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新撰組異聞 〜 初夏の夜の夢 星月夜に眠り姫 〜



暦は夏となっている。



ここは、京の町。



暑さを感じる時はあるが、本格的な暑さを感じるのは、もう少し先の事になる。



ここは、屯所。



沖田総司の部屋。



沖田総司は床から起き上ると、微笑んで障子を開けた。



ここ数日の中では、一番綺麗な青空が広がっている。



沖田総司は青空を見上げながら、微笑んで体を伸ばした。

青空を見上げたまま、笑顔で声を出した。

「今日は晴れているぞ〜! 八重姫はまなすが見られるぞ〜! 楽しみだな〜!」

障子を閉めると、楽しそうに身支度を整え始めた。



それから少し後の事。



ここは、斉藤一の部屋。



沖田総司は斉藤一の部屋を元気良く訪れた。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! おはようございます!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 今日は出掛ける日ですよ! 忘れては駄目ですよ!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は笑顔で斉藤一の部屋を出て行った。



それから暫く後の事。



ここは、少女の家。



沖田総司は少女の家を微笑んで訪れた。

少女は沖田総司の前に微笑んで現れた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは少し遅れて来るんだ。先に二人で掛けようね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。



沖田総司と少女は、楽しそうに話をしながら出掛けて行った。



ここは、京の町に在る寺。



寺も境内も落ち着いた雰囲気となっている。



“八重姫はまなす”が、白くて小さい綺麗な花を咲かせている。



沖田総司と少女は、“八重姫はまなす”が咲いている前に居る。



沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「八重姫はまなすが綺麗に咲いているね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「八重姫はまなすを見る事が出来て嬉しいです。ありがとうございます。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん喜んでもらえて嬉しいよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。



斉藤一が沖田総司と少女の元に来た。

少女は斉藤一を見ると、微笑んで話し出す。

「八重姫はまなすが綺麗に咲いています。」

斉藤一は少女に普通の表情で頷いた。

少女は八重姫はまなすを微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し掛ける。

「鈴ちゃん。八重姫はまなすは、白くて小さくて可愛いよね。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんと同じだね。」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女を不思議そうに見た。

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「ありがとうございます。」

沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。もしかして暑いのかな?」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに出す。

「八重姫はまなすに負けない、素敵な女性になりたいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんは八重姫はまなすより素敵に人に成れるよ。」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女を嬉しそうに見た。

斉藤一は沖田総司と少女の様子を、普通の表情で見た。



八重姫はまなすは、沖田総司と斉藤一と少女の様子を見ながら、嬉しそうに咲き続けている。



その日の夜の事。



ここは、屯所。



沖田総司は夜空を微笑んで見上げた。



月と星が綺麗に輝いている。



沖田総司は夜空を見ながら、笑顔で声を出した。

「鈴ちゃんが八重姫はまなすを見て喜んでくれた〜! 鈴ちゃんの笑顔が見られて嬉しいな〜!」



月と星が更に明るく綺麗に輝いた。



沖田総司は笑顔で部屋へ戻ると、直ぐに床に着いた。



それから少し後の事。



ここは、沖田総司の部屋の中。



沖田総司は床の中でぐっすりと寝ている。



部屋の中が不思議な雰囲気に包まれた。



沖田総司は床に横になったまま、ゆっくりと目を開けた。



少女が沖田総司の顔を覆うようにして、笑顔で見ている姿があった。



沖田総司は床に横になったまま、少女に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。こんばんは。」

夢と呼ばれた少女は、沖田総司の顔を覆いながら微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は床に横になったまま、夢と呼んだ少女に微笑んで話し出す。

「今夜も夜の国に連れて行ってくれるの?」

夢と呼ばれた少女は、沖田総司から顔を離すと、微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は床から体を起こすと、夢と呼んだ少女を微笑んで見た。

夢と呼ばれた少女は、沖田総司に笑顔で抱き付いた。

沖田総司は顔を赤くしながら、夢と呼んだ少女の腕の中で動きを止めた。



月と星の光が、辺りを淡い光で照らしている。

心地良い空気が辺りを包んでいる。



沖田総司は顔を赤くしながら、夢の腕の中に居る。

夢は沖田総司を笑顔で抱いている。



月と星の綺麗な光が、沖田総司と夢を僅かに明るく照らした。



夢は微笑みながら、沖田総司からゆっくりと放れた。

沖田総司は顔を赤くしたまま夢を見た。

沖田総司と夢の居る場所に、甘くて心地良い香りが届いた。

沖田総司は甘い香りのする方向を不思議そうに見た。



沖田総司が以前に夜の国で見た事のある薔薇という名前の花が、色とりどりの綺麗な花を咲かせている。



沖田総司は夢を見ると、顔を赤くしながら話し出す。

「良い香りのする花は、薔薇という名前の花だよね。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。先日もお話ししましたが、薔薇には棘があります。気を付けてくださいね。」

沖田総司は夢に顔を赤くしながらも微笑んで頷いた。

夢は沖田総司の前から、微笑みながら静かに居なくなった。

沖田総司は夢が居なくなった事を確認すると、色とりどりの綺麗な薔薇が咲いている場所へと歩き出した。



ここは、沖田総司と夢が見ていた、色とりどりの薔薇が綺麗に咲いている場所。



少女は薔薇が咲いている様子を微笑んで見ている。



少女の近くで、ずっと一緒に居たい人と同じ気配を感じた。

少女は微笑んで気配を感じた方向を見た。



沖田総司が微笑みながら歩いてくる姿が見えた。



少女は沖田総司の姿を微笑んで見た。

沖田総司は少女の元に来ると、微笑んで話し出す。

「こんばんは。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「こんばんは。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「薔薇が綺麗に咲いています。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は、薔薇を見ながら歩き出した。



少女は薔薇を微笑んで見ている。

沖田総司は少女を微笑んで見ている。

少女が眠そうな仕草を見せた。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。疲れたのかな? 少し休もうか。」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司と少女は、薔薇の近くにある木へと歩き出した。



ここは、薔薇の咲いている近くの木の下。



沖田総司は少女を座らせると、優しく抱きしめた。

少女は静かに目を閉じた。



斉藤一が沖田総司と少女の元に静かに現れた。

沖田総司は少女を抱きながら、斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は少女の様子を一瞥すると、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は少女を抱きながら、静かに話し掛ける。

「鈴ちゃん。起きて。斉藤さんが来たよ。」

少女は静かに眠り続けている。

沖田総司は少女を抱きながら、心配そうに話し掛ける。

「鈴ちゃん。起きて。」

少女は静かに眠り続けたまま、目を覚ます様子が無い。

沖田総司は少女を抱きながら、斉藤一に心配そうに話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんが起きる様子がありません。」

斉藤一は少女の様子を見ながら、普通の表情で頷いた。

夢が沖田総司と斉藤一と少女の元に、静かに現れた。

沖田総司は少女を抱きながら、夢を見ると、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんの様子が変なんだ。何が起こっているのか教えてくれ。」

夢は少女の様子を見ると、沖田総司に心配そうに話し出す。

「夜の国に咲く薔薇の香りで、深い眠りに入ったようです。」

沖田総司は少女を抱きながら、夢に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんを起こす方法を早く教えてくれ。」

夢は沖田総司に困惑した表情で話し出す。

「とにかく、私の家に行きましょう。」

沖田総司は少女を抱いたまま、夢に不安そうに頷いた。

沖田総司、斉藤一、少女、夢は、薔薇の咲く様子が見える場所から、静かに居なくなった。



ここは、夢の家。



沖田総司は少女を床に寝かせた。

少女は床の中で静かに眠り続けている。

沖田総司は少女心配そうに見た。

斉藤一は沖田総司と少女を普通の表情で見た。

夢は沖田総司に心配そうに話し出す。

「美鈴さんは、総司さんや斉藤さんとずっと一緒に居たいと思っています。だから、深い眠りに入ってしまったのだと思います。」

沖田総司は夢を見ると、心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんは目を覚まさないと、京の町に帰る事が出来ないのだろ。」

夢は沖田総司に心配そうに頷いた。

沖田総司は夢に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃんが目を覚ます方法を早く教えてくれ。」

夢は沖田総司に心配そうに話し出す。

「夜の国に在る山から薔薇の花を摘んできて、美鈴さんに薔薇を近づけます。」

沖田総司は夢に心配そうに話し出す。

「夜の国に在る山の名前と場所を教えてくれ。」

夢は沖田総司に困惑した様子で話し出す。

「鳴神月山です。」

沖田総司は夢を困惑した表情で見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「妖精のあきちゃんが道案内で一緒に行きます。総司さんは一人ではありません。安心してください。」

沖田総司は夢を困惑した表情で見ている。

妖精のあきが沖田総司の前に現れると、微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は妖精のあきを見ると、困惑した表情で話し出す。

「こんばんは。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「鳴神月山に早く行きましょう。」

沖田総司は斉藤一を困惑した表情で見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「鳴神月山は普段から雷が鳴っているが、関係の無い奴が入ると、更に凄い音の雷が鳴るだろ。いろいろな人達に迷惑が掛かるから、俺は鳴神月山の中には入らない事にする。」

沖田総司は斉藤一を困惑した表情で見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何て顔をしているんだ。道案内が居るから一人ではないだろ。美鈴さんのために、早く薔薇を摘みに行け。」

沖田総司は斉藤一に困惑した表情で話し出す。

「斉藤さん。まさかとは思いますが、鳴神月山に行きたくないために、話を引き延ばしていませんよね。」

斉藤一は沖田総司に睨みながら話し出す。

「総司は俺を何だと思っているんだ。今の言葉は総司にそのまま返す。ありがたく受け取れ。」

沖田総司は斉藤一を困惑した表情で見た。

斉藤一は沖田総司に睨みながら話し出す。

「ごちゃごちゃ言わずに早く行け。」

沖田総司は斉藤一に困惑した表情のまま頷いた。

沖田総司と斉藤一と妖精のあきは、夢の前から静かに居なくなった。



少し遠くに在る鳴神月山から、小さいながらも雷の鳴る音が途切れる事なく聞こえてくる。



沖田総司と斉藤一と妖精のあきは、鳴神月山から少し離れた場所に居る。



沖田総司は辺りを不安そうに見回した。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を見ると、真剣な表情で話し出す。

「私が戻って来るまで、鈴ちゃんの事をお願いします。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は妖精のあきを真剣な表情で見た。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。行きましょう。」

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で頷いた。

沖田総司と妖精のあきは、斉藤一の前から静かに居なくなった。

斉藤一は沖田総司と妖精のあきの姿が見えなくなった事を確認すると、その場から静かに居なくなった。



ここは、鳴神月山の中。



高くそびえる木が辺りを覆っている。

月と星の明かりが届いているため、暗さはほとんど感じない。

遠くから雷の鳴る音が小さく聞こえるだけで、騒がしさはほとんど感じない。



沖田総司は不思議そうに辺りを見回した。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「鳴神月山の中です。」

沖田総司は妖精のあきを見ると、苦笑しながら話し出す。

「望んだ場所に直ぐに来るから、慣れなくて戸惑ってしまう。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「夜の国で起こる事です。細かい事は気にしないでください。」

沖田総司は妖精のあきに苦笑しながら頷いた。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。刀を用意しました。」

沖田総司の目の前に刀が淡い光を放ちながら現れた。

沖田総司は真剣な表情で刀を手に取った。

刀は、沖田総司の手の中で僅かに光を強めながら、静かに消えていった。

沖田総司は妖精のあきに微笑んで話し出す。

「夜の国の妖怪退治の刀は、必要な時だけ現れるという事で良かったよね。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で出す。

「薔薇を摘みに行く。道案内を頼む。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司と妖精のあきは、鳴神月山の中を歩き始めた。



それから少し後の事。



ここは、鳴神月山の中。



沖田総司と妖精のあきは、鳴神月山の中を歩き続けている。



沖田総司は妖精のあきに不思議そうに話し出す。

「夜の国は、行きたい場所に、直ぐに行く事が出来る時と、直ぐに行く事が出来ない時があるね。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「夜の国では不思議な事はたくさん起こります。細かい事は気にしないでください。」

沖田総司は妖精のあきに不思議そうに頷いた。



少し遠くから、人の声などの騒がしい音が聞こえてきた。



沖田総司と妖精のあきは、近くに有った茂みの中に急いで隠れた。



沖田総司と妖精のあきが隠れている茂みの近くを、芹沢鴨と近藤勇が楽しそうに話をしながら通り過ぎて行った。



沖田総司と妖精のあきは、辺りに芹沢鴨と近藤勇が居ない事を確認すると、茂みからゆっくりと姿を現した。



沖田総司は妖精のあきに怪訝そうな表情で話し出す。

「なぜ妖怪関係の出来事の度に、近藤さんと芹沢さんが登場するんだ?」

妖精のあきは沖田総司に言い難そうに話し出す。

「総司さんはお二人が強い方だと分かっているので、敵として戦う時は大変だと思っているためです。」

沖田総司は妖精のあきに確認するように話し出す。

「今の話からすると、私の想像する内容によっては、たくさん人が現れる事もあるんだ。」

妖精のあきは沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。もし今の話を本当に想像したら、強い人がたくさん現れますよ。戦う時に大変ですよ。」

沖田総司は妖精のあきに微笑んで話し出す。

「その時は、斉藤さんに来てもらうように想像するから大丈夫だよ。」

妖精のあきは沖田総司に心配そうに話し出す。

「斉藤さんは鳴神月山に来る事は出来ません。私は戦う事は出来ません。総司さんが一人だけで戦う事になります。」

沖田総司は妖精のあきを困惑した表情で見た。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。二人の姿が見えなくなったという事は、薔薇を摘むのにとても良い機会です。早く行きましょう。」

沖田総司は妖精のあきに確認するように話し出す。

「大切な薔薇が咲く場所を二人同時に離れたけれど、特別な理由でも有るのかな?」

妖精のあきは沖田総司に心配そうに話し出す。

「鳴神月山に許可無く入ってきた総司さんを、探しに行ったのだと思います。一通り探し終われば、薔薇の咲く場所に戻ってきます。ゆっくりとしている時間はありません。早く行きましょう。」

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で頷いた。

沖田総司と妖精のあきは、薔薇の咲いている場所へと急いで向かった。



それから僅かに後の事。



ここは、鳴神月山に在る色とりどりの綺麗な薔薇が咲いている場所。



沖田総司と妖精のあきは、薔薇がたくさん咲いている場所の中に居る。



沖田総司は妖精のあきに、確認するように話し出す。

「どの薔薇を摘めば良いのか教えてくれ。」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「美鈴さんの事を考えながら薔薇を見てください。そうすると、総司さんの想いに一番強く応えた薔薇が光り始めます。その薔薇を摘んでください。」

沖田総司は妖精のあきに真剣な表情で頷いた。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。時間がありません。急いでください。」

沖田総司は真剣な表情のまま、ゆっくりと閉じた。

妖精のあきは沖田総司を微笑んで見た。



沖田総司は真剣な表情のまま、直ぐに目を開けた。



少し離れた場所に、黄色い薔薇が綺麗に光っている姿が見えた。



沖田総司は黄色い薔薇に向かって、真剣な表情で歩き出した。

妖精のあきは沖田総司の後を微笑みながら付いていった。



ここは、光り輝いている黄色い薔薇の前。



沖田総司と妖精のあきは、光り続けている黄色い薔薇の前に来た。



黄色い薔薇は、綺麗な姿で光り続けている。



沖田総司は妖精のあきを見ると、不思議そうに話し出す。

「薔薇には棘があるけれど、手折って摘むのかな?」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「夜の国の刀で茎を切ってください。」



刀が沖田総司の目の前に姿を現した。



沖田総司は真剣な表情で刀を手に取った。



妖精のあきは沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は刀で黄色い薔薇の茎を丁寧に切り始めた。



沖田総司は黄色の薔薇を数本だけ切った。



刀は沖田総司の手元から静かに姿を消した。



沖田総司は黄色い薔薇の棘が刺さる事の無いように、大事そうに抱えた。

妖精のあきは沖田総司に真剣な表情で話し出す。

「総司さん。斉藤さんと美鈴さんが待っています。早く戻りましょう。」

沖田総司は黄色い薔薇を大事そうに抱えながら、妖精のあきに真剣な表情で頷いた。



沖田総司と妖精のあきは、色とりどりの綺麗な薔薇の咲いている場所を急いで後にした。



それから少し後の事。



ここは、鳴神月山の中。



沖田総司と妖精のあきは、鳴神月山の出口へと急いで向かっている。



辺りが突然に騒がしくなった。



沖田総司と妖精のあきは、近くに在る茂みの中に急いで隠れた。



近藤勇と芹沢鴨が、沖田総司と妖精のあきが隠れている茂みの近くに来た。



ここは、沖田総司と妖精のあきが隠れている茂みの中。



沖田総司は黄色い薔薇を抱えながら、妖精のあきに確認するように話し出す。

「あきちゃんは薔薇を持つ事は出来るのかな?」

妖精のあきは沖田総司に微笑んで頷いた。



黄色い薔薇が沖田総司の元から静かに姿を消して、妖精のあきの元に静かに現れた。



沖田総司の目の前に、刀が淡い光を放ちながら静かに現れた。



沖田総司は真剣な表情で刀を手に取った。



ここは、沖田総司と妖精のあきが隠れている茂みの近く。



近藤勇と芹沢鴨は、険しい表情で辺りの様子を確認している。



沖田総司は刀を持ちながら、近藤勇と芹沢鴨の前に真剣な表情で姿を現した。



近藤勇と芹沢鴨は、沖田総司を険しい表情で見た。

沖田総司は刀を構えると、近藤勇と芹沢鴨に睨みながら話し出す。

「私の前で近藤さんや芹沢さんの姿をするのは止めろ! 本来の姿に早く戻れ!」

芹沢鴨は険しい表情で刀を抜くと、沖田総司に向かって素早く斬りかかった。

沖田総司は刀を構えながら、芹沢鴨の刀を受けずに、素早い動きで避けた。

芹沢鴨は刀を構え直すと、沖田総司を睨んだ。

沖田総司は刀を構えながら、芹沢鴨に睨んで話し出す。

「本来の姿に早く戻れ!」

芹沢鴨は険しい表情のまま、沖田総司に向かって斬りかかろうとした。



沖田総司の構えていた刀が強く光った。



芹沢鴨は眩しそうな表情を見せると、辛そうにしゃがみ込んだ。



沖田総司は刀を構えながら、近藤勇の姿を真剣な表情で探した。



近藤勇も眩しそうな表情で、辛そうにしゃがみ込んでいる。



沖田総司は真剣な表情で刀を構えながら、芹沢鴨と近藤勇から離れていく。



芹沢鴨と近藤勇は、巨大な薔薇へと変化した。



妖精のあきの声が沖田総司の元に聞こえてきた。

「総司さん! 大きな薔薇は、たくさんの薔薇を危険から守っています! 倒さないように気を付けてください!」

沖田総司は刀を構えたまま、巨大な薔薇の様子を確認しながら、真剣な表情で頷いた。



巨大な薔薇は、辛そうな様子のまま、動く様子が無い。



沖田総司は巨大な薔薇に向かって刀を構えながら、真剣な表情で話し出す。

「薔薇の咲く場所に早く戻れ!」



沖田総司の構えている刀が強い光を放った。



巨大な薔薇は光に包まれた。



沖田総司は刀を構えながら、巨大の薔薇の様子を真剣な表情で見た。



沖田総司の構えている刀の光がゆっくりと消えた。



巨大な薔薇は静かに姿を消した。



沖田総司は真剣な表情で刀を下ろした。



刀は淡い光を放ちながら姿を消した。



沖田総司の足元に黄色い薔薇が一輪だけ落ちていた。



妖精のあきは黄色い薔薇と共に、沖田総司の前に微笑んで姿を現した。

沖田総司は妖精のあきを微笑んで見た。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「地面に落ちている黄色い薔薇を拾ってください。鳴神月山を出る時に使います。」

沖田総司は黄色い薔薇を微笑みながら拾った。

妖精のあきは沖田総司に黄色い薔薇を渡すと、微笑んで話し出す。

「鳴神月山の出口に早く行きましょう。」

沖田総司は黄色い薔薇を抱えながら、妖精のあきに真剣な表情で頷いた。

沖田総司と妖精のあきは、急いで鳴神月山の出口へと向かった。



それから少し後の事。



ここは、鳴神月山の出口が在る場所。



辺りは濃い霧に包まれている。



沖田総司と妖精のあきは、濃い霧の中に居る。



妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「先程拾った黄色い薔薇を地面に置いて、美鈴さんの所に戻りたいと考えてください。」

沖田総司は黄色い薔薇を抱えながら、先程の拾った黄色い薔薇を真剣な表情で地面に置いた。



地面に置いた黄色い薔薇の周りの霧が、少しずつ晴れていく。



沖田総司は黄色い薔薇を抱えながら、真剣な表情で目を閉じた。

妖精のあきは沖田総司の様子を微笑んで見た。



沖田総司は黄色い薔薇を抱えながら、ゆっくりと目を開けた。

妖精のあきは沖田総司に微笑んで話し出す。

「薔薇は一時的に私が預かります。総司さんは刀で霧を斬ってください。」

沖田総司は妖精のあきに黄色い薔薇を真剣な表情で預けた。

妖精のあきは沖田総司から黄色い薔薇を預かった。



刀が淡い光を放ちながら、沖田総司の前に現れた。



地面に置いた黄色い薔薇を避ける様に、霧が薄くなっている。



沖田総司は真剣な表情で刀を手に取ると、素早い動きで霧の薄くなっている場所を斬った。



霧が一部だけ晴れて、一本の道が現れた。



妖精のあきは沖田総司に黄色い薔薇を微笑んで渡した。

沖田総司は妖精のあきから黄色い薔薇を受取った。



沖田総司と妖精のあきは、霧の中から現れた道を歩き出した。



霧の中から現れた道は、沖田総司と妖精のあきが通り過ぎると、直ぐに濃い霧の中に包まれた。



それから僅かに後の事。



ここは、夢の家。



沖田総司と妖精のあきは、夢の家に静かに姿を現した。



斉藤一は沖田総司と妖精のあきを普通の表情で見た。

沖田総司は黄色い薔薇を抱えながら、少女の様子を心配そうに見た。

少女は床の中で静かに眠り続けている。

沖田総司は少女の傍に黄色い薔薇を静かに置くと、悲しそうに話し出す。

「私と鈴ちゃんと斉藤さんの三人で、京の町に一緒に戻ろう。だから、早く起きて。」

少女は床の中で静かに眠り続けている。

沖田総司は少女に黄色い薔薇を見せると、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。“星月夜”という名前の黄色い薔薇だよ。名前も色も綺麗な薔薇だね。」

少女は床の中で静かに眠り続けている。

沖田総司は少女に黄色い薔薇を見せながら、悲しそうに話し出す。

「鈴ちゃん。三人で夜の国に咲く薔薇を見よう。京の町に戻ったら、浜茄子を咲いている場所を探すよ。三人で一緒に浜茄子を見よう。」



黄色い薔薇が辺りを明るく照らした。



沖田総司は黄色い薔薇の光る様子を不思議そうに見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「薔薇のお茶を用意しました。美鈴さんが起きたら、飲ませてあげてください。」

沖田総司は夢を見ると、微笑んで頷いた。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は用事が有るので留守にしますが、気にせずに出掛けてください。」

沖田総司は夢に微笑んで頷いた。

夢は少女の様子を微笑んで確認すると、静かに部屋を出でいった。



辺りを照らしていた黄色い薔薇の光が、静かに消えていった。

光が消えると同時に、黄色い薔薇の花の姿も見えなくなった。



少女は床の中でゆっくりと目を開けた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。どこか辛いところはある?」

少女は床に横になったまま、沖田総司に不安そうに小さく首を横に振った。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんが元気で良かった。」

少女は床からゆっくりと体を起こすと、沖田総司に申し訳なさそうに話し出す。

「総司さんとお話しの最中に寝てしまいました。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「細かい事は気にする必要は無いよ。それより、喉が渇かない?」

少女は床に体を起こしたまま、沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に湯飲みを差し出すと、微笑んで話し出す。

「薔薇のお茶だよ。良い香がするよ。早く飲んで。」

少女は沖田総司から湯飲みを受けると、美味しそうに薔薇のお茶を飲み始めた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女は薔薇のお茶を一口飲むと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「美味しいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見ている。

少女は薔薇のお茶を美味しそうに飲み続けた。



それから少し後の事。



ここは、色とりどりの綺麗な薔薇が咲いている場所。



沖田総司と斉藤一と少女は、色とりどりの薔薇を見ている。



少女は薔薇を微笑んで見ている。

沖田総司は少女の様子を微笑んで見ている。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。夜の国に居る時も京の町に居る時も、どちらも楽しい?」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を抱き寄せると、微笑んで話し出す。

「私も夜の国に居る時も京の町に居る時も、どちらも楽しいよ。」

少女は沖田総司を微笑んだ表情で見た。

斉藤一は辺りに咲く薔薇の様子を普通の表情で見た。



“星月夜”という名前の薔薇が、月と星の光を受けて、辺りを淡い光で照らし始めた。



沖田総司は少女を抱きながら、微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。“星月夜”という名前の薔薇が、綺麗な姿で咲いているよ。」

少女は“星月夜”という名前の薔薇を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで抱いている。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「“星月夜”を近くで見たいです。」

沖田総司は少女を微笑みながらゆっくりと放した。

少女は沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「総司さん。手を繋いでも良いですか?」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司に恥ずかしそうに手を差し出した。

沖田総司は少女の手を微笑んで取った。



沖田総司と少女は、手を繋ぎながら、薔薇の咲く中を歩き始めた。

斉藤一は沖田総司と少女の様子を確認しながら、普通に歩き始めた。



沖田総司と斉藤一と少女が過ごす穏やかな夜の国での時間は、“星月夜”が綺麗に咲く中で、もう暫く続くようです。




〜 完 〜










はじめに           本編           後書き

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