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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜
〜 木芽月 三叉の花の咲き始める頃 〜
今は仲春。
ここは、鎌倉。
寒さを感じる日が続くが、少しずつ暖かい春の気配が増え始めた。
今日は、青空が広がり、太陽が輝いている。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
源義高は本を普通の表情で読んでいる。
海野小太郎幸氏は普通に居る。
部屋の外から、大姫の元気な足音が聞こえた。
源義高は本を読むのを止めると、海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
大姫が部屋の中に笑顔で入ってきた。
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様と小太郎殿と話したいと思いました! 義高様の部屋に来ました!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 何かしていましたか?!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「俺は勉強のために読書中だった。小太郎は俺の読書後の勉強の相手を務めるために待っていた。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 勉強中だったのですか?!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 姫は部屋に戻ります! 少し経ったら、部屋に来ます! 後で話しましょう!」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は部屋を笑顔で出て行った。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫が再び部屋に来る時間が分からない。落ち着いて勉強が出来ない。落ち着いて稽古も出来ない。出掛けられない。大姫と今から話したい。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。私が大姫様に話に行きます。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は部屋を微笑んで出て行った。
少し後の事。
ここは、小御所。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏は部屋の中に普通に入ってきた。
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に困惑して話し出す。
「義高様。大姫様は花を観に行くために、侍女を連れて出掛けたそうです。」
源義高は海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。
「小太郎が大姫の部屋を訪ねるまでに、長い時間は掛かっていない。大姫の出掛ける決断が早過ぎる。」
海野小太郎幸氏は源義高に困惑して話し出す。
「大姫様は、義高様の部屋に来る前に、侍女に花を観に行く予定について話したそうです。侍女は準備をしていたので、直ぐに出掛けられたようです。」
源義高は海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。
「大姫の今日の予定は、俺と大姫と小太郎で、外で花を観ながら話す、だった。俺は勉強中の返事をした。大姫は、侍女を連れて花を観に行く、花を観終わって小御所に戻った後に、俺と部屋で過ごす、予定に変更したのかな?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様の考えは合っていると思います。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫は、気に入った花を俺の部屋に持ってくる可能性があるな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「短い時間になるが、落ち着いて勉強できるな。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「勉強する。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は本を普通の表情で読み始めた。
海野小太郎幸氏は源義高を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
源義高は本を普通の表情で読んでいる。
海野小太郎幸氏も普通に居る。
部屋の外から、大姫の元気な足音が聞こえた。
源義高は本を読むのを止めると、海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
大姫は咲き始めの三叉を挿した器を持ち、部屋の中に笑顔で入ってきた。
源義高は大姫と咲き始めの三叉を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫と咲き始めの三叉を微笑んで見た。
大姫が咲き始めの三叉を挿した器を持ち、源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 勉強は終わりましたか?!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は咲き始めの三叉を挿した器を源義高の傍に置くと、源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 咲き始めの三叉を手に入れました! 咲き始めの三叉を見ながら話しましょう!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「季節的に咲き始めの花が多いから、咲き始めの花を用意する状況は分かる。咲き始めの三叉を用意する状況は分からない。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「三叉は枝が三つに分かれます! 三叉の花が全て咲くと、鮮やかで豪華で綺麗です! 姫と義高様と小太郎殿は、いつも一緒です! 三叉は、姫と義高様と小太郎殿と同じです!」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「義高様は大姫様の話を聞いて嬉しい気持ちになりました。私も大姫様の話を聞いて嬉しい気持ちになりました。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。
源義高は大姫を見ると、大姫に普通に話し出す。
「大姫。三叉の花が咲いたら、俺と大姫と小太郎で、三叉を観るぞ。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「はい!」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。
暫く後の事。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
机に、咲き始めの三叉を挿した器が置いてある。
源義高は本を普通の表情で読んでいる。
海野小太郎行幸氏は普通の表情で居る。
源義高は本を読むのを止めると、咲き始めの三叉を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様は、義高様に和んで頂くために、たくさん気遣っています。咲き始めの三叉の花ですが、鮮やかに感じます。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「俺は花を愛でて喜ぶ性格ではない。小太郎が、大姫に俺は花を見て嬉しい気持ちになると幾度も話すから、大姫は花を用意して俺の部屋に来ると思う。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様は部屋に花を飾ると、花を穏やかな表情で見ます。義高様が花を見て和む様子が伝わります。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「今は複雑に時が動いている。大姫は、俺と大姫と小太郎で、満開の三叉を観たいと話した。大姫の傍でなくても良いから、満開の三叉を見たいと思った。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。大姫様と義高様と私で、満開の三叉を必ず観られると信じて過ごしましょう。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は本を普通の表情で読んだ。
海野小太郎幸氏は源義高を普通の表情で見た。
すると、切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「義高様が咲き始めの三叉の花を幾度も観ていました・・・」
「義高様の和む様子が伝わりました・・・」
「嬉しかったです・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
「義高様と私と小太郎で、満開の三叉の花を観たいです・・・」
「義高様と私と小太郎で、満開の三叉の花を観られると信じても良いですよね・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
万葉集に「三枝(さきくさ)」の登場する歌を掲載しています。
「三枝」が何かは分かっていないそうです。
「三椏(みつまた)」、「福寿草(ふくじゅそう)」、「沈丁花(じんちょうげ)」、などの説があります。
「三椏」は、鎌倉時代には既に見る事が出来る花と考えて、この物語に登場します。
「三椏(みつまた)」について簡単に説明します。
ジンチョウゲ科の落葉低木です。
中国原産です。
「三叉」とも書きます。
枝が先で3本ずつに分かれるところから付いた名前だそうです。
現在の暦で3月から4月上旬頃に、葉が出てくる前に、黄色い毬のような花をつけます。
樹皮は紙の原料として有名です。
中国では紙の原料として利用する事はほとんどないそうです。
日本に渡来した詳細な時期は不明ですが、17世紀以前と考えられているそうです。
季語は、花、が春の季語です。
昭和の時代になってからの事になりますが、赤色の花の三椏が発見されました。
「赤花三叉(あかばなみつまた)」と呼んでいます。
この物語に登場する「三椏」は、黄色い花です。
この物語では、題名に「三叉」を使用しました。
「木芽月(このめづき)」についてです。
「陰暦二月の異称」です。
「木の芽の出る月という意味らしい」です。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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