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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜
〜 春の雪 舞い落ちるなか 〜
〜 第三版 〜
今は春。
ここは、鎌倉。
暦は春だが、寒さを感じる日が多い。
今日も寒さを感じる。
ここは、小御所。
源義高の部屋の前に在る縁。
大姫は元気良く来た。
大姫は障子を開けると同時に、笑顔で声を出した。
「義高様! 小太郎殿!」
部屋の中に人の姿はない。
大姫は辺りを不思議そうに見た。
源義高と海野小太郎幸氏は、居ない。
大姫は部屋の中に不思議そうに入っていった。
直後の事。
ここは、源義高の部屋。
大姫は不思議そうに居る。
大姫は部屋の外を不思議そうに見た。
源義高と海野小太郎幸氏は、居ない。
大姫は寂しい表情になった。
源義高の不思議そうな声が、大姫の横から聞こえた。
「大姫。何をしているんだ?」
大姫は横を笑顔で見た。
源義高は大姫を不思議そうに見ている。
海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見ている。
源義高は部屋の中に普通に入った。
海野小太郎幸氏は部屋の中に微笑んで入った。
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! お出掛けしていたのですか?!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「連絡無しに来るのは構わないが、俺と小太郎が居ない時に、俺の部屋の中で寂しく待つのならば、俺と小太郎の予定を事前に確認しろ。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「姫が義高様を訪ねると、義高様か小太郎殿が居ます! 義高様と小太郎殿の予定の確認をしなくても大丈夫です!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫。今日の今頃は、俺も小太郎も部屋に居ないと話しただろ。」
大姫は源義高に考え込んで話し出す。
「そういえば、義高様から部屋に居ない話を聞いたような気がします。」
源義高は大姫に僅かに呆れて話し出す。
「もしかして、俺の話を忘れていたのか?」
大姫は源義高を考え込んで見た。
源義高は大姫に僅かに呆れて話し出す。
「やはり忘れたんだ。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「忘れていません!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫は俺の話を忘れていただろ。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「忘れていません! 義高様! 姫に出掛けると本当に話したのですか?!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「話した。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「姫は聞いていません!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫が子供だから忘れたんだろ。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「姫は子供ではありません!」
源義高は大姫に僅かに強く話し出す。
「姫が子供でないとしても、姫は大人ではない。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「姫は万寿のお姉さんです! 義高様の許婚です!」
源義高は大姫に僅かに強く話し出す。
「姉や許婚は、大人と関係が無い。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「関係が有ります!」
源義高は大姫に僅かに強く話し出す。
「関係が無い。」
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を困惑して見た。
大姫は源義高を不機嫌に見た。
源義高は大姫を僅かに不機嫌に見た。
海野小太郎幸氏は源義高に慎重に話し出す。
「義高様。話の論点が少しずつ外れているように思います。」
源義高は海野小太郎幸氏に僅かに強く話し出す。
「今は話の論点が外れても構わない。」
海野小太郎幸氏は源義高を僅かに驚いた表情で見た。
源義高は大姫に僅かに強く話し出す。
「大姫は子供だ。」
大姫は源義高に強く話し出す。
「姫は子供ではありません!」
源義高は大姫を僅かに不機嫌に見た。
大姫は源義高を不機嫌に見た。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高に大きな声で話し出す。
「大姫様! 義高様! 二人共に止めてください!」
大姫は海野小太郎幸氏を驚いて見た。
源義高も海野小太郎幸氏を驚いて見た。
海野小太郎幸氏は源義高に普通に話し出す。
「義高様。話の論点が外れています。義高様は、大姫様の許婚で、大姫様より年上です。義高様が強く話したら、大姫様が困惑して悲しくなります。大姫様に冷静に丁寧に話してください。」
源義高は海野小太郎幸氏を複雑な表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に普通に話し出す。
「大姫様。義高様は大姫様に出掛けると確かに話しました。大姫様は義高様の許婚です。義高様のお話をしっかりと聞いてください。」
大姫は海野小太郎幸氏を複雑な表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高に冷静に話し出す。
「大姫様。義高様。お二人共に分かりましたか?」
源義高は海野小太郎幸氏に小さい声で話し出す。
「分かった。」
大姫は海野小太郎幸氏に小さい声で話し出す。
「はい。分かりました。」
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を普通の表情で見た。
大姫は庭を困惑して見た。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は庭を不思議そうに見た。
源義高は大姫を不思議そうに見た。
大姫は庭を笑顔で見た。
源義高は大姫不思議そうに見ている。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を不思議そうに見た。
大姫は外を指すと、源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 外を見てください! 雪が降っています!」
源義高は外を不思議そうに見た。
海野小太郎幸氏も外を不思議そうに見た。
冬ほどの寒さは無いが、春の雪が静かに降っている。
源義高は外を見ながら、大姫と海野小太郎幸氏に静かに話し出す。
「春の雪だな。風花のように感じる。」
海野小太郎幸氏は外を見ながら、源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
大姫は外を指すのを止めると、源義高を見て、笑顔で話し出す。
「今の時季の鎌倉に雪が降るのは、とても珍しいです!」
源義高は雪の降る様子を普通の表情で見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 庭に出て雪の降る様子を見ましょう!」
源義高は大姫を見ると、普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫を見ると、微笑んで軽く礼をした。
大姫は部屋を笑顔で出て行った。
源義高は部屋を普通に出て行った。
海野小太郎幸氏は部屋を微笑んで出て行った。
僅かに後の事。
ここは、小御所。
源義高の部屋の前に在る庭。
春の雪は静かに降り続いている。
大姫は笑顔で来た。
源義高は普通に来た。
海野小太郎幸氏は微笑んで来た。
大姫は雪の降る様子を笑顔で見た。
源義高は雪の降る様子を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は雪の降る様子を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、微笑んで静かに話し出す。
「小太郎。いつも助けてくれてありがとう。」
海野小太郎幸氏は源義高を見ると、申し訳なく話し出す。
「先程は言い過ぎました。申し訳ありませんでした。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで静かに話し出す。
「小太郎は正しい内容を話した。小太郎が謝る必要はない。これからも指導を頼む。」
海野小太郎幸氏は源義高に真剣な表情で軽く礼をした。
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を微笑んで見た。
大姫が居ない。
源義高は庭を不思議そうに見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏から少し離れた場所で、雪の降る様子を微笑んで見ている。
源義高は大姫の元に普通に歩き出した。
海野小太郎幸氏は大姫の元に微笑んで歩き出した。
大姫は雪の降る様子を笑顔で見ている。
源義高は大姫の傍に普通に来た。
海野小太郎幸氏は大姫の傍に微笑んで来た。
源義高は大姫に静かに話し出す。
「大姫。もし居なくなったらどうする?」
大姫は源義高を見ると、不思議そうに話し出す。
「義高様が居なくなったらという意味ですか?」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
大姫は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。出掛けるのですか?」
源義高は大姫に静かに話し出す。
「出掛けないよ。質問をしただけだ。」
大姫は源義高を不思議そうに見た。
源義高は大姫に静かに話し出そうとした。
大姫は雪の降る様子を微笑んで見た。
源義高は大姫を微笑んで見た。
大姫は雪の降る様子を微笑んで見ている。
源義高も雪の降る様子を微笑んで見た。
大姫は源義高を見ると、笑顔で話し出す。
「姫は義高様が戻るのを待っています!」
源義高は大姫を見ると、微笑んで話し出す。
「大姫は待っていてくれるんだ。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「はい!」
源義高は大姫を微笑んで見た。
大姫は空を微笑んで見た。
源義高は大姫を微笑んで見ている。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。
僅かに後の事。
ここは、小御所。
源義高の部屋の前に在る庭。
大姫は雪の降る様子を笑顔で見ている。
源義高は雪の降る様子を普通の表情で見ている。
海野小太郎幸氏は雪の降る様子を微笑んで見ている。
春の雪が静かに止んだ。
大姫は源義高を見ると、残念な様子で話し出す。
「雪が止んでしまいました。」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「風花のような春の雪は綺麗でしたね。直ぐに止んでしまいましたね。残念ですね。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様。義高様。寒い中に長く居たのでお疲れになったと思います。お部屋に戻って休みませんか?」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「はい!」
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。
大姫は笑顔で歩き出した。
源義高は普通に歩き出した。
海野小太郎幸氏は微笑んで歩き出した。
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「小太郎。大姫は俺達が出掛ける時は、ずっと待っていてくれるそうだ。次回からは連絡なしに留守が出来る。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様に義高様と私が留守にする説明を忘れても大丈夫なのですね。安心しました。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に強い調子で話し出す。
「姫はそのような意味で言ったのではありません!」
源義高は大姫に意地の悪い笑顔で話し出す。
「大姫。そのような意味について、詳細に教えてくれ。」
大姫は源義高を困惑して見た。
海野小太郎幸氏は源義高に普通に話し出す。
「義高様。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、小さい声で話し出す。
「分かっている。」
海野小太郎幸氏は源義高と大姫を微笑んで見た。
大姫も源義高と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
源義高も大姫と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
すると切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「今も鎌倉で春の終わりに降る雪を見る機会は物凄く少ないです・・・」
「春の終わりに降る雪を一緒に見られて、とても嬉しかったです・・・」
「春の終わりに降る雪を見ると、懐かしく感じます・・・」
「春の終わりに降る雪を見ると、切なく感じます・・・」
「春の終わりに降る雪を見ると、あの時の出来事を思い出します・・・」
「春の終わりに降る雪を見ると、あの時の義高様の想いが気になります・・・」
「春の雪に降る雪を見ると、不思議な想いに強く包まれていきます・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。
改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。
改訂前の物語を掲載するのは止めました。
以上の点、ご了承願います。
ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。
この物語は、三月中旬に降る雪の様子を見て考えました。
この日に降る雪は、偶然に風花になりました。
降っても積もらない雪でした。
場所によっては、三月でも雪が降るのが普通の場所が在ると思います。
鎌倉は雪国ではないため、雪が降るとしても回数は比較にならないと思います。
春の終わりの頃に降った雪の中で展開する物語です。
大姫と源義高の話の展開が外れすぎたため、海野小太郎幸氏は大姫と源義高を諌めます。
海野小太郎幸氏の年齢と身分では、大姫と源義高を物語のような状況で諌める事はしないと思います。
大姫、源義高、海野小太郎幸氏の間で気持ちが繋がっている、大姫、源義高、海野小太郎幸氏の信頼関係が既に出来ている、などを表現したくて書きました。
この物語は、大姫と源義高と海野小太郎幸氏が鎌倉で逢ってから、もう少し経つと約一年後の時間設定で書きました。
「風花(かざはな)(かざばな)」は「花びらが舞うようにちらつく雪。初冬の頃の晴れた日、風が吹き始める前などに、雨や雪がぱらぱらと降ること。」をいうそうです。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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