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~ 雪月花 新撰組異聞 編 ~
~ 瀧の幻 瀧の現 変若つといふ水 ~
登場人物
土方歳三、沖田総司、斉藤一、市村鉄之助
「いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬」
「万葉集 第六巻 一〇三四番」より
作者:大伴東人(おおとものあずまと)
夏から秋に掛けての頃。
幕府軍と薩長中心の新政府軍の戦いが続いている。
土方歳三は戦いの中で足に怪我をしたので、会津で医師の治療を受けている。
会津には良い温泉が幾つも在る。
医者の勧めで、温泉で湯治をするようになった。
ここは、会津。
温泉地。
空はゆっくりと橙色に染まり始めている。
滝や川が僅かに橙色に染まる時がある。
滝の音が絶え間なく聞こえる。
温泉からも滝が見える。
温泉からは湯気が立ち昇っている。
土方歳三は温泉に普通の表情で浸かっている。
市村鉄之助は温泉に微笑んで浸かっている。
土方歳三は温泉に浸かりながら、滝を普通の表情で見た。
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、滝を微笑んで見た。
滝の下で白波が立っている。
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、土方歳三を見ると、土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方先生。川と滝が、時折、僅かに橙色に染まります。綺麗ですね。」
土方歳三は温泉に浸かりながら、市村鉄之助を見ると、市村鉄之助に普通の表情で頷いた。
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、土方歳三を微笑んで見た。
土方歳三も温泉に浸かりながら、市村鉄之助を微笑んで見た。
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方先生。突然ですが、今の雰囲気に合う歌を教えてください。」
土方歳三は温泉に浸かりながら、市村鉄之助に普通に話し出す。
「温泉に浸かりながらの歌の勉強。風流だが、勉強の時間が長くなると困る。歌の勉強は涼む時にしよう。」
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、土方歳三に微笑んで話し出す。
「はい。」
土方歳三は温泉に浸かりながら、川と滝を普通の表情で見た。
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、川と滝を微笑んで見た。
川と滝は、時折になるが、僅かに橙色に染まっている。
温泉の湯気が、土方歳三の視線と市村鉄之助の視線を、包み込んだ。
川と滝が僅かに橙色に染まる様子が、温泉の湯気で霞んだ。
市村に鉄之助は温泉に浸かりながら、土方歳三を見ると、土方歳三に微笑んで話し出す。
「温泉の湯気で、滝と川が僅かに橙色に染まる様子が霞みました。綺麗です。」
土方歳三は温泉に浸かりながら、川と滝を見て、市村鉄之助に普通の表情で頷いた。
市村鉄之助は温泉に浸かりながら、川と滝を微笑んで見た。
少し後の事。
ここは、会津。
温泉地。
川の近く。
空はゆっくりと橙色に染まり始めている。
滝や川が僅かに橙色に染まる時がある。
土方歳三は普通の表情で涼んでいる。
市村鉄之助は微笑んで涼んでいる。
市村鉄之助は土方歳三を何かを思い出した様子で見た。
土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。
市村鉄之助は土方歳三に申し訳なく話し出す。
「私は怪我でも病気でもありません。私が温泉に浸かれたのは、土方先生に落ち着いて湯治をして頂くためです。気付いたら、私は土方先生の気持ちを考えずに、一人で楽しんでいました。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助は温泉に楽しんで浸かりながらも、俺を気遣っていた。問題ない。」
市村鉄之助は土方歳三を安心して見た。
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助が温泉にゆっくりと浸かれる。特別な計らいのためだ。今は、温泉に浸かりたくても、温泉に浸かれない人達がたくさんいる。鉄之助がしっかりと任務を遂行しないと、鉄之助の評判が悪くなるだけでなく、俺の評判も悪くなる。俺の分かる範囲では、鉄之助はしっかりと任務を遂行している。鉄之助は俺と共に温泉に浸かる機会が何度かあると思う。今後もしっかりと任務を遂行してくれ。」
市村鉄之助は土方歳三に真剣な表情で話し出す。
「はい!」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助は、俺が細かく話さなくても理解できる。念のために話した。悪かったな。」
市村鉄之助は土方歳三に真剣な表情で話し出す。
「私は未熟者です! 土方先生は私を心配して話しました! 土方先生には感謝以外の気持ちは抱けません!」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「俺と鉄之助の居る場所は、滝と川の音によって、少し離れると話の内容は聞こえない。鉄之助が俺に感謝を表すのは嬉しいが、大きな声で話す時は内容に気を付けろ。」
市村鉄之助は土方歳三に恥ずかしく話し出す。
「はい。」
土方歳三は市村鉄之助に普通の表情で頷いた。
市村鉄之助は土方歳三を恥ずかしく見た。
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助。話を戻す。滝の登場する歌を教える。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「お願いします。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「“いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬”。歌の意味は、“昔から言い伝えられてきた、老人が若返ると言われている水ですよ、この滝は。”となるそうだ。作者は、“大伴東人”。掲載は、“万葉集”。今の居る場所に在る温泉は、滝と繋がりがある。俺は温泉地で湯治中だから、繋がりのある歌になる。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「さすが土方先生です。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助。俺を褒めてくれるのは嬉しいが、歌と歌に関する説明は、覚えたのか?」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「掲載は、“万葉集”、です。作者は、“大伴東人”、です。土方先生が歌を選んだ理由は、“今の居る場所に在る温泉は、滝と繋がりがある。土方先生は温泉地で湯治中。”、からです。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助。歌と歌の意味を言い忘れている。俺が歌を選んだ理由は覚えなくて良いから、歌と歌の意味を覚えろ。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方先生が私のために選んだ歌です。歌を理由も覚えたいです。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「歌を選んだ理由を覚えて、歌と歌の意味を覚えなければ、意味がないだろ。」
市村鉄之助は土方歳三に恥ずかしく話し出す。
「はい。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「歌と歌の意味を、再び説明する。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「お願いします。」
土方歳三は市村鉄之助に微笑んで話し出す。
「“いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬”。歌の意味は、“昔から言い伝えられてきた、老人が若返ると言われている水ですよ、この滝は。”となるそうだ。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「歌は、“いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬”。歌の意味は、“昔から言い伝えられてきた、老人が若返ると言われている水ですよ、この滝は。”、となるそうです。作者は、“大伴東人”。掲載は、“万葉集”。歌を選んだ理由は、“今の居る場所に在る温泉は、滝と繋がりがある。土方先生は温泉地で湯治中。”」
土方歳三は市村鉄之助に普通の表情で頷いた。
市村鉄之助は土方歳三を笑顔で見た。
土方歳三は市村鉄之助を微笑んで見た。
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「土方先生。正真の“変若ち水”が有れば飲みますか?」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「俺は幾つもの年齢を重ねた姿に見えるのか?」
市村鉄之助は土方歳三に慌てて話し出す。
「土方先生は、立派で、強くて、知識が豊富で、文武両道で、眉目秀麗で、信頼できて、尊敬できます! たくさんの人達が、土方先生を信頼し尊敬しています! 土方先生は私より立場が上で年上ですが、幾つもの年齢を重ねた姿には見えません!」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助。話したい内容は伝わっている。落ち着いて話せ。」
市村鉄之助は土方歳三に恥ずかしく話し出す。
「はい。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「“変若ち水”を飲んだとしても、若返るのは体だけだ。“変若ち水”を飲んで、怪我が直ぐに完治するならば、病気が直ぐに完治するならば、“変若ち水”を飲むと思う。“変若ち水”を飲んでも怪我が直ぐに完治しなければ、俺は温泉地で湯治中だから飲まない。」
市村鉄之助は土方歳三を真剣な表情で見た。
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「今の記憶を残したまま、体などが若返り、月日も戻るのならば、“変若ち水”を飲むかも知れない。“変若ち水”を飲んでも若返るのは体だけだ。俺は“変若ち水”を飲まない。」
市村鉄之助は土方歳三を真剣な表情で見ている。
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「俺は“変若ち水”を必要としない可能性があるが、“変若ち水”を必要とする人物は幾人もいるはずだ。俺も突然に考えが変わって“変若ち水”を飲んで体だけでも若返りたいと思うかも知れない。以上の理由から、“変若ち水”を見付けたら出来る限り確保する。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「さすが土方先生。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「今の話の内容は、ある程度の立場、ある程度の年齢になれば、質問されるか考える可能性が高い。考えをまとめておけば即答できる。褒める内容の話ではない。」
市村鉄之助は土方歳三に普通の表情で考えながら話し出す。
「土方先生。沖田先生と斉藤先生は、正真の“変若ち水”が有れば、飲むのでしょうか?」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「斉藤は戦いが続いているが、無事に過ごしている。俺が想像で答えるより、斉藤に直に質問する方法が一番良い。斉藤と逢った時に質問しろ。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「斉藤先生に今の内容を質問したら、睨まれるように感じます。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「斉藤に質問する勇気が無いのは、鉄之助にとって重要な質問に該当しない証拠だ。俺が斉藤の代わりに答えるのは、俺にとっても鉄之助にとっても、時間の無駄だ。」
市村鉄之助は土方歳三に普通の表情で考えながら話し出す。
「はい。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助は総司にも質問したいと思っているのだろ。総司は鉄之助に答えられないから、俺が総司の言動などから推測して答える。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「お願いします。」
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「総司は病を患っていた。総司は“変若ち水”を飲んで若返るだけならば、“変若ち水”を飲まないと思う。総司は“変若ち水”を飲んで病が完治するならば、“変若ち水”を飲むと思う。」
市村鉄之助は土方歳三を見普通の表情で考えながら見た。
土方歳三は市村鉄之助を普通の表情で見た。
市村鉄之助は土方歳三を普通の表情で考えながら見ている。
土方歳三は市村鉄之助に普通に話し出す。
「鉄之助。戻る準備を始める。」
市村鉄之助は土方歳三に微笑んで話し出す。
「はい。」
土方歳三は市村鉄之助に普通の表情で頷いた。
土方歳三は普通の表情でゆっくりと歩き出した。
市村鉄之助は土方歳三を見ながら、普通の表情で歩き出した。
幾つかの季節が過ぎた。
今は夏。
今は夜。
ここは、函館。
五稜郭。
土方歳三の部屋。
土方歳三は普通に居る。
土方歳三は窓を普通の表情で静かに開けた。
心地良い風が吹き込んだ。
辺りの木々の葉が静かに揺れた。
土方歳三は目を閉じると、普通の表情で呟いた。
「滝の音に聞こえる。」
辺りの木々の葉の揺れる音が聞こえなくなった。
土方歳三は普通の表情で目を開けた。
部屋の中が淡い光に包まれている。
外の桜は満開になって咲いている。
土方歳三は横を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三を微笑んで見ている。
土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。再び呼んで悪かったな。」
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「気にしないでください。」
土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。希望の人物には逢えたか?」
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「はい。」
土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「“いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬”。土方さんが鉄之助に説明した歌の中の一首ですよね。鉄之助は斉藤さんに真正の“変若ち水”が有れば飲むか質問していませんね。」
土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。
「斉藤に様々な内容を話せる人物は限られている。総司は斉藤に呆れる程の内容の話を遠慮せずに気兼ねなく話した。総司は限られた人物の中でも物凄く特殊な人物だ。鉄之助は未熟な部分がたくさんある。鉄之助が斉藤に質問する日は、物凄く後になると思う。」
沖田総司は土方歳三を普通の表情で見た。
土方歳三は沖田総司に普通に話し出す。
「総司と話すと、話が必ず逸れる。更に話が逸れると困る。総司。逢いたい人物に逢ってから戻れ。」
沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。
「はい。」
土方歳三は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は土方歳三に微笑んで軽く礼をした。
土方歳三は沖田総司に普通の表情で軽く礼をした。
沖田総司は微笑んで、静かに居なくなった。
土方歳三は外を普通の表情で見た。
外の様子は元に戻っている。
土方歳三は窓を普通の表情で静かに閉めた。
僅かに後の事。
ここは、函館から遠く離れた或る場所。
一軒の家。
一室。
武士姿の男性は普通に居る。
武士姿の男性は部屋を普通の表情で静かに出た。
僅かに後の事。
ここは、函館から遠く離れた或る場所。
一軒の家。
庭。
武士姿の男性は普通に来た。
庭に変わった様子は無い。
武士姿の男性は夜空を普通の表情で見た。
たくさんの星が輝いている。
桜の花びらが夜空からゆっくりと舞い落ちてきた。
武士姿の男性は桜の花びらを見ながら、掌で桜の花びらを普通に受け止めた。
桜の花びらは淡く光っている。
武士姿の男性は掌に桜の花びらを載せて、桜の花びらを見て、普通の表情で呟いた。
「寂しさは感じない。拗ねる様子も感じない。もしかして、俺に喜んで欲しいのか?」
桜の花びらは淡く光っている。
武士姿の男性は掌に桜の花びらを載せて、桜の花びらを見て、普通の表情で呟いた。
「幻想的な雰囲気も、楽しい趣向も、連続すると飽きる。連続で起こす場合は、新しい雰囲気と新しい趣向を頼む。俺は寝る。」
桜の花びらは淡い光に包まれながら、静かに消えた。
武士姿の男性は部屋の中に普通の表情で静かに入った。
「いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬」
真正の“変若ち水”が有れば、飲むか、飲まないか。
他にも幾つもの知りたい内容がある。
土方歳三の答え。
沖田総司の答え。
斉藤一の答え。
市村鉄之助の答え。
幾年幾月が過ぎた後を生きる人々の中に、真実の答えが分かる人物は、誰も居ない。
* * * * *
ここからは後書きになります。
この物語に登場する歌は「万葉集 第六巻 一〇三四番」
「いにしへゆ 人の言ひ来る 老人の 変若つといふ水ぞ 名に負ふ瀧の瀬」
作者は「大伴東人(おおとものあずまと)」
ひらがなの読み方「いにしへゆ ひとのいひける おいひとの をつといふみずぞ なにおふたきのせ」
原文は「従古 人之言来流 老人之 變若云水曽 名尓負瀧之瀬」
歌の意味は「昔から言い伝えられてきた、老人が若返ると言われている水ですよ、この滝は。」となるそうです。
天平十二年十月、聖武天皇が東国に行幸されたおり、多芸(たぎ)の行宮(かりみや)で、大伴東人が詠んだ歌だそうです。
「変若ち(おち)」(“復ち”とも書く)は、「元に返ること」の意味の他に「若返る。復活する。」の意味もあります。
「変若ち水(おちみず)」(“復ち水”とも書く)は「飲むと若返るという水。」をいいます。
「月は欠けて、また満ちるとろこから、月の神が持っているとされたそうです。」
近藤勇さん、土方歳三さん、斉藤一さん、市村鉄之助さん、について簡単に補足します。
土方歳三さんは、戊辰戦争の中の宇都宮の戦いの最中に、足を負傷します。
そのため、慶応四年(1868年)四月下旬に、会津に来たそうです。
現在の暦で五月頃になります。
会津で数ヶ月ほど療養したそうです。
療養中に、医者などの勧めがあり、現在の会津若松市に在る東山温泉で湯治をしたと伝わっています。
土方歳三さんが湯治をした頃の東山温泉には、会津藩指定の共同湯が在りました。
土方歳三さんが湯治に通った温泉は、幾つかの逸話はありますが特定は出来ないそうです。
東山温泉には、川が滝のように流れる場所や滝になっている場所が在ります。
慶応四年(1868年)八月頃に、戦線に復帰したそうです。
この物語は、最初の場面は会津の温泉ですが、他の場面は函館とその他の場所です。
斉藤一さんは、幾つもの名前を名乗って過ごしていました。
その関係から、今回の物語では、斉藤一さんの名前が一部の場面に登場しますが、他の場面では特定の名前で登場していません。
斉藤一さんは、函館に向かわず会津に残りました。
沖田総司さんは、慶応四年五月三十日(1868年7月19日)に病のために亡くなります。
土方歳三さんは、明治二年五月十一日(1869年6月20日)に戦いの中で亡くなります。
市村鉄之助さんは、明治二年(1869年)五月頃に、土方歳三さんの命令で、函館を脱出し多摩へと向かいます。
市村鉄之助さんが土方歳三さんと別行動を取った日によっては、この物語のように話す時間が無い可能性があります。
市村鉄之助さんが土方歳三さんと別行動を取ってから、新政府軍との戦いが始まるまでに、少しだけ余裕があった設定で物語を書きました。
物語の時間設定時は、土方歳三さん、市村鉄之助さん、斉藤一さんは、存命中ですが、近藤勇さん、沖田総司さんは、既に亡くなっています。
物語の設定当時は、市村鉄之助さんは函館から多摩へと向かう最中のため、土方歳三さんと行動を別にしています。
市村鉄之助さんは、新撰組が京の町で活動中の時の隊士募集で入隊しました。
しかし、市村鉄之助さんは、隊士募集希望年齢以下だったそうです。
本来ならば、年齢制限で新撰組に入隊できませんが、土方歳三さんが特別に入隊を認めたそうです。
市村鉄之助さんは、土方歳三さん付きの小姓に就きます。
土方歳三さんは市村鉄之助さんを「頗る勝気、性亦怜悧」と表現したそうです。
土方歳三さんが市村鉄之助さんに函館から多摩に行けと命令した理由は、話したり記したりせずに亡くなったらしいので、分からないそうです。
楽しんで頂けると嬉しいです。
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