新撰組異聞　〜　冬月に見る夢　弟月　温泉にて　〜


〜　改訂版　〜


今は冬。


ここは、京の町。


一日を通して寒さを感じる日が続いている。


屯所。


沖田総司の部屋。


沖田総司は床の中で静かに寝ている。


部屋の中が不思議な空気に包まれた。


沖田総司は床の中でゆっくりと目を開けた。


少女が沖田総司を笑顔で見ている。


沖田総司は、夜の国の住人で少女と同じ顔の“夢”だと直ぐに分かった。


沖田総司は床の中で、夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。今晩は。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。こんばんは。」

沖田総司は床の中で、夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は床の上に体を微笑んで起こした。

夢は沖田総司に微笑んで抱き付いた。

沖田総司は床の上に体を起こして、赤面して動きを止めた。


夢は沖田総司を抱いて、微笑んで、不思議な空気に包まれた。

沖田総司は赤面して床の上に体を起こして、不思議な空気に包まれた。


夢は沖田総司を抱いて、微笑んで、静かに居なくなった。

沖田総司は赤面して床の上に体を起こして、静かに居なくなった。


一瞬の後の事。


ここは、夜の国。


夜空には、月と満天の星が輝いている。


心地好い空気に包まれている。


夢の住む家。


一室。


心地好い空気に包まれている。


夢は沖田総司を抱いて、微笑んで、静かに現れた。

沖田総司は赤面して動きを止めて、静かに現れた。


夢は沖田総司から微笑んで離れた。

沖田総司は夢を赤面して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。夜の国へようこそ。」

沖田総司は夢を赤面して見ている。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんは夜の国の温泉がお気に入りですよね。今回も、夜の国の温泉で過ごして頂くためにご招待しました。」

沖田総司は夢に赤面して微笑んで話し出す。

「今回も夜の国の温泉が楽しめるんだ。」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「はい。」

沖田総司は夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。案内します。」

沖田総司は夢に苦笑して話し出す。

「夢ちゃん。夜の国に来る時と同じ行動をしないよね。」

夢は沖田総司を笑顔で見た。

沖田総司は夢を緊張して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。安心してください。緊張しないでください。」

沖田総司は夢を安心して見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。行きましょう。」

沖田総司は夢に慌てて頷いた。

夢は沖田総司を微笑んで見た。


僅かに後の事。


ここは、夜の国。


温泉地。


山に覆われている。

山の木々の多くは、枝のみになっている。

川の水が絶え間なく流れている。

川の流れる音が絶え間なく聞こえる。


一軒の宿。


枝のみになっている山の木々が見える。

川が見える。

川の流れる音が絶え間なく聞こえる。


一室。


心地好い空気に包まれている。


夢は微笑んで、静かに現れた。

沖田総司も微笑んで、静かに現れた。


夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「到着しました。今夜は貸切りです。ゆっくりと楽しんでください。」

沖田総司は夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。ありがとう。」

夢は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司も夢を微笑んで見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さん。少し話しても良いですか？」

沖田総司は夢に微笑んで頷いた。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんの過ごす国の暦には、別名がたくさん有りますよね。」

沖田総司は夢に微笑んで頷いた。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんの過ごす国の暦の十二月の別名に、“弟月”、“親子月”、が有るそうですね。」

沖田総司は夢に微笑んで話し出す。

「夢ちゃん。私の住む国の暦に詳しいね。誰かに教えてもらったの？」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「誰だと思いますか？」

沖田総司は夢を不思議な様子で見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんです。」

沖田総司は夢に僅かに驚いて話し出す。

「私？」

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「半分は本当。半分は嘘。です。」

沖田総司は夢を不思議な様子で見た。

夢は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私が長話をすると、総司さんが大切な人達と過ごす時間が減ります。失礼します。再び逢いましょう。」

沖田総司は夢に不思議な様子で頷いた。


夢は微笑んで、静かに居なくなった。


沖田総司は部屋の中を不思議な様子で見た。


斉藤一が沖田総司を普通の表情で見ている。


沖田総司は斉藤一を驚いて見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。相変わらずだな。」

沖田総司は斉藤一に動揺して話し出す。

「斉藤さん！　何時から部屋に居たのですか？！」

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「半分は本当。半分は嘘。より前から居た。」

沖田総司は斉藤一を動揺して見た。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。美鈴さんには今回も秘密にする。動揺するな。」

沖田総司は斉藤一を動揺して見ている。

斉藤一は沖田総司に普通に話し出す。

「総司。動揺するな。温泉に浸かるぞ。」

沖田総司は斉藤一に慌てて話し出す。

「はい！」

斉藤一は沖田総司を普通の表情で見た。


少し後の事。


ここは、夜の国。


温泉地。


露天の温泉。


枝のみになっている山の木々が見える。

川が見える。

川の流れる音が絶え間なく聞こえる。


沖田総司は露天の温泉に気持ち良く浸かっている。

斉藤一は露天の温泉に普通の表情で浸かっている。


沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。温かいですね。気持ち良いですね。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。夢ちゃんに、私達の過ごす国の暦の十二月の別名について、教えましたか？」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「教えていない。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に考えながら話し出す。

「私は、夢ちゃんに、私達の過ごす暦の十二月の別名を教えていません。夢ちゃんは、半分は本当、半分は嘘、と話しました。私は斉藤さんが夢ちゃんに教えたと推理しました。私の推理は違うのですね。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「半分は本当。半分は嘘。或る意味、正しい。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に考えながら話し出す。

「或る意味、正しい。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一を考えながら見た。

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「夜の国の人達の好意で、温泉が貸切りになっている。今は、答えを考えずに、温泉に浸かって楽しめ。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「はい。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さん。突然ですが、十二月の別名の弟月を聞いた時に、斉藤さんを思い出しました。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは、私にとって、物凄く大切な友達、物凄く信頼できる友達、物凄く信頼できる仕事仲間、です。不思議ですね。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司は、剣術関連以外になると、単純な思考になる。総司は、弟月から、兄弟を連想したのだろ。弟に感じた人物は、俺、または、総司、なのかによって、不思議な内容に該当しなくなる。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一を苦笑して見た。

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司が弟に感じた人物は、俺、だろ。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に慌てて話し出す。

「斉藤さんは、私にとって、物凄く大切な友達で、物凄く信頼できる友達で、物凄く信頼できる仕事仲間です！」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司は、俺より年上だ。俺が、総司にとって、物凄く大切な友達で、物凄く信頼できる友達で、物凄く信頼できる仕事仲間だとしても、俺を弟に感じる状況は、不思議ではない。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一を動揺して見た。

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通に話し出す。

「総司お兄ちゃん。夜の国の出来事は、俺達の過ごす国に戻ると思い出せません。残念です。夜の国の間に、総司お兄ちゃんの手配で、心地好い部屋で、物凄く美味しい酒、物凄く美味しい肴、物凄く美味しい料理、たくさん味わいたいです。俺達の過ごす国に戻った時に、俺が、物凄く美味しい酒、物凄く美味しい肴、物凄く美味しい料理、たくさん味わいたい、と話した時に、了承の返事を即答して欲しいです。」

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に苦笑して話し出す。

「はい。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に苦笑して話し出す。

「私も、夜の国の出来事は、私達の過ごす国に戻ると思い出せません。斉藤さんと交わす約束は、私達の過ごす国も夜の国も、断る機会は無いに等しいです。安心してください。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一を苦笑して見た。


暫く後の事。


ここは、夜の国。


温泉地。


一軒の宿。


一室。


枝のみになっている山の木々が見える。

川が見える。

川の流れる音が絶え間なく聞こえる。


心地好い空気に包まれている。


沖田総司は微笑んで居る。

少女は微笑んで居る。


沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「露天の温泉から見る景色が綺麗だったんだ。露天の温泉は適度な温度で気持ち良く浸かれたんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「露天の温泉から見る景色が綺麗でした。露天の温泉は気持ち良かったです。私も総司さんと同じ気持ちです。」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんも同じ気持ちになったんだ。嬉しいな。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「私も嬉しいです。」

沖田総司は少女を微笑んで見た。

少女も沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「私は斉藤さんと一緒に温泉に浸かったんだ。鈴ちゃんより楽しい内容が一つ多いんだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「温泉に浸かる最中に、斉藤さんと話した内容があるんだ。斉藤さんに失礼な話の展開になってしまったんだ。慌ててしまったんだ。」

少女は沖田総司を不思議な様子で見た。

沖田総司は斉藤一に微笑んで話し出す。

「十二月の別名に、弟月、があるよね。十二月の別名の弟月を聞いた時に、斉藤さんを思い出したんだ。斉藤さんは、私にとって、物凄く大切な友達、物凄く信頼できる友達、物凄く信頼できる仕事仲間、なんだ。不思議だと思ったんだ。私は斉藤さんに以上の内容を話したんだ。」

少女は沖田総司に心配して話し出す。

「斉藤さんは怒りましたか？」

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「斉藤さんは優しいから怒らないよ。斉藤さんは気にしていないよ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は少女に微笑んで話し出す。

「意図的ではないけれど、斉藤さんに失礼な内容を話してしまった。斉藤さんへの詫びとして、美味しい酒、美味しい肴、美味しい料理、を奢ると話したんだ。斉藤さんは申し訳ないと話したんだ。私は斉藤さんへの詫びを形にしたいと話したんだ。斉藤さんは私の申し出を了承したんだ。」

少女は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司に少女を微笑んで話し出す。

「鈴ちゃんに話し忘れていた。弟月で斉藤さんを思い出したと話しただろ。斉藤さんは、私より年下だけど、冷静沈着だろ。私が斉藤さんの弟のように感じたんだ。斉藤さんは、私に、私は信頼できる仲間だ、弟だと思うな、と話したんだ。」

少女は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司さんも斉藤さんも、優しい様子の分かる話です。総司さんも斉藤さんも、素敵な様子の分かる話です。」

沖田総司は少女を恥ずかしく見た。

少女は沖田総司を微笑んで見た。


暫く後の事。


ここは、夜の国。


温泉地。


一軒の宿。


露天の温泉。


枝のみになっている山の木々が見える。

川が見える。

川の流れる音が絶え間なく聞こえる。


沖田総司は露天の温泉に気持ち良く浸かっている。

斉藤一は露天の温泉に普通の表情で浸かっている。


斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司を普通の表情で見た。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に苦笑して話し出す。

「斉藤さん。鈴ちゃんに、斉藤さんから指示された内容を話しました。鈴ちゃんは、斉藤さんを優しくて素敵だと褒めました。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に苦笑して話し出す。

「斉藤さん。温泉を楽しんだ後は、物凄く美味しい酒、物凄く美味しい肴、物凄く美味しい料理、が楽しめます。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一に苦笑して話し出す。

「私。斉藤さん。鈴ちゃん。一緒にたくさん楽しみましょう。」

斉藤一は露天の温泉に浸かり、沖田総司に普通の表情で頷いた。

沖田総司は露天の温泉に浸かり、斉藤一を微笑んで見た。


冬の夜の国。

沖田総司、斉藤一、少女にとって、賑やかに過ぎる時がある。

沖田総司、斉藤一、少女にとって、穏やかに過ぎる時がある。

沖田総司、斉藤一、少女の過ごす時間は、暫く続く雰囲気に包まれている。




＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊　　　　　　＊




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の改訂版です。

改訂前の物語の展開や雰囲気を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

この物語の補足です。

夜の国は、現在の暦が基になっています。

沖田総司さんと斉藤一さんの過ごす時代は、陰暦です。

陰暦の暦を現在の暦に合わせると、半月から一ヵ月半ほど開きがあります。

この物語は、夜の国が１２月の設定で書きました。

現在の暦の１２月は、日付によりますが、沖田総司さんと斉藤一さんの過ごす陰暦では、１２月以外の可能性が非常に高いです。

物語の設定時季は、現在の暦も陰暦も、冬の可能性が高いです。

この物語は冬の季節になります。

以上、ご了承ください。

「弟月」についてです。

「おとづき」、「おとうづき」、「おととづき」、などと読みます。

「陰暦十二月の異称」です。

「親子月（おやこづき）」についてです。

「陰暦十二月の異称」です。

「冬月（とうげつ）」についてです。

「冬の季節。冬の夜の月。」です。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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