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新撰組異聞外伝 〜 蘭月の頃 〜


〜 第三版 〜


始めに。

改訂により頁数が増えて、約三十五頁(後書きも含む)の物語になります。

通常は「新撰組異聞外伝 中編」の掲載になりますが、「新撰組異聞外伝 短編」で書いた物語のため、変更せずに掲載します。

ご了承ください。


物語の世界へどうぞ。




*      *      *      *      *      *




今は秋。


ここは、多摩。


夏のような暑さが続いている。


ここは、試衛館。


縁。


沖田総司は僅かに辛い様子でゆっくりと歩いている。


沖田総司はゆっくりと歩いて、不思議な様子で首を傾げた。


近藤勇の不思議な様子の声が、沖田総司の後ろから聞こえた。

「総司。何か遭ったのか?」


沖田総司は立ち止まると、後ろを僅かに辛い様子で見た。


近藤勇は沖田総司を不思議な様子で見ている。


沖田総司は近藤勇に僅かに辛い様子で話し出す。

「近藤さん。今日は朝から変な気分です。」

近藤勇は沖田総司の額に手を当てると、沖田総司に心配して話し出す。

「総司。顔が赤い。熱が有る。今は麻疹が流行っている。医師の診察を受けよう。」

沖田総司は近藤勇に微笑んで話し出す。

「遠慮します。」

近藤勇は沖田総司の額から手を放すと、沖田総司に心配して話し出す。

「総司が医師の診察を受けたくない気持ちは分かるが、総司の体が心配だ。総司が麻疹の場合は、他の人にうつる可能性がある。早く医師の診察を受けよう。」

沖田総司は辛い様子で倒れそうになった。

近藤勇は沖田総司を慌てて抱いた。

沖田総司は辛い様子で目を閉じた。


土方歳三が僅かに慌てて現れた。


土方歳三は近藤勇と沖田総司を驚いた表情で見た。

近藤勇は沖田総司を抱いて、土方歳三に僅かに慌てて話し出す。

「歳。総司が倒れた。医師を呼んでくれ。」

土方歳三は近藤勇に真剣な表情で頷いた。


土方歳三は急いで居なくなった。


少し後の事。


ここは、試衛館。


一室。


沖田総司は床の中で辛い様子で寝ている。

医者は沖田総司を真剣な表情で診ている。

近藤勇は沖田総司と医者を心配して見ている。


少し後の事。


ここは、試衛館。


近藤勇の部屋。


近藤勇は部屋の中に心配な様子で入った。

土方歳三も部屋の中に心配な様子で入った。


近藤勇は土方歳三に心配して話し出す。

「医師は総司を流行り病の麻疹と診立てた。総司は稽古などで体を鍛えているから体力はあるが、安心は出来ない状況だ。」

土方歳三は近藤勇に心配して話し出す。

「近藤さんが不安な姿で過ごしたら、塾生達が心配する。総司は必ず治ると信じよう。」

近藤勇は土方歳三に心配して頷いた。

土方歳三は近藤勇を心配して見た。


数日後の事。


ここは、江戸。


大きな屋敷。


一室。


山口一は普通に居る。


仕事仲間が山口一に普通に近付いた。


山口一は仕事仲間を普通の表情で見た。

仕事仲間は山口一に小さい声で話し出す。

「ご主人様が、多摩に居る或る人物から、全額を取り返せと騒いでいる。数人の人物が依頼を請けたが、全て失敗している。ご主人様の機嫌が悪くなっている。ご主人様は報酬をたくさん出すと話している。残念だが、俺では無理だ。山口ならば、全額を取り返せる可能性が非常に高い。ご主人様の機嫌を良くするために、ご主人様の依頼を受けて欲しい。」

山口一は仕事仲間を普通の表情で見ている。

仕事仲間は山口一に小さい声で話し出す。

「多摩に出発するまでに数日の余裕があるが、出来るだけ早く決断して欲しい。」

山口一は仕事仲間を普通の表情で見ている。

仕事仲間は山口一に心配な様子で小さい声で話し出す。

「気になる内容があるのか?」

山口一は仕事仲間を見ながら、普通の表情で小さく首を横に振った。

仕事仲間は山口一に微笑んで小さい声で話し出す。

「ご主人様の依頼を請けるんだ。ありがとう。」

山口一は仕事仲間に普通の表情で頷いた。


山口一は部屋を普通に出て行った。


数日後の事。


ここは、江戸。


陽が昇り始めた。


ここは、大きな屋敷。


主人の部屋の前に在る縁。


山口一は部屋から普通に出た。


山口一は普通に歩き出した。


暫く後の事。


ここは、多摩。


大きな家。


山口一は普通に来た。


山口一は敷地内に普通に入っていった。


直後の事。


ここは、一軒の大きな家。


敷地内。


山口一は普通に歩いてきた。


数人の刀を持つ強面の男性が現れた。


主人が刀を持つ強面の男性の後ろに居る。


山口一は強面の男性達を普通の表情で見た。

強面の男性達は山口一に凄んで話し出す。

「何者だ!」

「怪我をしたくなければ、早く去れ!」

「良く見ると若いな。無茶するな。」

山口一は強面の男性達を普通の表情で見ている。

強面の男性達は山口一に凄んで話し出す。

「早く名乗れ!」

山口一は主人と強面の男性達に普通に話し出す。

「お金を返せ。」

強面の男性達は藤田五郎に不機嫌に話し出す。

「今の話は答えになっていない!」

山口一は主人と強面の男性達に普通に話し出す。

「名乗る必要は無い。早くお金を返せ。」

一人の強面の男性が刀を抜いた。

山口一は一人の強面の男性を普通の表情で見た。

一人の強面の男性は刀を振り上げて、山口一に勢い良く向かってきた。

山口一は一人の強面の男性を素早い動きで避けると、一人の強面の男性の足の前に、山口一の足を僅かに出した。

一人の強面の男性は刀を放すと、勢い良く倒れた。

山口一は一人の強面の男性を普通の表情で見た。

一人の強面の男性は転がり痛がっている。

二人目の強面の男性が刀を振り上げて、山口一に勢い良く向かってきた。

山口一は二人目の強面の男性を素早い動きで避けると、二人目の強面の男性の背中を強い力で押した。

二人目の強面の男性は刀を放すと、勢い良く倒れた。

山口一は二人目の強面の男性を普通の表情で見た。

二人目の強面の男性は苦痛の表情で転がっている。

山口一は主人と強面の男性達を睨んだ。

残りの強面の男性達は、山口一を恐怖の表情で見た。

主人は残りの強面の男性達の後ろに隠れて、山口一を恐怖の表情で見た。

山口一は刀を抜くと、主人と残りの強面の男性達を睨んだ。


残りの強面の男性達は、山口一を恐怖の表情で見て離れた。

主人は残りの強面の男性達の後ろに隠れて、山口一を恐怖の表情で見て離れた。


山口一は主人に刃先を向けると、主人に睨んで話し出す。

「直ぐに全額を返す。直ぐに斬られる。一つを選べ。」


主人は残りの強面の男性の後ろに隠れて、山口一に恐怖の表情で話し出す。

「全額を返します。命は助けてください。」


山口一は主人に刃先を向けて、主人を睨んで見ている。


主人は残りの強面の男性の後ろに隠れて、山口一に恐怖の表情で話し出す。

「お金を用意します。少しだけ待ってください。」


主人は慌てて居なくなった。


山口一は残りの強面の男性達に刃先を向けると、残りの強面の男性を普通の表情で見た。


残りの強面の男性達は、山口一を恐怖の表情で見ている。


主人はお金を持ち、慌てて戻ってきた。


山口一は主人に刃先を向けると、主人を普通の表情で見た。


主人は山口一に恐る恐るお金を差し出した。

山口一は刀を普通の表情で仕舞うと、主人からお金を普通に受け取った。

主人は山口一を恐る恐る見た。

山口一は懐にお金を仕舞うと、主人に普通に話し出す。

「お金が足りない。」

主人は山口一を恐る恐る見ている。


山口一は家の中に普通に入って行った。


僅かに後の事。


ここは、大きな家。


一室。


山口一は部屋の中に普通に入った。


山口一はたんすの前に普通に来た。


山口一はたんすの引き出しを普通に開けた。


引き出しの中にお金が入っている。


山口一は全額を懐に普通に仕舞った。


主人が部屋の中に慌てて入った。


山口一は主人に普通に話し出す。

「引き出しの中の金は全てもらった。」

主人は山口一に悔しい表情で怒鳴った。

「鬼!」

山口一は主人を睨んだ。

主人は山口一を恐怖の表情で見た。

山口一は懐から紙を取り出すと、主人の前に紙を軽く投げた。


紙は主人の前にゆっくりと舞い落ちた。


山口一は部屋を普通に出て行った。


僅かに後の事。


ここは、大きな家の前。


山口一は外に普通に出てきた。


主人の怒鳴り声が聞こえる。

「鬼〜! 二度と来るな〜!」


山口一は普通に歩き出した。


少し後の事。


ここは、大きな家から少し離れた場所。


山口一は普通に歩いている。


一本の木が見える。


土方歳三が木に隠れるように、山口一を見ている。


山口一は一本の木の傍で普通に止まった。


山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「想像より早く気付いた。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「少し会わない間に雰囲気が変わったな。」

山口一は土方歳三を睨んだ。

土方歳三は山口一を僅かに驚いた表情で見た。

山口一は土方歳三を睨んでいる。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「言い方が悪かった。許してくれ。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「君の姿を偶然に見掛けた。君の姿が以前とかなり違うから、少し様子を見た。君の睨んだ時の迫力は凄いな。虚勢を張るために睨んでいないから、相手は相当に怖かったはずだ。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「普段も先程のような言葉を投げつけられるんだ。辛いだろ。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「今回も話さないな。女性にもてないぞ。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は山口一に普通に話し出す。

「突然だが、話の内容を変える。総司が麻疹にかかって寝込んでいる。」

山口一は土方歳三に普通に話し出す。

「容態は?」

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「峠は越した。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「総司は麻疹の療養のために、床の中で過ごす日が続く。総司は体調が良くないから、静かな雰囲気になっている。総司は君にずっと逢いたがっている。今の総司は君と近くで逢えないが、総司は君に逢えば直ぐに元気になると思う。だが、総司は療養中の姿を君に見られたくないと思っているかも知れない。総司が元気ならば、君に直ぐに逢わせたい。君を直ぐに試衛館に連れて行って良いのか悩む。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「近藤さんも君に逢いたいと思っている。試衛館に見学の名目でも良いから来ないか?」

山口一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「食客にならないか? 試衛館に入門する気持ちがあるならば、俺から近藤さんに話す。近藤さんも総司も喜ぶ。」

山口一は土方歳三に普通に話し出す。

「試衛館に入門する気持ちはありません。」

土方歳三は山口一に残念な様子で話し出す。

「物凄く残念だ。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一に微笑んで話し出す。

「君にも都合があるから、突然に言われても困るな。試衛館に入門する気持ちになったら、俺の名前を出して試衛館を訪ねてくれ。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は山口一の肩に手を置くと、山口一に微笑んで話し出す。

「君は若い。遠慮するな。欲を出せ。」

山口一は土方歳三に普通に話し出す。

「指南免許を直ぐに用意する条件ならば、考え直します。」

土方歳三は山口一の肩に手を置いて、山口一に微笑んで話し出す。

「さすがの切り替えしだな〜」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一の肩から手を離すと、山口一に微笑んで話し出す。

「君の話す条件で試衛館に入門する気持ちになった時は、試衛館を訪ねてくれ。俺から近藤さんに話す。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は山口一を微笑んで見た。


山口一は普通に歩き出した。


土方歳三は山口一を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、試衛館。


沖田総司が療養する部屋の前。


土方歳三は部屋を普通の表情で見ている。


土方歳三は普通に居なくなった。


暫く後の事。


ここは、試衛館。


敷地内。


山口一は西瓜を持ち、普通に現れた。


若い塾生が山口一の傍に不思議な様子で来た。


山口一は西瓜を持ち、若い塾生に普通に話し出す。

「土方さんに話しがあります。取り次いでください。」

若い塾生は山口一に普通に話し出す。

「客間にご案内します。」

山口一は西瓜を持ち、若い塾生に普通に話し出す。

「外で待ちます。」

若い塾生は山口一を不思議な様子で見た。


山口一は西瓜を持ち、普通に居なくなった。


僅かに後の事。


ここは、試衛館の外。


山口一は西瓜を持ち、普通に居る。


土方歳三は不思議な様子で現れた。


山口一は西瓜を持ち、土方歳三に普通の表情で軽く礼をした。

土方歳三は山口一に不思議な様子で話し出す。

「早速、試衛館に入門する気持ちになったのか?」

山口一は土方歳三に西瓜を差し出すと、土方歳三に普通に話し出す。

「見舞いの品です。」

土方歳三は山口一から西瓜を受け取ると、山口一に微笑んで話し出す。

「ありがとう。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見た。

土方歳三は西瓜を持ち、山口一に微笑んで話し出す。

「先程も話したが、都合が付いたら、試衛館を訪ねてくれ。総司も近藤さんも俺も、試衛館で待っている。」

山口一は土方歳三を普通の表情で見ている。

土方歳三は西瓜を持ち、山口一を微笑んで見た。


山口一は普通に歩き出した。


土方歳三は西瓜を持ち、山口一を微笑んで見た。


山口一の姿は見えなくなった。


土方歳三は西瓜を持ち、試衛館の中に微笑んで入っていった。


僅かに後の事。


ここは、試衛館。


敷地内。


土方歳三は西瓜を持ち、微笑んで歩いている。


近藤勇が微笑んで来た。


土方歳三は西瓜を持ち、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「総司が西瓜を食べたいと話すのを聞いて、西瓜を用意してくれたんだ。さすが歳。ありがとう。」

土方歳三は西瓜を持ち、近藤勇を不思議な様子で見た。

近藤勇は土方歳三を不思議な様子で見た。

土方歳三は西瓜を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「少し前に、山口一君に逢った。山口一君に総司が麻疹で療養中だと話した。僅か前に、山口一君が試衛館を訪ねてきた。山口一君は俺に見舞いの品と言って西瓜を預けた。」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「山口君が試衛館を訪ねてきたんだ。山口君は何処に居るんだ?」

土方歳三は西瓜を持ち、近藤勇に残念な様子で話し出す。

「山口一君は西瓜を俺に預けると、直ぐに居なくなった。山口一君の居場所は分からない。」

近藤勇は土方歳三を残念な様子で見た。

土方歳三は西瓜を持ち、近藤勇に微笑んで話し出す。

「西瓜は美味しく食べられる時期だが、見舞いの品に選ぶ機会は少ない。西瓜を見舞いの品に用意したのは偶然かな?」

近藤勇は土方歳三に微笑んで話し出す。

「偶然ならば、滅多にない偶然だ。歳の話を聞いて西瓜を用意したならば、優れた洞察力がある。総司を調べる間に見舞いの品を選んだのならば、高い調査能力がある。」

土方歳三は西瓜を持ち、近藤勇に微笑んで頷いた。

近藤勇は土方歳三を微笑んで見た。


少し後の事。


ここは、試衛館。


沖田総司が療養する部屋。


沖田総司は床の中で静かに寝ている。


近藤勇はたくさんの切り分けた西瓜を持ち、部屋の中に微笑んで入ってきた。


沖田総司は床の上に体を起こすと、近藤勇を微笑んで見た。

近藤勇はたくさんの切り分けた西瓜を傍に置くと、沖田総司に微笑んで話し出す。

「西瓜だ。たくさん食べて早く元気になれ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、近藤勇に微笑んで話し出す。

「ありがとうございます。いただきます。」

近藤勇は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は床の上に体を起こして、西瓜を美味しく食べた。

近藤勇は沖田総司を微笑んで見ている。

沖田総司は床の上に体を起こして、西瓜を美味しく食べて、近藤勇に微笑んで話し出す。

「とても美味しいです。」

近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司への見舞いの品だ。」

沖田総司は床の上に体を起こして、西瓜を美味しく食べて、近藤勇に微笑んで話し出す。

「西瓜のお礼を伝えたいです。」

近藤勇は沖田総司に微笑んで話し出す。

「今は、たくさん食べて早く回復するのを一番に考えろ。総司が元気になったら、続きを話す。」

沖田総司は床の上に体を起こして、西瓜を美味しく食べて、近藤勇に微笑んで話し出す。

「はい。」

近藤勇は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は床の上に体を起こして、西瓜を美味しく食べた。


数日後の事。


ここは、試衛館。


沖田総司が療養する部屋。


沖田総司は微笑んで体を動かしている。


土方歳三が部屋の中に微笑んで入ってきた。


沖田総司は土方歳三を微笑んで見た。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司は起きて軽く動ける程度に回復しているが、本調子ではないだろ。無理するな。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで頷いた。

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司。美味しい西瓜をたくさん食べられて良かったな。」

沖田総司は土方歳三に笑顔で話し出す。

「はい!」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「西瓜を用意した人物は誰だと思う?」

沖田総司は土方歳三に不思議な様子で話し出す。

「近藤さんは私が元気になったら続きを話すそうです。土方さんも西瓜を用意した人物を知っているのですか?」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に拗ねて話し出す。

「土方さんも西瓜を用意した人物を知っているのですね〜 なぜ私に隠すのですか〜?」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「総司が麻疹で療養中に、山口一という名前の男性に会った。」

沖田総司は土方歳三の胸を掴むと、土方歳三に真剣な表情で話し出す。

「本当ですか?!」

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は土方歳三の胸から手を離すと、寂しく溜息をついた。

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は土方歳三に寂しく話し出す。

「私と山口君は、何度も近くに居たのに、なぜ逢えないのですか? 私と山口君は、縁が無いのですか?」

土方歳三は沖田総司に微笑んで話し出す。

「西瓜を見舞いの品に用意したのは、彼だ。彼は多摩に仕事で来たらしい。彼は俺から総司の体調を聞いて、試衛館に見舞いの品を持って訪ねてきた。縁が無ければ、見舞いの品を渡すために訪ねない。総司と彼は、必ず会える。」

沖田総司は土方歳三に微笑んで話し出す。

「土方さんの話すとおりですよね。山口君に西瓜のお礼を言わなければなりません。山口君に必ず逢えると信じて良いですよね。」

土方歳三は沖田総司に微笑んで頷いた。

沖田総司は青空を見ると、笑顔で話し出す。

「山口君に逢ったら、西瓜のお礼を言って、手合わせをして、たくさん逢って、たくさん話すぞ〜! 山口君と早く逢えると信じるぞ〜!」

土方歳三は沖田総司を微笑んで見た。

沖田総司は青空を笑顔で見た。




*      *      *      *      *      *




ここからは後書きになります。

この物語は既に掲載している物語の再改訂版です。

改訂前の物語の雰囲気や展開を出来るだけ残して改訂しました。

改訂前の物語を掲載するのは止めました。

以上の点、ご了承願います。

ここからは改訂前の後書きを加筆訂正して書きます。

沖田総司さんは、文久二年(1862年)七月頃に流行していた「麻疹(はしか)」にかかったそうです。

この物語は、麻疹にかかった出来事だけを基にして書きました。

山口一さんが物語の時間設定当時に何をしていたか確認が取れていません。

山口一さんが借金の取立てをしていたと話す方がいます。

小説などにそのような雰囲気の場面がある話を聞きました。

物語の時間設定当時の山口一さんは、既に様々な経験をしている可能性があるため、沖田総司さんと山口一さんに違いが現れている設定です。

沖田総司さんは麻疹を完治してから一年も経たない内に、京の都に向かう事になります。

文久三年(1863年)に、沖田総司さんと斉藤一と名前を変えた山口一さんは、京の都で逢います。

「蘭月(らんげつ)」は「陰暦七月の別名」です。

「西瓜(すいか)」は、新撰組の人達の時代には既にありました。

当時の西瓜の色は、縞模様ではなく、一色だったそうです。

楽しんで頂けると嬉しいです。





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