の改善等を図ることが求められている。特に、短時間労働者の職域の拡大に伴い、基幹的、恒常的な職務や専門的、技術的な職務に従事する短時間労働者に対しては、短時間労働は補助的労働であるとの認識に立った従来どおりの管理を行うことは限界にきている。
 このため、厚生労働大臣は、短時間労働者がその能力を有効に発揮できるようにするため、雇用管理の改善等に関する事項について、調査、研究及び資料の整備に努めるものとしたものであること。
 

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14 各局(各機関)における業務分担

 法は、適正な労働条件の確保、雇用管理の改善、職業能力の開発及び向上等に関する措置など厚生労働省の各局の所掌に属する措置を含んでいるが、その施行に当たっての業務分担は次のとおりであること。
 なお、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する技術的事項についての相談その他の援助等の業務については、短時間労働援助センターが行うこととされているが、その詳細については追って通達すること。

(1) 法、指針の周知及び啓発

 法、指針の周知及び啓発については、全体としての取りまとめという見地から、本省においては雇用均等・児童家庭局が各局との連携を図りつつ行うものであること。
 また、都道府県労働局においては、雇用均等室が中心となり、労働基準監督署及び公共職業安定所とも連携を密にして、周知及び啓発を行うとともに、関係機関とも適宜連携を図ること。

(2) 短時間労働者対策基本方針(法第5条)

 短時間労働者対策基本方針については、各局の所掌する対策の内容は各局が定めるが、全体としての取りまとめという意味での策定は、雇用均等・児童家庭局が行うものであること。

(3) 労働条件に関する文書の交付(法第6条)

 労働条件に関する文書の交付についての指導等は、労働基準局が行うものであること。

(4) 就業規則の作成の手続(法第7条)

 就業規則の作成の手続についての指導等は、労働基準局が行うものであること。

(5) 指針(法第8条)

 指針に定める事項についての指導等は、次のとおり行うものであること。
(イ)第2の1又は2に係る判断については、雇用均等・児童家庭局が事案の内容に応じ関係局と協議して決定するものであること。
(ロ)第3の1については、適正な労働条件の確保は労働基準局が、雇用管理の改善は職業安定局が、妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置は雇用均等・児童家庭局が行うものであること。
(ハ)第3の2のうち (2)及び(4)から(6)までは職業安定局が、(1)は職業能力開発局が、(3)は雇用均等・児童家庭局が、それぞれ行うものであること。
(ニ)第3の2の(7)及び第3の3については、短時間労働者の福祉の増進の観点から、雇用均等・児童家庭局が、適正な労働条件の確保に係るものについては労働基準局、雇用管理の改善に係るものについては職業安定局と協議しながら、行うものであること。
(ホ)第3の4については、都道府県労働局が窓口となって対応するが、重要であると認められるか否かの判定及び指導等の具体的内容については、雇用均等・児童家庭局が事案の内容に応じ関係局と協議して決定するものであること。
(ヘ)第3の5及び第3の6については、雇用均等・児童家庭局が行うものであること。

(6) 短時間雇用管理者(法第9条)

 短時間雇用管理者の選任についての指導等は、雇用均等・児童家庭局が行うものであること。

(7) 事業主に対する報告の徴収並びに助言、指導及び勧告(法第10条)

 事業主に対し厚生労働大臣が行う報告の徴収並びに助言、指導及び勧告は、各局がそれぞれ上記(3)〜(6)の分担に応じて行うものであること。

(8) 職業訓練の実施等(法第11条)

 職業訓練の実施等は、職業能力開発局が行うものであること。

(9) 職業紹介の充実等(法第12条)

 職業紹介の充実等は、職業安定局が行うものであること。

(10) 雇用管理の改善等の研究等(法第31条)

 各局がそれぞれの所掌に応じて研究等を行うものであること。

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 図        通常の労働者           通常の労働者以外の者
 
         週40時間          週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
 1-(1)  A業務 ┌───┐         ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         │100人 │         │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         └───┘         └───┘└───┘└───┘└───┘
                         ×    ○    ○    ○
 
 
 
 
 
 
         週40時間 週35時間     週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
 1-(2)  A業務 ┌───┐┌───┐    ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
         │   ││   │    │   ││   ││   ││   │
         │100人 ││100人 │    │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
         │   ││   │    │   ││   ││   ││   │
         └───┘└───┘    └───┘└───┘└───┘└───┘
                         ×    ○    ○    ○
 
 
 
 
 
 
         週40時間 週35時間     週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
 1-(3)  A業務 ┌───┐┌───┐    ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
         │   ││   │    │   ││   ││   ││   │
         │ 1人 ││100人 │    │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
         │   ││   │    │   ││   ││   ││   │
         └───┘└───┘    └───┘└───┘└───┘└───┘
                         ×    ○    ○    ○
 
 
 
 
 
 
 図        通常の労働者           通常の労働者以外の者
 
         週40時間          週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
 2-(1)  A業務 ┌───┐         ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         │100人 │         │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         └───┘         └───┘└───┘└───┘└───┘
                         ×    ○    ○    ○
                       週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
      B業務               ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
                       │   ││   ││   ││   │
                       │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
                       │   ││   ││   ││   │
                       └───┘└───┘└───┘└───┘
                         ×    ○    ○    ○

         週40時間          週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
 2-(2)  A業務 ┌───┐         ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         │100人 │         │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         └───┘         └───┘└───┘└───┘└───┘
                         ×    ○    ○    ○

              週35時間     週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
      B業務      ┌───┐         ┌───┐┌───┐┌───┐
              │   │         │   ││   ││   │
              │100人 │         │100人 ││100人 ││100人 │
              │   │         │   ││   ││   │
              └───┘         └───┘└───┘└───┘
                              ×    ○    ○  

         週40時間          週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
 2-(3)  A業務 ┌───┐         ┌───┐┌───┐┌───┐┌───┐
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         │100人 │         │100人 ││100人 ││100人 ││100人 │
         │   │         │   ││   ││   ││   │
         └───┘         └───┘└───┘└───┘└───┘                          ×    ○    ○    ○

              週35時間     週40時間 週35時間 週30時間 週25時間
      B業務      ┌───┐         ┌───┐┌───┐┌───┐
              │   │         │   ││   ││   │
              │ 1人 │         │100人 ││100人 ││100人 │
              │   │         │   ││   ││   │
              └───┘         └───┘└───┘└───┘
                              ○    ○    ○  
                           │原則のまま│
                           │では×  │
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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