鎌倉夢語り　〜　大姫と源義高　編　〜


〜　時のはじまり　桜の下から　もう一つの出逢い　〜


源義高と海野小太郎幸氏が、木曾から鎌倉に着て間もない頃。


ここは、鎌倉。


小御所。


桜の咲く姿が見える。


ここは、北条政子の部屋。


源義高は北条政子に呼ばれて大姫と逢った。

源義高と大姫にとっては、二度目の出逢いになる。

源義高は大姫に初対面のような対応をした。


それから少し後の事。


ここは、源義高の部屋。


海野小太郎幸氏が部屋に居る。


源義高が普通に戻ってきた。


海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。お帰りなさいませ。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様はどのような方でしたか？」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「普通。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。良かったですね。」

源義高は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様が普通と感じられたのですよね。大姫様はお優しい方なのだと思います。」

源義高は海野小太郎幸氏に不思議そうに話し出す。

「普通と優しいは違うだろ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様のご様子から考えると、大姫様はお優しい方だと思います。」

源義高は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、大姫の部屋。


大姫と侍女が居る。


大姫は侍女に微笑んで話し出す。

「義高様の部屋に行きたいです。」

侍女は大姫に微笑んで話し出す。

「お供いたします。」

大姫は侍女に不思議そうに話し出す。

「一人で行っては駄目ですか？」

侍女は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様がお一人でお出掛けになられたら、私達が政子様にお叱りを受けてしまいます。」

大姫は侍女に不思議そうに話し出す。

「お母様の許しがあれば一人で行っても良いのですか？」

侍女は大姫に微笑んで話し出す。

「政子様のお許しがあれば問題ないと思います。」

大姫は侍女に微笑んで話し出す。

「お母様の部屋に行きます。」

侍女は大姫に微笑んで話し出す。

「お供いたします。」

大姫は侍女に微笑んで話し出す。

「お願いします。」

侍女は大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は微笑んで部屋から出て行った。

侍女も微笑んで部屋から出た。


それから僅かに後の事。


ここは、北条政子の部屋。


北条政子は真剣な表情で机に向かっている。


大姫が微笑んで訪ねてきた。


北条政子は大姫を微笑んで見た。

大姫は北条政子に微笑んで話し出す。

「お母様に話しがあって来ました。」

北条政子は大姫に微笑んで話し出す。

「どのような話しですか？」

大姫は北条政子に微笑んで話し出す。

「義高様の部屋に一人で行きたいです。」

北条政子は大姫に微笑んで話し出す。

「侍女の供がなくても良いのですか？」

大姫は北条政子に微笑んで話し出す。

「はい。姫は義高様の許婚です。姫は義高様とたくさん話したいです。」

北条政子は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫。一人でもしっかりと話しをする自信がありますか？　許婚である義高殿に迷惑を掛けない自信はありますか？」

大姫は北条政子に微笑んで話し出す。

「姫は義高様としっかりと話します。一人でも大丈夫です。」

北条政子は大姫に微笑んで話し出す。

「分かりました。大姫が一人で義高殿の元に出掛けるのを許します。」

大姫は北条政子に笑顔で話し出す。

「お母様！　ありがとうございます！」

北条政子は大姫に微笑んで話し出す。

「ただし、大姫が突然に居なくなると侍女が心配します。義高殿の元に行く時は、侍女に忘れずに話しをしなさい。」

大姫は北条政子に笑顔で話し出す。

「分かりました！」

北条政子は大姫を微笑んで見た。


大姫は部屋から笑顔で出て行った。


それから僅かに後の事。


ここは、北条政子の部屋の前に在る縁。


大姫は笑顔で出てきた。


侍女は大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は侍女に笑顔で話し出す。

「姫はお母様に一人でしっかりと話しました！　お母様の許しがでました！」

侍女は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様。おめでとうございます。」

大姫は侍女に笑顔で話し出す。

「姫は義高様の部屋に出掛けます！」

侍女は大姫に微笑んで話し出す。

「行ってらっしゃいませ。」

大姫は侍女に微笑んで話し出す。

「行ってきます！」

侍女は大姫に微笑んで軽く礼をした。


大姫は源義高の部屋へと向かって笑顔で歩き出した。


それから僅かに後の事。


ここは、源義高の部屋の前に在る縁。


大姫は部屋の前に笑顔で来た。


部屋の中の気配は良く分からない。


大姫は考え込みながら呟いた。

「何と言って声を掛ければ良いのでしょうか？」


ここは、源義高の部屋。


源義高はと野小太郎幸氏は、部屋の中に居る。


障子越しに幼い女の子の影が見える。


源義高は海野小太郎幸氏に怪訝そうに話し出す。

「部屋の前に立っているのに、声を掛ける様子も入ってくる様子もない。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「お一人のようですね。」

源義高は海野小太郎幸氏に怪訝そうに頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様を部屋の中にお通ししても良いですか？」

源義高は海野小太郎幸氏に怪訝そうに頷いた。


海野小太郎幸氏は立ち上がると、障子を微笑んで開けた。


ここは、源義高の部屋の前に在る縁。


大姫は考え込んでいる。


障子が静かに開いた。


大姫は障子が開く様子を僅かに驚いた表情で見た。


海野小太郎幸氏が微笑んだ表情で現れた。


大姫は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。


海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様。ようこそお越しくださいました。」


大姫は海野小太郎幸氏に小さい声で話し出す。

「義高様と話したくて来ました。」


海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「どうぞ部屋の中にお入りください。」


大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「はい。」


海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。


ここは、源義高の部屋。


大姫は部屋の中に微笑んで入ってきた。


海野小太郎幸氏は障子を微笑んで閉めた。


大姫は源義高の前に静かに座った。

海野小太郎幸氏は源義高と大姫の近くに微笑んで座った。


源義高は大姫を普通の表情で見た。

大姫は源義高に小さい声で話し出す。

「こんにちは。」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「大姫様。こんにちは。」

大姫は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏を僅かに困惑した表情で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を僅かに心配そうに見た。

源義高は大姫を見ると、普通に話し出す。

「大姫様を部屋に入れたのは、私の家臣で海野小太郎幸氏といいます。家臣の身分ではありますが、私にとっては大切な人です。」

大姫は海野小太郎幸氏を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「海野小太郎幸氏と申します。よろしくお願いいたします。」

大姫は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「大姫です。義高様の許婚です。」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「義高様をよろしくお願いいたします。」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「はい！」

源義高は海野小太郎幸氏と大姫を不思議そうに見た。

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様はお一人で部屋に来られたのですか？」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「はい！　お母様から、侍女に話しをすれば、義高様の部屋に一人で行っても良いと許しをもらいました！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「これからもお一人で部屋に来られる予定ですか？」

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「はい！」

海野小太郎幸氏は大姫を微笑んで見た。

大姫は海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「小太郎殿と呼んでも良いですか？！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。

「義高様！　小太郎殿！　姫は話しが出来て楽しかったです！　明日も来て良いですか？！」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「お待ちしています。」

源義高は大姫と海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。


大姫は元気良く部屋から出て行った。


源義高は海野小太郎幸氏に不思議そうに話し出す。

「大姫は俺に逢いに来たのに、ほとんど小太郎と話していたな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏に不思議そうに話し出す。

「俺と初めて逢った時の態度と、小太郎と初めて逢った時の態度が、全く違う。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様は緊張されていたのだと思います。次からは大姫様は笑顔で話しをされると思います。」

源義高は海野小太郎幸氏に不思議そうに話し出す。

「小太郎は不思議だな。」

海野小太郎幸氏は源義高を不思議そうに見た。

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「お褒めの言葉として受け取って良いのでしょうか？」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで頷いた。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。


すると、切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「小太郎と初めて逢った時の出来事を思い出しました・・・」

「あの時は、義高様と話すつもりで部屋を訪ねました・・・」

「気付いたら、小太郎とたくさん話していました・・・」

「小太郎と話しているのに、義高様とも話していたように感じました・・・」

「義高様の大事な方と話しが出来て嬉しかったです・・・」

「ねぇ、義高様・・・」

「あの時から、小太郎は私にとっても、とても大切な人になりました・・・」

「ねぇ、義高様・・・」




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ここからは後書きになります。

「鎌倉夢語り　大姫と源義高　編　短編」の第一作目の「時のはじまり桜の下から」は、大姫と源義高の出逢いを中心に書いたので、大姫と海野小太郎幸氏が出逢う場面は書きませんでした。

いろいろと考えて、大姫と海野小太郎幸氏が出逢う物語も書く事にしました。

大姫と海野小太郎幸氏の初めての出逢いは、月夜の下のイメージではなかったので、日中としました。

今回の物語は、「鎌倉夢語り　大姫と源義高　編　短編　時のはじまり桜の下から」の直後から始まります。

他の物語で大姫と海野小太郎幸氏が初めて出逢う場面を書く可能性がありますが、基本的には短編集なので、パラレルワールドの物語として読んでください。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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