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新撰組異聞 〜 聖夜 〜


〜 第四版 〜


今は冬。


ここは、京の町。


夜空には星が綺麗に輝いている。


土方歳三、沖田総司、斉藤一は、話しながら歩いている。


沖田総司と斉藤一は、土方歳三の少し後ろを歩き始めた。

土方歳三は、沖田総司と斉藤一の様子を気にせずに歩いている。


沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。異国の神様の誕生日が近付いているそうです。異国の神様の誕生日の当日には、神様にお祈りをして、ご馳走を食べて、贈り物を贈り合って、木を飾り付けて、みんなでお祝いをするそうです。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 贈り物を受け取ると嬉しいですよね! 私も贈り物が欲しいです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「もしかして、俺に話しているのか?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「私は斉藤さんから受け取る贈り物を決めました!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さんの子供時代と斉藤さんの名前の“一”の由来が知りたいです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「本当にそのような内容の贈り物で良いのか?」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「はい! 斉藤さんは大切な友達です! 斉藤さんについて知りたい内容がたくさんあります! 斉藤さんから贈り物を受け取る時が楽しみです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。物凄く変わっているな。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「友達について知りたいと思うのは、変わっていますか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺と総司は、いつの間に友達になったんだ?」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「逢って直ぐに友達になりましたよね?」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「私は、斉藤さんと逢って直ぐに友達になったと思っていました。でも、良く考えると、逢って直ぐに友達になる人は少ないですよね。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見ている。

沖田総司は真剣な表情で考え込んだ。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「普通は、友達になろうと確認してから、友達にならないだろ。だからはっきりとした日付が分からないのだろ。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「そうですよね! さすが斉藤さんです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。俺と総司はいつから友達になったんだ? 俺もぜひ知りたい。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤さんは、いつ友達になったか分からないと言いましたよね。ならば、友達になった日付は分からない状況になりますよね。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司の一番に欲しい贈り物は、俺に関して知る贈り物ではないだろ。」

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「異国の神様の誕生日に、一緒に過ごしたい人がいるだろ。」

沖田総司は顔を赤くして斉藤一を見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


土方歳三は沖田総司と斉藤一の横に来て微笑んで歩き始めた。


土方歳三は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司。斉藤。楽しそうだな。何を話しているんだ?」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「斉藤さんの子供時代と斉藤さんの名前の“一”の由来が知りたいと話していました。」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「総司が異国の神様の誕生を祝う日に、土方さんと飲みたいそうです。」

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司も俺が喜ぶ話題を言えるまでに成長したんだ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司。斉藤。三人で酒を飲みながら前祝をしよう。」

沖田総司は土方歳三と斉藤一を驚いた様子で見た。

土方歳三は沖田総司を一瞥すると、斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「総司は珍しく遠慮をして、本当に欲しい贈り物ではなく、俺の子供時代と俺の名前の由来を知る贈り物が欲しいと話していました。」

沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。

「斉藤さん。私は遠慮をしていません。」

土方歳三は斉藤一を意味有りげに見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に意味有りげに話し出す。

「なるほどね。」

沖田総司は土方歳三を不思議そうに見た。

土方歳三は沖田総司と斉藤一に微笑んで話し出す。

「総司。斉藤。話したい内容がたくさんあるだろ。早く酒を飲もう。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議そうに見た。

土方歳三は斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤。総司が本当に欲しい物が俺の考えで合っているか確認したい。後で教えてくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は沖田総司と斉藤一を微笑んで見た。


それから何日か後の事。


異国の神様の誕生を祝う当日となった。


ここは、京の町。


夜空には、星が綺麗に輝いている。


ここは、屯所。


土方歳三の居る部屋。


沖田総司は微笑んで訪ねてきた。


土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤。後は頼むな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

沖田総司は土方歳三と斉藤一を不思議そうに見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。行くぞ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「はい。」


斉藤一は部屋を普通に出て行った。

沖田総司は部屋を僅かに慌てた様子で出て行った。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


夜空には、綺麗な星が輝いている。


沖田総司は夜空を見ながら、楽しそうに歩いている。

斉藤一は沖田総司を見ながら、普通に歩いている。


沖田総司は斉藤一を見ると、笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 星が綺麗ですね!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 今日が異国の神様の誕生日だそうです!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 先日に私が贈り物として頼んだ、斉藤さんの子供時代と斉藤さんの名前の由来を教えてください!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。自分が贈り物を受け取る話は何度もしているが、俺への贈り物はどうなっているんだ? まさかとは思うが、自分だけ贈り物を受け取って、俺への贈り物は渡さないなどと考えてないよな。」

沖田総司は斉藤一に苦笑しながら話し出す。

「一応は考えています。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺への贈り物は、一応は考えている程度なのか?」

沖田総司は斉藤一に困惑した様子で話し出す。

「すいません。冷静に考えたら、斉藤さんへの贈り物を考えていませんでした。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「俺への贈り物を用意していないのなら、俺の子供時代や俺の名前の由来を話さなくて良いよな。」

沖田総司は斉藤一に残念そうに話し出す。

「分かりました。今回は諦めます。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「来年は、斉藤さんへの贈り物を用意します。来年を楽しみに待っていてくださいね。私も来年を楽しみに待ちます。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。変な贈り物は用意しないでくれ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤さんは大切な友達です。変な物は贈りません。」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


沖田総司は微笑んで歩いている。

斉藤一は普通に歩いている。


沖田総司は立ち止まると、一本の道を寂しそうに見た。

斉藤一は立ち止まると、沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は斉藤一を見ると、苦笑しながら話し出す。

「つい立ち止まってしまいました。」

斉藤一は沖田総司の腕を普通の表情で掴んだ。

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。


斉藤一は沖田総司の腕を掴みながら、沖田総司の見た道を普通に歩き出した。

沖田総司は斉藤一を見ながら、不思議そうに歩き出した。


それから少し後の事。


ここは、一軒の家の傍。


斉藤一は沖田総司の腕を掴みながら、普通に来た。

沖田総司は斉藤一を見ながら、不思議そうに来た。


斉藤一は沖田総司の腕を掴みながら、普通に話し出す。

「着いたぞ。」

沖田総司は、斉藤一と家を驚いた表情で見た。

斉藤一は沖田総司の腕を掴みながら、普通に話し出す。

「総司にとって一番に欲しい贈り物の前に来た。後は総司自信で何とかしろ。」

沖田総司は斉藤一を慌てた様子で見た。

斉藤一は沖田総司の腕を普通の表情で放した。

沖田総司は斉藤一に慌てた様子で話し出そうとした。

斉藤一は沖田総司が話し出す前に、沖田総司の背中を勢い良く押した。


沖田総司は勢い良く前に出た。


斉藤一は家に向かって、大きな声を出す。

「遅い時間にすいません!」


沖田総司は顔を赤くして斉藤一を見た。


斉藤一は普通に歩きながら去っていく。


玄関から音が聞こえた。


沖田総司は顔を赤くしながら家を見た。


それから僅かに後の事。


ここは、少女の家。


玄関。


沖田総司は恥ずかしそうに待っている。


少女は沖田総司の前に微笑んで現れた。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「こんばんは。鈴ちゃんの様子を見にきたんだ。都合が悪くなければ、話しをしたいな。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。お庭を見ながらお話しをするのはどうですか?」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司微笑んで見た。


それから僅かに後の事。


ここは、庭。


沖田総司は少女と夜空を笑顔で見ている。

少女は沖田総司と夜空を微笑んで見ている。


沖田総司は夜空を見ながら、少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 星が綺麗に輝いているね!」

少女は沖田総司を見ると、微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を見ると、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 今日は異国の神様の誕生日なんだって!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司はさんは、物知りな方ですね。」

沖田総司は少女に恥ずかしそうに話し出す。

「人から聞いた話だから、物知りとは違うんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは、たくさんの内容をご存知です。物知りな方です。」

沖田総司は少女を恥ずかしそうに見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「異国の神様の誕生日は、お祝いをするのですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私の聞いた内容では、お祝いをするそうだよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「どのようなお祝いをするのですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「人から聞いた話になるけれど、みんなで集まって、異国の神様にお祈りして、みんなで贈り物を贈りあって、木を飾り付けて、ご馳走を食べて、楽しく過ごすそうだよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「楽しそうなお祝いですね。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、屯所。


土方歳三が居る部屋。


障子は開いている。


縁の傍。


土方歳三は杯の酒を微笑んで飲んでいる。

土方歳三の傍には、酒と肴として用意した沢庵が置いてある。


斉藤一が普通に訪ねてきた。


土方歳三は杯の酒を飲むのを止めると、斉藤一に微笑んで話し出す。

「一緒に飲むか?」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に杯を微笑んで差し出した。

斉藤一は土方歳三から杯を普通に受け取った。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「どうだった?」

斉藤一は杯に酒を注ぐと、土方歳三に普通に話し出す。

「二人は庭と夜空を見ながら話していました。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「二人の会話も含めて全ての様子が知りたかったな。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通に話し出す。

「帰ったふりをして二人の様子を確認しようと思いましたが、総司の性格とあの子の性格、家の中には家族が居る、以上の状況では一気に進展するのは難しいです。以上の理由から、詳細な確認をせずに戻ってきました。」

土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一に微笑んで話し出す。

「確かに。さすが斉藤。」

斉藤一は杯の酒を飲みながら、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は杯の酒を飲みながら、斉藤一と夜空を微笑んで見た。


それから僅かに後の事。


ここは、少女の家。


庭。


少女は夜空を微笑んで見ている。

沖田総司は少女と夜空を微笑んで見ている。


少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は顔を赤くて少女を見た。

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。


「総司さん。大丈夫ですか?」

沖田総司は顔を赤くしながら、少女に恥ずかしそうに話し出す。

「え〜と、夜空を見ている鈴ちゃんの笑顔が、可愛いなと思ったんだ。」

少女は顔を赤くして、沖田総司を見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。私は変な内容の話しをしたのかな? それとも、寒いのかな? 大丈夫?」

少女は顔を赤くしたまま、沖田総司に恥ずかしそうに話し出す。

「大丈夫です。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「突然に訪問しただけでなく、長話までしているね。家族の人も心配するし迷惑に思うよね。そろそろ帰るね。」

少女は沖田総司を寂しそうに見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「来年は約束をして、星を見に行こうね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「今夜は鈴ちゃん逢えて、とても嬉しかったよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私も総司さんとお逢い出来て、とても嬉しかったです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。少しだけになるけれど、手を繋いでも良いかな?」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで手を差し出した。

少女は微笑んで沖田総司の手を取った。


夜空には、沖田総司と少女を見守るように、たくさんの星が輝き続けている。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は、2004年のクリスマス・イブに別の場所で掲載した物語を、誤字の修正程度にしてHPに物語を掲載して、後に、当初は登場していなかった鈴ちゃんを物語の中に登場させて、更に改訂して掲載し直しました。

今回は、改訂前の雰囲気を残したまま、「第四版」として改訂して掲載し直しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

改訂前の物語を書く時に、沖田総司さんと斉藤一さんが二人でお酒を飲みながら過ごす楽しい雰囲気のクリスマスの物語を書こうと思いました。

しかし、改訂した物語では、沖田総司さんと斉藤一さんがお酒を飲む場面を書くのは止めて、土方歳三さんと斉藤一さんが二人でお酒を飲む場面を書きました。

物語の雰囲気も題名も気に入っているクリスマスの物語です。

斉藤一さんについてです。

斉藤一さんは「一(はじめ)」という名前ですが、長男ではなく次男と伝えられています。

長男ではないのに「一」と名付けられた説の一つに、「一月一日生まれ」があるそうです。

斉藤一さんは、正確には「一月一日」生まれではなく、「日付が一月二日になってからの深夜から日が昇る前」とされています。

現在では「一月二日」生まれとする説が一般的のようです。

しかし、斉藤一さんが生まれた当時は、陽が昇る前までは前日として考えられていたそうです。

そのため、「一月二日」の陽が昇る前に生まれたので、「一月一日」生まれになり、「一」と名付けられたという説があります。

どちらにしても、「一月一日」、または、「一月二日に日付が変わった頃から一月二日の陽が昇る前」のどちらかに、斉藤一さんが生まれた可能性が高いと思います。

物語を考えた当初は、沖田総司さん達が京に着た二年目頃を想定して書きました。

後の事になりますが、沖田総司さんの体調の問題を考えて、改訂版以降は、京に来た最初の年を想定して書きました。

「聖夜(せいや)」は、「クリスマスの前夜。12日24日の夜。」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。

では・・・




**  Merry Christmas〜♪  **





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