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新撰組異聞 〜 桔梗物語 〜
〜 改訂版 〜
〜 後編 〜
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
境内。
沖田総司は慌てて来た。
斉藤一は普通に来た。
住職が普通に来た。
住職は沖田総司と斉藤一に普通に話し出す。
「今は医師の治療中です。少しお待ちください。」
沖田総司は斉藤一を僅かに落ち着かない様子で見た。
斉藤一は住職に普通の表情で軽く礼をした。
住職は普通に居なくなった。
少し後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
縁。
沖田総司は落ち着かない様子で居る。
斉藤一は普通に居る。
医者は普通に来た。
沖田総司は医者に心配して話し出す。
「先生。美鈴さんの怪我は酷いのですか? 美鈴さんの容態を教えてください。」
医者は沖田総司と斉藤一に普通に話し出す。
「子供の体重が軽く、木が低い、などの幾つかの良い条件が重なった関係で、大怪我にならなかった。怪我が治るまでに幾日かの静養が必要だ。」
沖田総司は医者に心配して話し出す。
「美鈴さんの傍に居ても大丈夫ですか?」
医者は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は心配して、部屋の中に静かに入った。
斉藤一は普通の表情で、部屋の中に静かに入った。
暫く後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
一室。
沖田総司は少女を心配して見ている。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見ている。
少女は床の中で辛い様子で眠っている。
少女は床の中でゆっくりと目を開けた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。体は痛い?」
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで小さい声で話し出す。
「私は大丈夫です。総司さんの元気な姿が見られました。安心しました。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで小さい声で話し出す。
「今はお仕事が忙しいですよね。私の所に来ても大丈夫ですか?」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「今日から任務の内容に余裕が出来たんだ。今日からは鈴ちゃんと逢えるよ。鈴ちゃん。心配を掛けてごめんね。」
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで小さい声で話し出す。
「総司さん。無理をしないでくださいね。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「無理はしていないよ。鈴ちゃん。たくさん逢おうね。たくさん出掛けようね。」
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「次の約束だけど、鈴ちゃんは怪我をしているから、私が鈴ちゃん家に行くよ。鈴ちゃんの怪我が治ったら、斉藤さんと一緒に出掛けよう。」
斉藤一は沖田総司と少女に普通の表情で頷いた。
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで話し出す。
「早く怪我を治すために、無理をせずに過ごします。総司さんと斉藤さんとたくさんお出掛け出来る日が楽しみです。」
沖田総司は少女に微笑んで頷いた。
斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「私が鈴ちゃんの傍に居るから、少し休んで。私が鈴ちゃんを家まで送るよ。」
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女の手を微笑んで握った。
少女は床の中で、沖田総司の手を握ると、安心した表情で目を閉じた。
沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見た。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。
暫く後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
一室。
少女は床の中で、沖田総司の手を握り、静かに眠っている。
沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見ている。
斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見ている。
沖田総司は少女の手を握り、斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。私は鈴ちゃんが目を覚ましたら、家に送ります。暫く屯所に戻れません。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は少女の手を握り、斉藤一に微笑んで話し出す。
「今日もありがとうございました。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺は何もしていない。」
沖田総司は少女の手を握り、斉藤一に微笑んで話し出す。
「今回もたくさん助けてもらいました。本当にありがとうございます。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は少女の手を握り、斉藤一を微笑んで見た。
斉藤一は部屋を静かに出て行った。
暫く後の事。
ここは、落ち着いた雰囲気の寺。
一室。
沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見ている。
少女は床の中で静かに眠っている。
少女は床の中でゆっくりと目を開けた。
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。辛い?」
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで首を横に振った。
沖田総司は少女の手を握り、少女に微笑んで話し出す。
「家に送るよ。辛い時は我慢せずに、直ぐに教えてね。」
少女は床の中で、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女の手を握り、少女を微笑んで見た。
翌日の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
沖田総司は考え事をしている。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は斉藤一に考え込んで話し出す。
「鈴ちゃんは怪我のために、稽古事が出来なくて、出掛けられなくて、寂しいと思います。鈴ちゃんの気晴らしになる物を用意したいです。斉藤さん。良い物を知りませんか?」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司が用意した物ならば、美鈴さんは喜ぶ。」
沖田総司は斉藤一を考え込んで見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
少し後の事。
ここは、屯所の傍。
沖田総司は普通に出た。
少し離れた場所から、子供達が沖田総司を心配して見ている。
沖田総司は子供達に向かって微笑んで歩き出した。
直後の事。
ここは、屯所から僅かに離れた場所。
子供達は沖田総司を心配して見ている。
沖田総司は微笑んで来た。
子供達は沖田総司を心配して見た。
沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。
「私に話があるのかな?」
子供達は沖田総司に心配して話し出す。
「お姉ちゃんは大丈夫ですか?」
沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。
「医者が大怪我ではないと診立てたんだ。近い内に元気になると思うよ。安心して。」
子供達は沖田総司に安心した表情で話し出す。
「総司お兄ちゃん。お姉ちゃんに逢いに行く予定はありますか?」
沖田総司は子供達に微笑んで話し出す。
「今からお見舞いに行くんだ。」
子供達が沖田総司に桔梗の花束を差し出すと、沖田総司に微笑んで話し出す。
「お姉ちゃんへのお見舞いの品です。お姉ちゃんに迷惑を掛けてごめんなさいと伝えてください。お願いします。」
沖田総司は子供達から桔梗の花束を受け取ると、子供達に微笑んで話し出す。
「ありがとう。お姉ちゃんに渡すね。お姉ちゃんも喜ぶよ。」
子供達は沖田総司を微笑んで見た。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、子供達を微笑んで見た。
子供達は走って居なくなった。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、微笑んで歩き出した。
暫く後の事。
ここは、少女の家。
少女の部屋。
少女は床の中で静かに横になっている。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、部屋の中に微笑んで入った。
少女は床の上に体を起こすと、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。こんにちは。」
沖田総司は桔梗の花束を脇に置くと、少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃん。怪我をしたところは痛いよね? 体を起こして大丈夫なの?」
少女は床の上に体を起こして、沖田総司に微笑んで話し出す。
「少し痛いですが、体を起こしても痛さはほとんど変わりません。大丈夫です。」
沖田総司は桔梗の花束を取ると、少女に微笑んで話し出す。
「子供達が私に逢いに来たんだ。鈴ちゃんを心配していた。鈴ちゃんに謝っていた。鈴ちゃんに桔梗の花束をお見舞いで用意したんだ。」
少女は床の上に体を起こして、桔梗の花束を見て、沖田総司に微笑んで話し出す。
「可愛い桔梗の花束ですね。怪我が治ったら、子供達にお礼を言います。」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女を微笑んで見た。
少女は体を起こして、沖田総司と桔梗の花束を微笑んで見た。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に微笑んで話し出す。
「私が来た理由を話すのを忘れていた。今日は鈴ちゃんのお見舞いに来たんだ。長い時間は居られないけれど、たくさん話そうね。」
少女は床の上に体を起こして、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、少女の家。
少女の部屋。
机の上には、桔梗の花を挿した花瓶が置いてある。
沖田総司は微笑んで居る。
少女は床の上に体を微笑んで起こしている。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。戻る時間になったんだ。今日は短い時間しか居られなくてごめんね。約束の日に必ず来るよ。無理をしないで過ごしてね。」
少女は床の上に体を起こして、沖田総司に寂しく頷いた。
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。約束の日が楽しみだね。元気を出して。」
少女は床の上に体を起こして、沖田総司に微笑んで頷いた。
沖田総司は少女を微笑んで見た。
幾日か後の事。
沖田総司と少女が逢う約束の日。
ここは、少女の家。
玄関。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、微笑んで訪れた。
少女は微笑んで現れた。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女を心配して見た。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。こんにちは。」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に微笑んで話し出す。
「こんにちは。約束通りに遊びに来たよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さんと約束した日が待ち遠しかったです。」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に微笑んで頷いた。
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「私のお部屋の前のお庭を見て、お話しをしても良いですか?」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に微笑んで頷いた。
少女は沖田総司を微笑んで見た。
僅かに後の事。
ここは、少女の家。
少女の部屋の前に在る縁。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、微笑んで来た。
少女は微笑んで来た。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、微笑んで話し出す。
「鈴ちゃん。普段と同じ格好をしているね。辛くないの?」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「寝ていると何も出来ないので、つまらなくなりました。少し動きたくなったので着替えました。」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に心配して話し出す。
「つまらないと感じるのは、元気になってきている証拠だよね。鈴ちゃんは女の子だから、無理をしては駄目だよ。」
少女は沖田総司に微笑んで話し出す。
「怪我をしているところは、着物でほとんど見えません。総司さんとお出掛け出来なくて申し訳ないし、寝ていると総司さんに悪いので・・・」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女の話を遮ると、少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃん。怪我が治ってきたから詰まらなくなって、起きて過ごすのは分かるよ。私は無理をしないように言ったのに、私のために無理をしている。私は鈴ちゃんが無理する姿を見たくない。私のために無理をしないでくれ。」
少女は沖田総司に申し訳なく話し出す。
「今日は総司さんと逢える大切な日です。総司さんと楽しくお話しするために、出来るだけ普段と同じ姿で過ごしたいと思いました。」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に心配して話し出す。
「鈴ちゃん。言い過ぎた。ごめんね。」
少女は沖田総司に申し訳なく話し出す。
「すいません。」
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女を心配して見た。
少女は沖田総司を申し訳なく見た。
沖田総司は桔梗の花束を持ち、少女に微笑んで話し出す。
「鈴ちゃんへの贈り物に白い桔梗の花を用意したのに、鈴ちゃんに渡していなかった。」
少女は沖田総司と桔梗の花を不思議な様子で見た。
沖田総司は少女に桔梗の花束を微笑んで差し出した。
少女は桔梗の花束を受け取ると、沖田総司に微笑んで話し出す。
「ありがとうございます。」
沖田総司は少女に微笑んで話し出す。
「白い桔梗があると教えてもらったんだ。白い桔梗は珍しいと思ったんだ。鈴ちゃんの気晴らしになると思って、白い桔梗の花束を用意したんだ。」
少女は桔梗の花束を持ち、沖田総司を不思議な様子で見た。
沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。
「鈴ちゃん。白い桔梗は普通なの?」
少女は桔梗の花束を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。
「白い桔梗の花は、近くでは余り見掛けなと思います。」
沖田総司は少女に不安な様子で話し出す。
「鈴ちゃん。今後のために、本当の話を教えてくれるかな?」
少女は桔梗の花束を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。
「近くでは、白い桔梗は余り見掛けません。白い桔梗の花束の贈り物は嬉しいです。」
沖田総司は少女に安心して話し出す。
「珍しいんだ。良かった。」
少女は桔梗の花束を持ち、沖田総司に微笑んで話し出す。
「総司さん。ありがとうございます。」
沖田総司は少女を微笑んで見た。
少女は桔梗の花束を持ち、沖田総司を微笑んで見た。
暫く後の事。
ここは、屯所。
斉藤一の部屋。
斉藤一は普通に居る。
沖田総司は微笑んで訪ねてきた。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。
「斉藤さん。ただいま。今日は斉藤さんとも出掛ける日です。私は部屋に戻って出掛ける準備をします。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「総司。今まで美鈴さんと逢っていたのだろ。戻って直ぐに、俺の部屋に来ただろ。今日は無理をするな。俺と出掛けるのは別な日にしよう。」
沖田総司は斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「はい。」
斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。
沖田総司は斉藤一に考え込んで話し出す。
「鈴ちゃんが、私と一緒に楽しみたいから普段どおりに居たい、私に心配を掛けたくなかった、と話しました。鈴ちゃんは怪我が完治していないのに、なぜ私のために無理をするのでしょうか?」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
沖田総司は斉藤一に辛く話し出す。
「私は鈴ちゃんに体調について話せない日が続いています。鈴ちゃんの怪我が治ったら、私の体調について話そうと思いました。鈴ちゃんの笑顔を見ると、私の体調について話せない、私の体調について話したくない、私の体調について話すのが怖い、と思いました。」
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。
沖田総司は斉藤一に辛く話し出す。
「鈴ちゃんが物凄く大切な友達だから、話せないのでしょうか?」
斉藤一は普通の表情で、沖田総司の額を指で思い切り弾いた。
沖田総司は痛い表情で額を押さえると、斉藤一に大きな声で話し出す。
「斉藤さん! 痛いです! 何をするのですか?!」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「物凄く鈍い総司でも、痛いのか。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「美鈴さんのためにも早く気付け。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一に不思議な様子で話し出す。
「斉藤さん。話す意味が分かりません。」
斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。
「俺の話す意味が分かった時は、総司も一人前だ。」
沖田総司は額を押さえて、斉藤一を不思議な様子で見た。
斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。
幾つもの出来事が重なったために、沖田総司は更に悩む状況になっている。
斉藤一の話す意味が分かる日は、いつになるのか。
斉藤一の苦労と少女の苦労は、暫く続く予感がする。
〜 完 〜
はじめに
前編
後書き
目次
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