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鎌倉夢語り 〜 大姫と源義高 編 〜
〜 秋の七種の花 尾花と藤袴に学ぶ 〜
今は秋。
ここは、鎌倉。
天気の悪い日、陽が沈んでからは、寒さを感じる時がある。
日中は過ごしやすい日が続いている。
今日は、天気が良く過ごしやすい日となっている。
ここは、野原。
季節の花が咲いている。
静かな雰囲気に包まれている。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏も普通に居る。
源義高は辺りを見ると、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「今頃に咲く季節の花は、春の雰囲気とも違う、夏の雰囲気とも違う。小太郎の話を聞いてから辺りを見て、改めて思った。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「季節の花は、季節毎に特徴があります。秋の季節も良い花はたくさんあります。」
源義高は辺りを見ながら、海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「俺にも、季節の花は季節毎に特徴があって、良い花がたくさんあるのは分かる。俺と小太郎が野原に来た目的は、元気の良過ぎる姫を、更に元気にするための場所を探しに来たのだろ。季節の花の良さを実感するのは後だ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様は義高様と季節の花が咲く様子を見て、更に笑顔になります。義高様。季節の花の良さを実感しながら、辺りを見てください。」
源義高は海野小太郎幸氏を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「小太郎の話を聞いて当日の状況を想像した。大姫が適度に喜ぶ場所が良いと思った。」
海野小太郎幸氏は源義高を微笑んで見た。
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「小太郎。何故、黙っているんだ?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「秘密です。」
源義高は海野小太郎幸氏を不思議な様子で見た。
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「義高様。薄の花が咲いています。大姫様への贈り物にしませんか?」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫は幼い。趣を理解するのは難しい。薄の花は黄色で明るい色だが、地味に感じるかも知れない。大姫は薄の花の贈り物を喜んで受け取るのかな?」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様は義高様から薄の花を喜んで受け取ります。」
源義高は海野小太郎幸氏に普通に話し出す。
「大姫に薄の花を贈って拗ねるか落ち込むかも知れない。大姫を慰めるのは大変だぞ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「大姫様は喜んで受け取ります。大姫様が拗ねるか落ち込んだ時は、私が大姫様を慰めます。安心してください。」
源義高は海野小太郎幸氏に微笑んで話し出す。
「小太郎。後は頼む。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで話し出す。
「はい。」
源義高は海野小太郎幸氏を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏も源義高を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、小御所。
大姫の部屋。
大姫は笑顔で居る。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏は微笑んで居る。
大姫の前には、薄の花を挿した器が置いてある。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 薄の花の贈り物をありがとうございます!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 薄は秋の七草の一つですよね! 秋の七草に選ばれる薄の花は良い雰囲気ですね!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫。薄の花の良さが分かるのか?」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「黄色い小さい花の咲く様子は、明るい雰囲気で良いと思います!」
源義高は大姫を意外な様子で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで話し出す。
「大姫様。義高様と私が、先程まで出掛けていた理由は、大姫様に明るい気持ちで秋の雰囲気を楽しんで頂く場所を探すためでした。明日の天気が良ければ、出掛けたいです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「はい!」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏を笑顔で見た。
翌日の事。
ここは、鎌倉。
青空が広がっている。
ここは、落ち着いた雰囲気の場所。
薄の花と藤袴の花が咲いている。
大姫は笑顔で居る。
源義高は普通に居る。
海野小太郎幸氏は微笑んで居る。
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 薄の花が綺麗ですね! 藤袴の花も綺麗ですね!」
源義高は大姫に普通の表情で頷いた。
海野小太郎幸氏は大姫に微笑んで軽く礼をした。
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で囁いた。
「大姫は想像より楽しんでいる。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで囁いた。
「私には想像通りです。」
大姫は源義高と海野小太郎幸氏に笑顔で話し出す。
「義高様! 小太郎殿! 何を話しているのですか?!」
源義高は大姫に普通に話し出す。
「大姫が想像より楽しんでいると話した。」
大姫は源義高に笑顔で話し出す。
「姫は義高様と小太郎殿と出掛けています! 姫は、義高様と小太郎殿と、たくさんの花を見ながら、たくさん話しています! 姫はたくさん楽しいです!」
源義高は海野小太郎幸氏に普通の表情で囁いた。
「薄の花のような難しい趣は理解できるのに、話の内容は幼い。不思議だ。」
海野小太郎幸氏は源義高に微笑んで囁いた。
「不思議ではありません。」
源義高は大姫を普通の表情で見た。
大姫は辺りを笑顔で見た。
源義高は大姫を微笑んで見た。
海野小太郎幸氏は大姫と源義高を微笑んで見た。
すると、切ない声が聞こえてきた。
「ねぇ、義高様・・・」
「薄の花は綺麗ですよね・・・」
「藤袴の花も綺麗ですよね・・・」
「秋になると薄の花と藤袴の花を同時に見られる日があります・・・」
「義高様と小太郎と一緒に出掛けた日を幾度も思い出します・・・」
「義高様と小太郎と一緒に薄の花と藤袴の花を見たいと幾度も思います・・・」
「ねぇ、義高様・・・」
* * * * * *
ここからは後書きになります。
「秋の七草」についてです。
現在では主に鑑賞を目的として親しまれています。
「撫子(なでしこ)」は、夏の季語ですが、他の六種類は、秋の季語です。
「萩」は、マメ科の落葉低木の総称です。
現在の暦で、6月〜10月頃に花が咲きます。
万葉集の「萩」は、「山萩(やまはぎ)」を差しているといわれています。
「尾花」は、イネ科の多年草です。
「薄(すすき)」の名前でも知られています。
「芒(すすき)」とも書きます。
薄の別名で「茅(かや)」や「萱(かや)」が紹介される事があります。
現在では、イネ科の薄、イネ科の「茅(ちがや)」、カヤツリグサ科の「菅(すげ)」の総称としても使用する事が多いそうです。
薄の花は、花びらが無いのが特徴です。
現在の暦で、9月〜10月頃に花が咲きます。
「葛(くず)」は、マメ科の蔓性の多年草です。
現在の暦で、8月〜9月頃に花が咲きます。
「撫子」は、ナデシコ科の多年草です。
現在の暦で、6月〜8月頃に花が咲きます。
「女郎花」は、オミナエシ科の多年草です。
現在の暦で、7月〜10頃に花が咲きます。
「藤袴」は、キク科の多年草です。
現在の暦で、10月〜11月頃に花が咲きます。
「朝顔」は、万葉集では朝に綺麗に咲く花として詠まれています。
「桔梗(ききょう)」、「槿(むくげ)」、「昼顔(ひるがお)」とする説があります。
「秋の七草」の「朝顔」は、「桔梗」として紹介する事が多いです。
今回の物語でも「桔梗」として登場しています。
「桔梗」は、キキョウ科の多年草です。
現在の暦で、6月〜8月頃に花が咲きます。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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