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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜


〜 青空の下の大銀杏 緑の輝き 〜


〜 改訂版 〜


ある夏の日の事。


ここは、鎌倉の町。


青空が広がり、適度な暑さの日差しが差している。


ここは、鎌倉に在る小御所。


小御所にも適度な暑さの日差しが差している。


ここは、源義高の部屋の前に在る縁。


源義高と海野小太郎幸氏は、縁で庭や空を見ている。


海野小太郎幸氏は庭を見ながら、源義高に微笑んで話し出す。

「今日は良い天気ですね。大姫様から先日のお約束の話しがあるような気がしませんか?」

源義高は庭を見ながら、海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、微笑んで話し出そうとした。

大姫の元気な声が、源義高と海野小太郎幸氏の元に聞こえてきた。

「義高様と小太郎殿が縁に居ます!」

海野小太郎幸氏は大姫の声の聞こえた方を微笑んで見た。

源義高は大姫の声の聞こえた方を普通の表情で見た。


大姫と河越重頼の娘の真澄が、源義高と海野小太郎幸氏を、縁から笑顔で見ている姿があった。


大姫は源義高と海野小太郎幸氏の元に元気良く走ってくる。

真澄は大姫の様子を見ながら、源義高と海野小太郎幸氏の元に微笑んで歩いてくる。


源義高は大姫と真澄を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大姫と真澄を微笑んで見た。


大姫は源義高と海野小太郎幸氏の前に来ると、笑顔で話し出す。

「今日は良い天気です! 鶴岡八幡宮に大銀杏を見に行きましょう!」

源義高は真澄と海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏と真澄は、源義高を微笑んで見た。

源義高は大姫に普通に話し出す。

「分かった。みんなで大銀杏を見に行こう。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様! 早く行きましょう!」

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高の手を取ると、笑顔で歩き出した。

源義高は大姫を苦笑した表情で見ながら、抵抗する事なく一緒に歩き出した。

海野小太郎幸氏と真澄は、大姫と源義高の後を微笑みながら歩いて行った。


それから少し後の事。


ここは、鶴岡八幡宮。


大姫、源義高、海野小太郎幸氏、真澄は、鶴岡八幡宮の前に来た。

真澄は大姫を見ると、微笑んで話し出す。

「境内に入る前の鳥居から見ても、大きい銀杏だと分かりますね。大きくて綺麗な緑色の葉の大銀杏ですね。」

大姫が真澄を見ると、笑顔で話し出す。

「真澄も大銀杏を気に入ってくれたのですね! 嬉しいです!」

真澄は大姫を微笑んで見た。

大姫は源義高の手を取ると、笑顔で歩き始めた。

源義高は大姫を呆れた表情で見ながら、抵抗する事なく一緒に歩き出した。

海野小太郎幸氏と真澄は、大姫と源義高の後を微笑んで歩き出した。


ここは、鶴岡八幡宮に在る大銀杏の近く。


大姫、源義高、海野小太郎幸氏、真澄は、大銀杏の近くに来た。

大姫は大銀杏を笑顔で見た。

源義高は大銀杏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏と真澄は、大銀杏を微笑んだ表情で見た。


大銀杏は太い幹と長い枝を空へと向かって伸ばしている。


大姫は源義高を見ると、笑顔で話し出す。

「義高様! 大銀杏のもっと近くに行きましょう!」

源義高は大姫を見ると、普通の表情で頷いた。

大姫は源義高の手を引きながら、笑顔で歩き出した。

源義高は大姫を呆れた様子で見ながらも、一緒に歩き出した。

海野小太郎幸氏と真澄は、大姫と源義高を微笑んで見た。


大姫は源義高の手を掴んだまま、直ぐに立ち止まった。

源義高は大姫を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏と真澄は、大姫を不思議そうに見た。

大姫は源義高の手を掴んだまま、海野小太郎幸氏と真澄を見ると、笑顔で話し出す。

「姫と義高様は、大銀杏の前に行きます! 小太郎殿と真澄も一緒に行きますか?!」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「私達はここで待っています。お二人で楽しんできてください。」

大姫は源義高の手を掴みながら、海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「分かりました!」

源義高は海野小太郎幸氏を苦笑しながら見た。

大姫は源義高の手を掴みながら、微笑んで歩き出した。

源義高は大姫を苦笑した表情で見ながら、抵抗する事なく一緒に歩き出した。


海野小太郎幸氏は真澄を見ると、微笑んで話し出す。

「日差しを受けた大銀杏の緑の葉が、青空に映えてとても綺麗ですね。」

真澄は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「はい。」

海野小太郎幸氏は真澄を微笑んで見た。

真澄は、大姫と源義高と大銀杏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は、大姫と源義高と大銀杏を微笑んで見た。


大姫は大銀杏と源義高を交互に見ながら、楽しそうに話をしている。

源義高は大銀杏を見ながら、大姫を時折見ると、適当に頷いている。


真澄は大姫と源義高を見ながら、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「お二人を見ていると、とても楽しんでいらっしゃるように見えます。私もお二人のようなお付き合いをしたいです。」

海野小太郎幸氏は真澄を見ると、不思議そうに話し出す。

「真澄様の言う通り、義高様と大姫様は、今は楽しい時を過ごされていると思います。しかし、お二人にとって、良い環境とは言えないと思います。」

真澄は大姫と源義高を見ながら、海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎殿の言う通りかも知れませんね。」

海野小太郎幸氏は真澄を不思議そうに見た。

真澄は大姫と源義高を見ながら、海野小太郎幸氏に羨ましそう話し出す。

「難しい事かも知れないけれど、私の事をしっかりと見てくださる方と一緒になりたいと思っています。」

海野小太郎幸氏は真澄に不思議そうに話し出す。

「真澄様には縁談のお話しがあるのですか?」

真澄は海野小太郎幸氏を見ると、微笑んで話し出す。

「縁談については何も聞いていません。」

海野小太郎幸氏は大姫と源義高を普通の表情で見た。

真澄は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「私の祖母は頼朝様の乳母です。頼朝様が伊豆にいらっしゃった時にも、祖母は仕えていました。私の母は万寿様の乳母として鎌倉で仕えています。良く考えると、頼朝様との繋がりは、とても濃いですよね。」

海野小太郎幸氏は真澄を普通の表情で見た。

真澄は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「私一人の気持ちだけではどうにもならない事が、たくさん起こるような気がします。」

海野小太郎幸氏は真澄に普通に話し出す。

「真澄様の気になられている事が起こる可能性は、充分に考えられると思います。」

真澄は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は真澄を普通の表情で見た。

真澄は大姫と源義高を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は大姫と源義高を普通の表情で見た。


海野小太郎幸氏と真澄が話しをしている最中の事。


ここは、海野小太郎幸氏と真澄が居る場所より、更に大銀杏に近い場所。


大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「義高様! 大銀杏の葉が秋から冬の間に黄色く色付きます!」

源義高は大銀杏を見ながら、大姫に普通に話し出す。

「銀杏が黄色く色付くのは当たり前の事だから、わざわざ話しをする事では無いだろ。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「大銀杏は黄色に色付くと更に綺麗になります! 義高様にも秋になったら見て頂きたいです! 秋になったら、必ず一緒に大銀杏を見に来ましょうね!」

源義高は大銀杏を見ながら、普通の表情で呟いた。

「緑の葉も綺麗だから、黄色に色付いたら更に綺麗な姿になるな。」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「はい! とても綺麗です!」

源義高は少し離れた場所に居る海野小太郎幸氏と真澄を一瞥すると、大姫を見て、普通に話し出す。

「そろそろ戻ろう。」

大姫が源義高に笑顔で話し出す。

「はい!」

源義高は海野小太郎幸氏と真澄の元へと歩き出そうとした。

大姫は源義高の手を取ると、海野小太郎幸氏と真澄の元へ向かって元気良く歩き出した。

源義高は大姫を呆れた表情で見ながら、抵抗する事な無く一緒に歩きだした。


大姫と源義高は、手を繋ぎながら、海野小太郎幸氏と真澄の元に戻ってきた。

海野小太郎幸氏と真澄は、大姫と源義高を微笑んで見た。

大姫は源義高の手を繋ぎながら、海野小太郎幸氏と真澄に笑顔で話し出す。

「帰ります!」

海野小太郎幸氏と真澄は、大姫に微笑んで礼をした。

大姫は源義高の手を笑顔で離した。

源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫、源義高、海野小太郎幸氏、真澄は、小御所へと向かって歩き出した。


小御所へ戻る最中の事。


大姫は源義高の横を歩きながら、笑顔で話し出す。

「義高様! 大銀杏が黄色く色付いたら、必ず一緒に見に来ますよ!」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「いつの間に約束したんだ?」

大姫は源義高に笑顔で話し出す。

「大銀杏の前で約束しました!」

源義高は大姫に面倒そうに話し出す。

「良く分からないけれど、分かったよ。」

大姫は源義高を笑顔で見た。

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、普通に話し出す。

「小太郎も忘れないように覚えていてくれ。」

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、微笑んで話し出す。

「承知しました。」

真澄は大姫と源義高と海野小太郎幸氏の話しを聞きながら、微笑んで歩いている。


すると切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「あの時に見た緑色の葉をした大銀杏は、とても綺麗でしたね・・・」

「義高様と一緒に見る事が出来てとても嬉しかったです・・・」

「大銀杏はいつも私達を見ていてくれましたね・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「私と一緒に大銀杏を見る事が出来て嬉しかったですか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」

「私達を見ていた小太郎と真澄は、あの時に何を話していたのでしょうか・・・?」

「知りたいと思いませんか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

物語の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願いします。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

時間軸としては、「鎌倉夢語り 大姫と源義高 編 短編 青嵐の中の緑の銀杏 重なる運命」の中で、大姫が源義高に「大銀杏」を見に行く約束をしている場面が登場します。

後日談の物語となります。

鶴岡八幡宮に在る「大銀杏」は、名前の通り、とても大きい銀杏の木です。

樹齢千年を超えると伝えられているので、大姫達の生きていた時代には、既にあった事になります。

そして、大姫達の二人が生きていた時代には、既に鶴岡八幡宮に在ったとも思われます。

大姫達の生きていた頃から「大銀杏」と言われていたのかは、分かりませんでした。

鶴岡八幡宮の「大銀杏」は、「大銀杏」という名前がとても良く合っています。

そのため、「鎌倉夢語り」では、「大銀杏」として書いています。

「大銀杏」についての有名な逸話があります。

「大銀杏」に、大姫の弟の源頼家(幼名は、万寿)の子供の公暁が、大姫の下の弟の源実朝(幼名は、千幡)(源義高が鎌倉に居た時には生まれていないため、「大姫と源義高 編」と「大姫と源義高 番外編」には、登場していません)を殺害するために隠れていたという逸話です。

今の大銀杏なら隠れる事が出来ますが、当時の大銀杏に隠れる事が出来るのかなという疑問があります。

青空の下の「大銀杏」は、近くで見るより少し離れてみた方が綺麗だと思います。

「大銀杏」の下でのほのぼのとした会話をしている大姫と源義高、そして、二人の様子を離れた場所で見ながら現実的な会話をしている海野小太郎幸氏と河越重頼の娘、二組の会話の対比がこの時代というか武士の時代の現実のように思いました。

この会話の対比を考えて物語に使いました。

四人の会話は、この時代には叶える事が簡単そうで、難しい事だと考えました。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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