このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

~ 鎌倉夢語り 大姫と源義高 編 ~


~ 新緑の大銀杏 想いを繋いで ~


今は、初夏。


源義高と海野小太郎幸氏が鎌倉に着いてから多くの日数を重ねていない頃。


ここは、鎌倉。


過ごしやすい日が続いている。


今は、朝。


日中より静かな雰囲気になっている。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏も普通に居る。


源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎。少し経ったら弓の稽古を始めたい。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。


部屋の外から、大姫の走る足音が聞こえた。


源義高は海野小太郎を見ると、海野小太郎幸氏に苦笑して話し出す。

「弓の稽古は中止だな。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏を苦笑して見た。


大姫は部屋の中に慌てて入ってきた。


源義高は大姫を不思議な様子で見た。

海野小太郎幸氏も大姫を不思議な様子で見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に慌てて話し出す。

「義高様! 小太郎殿! 大銀杏を見に行きましょう!」

源義高は大姫に不思議な様子で話し出す。

「大姫。何故、慌てている?」

大姫は源義高に慌てて話し出す。

「姫は先に大銀杏を見に行きます!」

源義高は大姫を不思議な様子で見た。


大姫は部屋を慌てて出て行った。


源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。

「大姫が物凄く慌てている。大姫が怪我をするかも知れない。心配だ。小太郎。行くぞ。」

海野小太郎幸氏は源義高に普通に話し出す。

「はい。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。


源義高は部屋を普通に出て行った。

海野小太郎幸氏も部屋を普通に出て行った。


少し後の事。


ここは、鶴岡八幡宮。


境内。


大銀杏は緑色の葉を茂らせている。


大姫は慌てて来た。

源義高は普通に来た。

海野小太郎幸氏も普通に来た。


大姫は大銀杏を慌てて見た。


大銀杏は緑色の葉を茂らせている。


大姫は大銀杏を安心した様子で見た。

源義高は大姫と大銀杏を不思議な様子で見た。

海野小太郎幸氏も大姫と大銀杏を不思議な様子で見た。

源義高は大姫に不思議な様子で話し出す。

「大姫。何か遭ったのか?」

大姫は源義高を見ると、源義高に微笑んで話し出す。

「大銀杏の元気が無くなって、大銀杏が鶴岡八幡宮の階段の傍に居ない夢を見ました。大銀杏が心配になって様子を見に来ました。大銀杏は元気でした。安心しました。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「俺と小太郎は、大姫の夢のために弓の稽古を行わずに鶴岡八幡宮に来たのか。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。

「義高様。小太郎殿。弓の稽古をする予定だったのですか?」

源義高は大姫を見ると、大姫に普通の表情で頷いた。

海野小太郎幸氏は大姫を見ると、大姫に微笑んで軽く礼をした。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏に申し訳なく話し出す。

「ごめんなさい。」

源義高は大姫に普通に話し出す。

「弓の稽古は、小御所に戻った後に時間を調整して行う。気にするな。」

海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。

「大姫様。義高様も私も、朝の大銀杏が見られました。義高様も私も、爽やかな気持ちになりました。義高様も私も、気持ちを新たにして、弓の稽古に更に励めます。ありがとうございます。」

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を安心した様子で見た。

源義高は大銀杏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は大銀杏を微笑んで見た。

大姫は源義高と海野小太郎幸氏を微笑んで見た。


大銀杏は緑色の葉を茂らせている。


源義高は大銀杏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は大銀杏を微笑んで見ている。

源義高は大銀杏を見ながら、微笑んで呟いた。

「大銀杏は元気な姿に見える。大銀杏に変わった様子は感じない。大銀杏の元気が無くなると思えない。」

海野小太郎幸氏は源義高を見ると、源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は大姫を見ると、大姫に普通に話し出す。

「俺も小太郎も、大銀杏は元気な姿だと思う。大姫は大銀杏が無事な姿だと思う。大姫。暫くは安心して過ごせる。」

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。

源義高は大姫と海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「鶴岡八幡宮を頻繁に訪れると、様々な姿の大銀杏が見られる。楽しみだな。」

大姫は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「はい。」

源義高は大姫と海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。


暫く後の事。


ここは、小御所。


源義高の部屋。


大姫は横になって微笑んで眠っている。

源義高は普通に居る。

海野小太郎幸氏は微笑んで居る。


源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に僅かに呆れて話し出す。

「大姫は、夢の内容で騒いで、大銀杏の無事が分かり落ち着いた。大姫は、安心して気持ちが落ち着いた。大姫は、安心した気持ちになったから、小御所に戻って直ぐに眠くなった。大姫は、眠いのに部屋に戻らず、俺の部屋で眠ってしまった。今日の朝から今の時間までに起きた出来事に関する気持ち。上手に表現できない。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。上手に表現できないと思っていますが、優しさを含める気持ちは伝わっています。安心してください。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様は、大銀杏の無事が分かり安心して、義高様と一緒に楽しくたくさん話しました。大姫様は安心して眠りに就いています。良かったですね。」

源義高は大姫を見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「鎌倉に長く住む人々が、大銀杏を大事に想う気持ちは分かる。大姫は、今より更に幼い頃は、伊豆で過ごしていた。大姫は鎌倉で長く過ごしていない。大姫が大銀杏を大事に想う気持ちが分かった。当然にも感じて、不思議にも感じた。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「短い時間で大切に想う時があります。長い時間を経ても大切に想えない時があるそうです。大切に想う気持ちは、時間の長さに関係ないと思います。」

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎の話すとおりかも知れない。」

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高も海野小太郎幸氏を微笑んで見た。

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。素晴らしい喩えを思い出しました。」

源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。

「小太郎。素晴らしい喩え。教えてくれ。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様と大姫様は、逢ってから多くの日数が経っていません。大姫様は義高様を直ぐに大切に想いました。義高様は大姫様を大切に想い始めています。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎の喩えは間違っている。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「私の喩は間違っていません。」

源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「今回の大姫と大銀杏が関係する出来事で、思い出した言葉がある。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「義高様。教えてください。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「一つ目。出逢いが訪れると、別れが必ず訪れる。別れが訪れると、新たな出逢いが訪れる。二つ目。時間以外に、永久に続く物はない。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「私は、大切に想う気持ちは、永久に続くと考えています。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「大銀杏を大切に想う気持ちは、途切れずに永久に繋がるように感じる。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様が、大銀杏を大切に想う気持ちは、途切れずに永久に続きます。」

源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「大姫が、俺を想う気持ちに変化が訪れるか分からないが、大銀杏を大切に想う気持ちは長く途切れずに続く。」

海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。

「大姫様が義高様を想う気持ちは、長く途切れずに永久に続きます。義高様が大姫様を想う気持ちも、長く途切れずに永久に続きます。」

源義高は大姫を普通の表情で見た。

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。

「小太郎。大姫に、今の内容を話すと、笑顔で物凄く騒ぐ。大姫が、寝ている時は良いが、起きている時に、今の内容を話さないように。」

海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。

源義高は大姫を普通の表情で見た。


すると切ない声が聞こえてきた。

「ねぇ、義高様・・・」

「私の夢で見た大銀杏の関係する出来事は、本当に起きるのでしょうか・・・?」

「私は、義高様と小太郎と大銀杏を見ながら、永久に穏やかに過ごしたいです・・・」

「小太郎も私と同じ想いだと話していました・・・」

「義高様も私と同じ想いなのでしょうか・・・?」

「ねぇ、義高様・・・」




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

「大銀杏(おおいちょう)」についてです。

イチョウ科です。

神奈川県指定の天然記念物です。

鶴岡八幡宮の境内に在る御神木です。

本宮に続く階段の脇に植わっていました。

高さ30m、幹回り6.8mの大きな銀杏の木でした。

樹齢は、800年、1000年以上、と言われています。

2010年3月10日の午前4時30分頃に、境内に大きな音が響いたそうです。

関係者が境内を見ると、大銀杏が倒れていたそうです。

倒れた時間と方向が幸いして、怪我をした方も亡くなられた方もいないそうです。

倒れてから数日間の経過です。

大銀杏が枯れないように、根元にシートを掛けて、水をかけていたそうです。

再生できるか調査したそうです。

調査の結果は、大銀杏は根から倒れているため再び植えるのは難しいが、大銀杏から新しい若芽の誕生の可能性がある、との内容だったそうです。

大銀杏の一部を移植する事にしたそうです。

移植するならば、早い決断が必要なので、大銀杏の一部を移植すると決めたそうです。

大銀杏の一部は、大銀杏が植わっていた場所から少し離れた場所に移植したそうです。

後の経過と結果は、物語を書いた時点では不明です。

今回の大銀杏をめぐる出来事については、様々な考えがあります。

「鎌倉夢語り 大姫と源義高 番外編 夢現 春 大銀杏 未来に繋ぐ」で大銀杏が倒れた時の出来事が登場します。

この物語は「鎌倉夢語り 大姫と源義高 番外編 夢現 春 大銀杏 未来に繋ぐ」と僅かですが繋がっています。

この物語は、様々な考えの中の一つとして、ご理解とご了承の上、お読みください。

「新緑(しんりょく)」についてです。

「夏の初め頃の、若葉のつややかな緑色。また、その木立。」

夏の季語です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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