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鎌倉夢語り ~ 大姫と源義高 編 ~
~ 魚上氷 雨の降る中で ~
今は、初春。
ここは、鎌倉。
寒さを感じる日が続く。
今日は、朝から少し経った頃に雨が降り出した。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏も普通に居る。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「雨の降る前に弓などの稽古が出来た。雨の降る前に弓などの稽古の道具を片付けられた。良かった。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「季節は春になっているが、雨が降ると寒さを感じる。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「温かい春が楽しみですね。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。寒いですか?」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様。早く訪れると良いですね。」
源義高は海野小太郎幸氏に不思議な様子で話し出す。
「大姫が早く訪れる行為。寒さを感じる行為。繋がるのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様の元気に話す姿を見ると、楽しい気持ちになります。温かくなります。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「小太郎。感覚の内容のみで話しているだろ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「私は、体感、感覚、両方の内容から話しています。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫様が部屋の中に居ると、人数が増える。寒さを少しだが感じなくなる。小太郎の話は、一部になるが当たっている。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様が同意しました。嬉しいです。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「俺が同意すると嬉しいのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。
部屋の外から、大姫の元気の良い足音が聞こえた。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。良かったですね。」
源義高は海野小太郎幸氏を苦笑して見た。
大姫は部屋の中に元気良く入ってきた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 話したくて来ました!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「義高様と私は、大姫様と一緒に話したい、と話していました。大姫様と義高様と私は、同じ内容を思っていました。嬉しいです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「姫も物凄く嬉しいです!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「義高様も私も、嬉しいです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。
源義高は海野小太郎幸氏を僅かに困惑して見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「初春が関係していると思いますが、雨が降ると、寒さを更に感じますね!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様と小太郎殿と一緒に居ると、寒さを感じ難くなります! 凄いです!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫は、先程まで縁を歩いていた。大姫は、縁から屋内に入ったから、寒さを感じ難くなった。普通の理由だ。」
大姫は源義高を笑顔で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様と過ごす初春の鎌倉の雨の日。寒さを感じますが、楽しいです。大姫様と一緒に過ごせて嬉しいです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「姫も同じです! 嬉しいです!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様と一緒に初春の鎌倉の雨の日に話しが出来ます。嬉しいです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「姫も同じです! 嬉しいです!」
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様。温かい春が楽しみです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「姫も温かい春が楽しみです!」
源義高は大姫と海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「嬉しい内容がたくさん重なります。嬉しいです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「はい!」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。
源義高は大姫と海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、鎌倉。
寒さを感じる。
雨は降り続いている。
ここは、小御所。
源義高の部屋。
大姫は床の中で気持ち良く寝ている。
源義高は大姫を僅かに呆れて見ている。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見ている。
源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に僅かに呆れて小声で話し出す。
「小太郎。大姫は想像どおり寝た。大姫は想像どおり気持ち良く寝ている。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小さい声で話し出す。
「はい。」
源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に僅かに呆れて小声で話し出す。
「大姫が一人だけ温かくなっている様子に感じる。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小声で話し出す。
「私は、大姫様と義高様を見ると、温かくなります。大姫様も私も、温かくなっています。」
源義高は海野小太郎幸氏を見ると、海野小太郎幸氏に僅かに呆れて小声で話し出す。
「小太郎。感覚の内容のみで話しているだろ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小声で話し出す。
「私は、体感、感覚、両方の内容から温かさを感じています。」
源義高は海野小太郎幸氏を苦笑して見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を見ると、海野小太郎幸氏に普通に小声で話し出す。
「少しの間になるが、寒さを感じる時間が無かった、暇は感じなかった。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小声で話し出す。
「義高様。良かったですね。」
源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に普通に小声で話し出す。
「寒さを感じる時間が無かったが、暇は感じなかったが、勉強の時間が減った。良かったのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小声で話し出す。
「大姫様が起きて部屋に戻った後に、私が勉強の相手を務めます。」
源義高は大姫を見ながら、海野小太郎幸氏に普通に小声で話し出す。
「小太郎。休む時間が減る。良いのか?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小声で話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで小声で話し出す。
「義高様。温かい春が待ち遠しいですね。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は床の中で気持ち良く寝ている。
源義高は大姫を見ながら、普通の表情で呟いた。
「羨ましい。」
海野小太郎幸氏は大姫を見ると、源義高に微笑んで小声で話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高と大姫を微笑んで見た。
すると、切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「初春の雨の降る日は、鎌倉も寒さを感じます・・・」
「義高様と小太郎と一緒に居ると、温かくなりました・・・」
「私が縁から屋内に入ったから温かくなった訳ではないと思います・・・」
「義高様が優しいから温かくなると思います・・・」
「小太郎が優しいから温かくなると思います・・・」
「優しさに包まれて、温かさに包まれて、気付いたら、寝てしまいました・・・」
「私が起きた時に、義高様と小太郎が、傍に居ました・・・」
「私は、義高様の姿を、小太郎の姿を、笑顔で見ました・・・」
「小太郎は私の喜ぶ姿を微笑んで見ていました・・・」
「義高様は私の喜ぶ姿を普段と同じ表情で見ていました・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
「あの頃の私は、幼かったですね・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
「魚上氷(うおこおりをはいずる)」についてです。
「七十二候」の一つです。
「二十四節気」の「立春(りっしゅん)」(現在の暦で、2月4日頃、または、2月4日頃~2月18日頃)の「末候」(現在の暦で、2月14日頃~2月18日頃)の言葉です。
意味は「割れた氷の間から魚が飛び出る」です。
季節は、「春」の中の「初春」になります。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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