このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください

新撰組異聞 〜 大つごもりの物語 〜


〜 改訂版 〜


大つごもりが近付いてきた。


ここは、京の町。


沖田総司と少女が良く訪れる寺。


寺の中。


沖田総司と少女が居る。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「年の瀬は慌しく感じるね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。大つごもりに少しの時間だけで良いから逢えないかな?」

少女は沖田総司に不思議そうに話し出す。

「お仕事や行事の予定はないのですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「準備や行事はあるけれど、大つごもりに鈴ちゃんに逢いたくて話しをしたんだ。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「私は総司さんに心配を掛けてしまったのですね。申し訳ありません。私は大丈夫です。心配しないでください。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「大つごもりに鈴ちゃんに逢えないと、正月は鈴ちゃんに逢い難いかなと思ったんだ。鈴ちゃんと何日も逢えないのは寂しいから話したんだ。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「大つごもりは、総司さんと遠くにお出掛けするのは無理かも知れません。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「分かった。鈴ちゃんの家で逢おうよ。時間に余裕があったら出掛けよう。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さん。無理をしないでくださいね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「無理はしてないから大丈夫だよ。遅い時間になるかも知れないけれど、鈴ちゃんの家に必ず行くよ。待っていてね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「大つごもりは特別な日です。時間は気にせずに訪ねてきてください。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を見ながら、何かを思い出した表情になった。

少女は沖田総司を不思議そうに見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。そろそろ帰った方が良いかな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は大丈夫です。総司さんのお仕事やご都合は大丈夫ですか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私も大丈夫だよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「もう少しだけ話しをしよう。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、寺の中。


沖田総司と少女が居る。


沖田総司は少女に寂しそうに話し出す。

「そろそろ戻らないといけないね。」

少女は沖田総司に寂しそうに頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「大つごもりより前に時間が空いたら鈴ちゃんに逢いに行くね。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「無理をしないでくださいね。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


その翌日の事。


ここは、京の町。


屯所。


任務も屯所内の雰囲気も慌しくなり始めた。


ここは、斉藤一の部屋。


斉藤一は机に普通の表情で向かっている。


沖田総司は考え込みながら訪れた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に考え込みながら話し出す。

「斉藤さん。話しをしても良いですか?」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に考え込みながら話し出す。

「大つごもりが近付いているために慌しくなり、鈴ちゃんと逢う時間が短くなっています。正月は鈴ちゃんに逢えないかも知れません。年末年始は行事が多くて、鈴ちゃんと何日も逢えない日が続くかも知れません。鈴ちゃんと逢えない日が続くと、鈴ちゃんが寂しがると思うし、私も寂しいです。鈴ちゃんと大つごもりに逢う約束をしました。時間が空けば、大つごもりより前にも鈴ちゃんに逢いたいです。鈴ちゃんに僅かな時間でも逢えれば、鈴ちゃんの寂しさは僅かでも和らぐと思うし、私も寂しさが和らぎます。今日の任務も順調に終わりましたが、鈴ちゃんと逢う時間は作れませんでした。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司と美鈴さんは、今までも毎日は会ってないのだから、会うのは明日でも良いだろ。寂しそうな顔をするな。」

沖田総司は斉藤一に寂しそうに頷いた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司は美鈴さんと大つごもりに会う約束をしたんだろ。」

沖田総司は斉藤一に寂しそうに頷いた。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「大つごもりに何か遭ったら手伝う。」

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「本当ですか?!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に抱き付くと、笑顔で話し出す。

「斉藤さん! ありがとうございます! とても嬉しいです! 頼りになります! 大好きです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。何度も話しているが、男の総司に抱き付かれても嬉しくないし、男の総司に好きと言われても嬉しくない。」

沖田総司は斉藤一から放れると、不思議そうに話し出す。

「私と斉藤さんは、とても仲の良い友達ですよね。とても仲の良い友達に大好きというのは普通の会話ですよね。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「これも既に何度も話しているが、俺と総司は友達ではないだろ。」

沖田総司は斉藤一に寂しそうに話し出す。

「斉藤さんは私の大切な友達です。斉藤さんは私を友達と思っていないのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「友達に好きと言えるのなら、美鈴さんにも好きと言えるよな。美鈴さんが総司の発言を聞いたら喜ぶぞ。」

沖田総司は顔を赤くすると、斉藤一大きな声で話し出す。

「鈴ちゃんは物凄く大切な友達です! 物凄く大切な友達の鈴ちゃんにそのような発言をしたら、物凄い迷惑が掛かります! 斉藤さんは意地悪で酷いです!」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は顔を赤くして斉藤一を見た。

斉藤一は普通の表情のまま、沖田総司の額を指で思い切り弾いた。

沖田総司は顔を赤くしながら額を抑えると、大きな声で話し出す。

「斉藤さん! 何をするのですか?! 酷いです!」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「酷くない。」

沖田総司は顔を赤くして額を抑えながら、斉藤一を警戒した様子で見た。

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


沖田総司は顔を赤くしながら、物凄い勢いで部屋から出て行った。


斉藤一は普通の表情で机に向かおうとした。


土方歳三が部屋の中に普通に入ってきた。


斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


土方歳三は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤。総司を捜していたら、走っている姿を見た。何か遭ったのか?」

斉藤一は土方歳三に普通に話し出す。

「総司とあの子が、大つごもりに会う約束をしたそうです。」

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「総司とあの子は、大つごもりに会わないと、正月は逢い難くなるよな。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一を見ながら考え込んだ。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は斉藤一に普通に話し出す。

「斉藤に頼みがあって訪ねてきたが、更に頼みが増えた。俺の部屋に一緒に来てくれ。」

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。


土方歳三は普通に部屋を出て行った。

斉藤一も普通に部屋を出て行った。


その翌日の事。


ここは、京の町。


沖田総司は少女の家へと急いで走っている。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


少女の家。


玄関。


沖田総司は笑顔で訪ねてきた。


少女は沖田総司の前に微笑んで現れた。


沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! こんにちは! 少しだけ時間に余裕が出来たんだ! 鈴ちゃんに逢いたくて訪ねて来たんだ!」

少女は沖田総司を恥ずかしそうに見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。大丈夫?」

少女は沖田総司に恥ずかしそうに頷いた。

沖田総司は少女を安心した表情で見た。

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。私の部屋でお話しをしませんか?」

沖田総司少女に微笑んで頷いた。


少女は家の中へと微笑んで入って行った。

沖田総司も家の中へと微笑んで入って行った。


それから少し後の事。


ここは、少女の部屋。


沖田総司と少女が居る。


少女は沖田総司の前にお茶を微笑んで置いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「大つごもりといえば、年越し蕎麦だよね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「年越し蕎麦というと、なぜか気合を入れて食べるよね。」

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に楽しそうに話し出す。

「みんなで年越し蕎麦を食べるのが楽しみなんだ!」

少女は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! 年越し蕎麦を一緒に食べたいね!」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司はお茶を美味しそうに飲んだ。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


沖田総司はお茶を飲み終わると、笑顔で話し出す。

「美味しいお茶をごちそうさまでした!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃん。ごんめね。そろそろ帰らいといけない。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今日はありがとうございました。とても楽しかったです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「時間が出来たら逢いに来るね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「逆に、年末に何度も逢いに来たら迷惑かな?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私は総司さんに何度も逢えて嬉しいです。でも、私のために無理をしないでくださいね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。気を遣ってくれてありがとう。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女を微笑んで見た。


それから何日か後の事。


今日は大つごもり。


ここは、屯所。


縁。


斉藤一は普通に歩いている。


沖田総司が斉藤一の傍に笑顔で来た。


斉藤一は普通に立ち止まった。


沖田総司が斉藤一に嬉しそうに話し出す。

「斉藤さん! 今日は大つごもりです! 年越し蕎麦が食べられます!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を嬉しそうに見た。


原田左之助は沖田総司と斉藤一の傍に笑顔で来た。


沖田総司は原田左之助を笑顔で見た。

斉藤一は原田左之助を普通の表情で見た。

原田左之助は沖田総司に嬉しそうに話し出す。

「総司! 今日は大つごもりだ! 気合を入れて年越し蕎麦を食べるぞ!」

沖田総司は原田左之助に嬉しそうに話し出す。

「はい!」

原田左之助は沖田総司に笑顔で話し出す。

「総司! 金運を掴むために、年越し蕎麦を残すなよ!」

沖田総司は原田左之助に嬉しそうに話し出す。

「はい!」

原田左之助は沖田総司を笑顔で見た。

斉藤一は沖田総司と原田左之助を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一を見ると、嬉しそうに話し出す。

「斉藤さんも一緒に金運を掴みましょう!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を嬉しそうに見た。


それから暫く後の事。


ここは、屯所。


年越し蕎麦を巡る大騒動と争奪戦は終了している。

大つごもり独特の慌しさと静けさが入り混じる雰囲気になっている。


ここは、近藤勇の部屋。


近藤勇と土方歳三が居る。


近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「隊士達の年越し蕎麦を食べるための真剣な様子と騒がしさは、想像以上だった。」

土方歳三は近藤勇に苦笑しながら頷いた。

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「次は除夜の鐘だな。屯所が再び真剣さと騒がしさに包まれるのだろうか?」

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「年越し蕎麦を食べる時には祭りのような騒がしさになっていたが、除夜の鐘を聞く時は祭りのような騒がしさにはならないだろ。」

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は近藤勇に微笑んで話し出す。

「近藤さん。話は変わるが、総司がそろそろ出掛ける頃だな。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は近藤勇を微笑んで見た。


それから僅かに後の事。


ここは、屯所。


縁。


沖田総司は微笑んで歩いている。


斉藤一は沖田総司の傍に普通に来た。


沖田総司は斉藤一を見ると、微笑んで立ち止まった。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。まだ出掛けないのか?」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「近藤さんに出掛けるための挨拶に行く途中です。」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「近藤さんと土方さんには、俺が代わりに挨拶をした。俺も美鈴さんの家の傍まで行く。今から一緒に出掛けるぞ。」

沖田総司は斉藤一を不思議そうに見た。


斉藤一は沖田総司の腕を掴むと、普通に歩き出した。

沖田総司は斉藤一を見ながら、不思議そうに歩き出した。


それから暫く後の事。


ここは、京の町。


たくさんの綺麗な星の輝きが見える。


ここは、少女の家の前。


沖田総司と斉藤一が居る。


斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。遅くなるなよ。」

沖田総司は斉藤一に不思議そうに話し出す。

「斉藤さん。今日も鈴ちゃんに逢ってくれないのですか?」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「大つごもりの星が見えるような時間に、男二人で家に押し掛けたら迷惑だろ。」

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「分かりました。斉藤さん。行ってきます。」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。


沖田総司は少女の家へと笑顔で歩き出した。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


それから僅かに後の事。


ここは、少女の家。


玄関。


沖田総司と少女が居る。


沖田総司は少女に申し訳なさそうに話し出す。

「鈴ちゃん。遅くなってごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんはお約束通りに来てくださいました。嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。ありがとう。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。年越し蕎麦を食べませんか?」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。気を遣わなくて良いよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「年越し蕎麦を食べられたのですね。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「みんなで年越し蕎麦を食べたんだ。美味しかったよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に心配そうに話し出す。

「鈴ちゃん。もしかして年越し蕎麦を食べていないの?」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんが年越し蕎麦を食べていなければ、一緒に食べたいと思ってお話ししました。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんと一緒に年越し蕎麦が食べたいな。」

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「総司さんは年越し蕎麦を食べられていなかったのですね。年越し蕎麦を用意します。少しだけ待っていてください。」

沖田総司は少女に苦笑しながら話し出す。

「屯所でみんなと年越し蕎麦を食べたのは本当だよ。鈴ちゃんが用意をしてくれた年越し蕎麦を食べたいと思っただけなんだ。言い方が悪くて心配掛けてごめんね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「家の人に年越し蕎麦の用意を頼んできます。少しだけ待っていてください。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


それから少し後の事。


ここは、少女の部屋。


沖田総司は微笑んで居る。


少女は年越し蕎麦をお盆に載せて、部屋の中に微笑んで入ってきた。


沖田総司は少女を笑顔で見た。

少女は沖田総司に年越し蕎麦を微笑んで差し出した。

沖田総司は少女から年越し蕎麦を受け取ると、笑顔で話し出す。

「鈴ちゃん! ありがとう!」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は年越し蕎麦を持ちながら、少女に不思議そうに話し出す。

「鈴ちゃんの年越し蕎麦は量が少ないね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「残したら困るので、少しだけ量を減らしました。」

沖田総司は自分の持つ年越し蕎麦を考え込みながら見た。

少女は沖田総司に心配そうに話し出す。

「年越し蕎麦の量が少ないですか?」

沖田総司は年越し蕎麦を持ちながら、少女を見ると、微笑んで話し出す。

「充分な量だよ。大丈夫だよ。鈴ちゃん。気を遣ってくれてありがとう。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は年越し蕎麦を持ちながら、少女に笑顔で話し出す。

「いただきます!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「いただきます。」

沖田総司は年越し蕎麦を美味しそうに食べ始めた。

少女は年越し蕎麦を微笑んで食べ始めた。


それから少し後の事。


ここは、屯所。


土方歳三の部屋。


土方歳三は微笑んで居る。


斉藤一は部屋を普通に訪れた。


土方歳三は斉藤一を微笑んで見た。

斉藤一は土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は斉藤一に微笑んで頷いた。

斉藤一は土方歳三を普通の表情で見た。


ちょうど同じ頃。


ここは、少女の家。


少女の部屋。


沖田総司と少女が居る。


沖田総司は年越し蕎麦を笑顔で食べ終わった。

少女は年越し蕎麦を微笑んで食べ終わった。

沖田総司は少女に笑顔で話し出す。

「ごちそうさま! 鈴ちゃん! ありがとう! 美味しかったよ!」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「喜んで頂けて嬉しいです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。そろそろ帰るね。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「良いお年をお迎えください。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんも良い年を迎えてね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「次に逢う時は新年になるね。少しの間だけ逢えないけれど、時間が空いたら鈴ちゃんに逢いに来るね。寂しいかも知れないけれど、待っていてね。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に笑顔で話し掛ける。

「鈴ちゃん。来年もよろしく。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。来年もよろしくお願いします。」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃん。見送りは要らないよ。」

少女は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は少女に苦笑しながら話し出す。

「名残惜しくて、つい話しをしてしまう。本当に帰るね。見送りは要らないよ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「玄関でお見送りをしても良いですか?」

沖田総司は少女に微笑んで頷いた。


沖田総司は部屋を微笑んで出て行った。

少女も部屋を微笑んで出て行った。


それから少し後の事。


ここは、京の町。


たくさんの星が綺麗に輝いている。


沖田総司は屯所に向かって笑顔で歩いている。


それから少し後の事。


ここは、屯所。


斉藤一の部屋。


斉藤一は普通の表情で居る。


沖田総司は笑顔で部屋の中に入ってきた。


斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 鈴ちゃんの笑顔が見られました! 私も楽しくて笑顔になりました! 鈴ちゃんの家で年越し蕎麦を食べました! 美味しかったです!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一に笑顔で話し出す。

「斉藤さん! 除夜の鐘を一緒に聞きましょう!」

斉藤一は沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は斉藤一を笑顔で見た。


大つごもりの時間がゆっくりと過ぎていく。

新年への時間が少しずつ近づいてくる。




      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に改訂している物語の改訂版です。

改訂前の雰囲気や展開を出来るだけ残しながら改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正しながら書いていきます。

ほのぼのとした「大つごもり」の物語が書きたくて考えました。

年の暮れが近付く中で、沖田総司さんと鈴ちゃんは逢う約束をします。

沖田総司さんの気付かない所で、さり気ない優しさがあり、二人は逢える事になりました。

「大つごもり」についてです。

「つごもり(“晦”、又は、“晦日”)」は、「みそか(“晦日”、又は、“三十日”)」をいいます。

そこから、「大つごもり」は、「大晦日」になります。

「年越し蕎麦」についてです。

「年越し蕎麦」を食べるという習慣は江戸中期から始まったそうです。

元々は、晦日にお蕎麦を食べる習慣があったそうです。

そして、大晦日だけにお蕎麦を食べる習慣が残ったそうです。

金箔職人が飛び散った金箔を集めるのに蕎麦粉を使った事から、年越し蕎麦を残すと翌年金運に恵まれないと言われているそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





←前            目次            次→


このページは、2019年3月に保存されたアーカイブです。最新の内容ではない場合がありますのでご注意ください