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新撰組異聞外伝 〜 神無月 行き散る 想いを継いで 〜
〜 後書き 〜
ここらは後書きになります。
市村鉄之助さんが、函館の五稜郭に居た頃の物語や、函館の五稜郭から多摩へ向かう途中の物語を書きました。
書き上がった後に、函館の五稜郭の出来事より以前の物語か、更に後の物語が書きたいと思いました。
いろいろと考えて、後の物語を書きたいと思いました。
しかし、市村鉄之助さんは、明治になってから早いうちに亡くなっているという説が一般的となっています。
そのために、どういう形で市村鉄之助さんの物語を書こうかなと考えていました。
市村鉄之助さんの亡くなった理由についての説は、いくつか伝わっています。
その中の一つに、西郷隆盛さんの側に参加して、西南戦争に参加をして戦死したと言う説があります。
この説は意外と知られているようです。
西南戦争は、1877年(明治十年)の出来事です。
西南戦争で亡くなったとすると、一般的な説より後に亡くなった事になります。
西南戦争には、藤田五郎さんは政府軍の一員として参加しています。
そこで、今回の物語を考え付きました。
市村鉄之助さんについての話しです。
1854年(安政元年)に生まれているそうです。
函館に居る時には、十六歳前後だったそうです。
初期の隊士ではなく、かなり後半になってからの参加だったそうです。
土方歳三さんの付きの配属となりました。
市村鉄之助さんは、土方歳三さんのもとで任務に就きながら、身の回りの世話もしていたそうです。
市村鉄之助さんは、土方歳三さんから品物を預けられて、函館から多摩へと向かいます。
多摩に着いてからは、土方歳三さんの姉の旦那さんである佐藤彦五郎さんの家で、二年ほど過ごしていたそうです。
そして、1873年(明治六年)に、二十歳前後に病気で亡くなったようです。
土方歳三さんが函館に居る時に、市村鉄之助さんを呼んで、写真や遺髪や手紙(どうも和歌らしいです。手紙と和歌なのかは良くわかりません。)などを、多摩に居る佐藤彦五郎さんに届けて欲しいという話しをしたそうです。
その時に、嫌だと言う返事をした市村鉄之助さんに、土方歳三さんは、刀を振り回して声を荒げて怒鳴ったそうです。
市村鉄之助さんが館から出ると、土方歳三さんの部屋から人影らしきものが見えたそうです。
市村鉄之助さんは、人影らしきものは、土方歳三さんだと思うと話しをしていたそうです。
土方歳三さんは窓の外を見ていない可能性もあります。
私は、土方歳三さんが見ていたと信じたいです。
土方歳三さんが市村鉄之助さんを函館から逃がした本当の理由はわかりません。
私が聞いた説には、土方歳三さんが、沖田総司さんに様子が似ていた市村鉄之助さんを可愛がっていたので、生きていて欲しいから逃がしたという説を聞いた事があります。
私は、市村鉄之助さんが若いから生きていてと思った、自分の傍で世話をしてくれている様子を見て、自分の事を理解しているところがあると思った。
だから、生きていて欲しくて逃がしたという説の方が正しいかなと思いました。
私は、この説を信じたいと思います。
市村鉄之助さんは、数ヶ月程後に、多摩に着いて、手紙や写真などを家族の人に渡したそうです。
市村鉄之助さんは、新撰組の隊士のなかで、函館での出来事もあり、名前が知られている隊士の一人だと思います。
そして、市村鉄之助さんも島田魁さんや斉藤一さんなどと同じく、生き残った隊士の一人です。
僅かの間だけですが、新政府になってからの明治の時代を生きた隊士の一人です。
この物語の中で、市村鉄之助さんが、函館から多摩へ行く間に沖田総司さんと話しをしたという内容の話しをしています。
この話しについては、「新撰組異聞 夢現 行き散る者の想いを運んで」の中の出来事を言っています。
物語の中で、時尾さんのお腹が大きいという話しがでてきます。
時尾さんのお腹の中にいるのが、今回の物語に名前だけ登場している、藤田勉さんになります。
藤田勉さんは、明治九年の十二月十五日に、藤田五郎さんと時尾さんの長男として生まれます。
仮に、実際に市村鉄之助さんが西南戦争に参加していた場合、藤田五郎さんの家にいつ訪れるかという話しですが、もう少しだけ早い時期に訪れているように思います。
ただ、今回は、物語のイメージから秋の終わりにしました。
この時期の藤田五郎さんは、敬一君の存在を知りません。
「神無月」は、「かんなづき」と読みます。
「陰暦十月の異称」です。
物語の時間設定は、「神無月」になっている頃か、直前の頃になると思います。
そこから、今回の物語を「神無月」で始まるタイトルにしました。
楽しんで頂けると嬉しいです。
はじめに
本編
目次
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