〜　新撰組異聞　神楽月　紅葉散る　〜


京の町では寒さを感じる日が増えてきた。

紅色に色付いた紅葉は、京の町を鮮やかに染め続けている。



日々が過ぎて、季節が秋から冬へと移っていく。

紅葉が紅色に染める場所が、木から地面へと変わっていく。

紅葉の季節が終わりに近づいているのかも知れない。



そんなある日の事。



沖田総司と斉藤一と少女は、いつも訪れる寺の境内に居る。

寺の境内の紅葉は、綺麗な紅色に木を染めている。

少女は沖田総司を見ると、微笑んで話し出す。

「紅葉が綺麗ですね。」

沖田総司は少女を見ると、微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に微笑んで話し掛けようとした。

沖田総司のお腹から不思議な音が聞こえた。

少女は沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「鈴ちゃん。何か聞こえた？」

少女は斉藤一を困った様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺が何か買ってくる。総司と美鈴さんと二人で待っていろ。」

沖田総司は斉藤一に慌てた様子で話し出す。

「斉藤さん。わざわざ買いに行かなくても良いですよ。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「屯所に戻っても、直ぐに食べられないかも知れないだろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんが買い物に行くなら、私と鈴ちゃんも一緒に行きます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「菓子を買ったら直ぐに戻ってくる。総司は菓子を直ぐに食べるだろ。美鈴さんも総司の都合に合わせて動き回ると疲れるだろ。総司と美鈴さんは、寺に残って話をしながら待っていろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「わかりました。鈴ちゃんと二人で待つ事にします。よろしくお願いします。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「よろしくお願いします。」

斉藤一は沖田総司と少女に、普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は少女を見ると、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。外は少し寒いから、寺の中で待っていようね。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は、境内から寺の中へと入っていった。

斉藤一は山門を潜って境内から外へと出て行った。



それから少し後の事。



斉藤一は包みを持って寺に戻ってきた。

直ぐに沖田総司と少女の待つ、寺の中へと入っていった。



沖田総司は斉藤一を見ると、笑顔で話し出す。

「斉藤さん！　お帰りなさい！」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「お帰りなさい。」

斉藤一は沖田総司と少女に、普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「何を買ってきたのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って包みを差し出した。

沖田総司は斉藤一から包みを受け取ると、嬉しそうに広げ始めた。

少女は沖田総司の様子を微笑んで見ている。



斉藤一が買ってきた包みの中身は、お団子だった。

沖田総司は斉藤一を見ると、笑顔で話し出す。

「ありがとうございます！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は少女に包みを差し出すと、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。先に食べて。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんから先に食べてください。」

沖田総司は少女に包みを差し出しながら、微笑んで話し出す。

「たまには鈴ちゃんから先に食べて。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「では、お先にいただきます。」

沖田総司は少女に包みを差し出しながら、微笑んで頷いた。

少女は包みからお団子を手に取ると、沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「いただきます。」

沖田総司は包みを前に置くと、少女を笑顔で見た。

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女はお団子を美味しそうに食べている。

沖田総司は包みからお団子を手に取ると、斉藤一に笑顔で話し出す。

「いただきます！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は美味しそうにお団子を食べ始めた。



それから少し後の事。



斉藤一は一人で屯所に戻ってきた。

土方歳三は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「斉藤。総司はいつもの通りに、友達を送ってから屯所に戻ってくるのか？」

斉藤一は土方歳三を見ると、普通の表情で黙って頷いた。

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。話しがある。部屋に一緒に来てくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三と斉藤一は、土方歳三の部屋へ向かって歩き出した。



その日の夜の事。

月は綺麗な光で辺りを照らしている。



一人の新撰組隊士が酒を飲み終わったのか、僅かに顔を赤くしながら京の町を歩いている。

僅かに寒さを感じるが、気にする様子も無く、気持ち良さそうに歩いている。

少し先に有る紅葉の木の下に、人影が見えたような気がした。

念のために人影から離れるように、脇によって歩き始めた。



新撰組隊士が紅葉の木に近づいた。

月の光が紅葉の木の下に居る人影の姿を照らした。

人影の主は、新撰組隊士にとっては見慣れた人物だった。

新撰組隊士は、紅葉の木の下の人物を見て、安心した表情になった。

紅葉の木の下の人物は、新撰組の隊士を黙って見ている。

新撰組隊士は、紅葉の木の下の人物に近づくと、普通に話し掛けようとした。

紅葉の木の下の人物は、普通の表情のまま、素早い動きで刀を抜いた。

月の光が、紅葉の木の下の人物の抜いた刀に、怪しい光を与えた。

新撰組隊士は、紅葉の木の下の人物と刀を見ながら、驚きの表情と恐怖の表情を同時に浮かべた。

紅葉の木の下の人物は、普通の表情のまま、新撰組隊士に向かって、素早い動きで刀を振り下ろした。

新撰組隊士は恐怖の表情を残しながら崩れ落ちた。

紅葉の木の下の人物は、崩れ落ちた新撰組隊士を普通の表情で見た。

新撰組隊士の息は、既に無い。

亡骸となった新撰組隊士の元に、紅葉の葉が一枚だけ舞い落ちてきた。

紅葉の木の下の人物は、亡骸となった新撰組隊士と紅葉の葉を、普通の表情で見た。

紅葉は、亡骸となっている新撰組隊士の上に、静かに載っている。

微かに風が吹いた。

紅葉は亡骸となった新撰組隊士の体から、傍に在った川の水面へと舞い落ちた。



川の水面は、月の光で微かに輝いている。

紅葉は川の流れに乗って、水面の上を舞ながら流れていく。

紅葉の木の下の人物は、亡骸となった新撰組隊士を普通の表情で一瞥すると、その場から静かに去っていった。



その翌朝の事。



新撰組の幹部が道端で斬られたという事で、屯所に運び込まれた。

いろいろと良くない噂のある新撰組の幹部だった。



新撰組隊士達は、小さい声で囁きあった。

「昨夜は飲みに行くと言って出掛けたよな。」

「屯所に戻る途中に斬られたという事か？」

「一太刀という話だぞ。」

「でも酔っている相手だろ。」

「酔っているとは限らないだろ。」

「どちらにしても、暗がりで一太刀だろ？」

「昨夜に屯所に居なくて、一太刀で斬る事の出来る隊士って誰だ？」

「これ以上話をしたら、俺達の身にも危険が及ばないか？」

「とにかく屯所内での話しは止めよう。」

「身の安全のためには、屯所の中でも外でも止めた方が良くないか？」

「確かに。」

「とにかく、今回の件について話しをするのは止めよう。」

「そうしよう。」



亡くなった新撰組幹部の話題を口にする者は、直ぐに居なくなった。

日々の任務が忙しいために話をする時間がないのか、自分達の身に危険が及ばないように話しを避けているのか、全ての理由からなのか。

はっきりとした答えは、誰にもわからない。



斉藤一は普通の表情で屯所の中を歩いている。

後ろから沖田総司の明るい声が聞こえてきた。

「斉藤さん〜！」

斉藤一は立ち止まると、普通の表情で振り向いた。



沖田総司が斉藤一に向かって笑顔で近づいてくる。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で黙って見ている。

沖田総司は斉藤一の前に来ると、笑顔で話し出す。

「斉藤さん！　話しをしても良いですか？！」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一の腰に差してある刀を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤さん。いつもと刀が違いますね。磨ぎに出しているのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「明日の事になりますが、鈴ちゃんと逢います。斉藤さんも都合が付けば一緒に出掛けますよね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。約束しましたよ。忘れないでくださいね。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私はこれから任務の準備を始めます。では、また後で話をしましょう。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一の返事を微笑んで確認すると、自分の部屋へと戻っていった。

斉藤一は沖田総司の様子を、普通の表情で確認すると、自分の部屋へと戻っていった。



それから暫く後の事。

京の町に広がる空の色が、青色から橙色へと変わろうとしている。



沖田総司は空色の羽織を着ながら、自分が率いる一番組の隊士達と共に、京の町の警護をしている。

子供達や少女と逢っている時とは違い、真剣な表情をしながら任務をしている。



沖田総司と一番組の隊士達は、辺りを注意深く確認しながら歩いているが、普段と変わった様子はない。

少し先に紅色をした紅葉の木が見えた。

沖田総司は真剣な表情のまま、紅色をした紅葉を見ている。

京の町の気配が急に変わった。

沖田総司は厳しい表情で、辺りを見回し始めた。

一番組の隊士達も、沖田総司の様子を見ると、注意深く辺りを確認し始めた。



何人かの不逞浪士達が、小道を走って逃げている。

沖田総司と一番組の隊士達は、不逞浪士達を追い掛けて小道を走っている。

不逞浪士達は、沖田総司や一番組の隊士達に追いつかれると、斬り合いを始める。

不逞浪士達は、沖田総司や一番組の隊士達に斬られて、次々に倒れていく。



沖田総司は最後に残った不逞浪士を追い詰めた。

不逞浪士の目の前には、冷たい表情をした沖田総司が居る。

背後には、厳しい表情の一番組の隊士が居る。

不逞浪士は、沖田総司と一番組の隊士に、挟まれてしまった。



沖田総司と斬り合いをしても、生き残れる可能性は無いに等しい。

後ろに居る隊士と斬り合いをすれば、沖田総司に背中を見せる事になる。

沖田総司に背中を見せては、生き残れる可能性は無いに等しい。

不逞浪士は前にも後ろにも動くごとが出来ない。

沖田総司は、普段の生活では見る事のない冷たい表情で、不逞浪士を見ている。

不逞浪士は厳しい表情で、沖田総司と一番組隊士の様子を見ている。

沖田総司は冷たい表情のまま、不逞浪士に向かって素早い動きで刀を抜いた。

沖田総司の刀が夕日に当たり、眩しいくらいに輝いた。



沖田総司の剣の腕は、人並み外れた能力がある。

剣を持った時の判断力や勘の鋭さも、人並み外れた能力がある。

剣に関する才能は、天才としか表現のしようがない。



沖田総司は天才的な能力と圧倒的な力の差で、数々の斬り合いを潜り抜けてきた。

不逞浪士が命がけだとしても、沖田総司も命がけ。

一番組の隊士達は、剣の腕には自信のある者ばかり。

不逞浪士と同じく、一番組の隊士達も命がけ。



斬り合いの結果は直ぐに判明した。

不逞浪士は、沖田総司の冷たい表情と威圧感から、動けなくなってしまった。

沖田総司は冷たい表情のまま、刀を抜いたと同時に不逞浪士に三段突きをした。

不逞浪士は恐怖と驚きの表情を浮かべて崩れ落ちた。

沖田総司は不逞浪士を冷たい表情で見ている。

一番組隊士が不逞浪士の息のない事を念のために確認した。

微かに風が吹いた。

紅葉が一枚だけ舞い落ちてきた。

沖田総司は紅葉の舞い落ちる様子を冷たい表情で見た。

紅葉は亡骸となった不逞浪士の上に舞い落ちた。

夕日が紅葉と不逞浪士を橙色に染め上げた。

沖田総司は冷たい表情で紅葉と不逞浪士の亡骸を見ている。

再び微かな風が吹いた。

紅葉が不逞浪士の体の上から地面へと舞い落ちた。

沖田総司は地面に舞い落ちた紅葉を冷たい表情で見た。

地面に落ちた紅葉に夕日が差した。

沖田総司は冷たい表情のまま、紅葉から一番組隊士へと視線を移した。

一番組隊士は沖田総司を真剣な表情で見ている。

沖田総司は冷たい表情のまま、急いでその場を後にした。

一番組隊士は沖田総司の後に続いて、急いでその場を後にした。



その翌日の事。



斉藤一は部屋の中に一人で居る。

部屋の外から沖田総司の明るい声が聞こえてきた。

「斉藤さん〜！」

斉藤一は立ち上がると、普通の表情で障子を開けた。



沖田総司は斉藤一の部屋に元気良く入ってきた。

斉藤一は普通の表情で障子を閉めた。



沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんと一緒に会う約束は大丈夫ですよね？」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「実は、鈴ちゃんと会う前に、少しだけ出掛ける予定があります。もしかしたら、約束の時間に間に合わないかもしれません。私の代わりに鈴ちゃんを迎えにいってくれませんか？」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一に安心した表情で話し出す。

「ありがとうございます。待ち合わせの場所は、いつもの寺でお願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「では、これから直ぐに出掛けます。鈴ちゃんの事をよろしくお願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で黙って頷いた。

沖田総司は斉藤一の返事を確認すると、急いで出掛けて行った。



沖田総司が出掛けてから少し後の事。

斉藤一は少女の家へと出掛けて行った。



斉藤一は少女の家に到着した。

少女は斉藤一を見ると、不安そうな表情になった。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「総司は少し寄る所がある。予定の時間に間に合わないと困るから、俺が代わりに来た。」

少女は斉藤一を安心した表情で見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「出掛けるぞ。」

少女は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一と少女は、いつも訪れる寺へと出掛けて行った。



斉藤一と少女は、京の町を歩いている。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「時間に余裕があれば、お菓子を買いに行きたいです。」

斉藤一は少女に普通に表情で黙って頷いた。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんはどのようなお菓子が食べたいですか？」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「俺の事は気にするな。総司と美鈴さんが食べたい菓子を選べ。」

少女は斉藤一に微笑んで頷いた。



斉藤一と少女は、一軒の和菓子屋を訪れた。

少女は微笑んで和菓子を選んでいる。

斉藤一は少女を普通の表情で見ている。



少女は店の人から微笑んで包みを受け取った。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「代わりに持つ。」

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。」

斉藤一は少女から包みを受け取った。

斉藤一と少女は、店を出て行った。



斉藤一と少女は、沖田総司と約束をしている寺へと向かって歩いている。

少女は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司さんに喜んで頂けるでしょうか？」

斉藤一は包みを持ちながら、少女に普通に話し出す。

「美鈴さんが選んだ菓子だ。総司は喜んで食べるはずだ。」

少女は斉藤一を嬉しそうに見た。

斉藤一は包みを持ちながら、少女を普通の表情で見た。



どこかから話し声が聞こえてきた。

「新撰組の斉藤を知っているか？」

「新撰組の三番組の組長の斉藤の事か？」

「三番組の斉藤って強いんだろ。どれくらい強いのかな？」

「物凄く強いらしいぞ。斬り合いを二度経験した奴は、いないという噂だぞ。」

「普通の顔をして相手を斬るらしいぞ。」

「怖いな。」

「新撰組の斉藤と話しが出来る奴はいるのかな？」

「壬生狼同士なら話をするだろ。」

「壬生狼同士でも怖くて話が出来ないかもしれないぞ。」

「京の町に斉藤と話をする物好きな奴は居るのかな？」

「居ないだろ。仮にいたとしても、斉藤を怒らせて斬られているんじゃないか？」

「おい。調子に乗りすぎだぞ。もし壬生狼に話しを聞かれたら、謀反を企てていると言われて殺されるぞ。」

「ここから早く去ろう。」

「そうしよう。」



少女は立ち止まると、斉藤一を心配そうに見た。

斉藤一は包みを持ちながら立ち止まると、少女に普通に話し出す。

「気にするな。」

少女は斉藤一を心配そうに見ている。

斉藤一は包みを持ちながら、少女に普通に話し出す。

「総司が待っているかもしれない。早く行くぞ。」

少女は斉藤一に心配そうに頷いた。

斉藤一と少女は、待ち合わせの寺へと向かって歩き出した。



斉藤一と少女は、山門を潜ると境内へと入っていった。



ここは寺の中。

少女は斉藤一を心配そうに見ている。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さん。気にするな。」

少女は斉藤一に心配そうに話し出す。

「ごめんなさい。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「美鈴さんが謝る必要は無いだろ。」

少女は斉藤一に心配そうに話し出す。

「斉藤さんは総司さんにとって大切の方です。私にとっても大切な方です。大切な方が悪く言われているのに、何も出来ません。何か言ったら、総司さんや斉藤さんや私の家族に迷惑が掛かります。」

斉藤一は少女を普通の表情で黙って見た。

少女は斉藤一に心配そうに話し出す。

「すいません。私が斉藤さんを大切な方と言うは迷惑ですよね。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「迷惑ではない。」

少女は斉藤一を少しだけ安心した表情で見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「俺の事は心配しなくていい。総司の事を一番に考えろ。」

少女は斉藤一を心配そうに見た。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「暗い顔をしていると、総司が心配するぞ。」

少女は斉藤一を心配そうに見ている。

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「俺の事は心配するな。早く笑顔になれ。」

少女は斉藤一に心配そうに話し出す。

「すいません。」

斉藤一は少女に普通に話し出す。

「もし総司と一緒に居る時に、同じ様な事が遭ったら、一緒に落ち込まずに励ましてやれ。」

少女は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は少女に普通の表情で黙って頷いた。



沖田総司は走って山門を潜ると、境内へと入っていった。

境内を簡単に見回したが、斉藤一と少女の姿はない。

急いで寺の中へと入っていった。



入り口から沖田総司が元気良く入ってきた。

少女は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は少女の前に来ると、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　遅れてごめんね！」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんの元気なお姿が見られて安心しました。」

沖田総司は少女に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃん。何かあったの？」

少女は斉藤一を困った様子で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんが総司のために菓子を選んだ。早く食べろ。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　ありがとう！」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　菓子はどこにあるのかな？！」

斉藤一は沖田総司に包みを見せた。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。先に選んでください。」

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん！　ありがとう！」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は包みの中を笑顔で覗いた。

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女を見ると、笑顔で話し出す。

「全部の菓子が美味しそうだから、選ぶのに迷うってしまうな！」

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は包みからお菓子を手に取ると、嬉しそうに話し出す。

「いただきます！」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司はお菓子を美味しそうに食べ始めた。



その日の夜の事。



沖田総司は斉藤一の部屋を訪れた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんに何か遭ったのですか？」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「何も無い。」

沖田総司は斉藤一を少しだけ安心した表情で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「京の町で私達の良くない噂を何度も聞きました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺達は何をやっても噂になる。噂は放って置くしかないだろ。」

沖田総司は斉藤一に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんは武士や斬り合いとは縁の無い子です。噂を聞いて悲しい思いをしないか心配です。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。余り気にするな。」

沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。

「鈴ちゃんが噂を聞いて、私の事を怖がったりしていないかと、不安になる時があります。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「美鈴さんは噂を聞いて態度を変える子ではないだろ。総司もわかっている事だろ。不安になりすぎると、美鈴さんが心配するぞ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「私にとって、斉藤さんと鈴ちゃんは、とても大切な友達です。みんなでずっと楽しく過ごせたら良いなと思っています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺は総司を友達だと思っていない。」

沖田総司は斉藤一に不安そうに話し出す。

「私は斉藤さんを怒らせる事を、何かしたのでしょうか？」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「何もしていない。安心しろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「安心しました。絶交だと言われたら、どうしようかと思ってしまいました。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「友達ではないから、絶交する事はない。」

沖田総司は斉藤一を不安そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。心配しすぎだ。少し落ち着け。」

沖田総司は斉藤一を安心した表情で見た。



少女は一人で部屋に居る。

障子を開けて、夜空を見上げた。



夜空には綺麗な月が浮かんでいる。

少女は月を見ながら微笑んで呟いた。

「総司さんと斉藤さんが、毎日のお仕事を、無事に勤める事が出来ますように。」

月の光が僅かに輝きを増したような気がした。

僅かに風が吹いた。

一枚の紅葉の葉が、少女の元へと舞い落ちてきた。

少女は微笑んで紅葉を拾った。

夜空を見上げると、月は先程と同じ光で輝いている。

少女は紅葉を微笑んで見ながら、部屋の中へと入っていった。




〜　完　〜





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