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市川市万葉植物園 2006年9月 NO.1 続き (2/2)


続きです。




「庭(にわ)」
植物園の入り口付近に在る。















「野村紅葉(のむらもみじ)」
カエデ科。
万葉名は、「かへるで」となるそう。
万葉の時代から“観賞用”に利用されていたそう。
「万葉集」には、「蛙手」「かえるで」として数首ほど詠まれている。
「我が宿に もみつ蛙手 見ることに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日はなし」
(万葉集 第八巻 一六二三番 作者:田村大嬢)








「女郎花(おみなえし)」
オミナエシ科。
万葉名は、「をみなへし」
別名は、「粟花(あわばな)」
万葉の時代から、“観賞用”として利用されていたそう。
後は、“薬”としても利用されていたそう。
「女郎花」の字は、平安時代から使われるようになったそう。
「秋の七草」の一つ。
万葉集にも「をみなへし」として、14首で詠まれている。
「をみなへし 咲きたる野辺を 行き廻り 君を思ひ出 た廻り来ぬ」
(万葉集 第十七巻 3944番 作者:大伴宿袮池主)





「男郎花(おとこえし)」
オミナエシ科。















「里芋(さといも)」
サトイモ科。
万葉名は、「芋(うも)」
万葉の時代から“食用”として利用しているそう。
根の部分が食用となる。
万葉集には「芋(うも)」として詠まれている。
「蓮葉は かくこそあるもの 意吉麻呂が 家なるものは 芋の葉にあらし」
(万葉集 第十六巻 三八二六番 作者:長忌寸意吉麻呂)








「沢鵯(さわひよどり)」
キク科。
万葉名の「澤蘭(さはあららぎ)」ではないかといわれる花の中の一つ。
万葉の時代には、“薬”として利用されていたそう。
万葉集には「さはあららぎ」として一首のみで詠まれている。
今回の掲載した歌の題詞の中に「澤蘭(さはあららぎ)」が登場するそう。
題詞の一部を掲載する。
「天皇太后 共に大納言 藤原家に幸しし日 黄葉せる 澤蘭一株を・・・」と続くそう。
歌は「この里は 継ぎて霜や置く 夏の夜に 我が見し草は もみちたりけり」
(万葉集 第十九巻 四二六八番 孝謙天皇)




「白花曼珠沙華(しろばなまんじゅしゃげ)」
ヒガンバナ科。
「白い彼岸花(しろいひがんばな)」の呼び方をする時もある。
「鐘馗水仙(しょうきずいせん)」と「シナヒガンバナ」の交雑種。











「白花曼珠沙華(しろばなまんじゅしゃげ)」




















「薄(すすき)」
イネ科。
万葉名は、「おばな」、「をばな」、「すすき」、「かや」、「み草」など。
秋の七草の一つ。
「み吉野の 秋津の小野に 刈る草の 思ひ乱れて 寝る夜しぞ多き」
(万葉集 第十二巻 三〇六五番 作者:不明)
当日は曇り空だったため、少し暗くなるように撮影。














「薄(すすき)」
同じく曇り空だが、薄が明るめに見えるように撮影。














「篠竹(すずたけ)」
イネ科。
万葉名は、「すず」、「みすず」などと呼んでいたそう。
万葉集に「み薦」が登場する歌がある。
「み薦」が「篠竹」ではないかと思われている。
「み薦刈る 信濃の真弓 我が引かば 貴人さびて いなと言はむかも」
(万葉集 第二巻 九六番 作者:久米禅師)














「露草(つゆくさ)」
ツユクサ科。
別名は、「月草(つきくさ)」、「帽子花(ぼうしばな)」など、いろいろある。
万葉名は、「つきくさ」
万葉の時代には、“染料”に利用していたそう。
万葉集には、「つきくさ」として9首で詠まれているそう。
「月草に 衣色どり 摺らめども うつろふ色と 言ふが悲しさ」
(万葉集 第七巻 一三三九番 作者:不明)






「綿(わた)」
アオイ科。
万葉名は、「ゆふ」となるそう。
万葉の時代から“衣装を作る時の原料”として利用していた。
万葉集には、「わた」、「綿」などとして詠み込まれている。
「山高み 白木綿花に おちたぎつ 瀧の河内は 見れど飽かぬかも」
(万葉集 第六巻 九〇九番 作者:笠金村)









「藪蘭(やぶらん)」
ユリ科。
万葉名は、「山菅(やますげ)」
ただし、「山菅」がどの花をさしているのか、はっきりとしていないそう。
「藪蘭」が「山菅」ではないかといわれる中の一つとなっている。
万葉集には、「山菅」、「菅」、として詠まれている。
「ぬばまたの 黒髪山の 山菅に 小雨降りしき しくしく思ほゆ」
(万葉集 第十一巻 二四五六番 作者:柿本人麻呂歌集より)



終わりです。
ありがとうございます。





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